飲食店に届いた応募を返すまでの時間は、店の側が思っているより長くなりがちです。応募の通知は届いているのに、ランチの片付けが終わって、仕込みを確認して、ディナーの準備に入ってと過ごすうちに、気づけば閉店後になっている。閉店後に電話をかけるのは気が引けるので翌日に回し、翌日は店長の休みで、結局3日目に連絡したら「別のお店に決まりました」と返ってくる。飲食店の採用でよく聞くのは、この流れです。この記事では、応募が届いてから最初の返信を送るまでを分解し、営業しながらでも当日中に返せる形に組み直す手順をまとめます。
飲食店の応募は、返事が遅いほど目減りする
飲食店のアルバイトに応募する人は、1軒だけに応募して返事を待つとは限りません。家や学校から通える範囲に飲食店はいくつもあり、同じ時期に2軒、3軒と並べて応募するのは珍しいことではありません。そうなると、先に連絡をくれて、先に面接の日時が決まった店に気持ちが傾きます。条件が同じくらいなら、最初に具体的な話をしてくれた店に決めるのは自然な選び方です。
もう1つ、飲食店の応募には「思い立ったときの熱」があります。店の前を通って貼り紙を見た、友人が働いていて誘われた、バイト代が足りなくなって今月中に始めたい。そういう動機で応募した人は、1日、2日と返事がないうちに熱が冷めていきます。事務職の中途採用のように、応募する側が1週間程度の選考期間を前提にしている世界とは、時間の感覚が違います。
一方で、応募を受ける店長は、応募が届いた瞬間にすぐ返せる状況にありません。ランチのピークに調理場に入っている、ディナーの予約の電話を受けている、アルバイトの急な欠勤の穴を埋めている。応募の返信は、どうしても「手が空いたら」の仕事になります。そして飲食店では、手が空く時間はなかなか来ません。
この食い違いを、店長の頑張りで埋めようとしても長続きしません。必要なのは、返すタイミングを営業の流れの中に組み込み、返す文面を毎回考えなくてよい形にしておくことです。以下では、応募が届いてから返すまでを、通知、時刻、文面、手段、追いかけ、募集終了の順に見ていきます。
応募が届いてから返すまでに、どこで止まっているか
最初にやるべきことは、いまの店で応募がどこに届き、誰が見て、どこで止まっているかを書き出すことです。飲食店の応募の通り道は、思っている以上に分かれています。
・求人媒体の応募通知メールが、本部のアドレスに届いてから店舗に転送される ・媒体の管理画面のメッセージ欄に届き、ログインしないと見られない ・店のホームページのフォームから、店の代表アドレスに通知メールが届く ・店頭の貼り紙を見た人が、店の固定電話に営業中にかけてくる ・スタッフの紹介で、店長の携帯にLINEやショートメッセージで連絡が来る
止まりやすいのは、転送とログインの段階です。本部で受けた応募を店舗に転送する形では、本部の担当者が休みの日や、転送の作業を夕方にまとめてしている場合、その分だけ店舗に届くのが遅れます。媒体の管理画面は、店長がパソコンを開かない限り見られず、スマートフォンのアプリを入れていないと営業中には気づけません。店の代表アドレスは、バックヤードのパソコンでしか開けないことが多く、そのパソコンを開くのは発注や売上の締めのときだけ、という店もあります。
書き出してみると、応募そのものが届くのは早くても、店長の目に入るまでに半日以上かかっている経路が見つかるはずです。まずはこの経路を減らします。理想は、どの入口から来た応募も、同じ1か所に集まり、そこから店長と副店長のスマートフォンに通知が行く形です。求人媒体の通知メールの送り先を本部から店舗の共有アドレスに変える、店のフォームの通知先を店長個人ではなく店舗の担当者全員にする、といった設定の変更だけでも、届くまでの時間は大きく縮みます。
もう1つの止まりどころは、店長の休みの日と店の定休日です。応募は曜日を選ばず届きますが、店長が休みの日に届いた応募を誰が見るのかを決めている店は多くありません。店長しか返信してはいけない暗黙の決まりがあると、休みの翌日にまとめて返すことになります。副店長や時間帯責任者が、面接の日程を案内するところまでは代わりに返してよい、と決めておくだけで、1日分の遅れがなくなります。
当日中に返すための、返す時刻の決め方
「届いたらすぐ返す」は、飲食店では守れない約束です。代わりに、1日のうちで応募を返す時刻を決めておきます。営業の区切りに合わせて、1日に2回と決めるのが現実的です。
1回目は、ランチの片付けが終わったアイドルタイムの始まりです。ランチ営業のある店なら15時前後に、午前中から昼までに届いた応募をまとめて返します。2回目は、ディナーの営業に入る前の短い時間か、ディナーのピークが落ち着いた時間です。夕方までに届いた応募をここで返します。
夜遅くに届いた応募は、翌日の1回目に返せば十分です。応募した人も、夜中の返事を期待しているわけではありません。むしろ、閉店後の深夜に電話をかけたり、メッセージを送ったりするのは避けたほうが無難です。学生や子育て中の人の生活時間を考えると、連絡は日中から夜の早い時間までに収めるのが、相手にとっても受け取りやすい時間帯です。
時刻を決めたら、それを1人の仕事ではなく、その時間に店にいる責任者の仕事にします。15時の返信は、その日のランチの時間帯責任者が行う、というように、人ではなく時間帯に紐づけておくと、誰かが休んでも回ります。返す作業そのものは、次の節で説明する文面の型を使えば、1件あたり数分で終わります。
ランチ営業をしていない居酒屋やバーでは、開店準備を始める前の時間に1回目を置くとよいでしょう。仕込みに入る前の10分を、応募の確認と返信の時間として確保します。この10分を毎日必ず取ると決めておくほうが、手が空いたときに返すより、結果として早く返せます。
返すまでの数時間は、受付の自動返信で埋める
返す時刻を1日2回に決めると、応募が届いてから人の手で返すまでに、長いときは半日ほど空きます。この空白を埋めるのが、応募の送信直後に届く受付の自動返信です。
自動返信に書くのは、応募を受け付けたこと、店から連絡する目安の時刻、その連絡がどの手段で届くか、の3つです。「本日15時以降、または明日の15時以降に、店長の□□からメールでご連絡します」「店の番号(〇〇〇)からお電話することがあります」と書いておけば、応募した人は、いつまで待てばよいか、どの番号からの着信に出ればよいかが分かります。知らない番号の着信に出てもらえない問題も、ここで先に手を打てます。
自動返信に書かないほうがよいのは、面接の日時や採用の見込みです。自動返信は応募の中身を読まずに送られるので、条件に合わない人にも同じ文面が届きます。「面接にお越しください」と書いてしまうと、あとで断る連絡がしにくくなります。受け付けたことと、次の連絡の目安だけにとどめておくのが安全です。
店の定休日や、年末年始のように返信が数日空く時期には、自動返信の文面を切り替えます。「〇月〇日まで休業のため、ご連絡は〇月〇日以降になります」と一文足すだけで、返事が来ないまま他の店に決められることを防げます。
最初の返信で伝えること
最初の返信は、「ご応募ありがとうございます、改めてご連絡します」だけでは足りません。この文面だと、応募した人はもう一度連絡を待つことになり、店長はもう一度連絡する手間を抱えます。最初の1通で、次に何をすればよいかまで決まる内容にしておきます。
飲食店のアルバイトの最初の返信に入れたいのは、次の項目です。
・応募を受け取ったことと、お礼 ・仕事の内容と、時給、勤務する時間帯などの条件の要点 ・面接の候補日時を2つか3つ(応募フォームで候補を聞いていれば、その中から確定した日時) ・面接の場所(店の住所と、どこから入ればよいか) ・持ち物と服装 ・日時が合わない場合の連絡方法 ・返事をもらいたい期限
条件の要点を最初の返信に入れておくのには理由があります。職業安定法に基づく指針では、労働者の募集を行う者は、業務の内容や賃金、労働時間などの労働条件を明示するにあたって、次のようによるべきとされています。
原則として、求職者等と最初に接触する時点までに従事すべき業務の内容等を明示すること。 出典: mhlw.go.jp
求人媒体の原稿に条件を書いていても、店頭の貼り紙やスタッフの紹介から応募してきた人は、その原稿を読んでいないことがあります。最初の返信で条件の要点を改めて伝えておけば、面接の場で「思っていた時給と違う」「その時間帯は入れない」と分かって辞退される事態も減らせます。どこまでを明示すべきかの詳しい判断は、ハローワークや労働局など所管の窓口に確かめてください。
面接の場所の案内は、飲食店ならではの注意が要ります。営業中の店の正面入口から面接に来てもらうと、ランチの行列に並んでしまったり、お客さんとして案内されてしまったりします。アイドルタイムに店を閉めている店では、入口に鍵がかかっていて入れないこともあります。「正面入口ではなく、建物の右側の通用口からお入りください」「到着したらこの番号にお電話ください」のように、着いてからどう動けばよいかまで書いておきます。
最初の返信の文面の型
型を1つ作っておくと、返す人が変わっても内容がそろいます。次は、面接の日時を確定させる場合の例です。
〇〇様
このたびは△△店のアルバイトにご応募いただき、ありがとうございます。店長の□□です。
ご希望のホールスタッフは、時給〇〇円、ディナーの時間帯(17時から22時)の勤務が中心です。
面接は、ご回答いただいた候補のうち、〇月〇日(〇)15時からでお願いできますでしょうか。
場所は△△店です。15時から17時は店を閉めていますので、正面入口ではなく、建物右側の通用口からお入りください。
持ち物は筆記用具のみで、服装は普段着でかまいません。
この日時で難しい場合は、このメールへの返信で、ご都合のよい日時を2つほどお知らせください。
〇月〇日までにお返事をいただけますと助かります。
この型のうち、名前、職種、時給、日時だけを差し替えれば送れる状態にしておきます。返信のたびに文章を考えていると、1件に15分かかり、15時の返信の時間に3件しか返せません。
応募の入口によって、最初の返信の中身を変える
最初の返信の型は1つ作れば足りますが、応募の入口によって足したり削ったりしたほうがよい部分があります。飲食店の応募は、入口ごとに応募した人が持っている情報の量が違うからです。
求人媒体から応募した人は、原稿に書かれた時給や時間帯を読んだうえで応募しています。この場合、最初の返信の条件の部分は要点だけにとどめ、面接の日時と場所の案内を中心にします。原稿と違う条件を返信で伝えることになる場合は、どこが違うのかをはっきり書きます。原稿では「週2日から」と書いていたのに、実際には土日のどちらかに必ず入ってほしい、といった食い違いは、面接の前に伝えておかないと当日の辞退につながります。
店のホームページや店のSNSから応募した人は、店の雰囲気やメニューはよく知っていても、条件を詳しく読んでいないことがあります。こちらには、仕事の内容と時給、時間帯を少し丁寧に書き、面接の場で確かめたいことがあれば聞いてほしいと添えます。
店頭の貼り紙を見て電話をかけてきた人には、電話でその場で面接の日時まで決めてしまうのが一番早い方法です。ただし、営業中の電話では聞き漏らしが起きやすく、決めた日時を相手が控え忘れることもあります。電話を切ったあとに、決めた日時と場所と持ち物をショートメッセージで送り直しておくと、当日の行き違いを防げます。
働いているスタッフの紹介で来た人には、紹介してくれたスタッフを経由せず、店から直接連絡します。スタッフ経由で日時を伝えると、伝言の途中で時刻がずれたり、条件の説明が抜けたりします。紹介してくれたスタッフには、店から直接連絡したことだけを伝えておきます。
常連のお客さんが応募してきた場合は、他の応募者と同じ手順で返すことを意識してください。顔見知りだからとレジで立ち話のまま面接の約束をすると、記録が残らず、面接の日を忘れることがあります。また、採用を見送る場合に気まずさから連絡が遅れがちです。お客さんとの関係を大事にするためにも、返信の流れは他の応募者とそろえておくほうが、あとで困りません。
電話か、ショートメッセージか、メールか
飲食店の応募の返信手段は、応募者の層によって届きやすさが変わります。電話が一番早いと考える店長は多いのですが、応募した人の側から見ると、知らない番号からの着信には出ないという人が少なくありません。とくに学生は、登録していない番号の電話に出る習慣がないことがあります。
そこで、最初の連絡は文字で送り、必要に応じて電話を足す順番にしておくと、行き違いが減ります。応募フォームで「電話とメールのどちらで連絡してほしいか」を聞いておけば、その希望に合わせるのが基本です。希望が分からない場合は、メールかショートメッセージで最初の返信を送り、同じ内容を電話でも伝えたいときは「このあと店の番号からお電話します」と先に書いておきます。そうすれば、知らない番号からの着信に出てもらえる確率が上がります。
電話をかけて出なかった場合、留守番電話には店名と用件と折り返しの時間帯を短く残します。「△△店の□□です。アルバイトのご応募の件でご連絡しました。15時から17時の間であれば、店の番号にお電話いただければつながります」のように、いつかければつながるかを伝えるのが大事です。営業中に折り返しの電話が来ても、店長が出られなければ、同じことの繰り返しになります。
求人媒体の管理画面から返信する場合は、媒体のメッセージ機能を使うのが基本です。媒体によっては、応募者の連絡先を媒体の外で使うことに決まりがある場合もあるので、利用している媒体の規約を確かめておいてください。
高校生の応募では、保護者の同意の確認が必要になる場面があります。最初の返信は本人宛てにし、同意の確かめ方は面接の案内の中で伝えるなど、店として手順を決めておくと、店長によって対応が変わることを防げます。
返事が来ない応募者を、どこまで追いかけるか
最初の返信を送っても、返事が来ない応募者は必ず出ます。迷惑メールのフォルダに入っている、メッセージを見落としている、すでに他の店に決めている。どの理由かは、店の側からは分かりません。
追いかけ方は、回数と間隔を決めておくと迷いません。たとえば、最初の返信から2日たっても返事がなければ、手段を変えてもう1回連絡します。メールで送っていたならショートメッセージか電話に、ショートメッセージで送っていたならメールか電話に変えます。それでも返事がなければ、さらに2日後に「ご都合が合わないようでしたら、このまま終了とさせていただきます」と一言添えて最後の連絡をし、そこで区切ります。
区切りを決めずに「そのうち返事が来るかも」と置いておくと、応募者の一覧に、止まったままの応募が積もっていきます。店長の頭の中では「まだ返事待ち」でも、副店長から見るとその応募は放置されているように見え、別の人が同じ応募者に連絡してしまうこともあります。最後の連絡を送ったら状況を「連絡つかず」にして閉じる、と決めておけば、一覧は常に動いている応募だけになります。
募集が埋まったあとに届く応募への返し方
飲食店では、募集が埋まったあとも応募が届き続けることがよくあります。求人媒体の掲載期間が残っている、店頭の貼り紙をはがし忘れている、店のホームページの採用ページが古いまま残っている。こうした入口から来た応募は、返しにくいので後回しにされがちです。
しかし、募集が終わった応募こそ、早く返したほうがよい応募です。応募した人は、返事がないまま他の店への応募を控えているかもしれません。職業安定法に基づく指針でも、労働者の募集を行う者は、募集を終了した場合や内容を変更した場合には、その募集に関する情報の提供を速やかに終了し、または変更することとされています。まず入口を閉じることが先で、それでも届いた応募には、埋まったことを正直に伝えます。
募集が埋まったあとの返信では、次の募集のときに連絡してよいかを聞いておくと、次に人が必要になったときの候補になります。了承を得た人については、応募のときの情報をどう使うかを伝えたうえで残しておくのが筋です。
入口を閉じる作業は、担当を決めて一覧にしておくと抜けません。求人媒体の掲載停止、店頭とレジ横の貼り紙の撤去、店のホームページの採用ページの更新、店のSNSの固定投稿の削除、スタッフへの「紹介の受付は終わった」という共有。この5つを、募集が埋まった日に1人がまとめて行います。
店長と副店長の2人で返すときの行き違いを防ぐ
返す時刻を時間帯責任者の仕事にすると、今度は複数の人が同じ応募に触ることになります。ここで起きるのが、二重返信と返し忘れです。店長が15時に返したと思っていた応募に、副店長も夕方に返してしまい、応募者に違う面接日時が2通届く。逆に、店長は副店長が返したと思い、副店長は店長が返したと思って、誰も返さない。
これを防ぐには、応募ごとに次の2つを残します。
・担当:誰がこの応募を受け持っているか ・状況:未返信、面接の案内済み、日程確定、面接済み、連絡つかず、終了のどれか
そして、返信を送った人は、送ったその場で状況を書き換えます。後でまとめて書き換えようとすると、忘れます。返信したかどうかが表に残らないと、二重返信と返し忘れは必ず起きます。
共有のメールアドレスで返している店では、送信済みフォルダを見れば誰が返したかは分かりますが、応募者ごとに遡るのは手間がかかります。スプレッドシートに状況の列を足している店では、書き換えを忘れた1件がそのまま放置されます。見る人が2人を超え、応募の数が週に何件も届くようになったら、応募者ごとの画面に担当と状況と送った返信がまとまって見える形にしておくと、行き違いが目に見えて減ります。
応募者から質問が届いたときの返し方
最初の返信を送ると、面接の日時の返事と一緒に、応募者から質問が届くことがあります。飲食店のアルバイトで届きやすい質問は、だいたい決まっています。
・まかないはありますか、料金はかかりますか ・髪を染めていても働けますか、ネイルやピアスはどうですか ・テスト期間や帰省の時期に、シフトを減らせますか ・研修の期間はどのくらいで、そのあいだの時給はいくらですか ・制服は貸してもらえますか、靴は自分で用意しますか ・友人と一緒に働けますか
これらの質問に、店長がその都度考えて返していると、1件の返信に時間がかかり、返す人によって答えが変わります。副店長は「髪色は自由」と答え、店長は「明るすぎる色は控えて」と答える、といった食い違いが起きると、面接の場や働き始めてから行き違いになります。
届きやすい質問は、答えを先に文章にして、返信の型と一緒に置いておきます。答えを用意するときに気をつけたいのは、面接の場で確かめる余地を残す書き方にすることです。「シフトは相談に応じます」とだけ書くと、応募者は何でも融通がきくと受け取ります。「テスト期間は、2週間前までに申し出てもらえればシフトを減らせます。ただし土日のディナーは、月に2回以上入れる方を優先しています」のように、店の事情を具体的に書いておくと、面接で話がこじれません。
質問への答えが、求人の原稿や最初の返信で伝えた条件と食い違わないかも確かめておきます。原稿では「研修期間中も同じ時給」と書いていたのに、質問への答えで研修中の時給が別にあると伝えれば、応募者は店の説明を信用できなくなります。条件を変えた場合は、原稿、返信の型、質問への答えの3つを同じ日に直します。
答えにくい質問が届くこともあります。「すぐに辞めても大丈夫ですか」「掛け持ちしていることを本業に知られませんか」といった質問です。こうした質問は文字で長く返さず、「面接の際に詳しくお話しさせてください」と返して、面接の場で話すほうが誤解が少なくなります。
質問が届いたこと自体も、応募の記録に残しておきます。応募者が何を気にしているかが分かっていれば、面接の場でその話から始められ、応募者も安心して話せます。
いまの道具で当日中に返せるかを見極める
最後に、いま使っている道具で、ここまでの形が回せるかを確かめます。
店のホームページにWordPressで作ったフォームを置いていて、通知のメールにメールソフトからそのまま返している形なら、応募が月に数件で、返すのが店長ひとりである限り、それで十分です。Contact Form 7との比較では、WordPressのサイトに窓口を置いて届いたメールに返すだけならそのままでよい使い方と、誰が返信したか分からなくなってきたときに道具を見直す合図を並べています。
道具を見直す合図は、返す人が複数になったとき、応募の通知メールを見落としたことがあるとき、同じ応募者に2人が返信してしまったときです。このとき確かめたいのは、次の点です。
・応募の送信直後に、受け付けたことを知らせる自動返信が送れるか ・よく使う文面を保存しておき、名前や日時を差し込んで送れるか ・送った返信が応募者ごとに記録され、別の人が見ても分かるか ・応募ごとに担当と状況を付けて、未返信のものだけを絞り込めるか
自動返信があれば、店長が15時に返すまでのあいだも、応募した人は「受け付けてもらえた」と分かります。フォームの送信時に自動で送られる受付の返信、保存しておける返信の文面、応募者ごとに残る送信の記録がどのように動くかは、できることで確かめられます。応募が届いてから担当を決めて返信するまでの流れを、採用の場面に当てはめた例は採用の応募受付にあります。
道具を変えても、返す時刻と文面の型を決めていなければ、応募の返事は早くなりません。反対に、時刻と型が決まっていれば、道具が何であっても返事は早くなります。送信されたあとの道具がそろっていることは、その決めごとを人が入れ替わっても続けるための支えだと考えてください。まずは今日の15時に、届いている応募を型に沿って返すところから始めてみてください。
Q1. 飲食店のアルバイトの応募には、何時間以内に返すのが目安ですか?
法律で決まった期限はありませんが、応募した人は複数の店に並行して応募していることが多く、早い店に気持ちが傾きます。届いた当日中、遅くとも翌日の昼までに最初の返信を送る形を目指すと、取りこぼしを減らせます。そのためには、アイドルタイムなど1日に返す時刻を決めておくのが現実的です。
Q2. 応募者に電話をかけても出てもらえません。どうすればよいですか?
知らない番号からの着信に出ない人は少なくありません。最初の連絡はメールかショートメッセージで送り、電話もかけたいときは「このあと店の番号からお電話します」と先に書いておくと出てもらいやすくなります。留守番電話には店名と用件と、つながる時間帯を短く残してください。
Q3. 最初の返信に、時給などの条件を書く必要はありますか?
職業安定法に基づく指針では、労働条件は原則として求職者と最初に接触する時点までに明示することとされています。求人媒体の原稿を読まずに貼り紙や紹介から応募する人もいるため、最初の返信で仕事の内容と時給、時間帯の要点を伝えておくと安心です。詳しい判断は労働局など所管の窓口に確かめてください。
Q4. 募集が埋まったあとに届いた応募には、返信しなくてもよいですか?
返信したほうがよい応募です。返事がないまま他の店への応募を控えている人もいるためです。まず求人媒体や貼り紙など入口を閉じ、それでも届いた応募には、募集が埋まったことを正直に伝えます。次の募集で連絡してよいかを聞いておけば、人が必要になったときの候補にもなります。
