飲食店の応募フォームで聞くことを決めるとき、多くの店は求人媒体の入力欄をそのまま真似するか、紙の履歴書に載っている項目を全部並べるかのどちらかになります。どちらでも応募は届きますが、届いたあとに店長が電話をかけ直して「何曜日の何時から入れますか」「高校生ですか」と聞き直す手間は減りません。この記事では、飲食店のアルバイトとパートの応募に絞って、フォームで最初に聞くべき項目、面接で聞けば足りる項目、そして店の都合があっても聞いてはいけない項目を分けます。読み終えたときに、いまのフォームから何を足して何を削るかを決められる状態を目指します。
飲食店の応募は、店長が電話に出られない時間に届く
飲食店の採用が他の業種と違うのは、応募を受ける人がそのまま営業の中心にいることです。事務所に採用担当が座っている会社と違って、個人店でもチェーンの一店舗でも、応募の連絡を受けるのはたいてい店長か社員です。その人は、応募が集中する時間帯に客席とキッチンの間を往復しています。
応募する側の動きを考えると、この食い違いはもっとはっきりします。学生は授業のあとの夕方から夜、主婦や主夫は家事が一段落した昼過ぎや子どもが寝たあと、ダブルワークの人は本業が終わった夜遅くにスマートフォンから応募します。つまり応募が届く時間は、ランチのピークや、ディナーのピークと重なりやすいのです。届いた瞬間に中身を読んで判断できる店長はほとんどいません。
もう1つの特徴は、応募者の層が広いことです。1つの店に、高校生、大学生、専門学校生、留学生、フリーター、子育て中の人、定年後のシニア、調理の経験を積みたい社員候補が同時に応募してきます。層によって入れる曜日も時間帯も、確かめなければならない決まりも違います。高校生なら夜遅くのシフトに入れられるかどうか、留学生なら週に働ける時間の上限、子育て中の人なら学校行事や送迎の時間です。
この2つの特徴を合わせると、飲食店の応募フォームに求められる役割が見えてきます。店長がアイドルタイムにまとめて目を通したとき、電話をかけ直さなくても「この人はどのシフトに入れそうか」「面接に呼ぶなら何日の何時か」まで判断できることです。聞く項目を決めるときは、応募する人が答えやすいかどうかと同じくらい、店長が一覧で読んで判断できるかどうかを基準にしてください。
逆に、フォームで何でも聞こうとすると、応募する側はスマートフォンの小さな画面で長い入力を強いられます。飲食店のアルバイトは、応募者が同じ時期に近くの店を2軒か3軒並べて応募することが珍しくありません。入力が面倒な店は、そこで後回しにされます。聞く項目を増やすほど判断は楽になり、増やしすぎると応募そのものが減る。この綱引きの中で線を引くのが、フォームの設計です。
最初のフォームに載せる項目
飲食店のアルバイトとパートの応募で、最初のフォームに載せる価値があるのは次の範囲です。どれも、届いた時点で分かっていれば店長の次の一手が1回で済む項目です。
・氏名とふりがな ・電話番号とメールアドレス(どちらに連絡してほしいかも選んでもらう) ・希望する仕事(ホール、キッチン、洗い場、デリバリーなど、店にある持ち場だけを選択式で) ・入れる曜日と時間帯(表形式で選ぶ) ・週に何日、何時間くらい入りたいか ・働き始められる日 ・学生かどうかと、学生なら高校生かどうか ・面接に来られる日時の候補を2つか3つ ・聞いておきたいことがあれば自由に書く欄を1つ
この9つで、店長は電話をかけずに一次の判断ができます。項目ごとに、飲食店ならではの作り方があるので順に見ていきます。
時間帯は、店の営業の区切りで選ばせる
「希望の勤務時間」を自由記述にすると、「平日夕方」「17時から」「週3くらい」のような答えが並び、シフト表と照らし合わせるたびに読み替えが必要になります。飲食店なら、営業の区切りそのものを選択肢にしてしまうのが早道です。
たとえば、仕込みの時間帯、ランチ、アイドルタイム、ディナー、閉店作業の5つに分け、曜日ごとにチェックを入れてもらいます。店の営業時間に合わせて区切りの名前と時刻を書いておけば、応募する側も「ランチ(11時から15時)」のように具体的に想像できます。居酒屋やバーのように遅くまで営業する店なら、閉店作業の枠に終わる時刻を書いておくことが特に大事です。
曜日と時間帯を表で集めておくと、届いた回答を「土日のディナーに入れる人」「平日ランチに入れる人」で絞り込めます。店長が困っているのは応募の数ではなく、足りない枠に入れる人が誰なのか分からないことです。フォームの段階でシフトの言葉に揃えておくと、この絞り込みがそのままできます。
18歳未満かどうかは、最初の段階で分かる形にする
飲食店、とくに夜遅くまで営業する店では、応募者が18歳未満かどうかで入れられるシフトが変わります。労働基準法では、満18歳未満の人を深夜に働かせることが原則として禁止されています。都道府県の労働局が公開している解説では、次のように書かれています。
深夜業とは、午後10時から午前5時までの間の勤務をいう。 満18歳未満の年少者は、非常災害の場合を除き、原則として深夜業をさせてはならない。 出典: jsite.mhlw.go.jp
例外にあたる事業や細かな扱いは、所轄の労働基準監督署など所管の窓口で確かめてください。居酒屋やバーでは、22時を過ぎてから閉店作業に入る店が多く、18歳未満の人に任せられるのは閉店前の時間帯までになります。
フォームで大事なのは、閉店作業まで入れる人を探しているのに、面接の場で初めて高校生だと分かる事態を避けることです。生年月日をそのまま聞くか、「高校生ですか」「応募時点で18歳未満ですか」と選択式で聞くかは店の判断ですが、どちらにしても一覧で見分けられる形にしておきます。18歳未満の応募者には、フォームの送信後に届く自動返信で「22時以降のシフトには入れません」とあらかじめ伝えておくと、面接の場での行き違いも防げます。
留学生の応募は、働ける時間の上限を前提に受ける
都市部の飲食店では、留学生からの応募が大きな割合を占める店もあります。在留資格が「留学」の人がアルバイトをするには資格外活動の許可が要り、働ける時間にも上限があります。出入国在留管理庁の案内では、包括許可で働ける範囲を1週について28時間以内、教育機関の長期休業期間にあっては1日について8時間以内としています。詳しくは出入国在留管理庁の案内で確かめてください。
フォームで気をつけたいのは、国籍を聞く欄を作ることではありません。店が知る必要があるのは、その人が日本で働ける状態にあるかどうかと、働ける時間に上限があるかどうかです。実際の確認は面接の場で在留カードを見て行うことになるので、フォームの段階では「週に入りたい時間数」を聞き、上限を超える希望が並んでいないかを見ておく程度で足ります。週に5日、1日6時間を希望している留学生の応募を、そのまま面接に進めてしまうと、採用が決まったあとでシフトを組み直すことになります。
面接の候補日は、アイドルタイムの枠から選ばせる
応募フォームの最後に面接の候補日を聞いておくと、最初の返信が「この日時でお待ちしています」の1通で済むことが増えます。自由記述で「いつでも大丈夫です」と書かれると結局電話で調整することになるので、店が面接できる枠を選択肢として並べます。
飲食店の面接は、ランチとディナーの間のアイドルタイムに入れるのが一般的です。その時間帯に店長が店にいる曜日だけを並べ、1枠30分程度で区切っておきます。候補を2つか3つ選んでもらえば、店長の予定が急に変わっても、どちらかで決まります。
業態によって足す項目は変わる
ここまでの9項目は、どの飲食店でも共通して載せておきたい土台です。そのうえで、業態によって足したほうがよい項目があります。同じ飲食店でも、朝から開くカフェと深夜まで開く居酒屋では、シフトの穴の開き方がまったく違うからです。
カフェやベーカリーのように朝早く開ける店では、開店準備の時間帯に入れる人が慢性的に足りなくなりがちです。時間帯の選択肢に「開店前(6時から)」のような早朝の枠を独立して作り、始発の電車で間に合うかどうかを本人が判断できるように時刻を書いておきます。早朝の枠に丸を付けた人を一覧で拾えるだけで、面接に呼ぶ順番が決まります。
居酒屋、焼肉店、ラーメン店のように夜遅くまで営業する店では、閉店作業まで入れるかどうかが採用の分かれ目になります。前に書いた18歳未満かどうかの確認に加えて、終電の時刻を気にする人のために「何時までなら入れるか」を選択式で聞いておくと、面接の場での行き違いが減ります。
宅配やデリバリーのある店では、配達に使う乗り物の免許を持っているかどうかを聞く必要があります。原付を運転できるか、普通自動車の免許があるかを選択式にしておき、免許証の確認そのものは面接で行います。配達の担当と店内の担当を同じフォームで募集する場合は、希望する仕事の選択によって免許の質問が出るように分岐させると、店内だけを希望する人に余計な質問を見せずに済みます。
ホテルの宴会場や結婚式場の配膳、イベントの出店のように単発の仕事が中心の募集では、曜日と時間帯の表よりも「月に何回くらい入れるか」「急な依頼に対応できるか」を聞いたほうが実態に合います。単発の募集で固定シフトを前提にした表を見せると、応募する側は自分が対象なのか判断できません。
社員候補や調理経験者の募集では、アルバイトと同じフォームを使い回さないほうがよい場面が多くあります。調理師免許の有無、得意な調理の分野、店長経験の有無など、面接に呼ぶかどうかを分ける項目が違うためです。1つのフォームで両方を受けると、アルバイトの応募者には関係のない質問が並び、社員候補の応募者には聞き足りない形になります。
聞く代わりに、応募の前に伝えておくこと
フォームの設計で見落とされやすいのは、聞く項目と同じくらい、応募する前に読んでもらう説明が大事だという点です。応募した人が面接の場で「思っていた仕事と違う」と感じて辞退すると、日程を調整した店長の時間がまるごと無駄になります。
飲食店のアルバイトで、応募する側が気にしていることはだいたい決まっています。時給と研修期間中の時給、交通費が出るかどうか、まかないがあるかどうか、制服が貸し出されるかどうか、髪色やネイルの決まり、テスト期間にシフトを減らせるかどうかです。これらはフォームで聞く項目ではなく、フォームの冒頭か、送信直後の画面に書いておく項目です。
職業安定法に基づく指針でも、労働者の募集を行う者は、業務の内容や賃金、労働時間などの労働条件を、原則として求職者と最初に接触する時点までに明示することとされています。求人媒体の原稿に書いてあるから大丈夫と考えがちですが、店のホームページや店頭の貼り紙からフォームに来た人は、その原稿を見ていません。フォームの冒頭に要点を置いておくことは、応募する側の迷いを減らすだけでなく、伝えるべき条件を伝え漏らさないための備えにもなります。
説明文は長くしすぎないことも大切です。スマートフォンで読む前提なら、仕事の内容、時給、時間帯、待遇の順に、1行ずつ短く並べる程度で足ります。まかないの内容や店の雰囲気のような細かな話は、面接で店長が直接話したほうが伝わります。
面接で聞けば足りること
フォームに載せないほうがよい項目もあります。聞く価値はあるものの、文字で書いてもらうより会話で聞いたほうが早く、答えによって次に聞くことが変わる項目です。
1つめは、飲食の経験の中身です。「飲食店での経験:あり、なし」だけならフォームで聞いてかまいませんが、どんな業態で何をしていたかは面接で聞けば十分です。ファストフードのレジと、居酒屋のホールと、ホテルの宴会の配膳では、同じ「ホール経験」でも身についていることが違います。フォームで長文を書かせると、ここで応募をやめる人が出ます。
2つめは、苦手な作業や避けたい持ち場です。キッチンを希望しているが包丁は初めて、ホールを希望しているが酒の注文を受けるのは不安、といったことは、面接で店の側から具体的な作業を説明しながら聞いたほうが本音が出ます。
3つめは、制服のサイズや靴、髪色や爪、アクセサリーといった身だしなみの決まりです。これは聞くことというより店が伝えることで、面接の場で説明し、守れるかを確かめます。フォームに書いておくなら、聞く欄ではなく、応募前に読む説明文として置きます。
4つめは、通勤の手段です。自転車やバイクで来る人には置き場所の案内が要り、電車で来る人には交通費の計算が要ります。どちらも採用が決まってから必要になる情報なので、応募の段階で聞く理由は薄い項目です。
5つめは、テスト期間、学校行事、家族の予定などで入れなくなる時期です。これは本人の都合として面接で聞き、シフトの組み方の相談として扱います。家族の事情そのものを詳しく聞く必要はありません。「この時期は入れない」という結果だけが分かれば、シフトは組めます。
面接で聞くことも、あらかじめ質問項目を決めて紙1枚にしておくと、店長が変わっても、社員が代わりに面接しても、同じ基準で判断できます。
店の都合があっても、聞いてはいけないこと
飲食店の面接やフォームで、悪気なく入りやすいのが家族や住まいについての質問です。「実家から通っているの」「ご両親は何をしている人」「一人暮らしだと夜遅くても大丈夫だね」といった雑談のような質問は、採用の場では避ける必要があります。
厚生労働省は、応募者の適性と能力に関係のない事項を応募用紙や面接で把握しないよう求めています。独自の応募フォームを作る場合についても、はっきり書かれています。
事業主が独自に応募用紙やエントリーシート(インターネット上の応募入力画面)の項目・様式を設定する場合は、適性と能力に関係のない事項を含めないよう留意しましょう。 出典: mhlw.go.jp
同じページでは、配慮すべき事項として、本籍や出生地、家族の職業や続柄や収入、住宅の状況、宗教、支持政党、尊敬する人物、愛読書などが挙げられています。職業安定法に基づく指針でも、労働者の募集を行う者は、人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項や、思想及び信条、労働組合への加入状況を、原則として収集してはならないとされています。
飲食店のフォームで具体的に削っておきたいのは、次のような欄です。
・家族構成、同居している人 ・保護者の職業や勤務先 ・住まいの形態(持ち家、賃貸、寮など) ・自宅の地図や最寄りからの道順 ・尊敬する人物、好きな本、休日の過ごし方を書かせる欄
高校生の応募で保護者の同意を確かめたい場合でも、保護者の職業を聞く必要はありません。同意の有無を確かめる方法は、面接の段階で店として決めておけば足ります。個別の判断に迷ったときは、ハローワークや労働局など所管の窓口に確かめてください。
項目を減らすと何が起き、増やすと何が起きるか
ここまでの項目を並べると、フォームは短くありません。削るか残すかを決めるときは、その項目を削った場合に店長が何回電話をかけることになるかで考えると判断しやすくなります。
曜日と時間帯を削ると、ほぼすべての応募者に電話で聞き直すことになります。これは残します。面接の候補日を削ると、面接の日程調整で往復が1回から3回に増えます。これも残します。働き始められる日を削ると、急いで人が欲しい時期に、2か月先からしか来られない人を面接してしまうことがあります。人手が足りない時期ほど残す価値があります。
一方で、志望動機の長文、学歴や職歴の細かな記入、資格の一覧は、アルバイトの応募では削っても店長の手間はあまり増えません。調理師免許や食品衛生責任者の資格が必要な社員の募集なら、資格を持っているかどうかだけを選択式で聞き、詳細は面接で確かめます。
必須と任意の分け方も大事です。電話番号、希望の曜日と時間帯、働き始められる日は必須にし、自由記述は任意にします。必須の欄が多すぎると、応募する側は途中で入力をやめます。飲食店のアルバイトの応募はスマートフォンからがほとんどなので、実際に自分の携帯で最後まで入力してみて、指が疲れないか、選択肢が画面からはみ出していないかを確かめてください。
応募する側にアカウントの登録を求める仕組みは、飲食店のアルバイトでは避けたほうが無難です。回答者にアカウント登録を求めると、そこで応募をやめる人が出ます。応募は1回きりで、登録してまで入力したいと考える人は多くありません。
選択肢の作り方で、答えが読めなくなる場所
項目を決めても、選択肢の作り方しだいで、届いた答えが判断に使えなくなることがあります。飲食店の応募フォームでつまずきやすいのは、次の4つです。
1つめは、「いつでも入れます」という選択肢です。応募する側は意欲を見せたいので、この選択肢があるとつい選びます。ところが面接で聞くと、平日の昼は学校があり、土曜は別のアルバイトがある、ということがよくあります。曜日と時間帯の表を作るなら、「いつでも」の選択肢は置かず、入れる枠に1つずつチェックを入れてもらいます。
2つめは、週の日数の選択肢が、募集の条件と合っていないことです。求人の原稿で「週3日以上」と書いているのに、フォームの選択肢が「週1日」から始まっていると、条件に合わない応募が届き、断る連絡の手間が増えます。条件に合わない希望も受け付けたいなら、選択肢の横に「週3日以上の方を優先してご案内します」と書いておくと、応募する側も自分の立ち位置が分かります。
3つめは、希望の時給を聞く欄です。飲食店のアルバイトでは、時給は店が求人で示すもので、応募者に希望を書かせても判断に使う場面はほとんどありません。書かせると、店の時給より高い額を書いた人を面接の前に落とすかどうかで迷うことになります。時給は聞く項目から外し、説明文に書いておきます。
4つめは、選択肢の言葉が店の中の言葉になっていることです。「ホール」「キッチン」は伝わっても、「デシャップ」「洗い場兼仕込み」「バッシング」のような言葉は、飲食店で働いたことがない人には分かりません。持ち場の名前の横に、「料理を運ぶ、席に案内する」「野菜を切る、食器を洗う」のように、何をする仕事かを短く添えておきます。分からない言葉があると、応募する側は自分に向いていない仕事だと思って選ばず、キッチンの応募が集まらない原因になります。
フォームが完成したら、飲食店で働いたことのない家族や知人に、実際にスマートフォンで入力してもらってください。迷った選択肢や、何を書けばよいか分からなかった欄が、そのまま直す場所です。
届いた回答を、店長ひとりで回せる形に並べる
フォームで何を聞くかが決まったら、届いたあとの並べ方も同時に決めておきます。飲食店の応募でよく起きる困りごとは、応募が来ないことより、来た応募を返し忘れることです。求人媒体の通知メール、店のフォームの通知メール、店頭の貼り紙を見た人からの電話が、別々の場所に積もっていきます。
最低限決めておきたいのは、次の3つです。
・誰が見るか:店長だけか、副店長や本部の担当も見るか ・どこまで進んだか:未連絡、面接日程を調整中、面接済み、採用、見送りのどれか ・次に何をするか:いつまでに誰が連絡するか
この3つが表に残らないと、店長が休みの日に届いた応募は、翌営業日まで誰も触らないまま置かれます。応募した側から見ると、そのあいだに別の店から連絡が来て、そちらの面接が先に決まってしまいます。
多店舗の場合は、応募者に希望する店舗を選んでもらい、その店舗の店長に自動で割り振られる形にしておくと、本部で仕分ける手間がなくなります。第2希望の店舗まで聞いておけば、第1希望の店が人手に足りているときに、別の店から声をかけることもできます。ただし、応募時に聞いた情報を別の店舗の募集に使う場合は、そのことをフォームの中で伝えておいてください。
採用の応募受付をフォームで回すときに、届いたあとをどう並べるかについては、採用の応募受付で、応募から書類確認、面接、採用までの段階と、応募者ごとに担当と状況を持たせる流れを紹介しています。
いま使っている道具で足りるかどうかの見極め
応募フォームそのものは、無料の道具でも作れます。店長ひとりで、月に届く応募が数件なら、Googleフォームで回答を集めてスプレッドシートに状況の列を足すやり方で十分に回ります。乗り換える理由はありません。Googleフォームとの比較では、Googleフォームで足りる使い方と、届いたあとの管理を足したくなる境目を並べています。
足りなくなるのは、応募が増えて、見る人が2人以上になったときです。スプレッドシートの状況の列を誰がいつ書き換えたのかが分からない、同じ応募者に店長と副店長が別々に電話をかけてしまう、返信したかどうかがメールの送信済みフォルダを遡らないと分からない。こうした行き違いは、表を工夫しても完全には消えません。
届いたあとの道具を選ぶときは、次の3点で見ると判断しやすくなります。
・応募ごとに担当と状況を持たせ、店舗や担当で絞り込めるか ・返信をその画面から送り、送った記録が応募者ごとに残るか ・履歴書などの添付ファイルを、ログインした人しか開けない形で受け取れるか
フォームを作る機能だけを比べると、どの道具も大差がありません。差が出るのは、送信されたあとの道具がそろっているかどうかです。回答ごとに担当と段階を付け、同じ画面から返信し、その記録が残る仕組みがどう動くかは、できることにまとめています。実際の画面の動きは動くところを見るで確かめられます。
最後に、フォームの項目は一度作ったら終わりではありません。応募が届き始めてから1か月ほどたったら、電話で聞き直した内容を書き出してみてください。何度も聞き直している項目があれば、それはフォームに足すべき項目です。反対に、誰も目を通していない欄があれば、それは削ってよい欄です。店のシフトの組み方と、応募する人の層に合わせて、少しずつ形を変えていくのが、飲食店の応募フォームを長く使うこつです。
Q1. 飲食店のアルバイトの応募フォームに、生年月日の欄は必要ですか?
深夜まで営業する店では、応募者が18歳未満かどうかで入れるシフトが変わるため、分かる形にしておく価値があります。生年月日をそのまま聞く方法のほか、「高校生ですか」「18歳未満ですか」と選択式で聞く方法もあります。年齢を証明する書類の扱いなどは、所轄の労働基準監督署など所管の窓口で確かめてください。
Q2. 応募フォームで志望動機を必須にしたほうがよいですか?
アルバイトやパートの応募では、必須にしないほうが応募を取りこぼしにくくなります。スマートフォンで長文を書くのは負担が大きく、そこで入力をやめる人が出るためです。志望動機は面接で会話として聞けば十分で、フォームでは任意の自由記述欄を1つ置く程度にとどめるのが現実的です。
Q3. 留学生の応募で、フォームに国籍の欄を作ってもよいですか?
店が確かめる必要があるのは国籍そのものではなく、日本で働ける状態かどうかと、働ける時間に上限があるかどうかです。フォームでは週に入りたい時間数を聞いておき、実際の確認は面接で在留カードを見て行う形が現実的です。判断に迷う場合は、出入国在留管理庁やハローワークなど所管の窓口に確かめてください。
Q4. 応募フォームの項目は、どのくらいの頻度で見直せばよいですか?
応募が届き始めてから1か月ほどたった時点で、一度見直すのがおすすめです。電話で何度も聞き直している項目はフォームに足し、誰も目を通していない欄は削ります。季節で募集する時間帯が変わる店は、繁忙期の前にも曜日と時間帯の選択肢を見直しておくと、届く応募とシフトの穴が合いやすくなります。
