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リッカート尺度の使いどころ|段階の決め方と集計のしかた

2026年10月8日 ・ Halict編集部

リッカート尺度とは、「非常に満足」から「非常に不満」までの段階を並べて、回答者に1つ選んでもらう設問の形です。アンケートでいちばん見かける形なので、深く考えずに5段階を並べている場合が多いのですが、段階の数と選択肢の言葉を変えると、集まる答えも変わります。この記事では、段階の決め方、言葉の作り方、集計のしかた、そして集めたあとに回すところまでを順に整理します。

リッカート尺度とは、程度を段階で測る設問の形

リッカート尺度は、アメリカの社会心理学者レンシス・リッカートが1932年に提唱した測定の手法です。「非常に満足」から「非常に不満」までの5段階または7段階で、回答者の態度や意見の程度を測ります。

この形が広く使われている理由は、「はい/いいえ」の二択では捉えられない中間の度合いを数値として扱えることです。満足しているかと聞いて「いいえ」と答えた人の中には、少し不満な人と、強く怒っている人が混ざります。段階で聞けば、この2人が別の数字になります。

呼び方としては、5段階のものを5件法、7段階のものを7件法と言います。段階の数を「件」で数えるのは調査の分野の言い方で、選択肢が5つある設問を5件法と呼びます。この記事でも、以下ではこの言い方を使います。

受付や事務局の仕事でこの形を使う場面は、思ったより多くあります。応募の手続きを終えた人に「案内は分かりやすかったですか」と聞く。講座を受けた人に「内容は期待に合っていましたか」と聞く。問い合わせの回答を返したあとに「回答は役に立ちましたか」と聞く。どれも二択では情報が足りず、自由記述だけでは集計できない種類の質問です。

注意しておきたいのは、この形が万能ではないことです。事実を聞く質問には向きません。「何日で返信が届きましたか」は段階で聞く質問ではなく、日数を聞く質問です。段階で聞くべきなのは、答える人の中にしか存在しない程度、つまり感じ方や意見です。事実を段階で聞くと、答える人が自分で換算することになり、精度が落ちます。

段階の数を何段にするか

最初に決めるのは段階の数です。実務でよく使われるのは5件法と7件法で、この2つから選べば大きく外れません。

5件法のメリットは、答える側が一瞬で選べることです。選択肢が5つなら、画面をスクロールせずに全部見えます。スマートフォンで答えてもらう場面では、これが回答率に直接効きます。デメリットは、細かい差が拾えないことです。全員が真ん中から少し上を選ぶ設問では、5段階では違いが見えません。

7件法のメリットは、分布が広がることです。5件法で「やや満足」に固まっていた回答が、7件法では2つか3つに分かれ、平均値の動きが読みやすくなります。デメリットは、選択肢の言葉を7つ作るのが難しい点です。「やや」と「少し」の差を答える側が同じように理解する保証はなく、言葉が曖昧なまま7段階に並べると、細かく分けた意味がなくなります。

段階を偶数にする形もあります。4件法や6件法は、中間の選択肢を置かない形です。後述しますが、これは「どちらともいえない」を選ばせたくない場合に使います。

決め方として実務的なのは、設問の数から逆算することです。設問が1つか2つなら7件法でも答えてもらえます。設問が10個並ぶなら5件法にします。同じ画面に10行の7件法が並ぶと、答える側は途中でやめます。

そして、いちばん重要なのは、一度決めた段階を変えないことです。前回が5件法で今回が7件法なら、平均値は比べられません。5件法の3.8と7件法の4.9は、どちらが良いのか判断できません。推移を見る目的で聞くなら、段階の数は最初に決めて固定します。変えるなら、変えた回を基準にして、それ以前の数字とは別の系列として扱います。

中間の選択肢を置くかどうか

5件法の真ん中にある「どちらともいえない」を置くかどうかは、実務でよく議論になる点です。

置くメリットは、正直な答えが集まることです。本当にどちらでもない人に、無理に「やや満足」を選ばせると、その回答は事実と違います。また、答える側から見て逃げ道があるので、途中でやめる人が減ります。

置かないメリットは、判断を強制できることです。中間を消すと、答える人はどちらかに寄せます。その結果、満足と不満の割合がはっきり分かれ、意思決定の材料になります。ただし、寄せた先が本心とは限りません。迷った人が全員「やや満足」に寄れば、実態より良い数字が出ます。

実務での判断としては、次のように分けるのが無理がありません。体験の評価を聞くなら中間を置きます。手続きの分かりやすさや、対応の速さは、本当にどちらでもない場合があります。選択を聞くなら中間を置きません。「次回も申し込みますか」は、どちらでもないという状態が現実には存在しないので、中間があると全員がそこに集まります。

もう1つ考えておきたいのは、「分からない」と「どちらともいえない」を分けることです。この2つは違う状態です。使っていないので分からない人と、使ったうえでどちらでもない人を同じ選択肢にまとめると、集計で区別できません。段階の外に「該当しない」という選択肢を1つ置き、集計から外す形にすると、平均値が歪みません。

この点は、受付の窓口で特に効きます。応募の手続きについて「電話での対応は丁寧でしたか」と聞いても、電話を使っていない人には答えられません。該当しない選択肢がないと、その人たちは中間を選び、電話対応の評価が実際より平凡な数字になります。

選択肢の言葉を、どう作るか

段階の数を決めたら、次は言葉です。ここは自分で考えるより、定型に従うほうが安全です。

結論から言うと、5件法や7件法などで「おおよそ等間隔」とみなして処理するのですが、その際の選択肢の表現としては、5件法であれば「非常にそう思う・ややそう思う・どちらともいえない・あまりそう思わない・全くそう思わない」が良いとされています。 出典: insight.rakuten.co.jp

この形が良いとされる理由は3つあると説明されています。肯定と否定の両極が対になっていること、中間があること、そして「非常に」「やや」「あまり」「全く」という強度を表す副詞が入っていることで、段階的な印象が生まれることです。

言葉を作るときにやりがちな失敗は、肯定側と否定側の強さを揃えないことです。「非常に満足・満足・普通・不満・非常に不満」は一見対になっていますが、「満足」と「不満」の間に「普通」を置くと、肯定側の幅と否定側の幅が同じかどうかが読めません。両側に同じ副詞を使えば、対称性が保たれます。

もう1つの失敗は、肯定側を多く並べることです。「非常に満足・満足・やや満足・普通・不満」のような並べ方は、肯定側に3段あり否定側に1段しかありません。この形で集めた数字は、良く出るのが当たり前です。集計の前から結論が決まっている設問は、作る意味がありません。

あわせて、見せ方の注意点もあります。選択肢が等間隔で置かれていることと、目盛りなどの視覚的なスケールを置くことが重要だとされています。画面上で選択肢の間隔がばらついていると、答える人が距離の違いを段階の違いとして受け取ります。フォームの標準の見た目に任せるのがいちばん安全で、独自に装飾を加えると間隔が崩れます。

数字を選択肢に添えるかどうかも決めておきます。「5:非常に満足」のように数字を見せると、答える人が点数として扱うようになり、中間の3を基準に考えます。言葉だけを見せると、言葉の意味で選びます。どちらでも構いませんが、前回と揃えてください。

並べる向きも決めておく必要があります。肯定側を左に置くか右に置くかで、選ばれる選択肢の分布がわずかに変わります。左から読む言語では、左端に置いたものが選ばれやすい傾向があると言われています。どちらに置くかを毎回変えると、その影響が数字の動きに混ざるので、向きも固定します。複数の設問を並べるときは、全部の設問で同じ向きにします。1問だけ向きが逆になっていると、答える人がそこで読み違えます。

関連して、逆転項目を混ぜるかどうかという論点があります。読まずに同じ選択肢を選び続ける回答を見つけるために、あえて否定形の設問を1つ混ぜる手法です。有効性はありますが、設問が5問以下の短いアンケートでは向きません。混ぜると、読み違えのほうが多く発生します。設問が15問を超える長いアンケートでだけ検討する価値があります。

順序尺度と間隔尺度|平均値を出してよいのか

集計に入る前に、この形のデータが何であるかを押さえておく必要があります。ここを知らずに平均値を出すと、あとから指摘を受けます。

本来は、「順序尺度」であり、「1」と「2」の差と「4」と「5」の差が同じとは限りません。そのため、「間隔尺度」として平均値や分散を扱うことは正確には適切でありません。ただ、実務上は、5件法や7件法などのリッカート尺度を「間隔尺度に近似」したデータとして扱うことが多いのも事実です。因子分析などの多変量解析もその一例となります。 出典: insight.rakuten.co.jp

つまり、厳密には平均値を出すべきではないが、実務では出しているということです。この状態を知らずに使うと、平均値が3.8だから良いという議論になり、数字の性質を超えた結論を出してしまいます。

実務での扱いとしては、次のように整理されています。

なお、リッカート尺度データは厳密には順序尺度であるものの、 5件法以上では「等間隔近似」として扱い、加重平均や回帰分析に応用するのが実務上の標準です。 出典: insight.rakuten.co.jp

小さな窓口での現実的な対処は、平均値と割合の両方を見ることです。平均値は推移を追うのに便利で、割合は状態を説明するのに便利です。上位2つの選択肢を選んだ人の割合を出す方法をTOP2BOXと呼び、「非常に満足」と「やや満足」の合計割合として使います。平均値と併用することで、直感と精度の両方が取れるとされています。

平均値だけを見ていると見落とすのが、意見が割れている状態です。全員が3を選んだ場合と、半分が5で半分が1を選んだ場合は、平均値がどちらも3になります。この2つは全く違う状態なので、割合を並べるか、分布の形を確かめる必要があります。

加重平均の考え方と、計算の手順

集計の話に入ります。リッカート尺度の平均値は、実は加重平均として計算されています。

実は、前述のリッカート尺度も5件法で平均を出す場合は、5~1の重みを付けて算出した加重平均となります。 出典: insight.rakuten.co.jp

加重平均は、各評価値に重みを掛けて合計し、重みの合計で割る計算です。計算式は次のように書けます。

加重平均=Σ(x×w)÷Σw

xは各回答者のスコアで、5件法なら「非常に満足」が5、「非常に不満」が1です。wは重みで、回答数や重要度を当てます。

具体例で確かめます。5件法の満足度調査で、「非常に満足」が40名、「やや満足」が35名、「どちらともいえない」が15名、「あまり満足していない」が8名、「非常に不満」が2名だったとします。

評価項目 スコア 回答者数 加重値
非常に満足 5 40 200
やや満足 4 35 140
どちらともいえない 3 15 45
あまり満足していない 2 8 16
非常に不満 1 2 2

加重値の合計は403、回答者数の合計は100なので、403÷100で4.03となります。これがこの設問の平均値です。

同じ数字からTOP2BOXも出せます。「非常に満足」の40名と「やや満足」の35名を合わせた75名が回答者100名に占める割合なので、75%です。平均4.03という数字と、満足と答えた人が75%という数字は、同じ調査の別の見せ方です。報告する相手によって、どちらが伝わるかは変わります。

項目ごとの重要度を重みにする使い方もあります。製品の品質、価格、サポート対応の3項目について、それぞれの評価値と、あらかじめ決めた重要度を掛けて合計する形です。重要度を自分たちで決めた数字にすると、結論も自分たちの思い込みを反映します。重要度は回答者に聞くか、相関の強さから出すほうが妥当です。

設問の作り方で結果が変わる3つの点

尺度の形が正しくても、設問の文が悪ければ答えは使えません。よく起きる問題を3つ挙げます。

1つ目は、1つの設問で2つのことを聞いてしまうことです。「案内は分かりやすく、返信は早かったですか」という設問には答えられません。分かりやすかったが遅かった人は、どちらを選んでも事実と違います。設問は1つの内容に絞ります。

2つ目は、答えを誘導する文です。「丁寧な対応にご満足いただけましたか」と書くと、丁寧だったという前提が入り、否定側を選びにくくなります。「対応についてどう感じましたか」のように、評価の方向を含まない文にします。

3つ目は、否定形を使うことです。「案内が分かりにくいとは思いませんでしたか」という設問は、「そう思わない」が肯定になります。答える人が読み違えるだけでなく、集計する側も向きを間違えます。設問はすべて肯定形で書き、向きを揃えます。

あわせて、設問の数についても触れておきます。段階を並べた設問が10問を超えると、後半の回答が全部同じ選択肢に並ぶ現象が起きます。読まずに選んでいる状態で、集めた数字の意味がなくなります。防ぐには設問を減らすのがいちばんですが、減らせない場合は、途中に自由記述を1つ挟んで読む姿勢を切り替えてもらう方法があります。

回答者にアカウント登録を求める形にすると、そこで答えるのをやめる人が出ます。リンクを開いたらすぐ答えられて、最後まで進む時間が1分以内に収まる形を目指します。設問の数と段階の数は、この1分に収まるかどうかで決めるのが、いちばん現実的な基準です。

満足度以外に、この形で聞けること

リッカート尺度は満足度を聞くための形だと思われがちですが、聞ける内容はもっと広いです。分析の設計次第で、さまざまな内容を測れる汎用の枠として使えます。

1つ目は、印象を聞く使い方です。組織や事業に対して「信頼できる」「対応が早い」「説明が丁寧だ」といった複数の項目を並べ、それぞれを5件法か7件法で聞きます。それぞれの平均値と、ばらつきの大きさを出すことで、どの印象が強く、どの印象が人によって分かれているかが分かります。受付の窓口なら、対応の速さについての評価は高いのに丁寧さの評価が割れているといった形で、直す場所が絞れます。

2つ目は、意向を聞く使い方です。「次回も申し込みたい」「知人にも案内したい」といった項目を並べます。これは行動に近い内容なので、印象を聞くより数字が厳しく出ます。厳しく出ること自体は問題ではなく、前回との差で読めばよいのですが、印象の項目と混ぜて平均を出すと数字が濁ります。印象と意向は別の表に分けます。

3つ目は、手間を聞く使い方です。「目的を達成するまでにどの程度手間がかかりましたか」を5段階か7段階で聞く形で、スコアが低いほど手続きがスムーズだったことを意味します。手続きを受け付ける窓口にとっては、満足度よりも直接的な指標になります。入力項目を減らした、案内文を書き直した、添付の指定を分かりやすくした。こうした変更の効き目が、この設問にいちばん早く現れます。

4つ目は、コンセプトの評価です。新しい受付の方法や、新しい案内文の案を複数見せて、それぞれについて「分かりやすいと思う」「これなら申し込みたいと思う」を5件法で聞きます。案ごとの合計スコアを比べれば、社内の好みではなく答えた人の評価で選べます。

この4つに共通しているのは、設問の中身が変わっても、尺度の形と集計の手順は変わらないことです。一度集計の形を作れば、聞く内容を差し替えて使い回せます。

回答が集まらないときに見る3つの点

設計が正しくても、回答が集まらなければ何も分かりません。集まらないときに見る点を3つ挙げます。

1つ目は、聞くタイミングです。手続きが終わってから日が経つほど、回答率は落ちます。完了の通知メールの中に設問を置く形と、1週間後に別のメールで送る形では、回答率が大きく違います。理由は単純で、後者は開かれないからです。通知メールは開かれるので、そこに置けば見られます。

2つ目は、答えるまでの手数です。リンクを押して、画面が開いて、選んで、送る。この4手で終わるなら答えてもらえます。ここにログインが入ると、答える人の多くはそこでやめます。名前や連絡先の入力を求めるのも同じで、すでに知っている情報を書かせると、答える側は二度手間だと感じます。

3つ目は、答えたあとに何が起きるかです。送信して真っ白な画面が出るだけの形では、次回から答えてもらえません。何に使うのか、いつまでに何が変わるのかを1行書いておくだけで、次回の回答率が変わります。前回の結果を受けて何を直したかを書いておく形はさらに効きます。

回答率の目標を決めるなら、いまの数字を1回測ってから決めます。一般的な目安を当てても、窓口の性質で大きく違うので意味がありません。1回目の回答率を記録し、次回はそれを上回ることを目標にするほうが、実際に動かせます。

回答が少ないままでも、続ける価値はあります。20件の回答でも、同じ項目が3回低く出れば、それは偶然ではありません。数字の精度を追うより、続けて傾向を見るほうが、小さな窓口では実用的です。

集めたあとに何をするか|分析の広げ方

集めた数字は、平均値を出して終わりにしない使い方があります。応用として一般的なものを3つ挙げます。

1つ目は、項目ごとの比較です。案内の分かりやすさ、返信の速さ、入力のしやすさといった複数の項目を同じ5件法で聞き、平均値を並べます。いちばん低い項目が、次に直す場所です。項目をそろえて聞いていれば、この比較は表を作るだけでできます。

2つ目は、満足度と重要度を組み合わせる方法です。各項目の満足度の平均と、重要度の平均を2つの軸に取ってプロットし、4つの区画に分けます。重要度が高く満足度が低い区画が、優先して直す場所になります。この分析はCSポートフォリオ分析と呼ばれ、重要度は本人に聞く方法と、相関や回帰から出す方法があります。

3つ目は、時系列の比較です。同じ設問を同じ段階で、四半期ごとに聞いて推移を並べます。ここで効くのは、変えた施策の日付を一緒に残しておくことです。何を変えたのかが分からない状態で数字の上下を眺めても、次の手は決まりません。

より進んだ使い方としては、複数の項目の背後にある共通の軸を取り出す因子分析や、満足度を左右する要因を特定するドライバー分析があります。ただしこれらは、回答数が数百件以上ある場合の手法です。回答が数十件の窓口では、項目ごとの比較と自由記述を読むところで十分に材料が出ます。

自由記述の扱いを軽く見ないでください。段階の数字は「どこが悪いか」を教えますが、「なぜ悪いか」は教えません。1つの設問に自由記述を1つ添えるだけで、直すべき内容が具体的になります。数字は優先順位を決めるために使い、内容は自由記述から取る。この分担で考えると、設問の設計が楽になります。

続けられる形にする|集計の手間を先に見積もる

最後に、続け方の話をします。設計が正しくても、集計が重ければ2回目で止まります。

集計の手間は、設問の数と回答数の掛け算で増えます。設問10問で回答100件なら、1,000個の値を扱います。表計算ソフトで集計する場合、この規模は関数で処理できますが、設問を足したり段階を変えたりすると、関数も作り直しになります。作り直しが面倒になった時点で、調査は止まります。

止まらないようにする方法は2つあります。1つは、設問を固定して変えないことです。変えたくなるのは、最初の設計が目的からずれているときなので、1回目を試験と割り切って、2回目から固定する形にします。もう1つは、集計を自動で出る形にすることです。フォームの道具に集計の表示がある場合、そこで済むなら表計算ソフトへ書き出す工程が消えます。

道具ごとの違いは、集めたあとに出ます。Googleフォームとの比較では、回答を表に書き出したあと誰が追うのかという点で違いを整理しています。サイトに設問を埋め込んで集めている場合の考え方はContact Form 7との比較に、社内が Microsoft 365 でそろっている場合はMicrosoft Formsとの比較にまとめています。

窓口の種類ごとの流れとしては、講座や研修の受講後に聞く形は講座の受講申し込みに、イベントの参加者に聞く形はイベントの申し込みに整理しています。

段階で聞いた答えは、集めた時点では数字の列にすぎません。低い項目に担当を付けて、直したかどうかが残る形にしないと、翌年も同じ項目が低く出ます。送信されたあとの道具がそろっている形にしておけば、届いた回答に担当と状態が最初から付き、読んだだけの件と直した件が一覧の上で分かれます。どこまでを1つの画面で持てるかはできることに、人数で決まる料金の考え方は料金に、始める前に出やすい疑問はよくある質問にまとめています。

段階の数を決め、言葉を定型に合わせ、集計の形を先に作る。この3つを最初にやっておけば、2回目以降はほとんど手間がかかりません。逆にこの3つを後回しにすると、集めた数字が比較できず、1回目の結果だけが残ります。

始め方としては、1回目を試験と割り切るのがおすすめです。設問を3問だけ作って、手続きを終えた人に送り、返ってきた回答を見る。この1回で、段階の数が合っているか、言葉が伝わっているか、集計に何分かかるかが分かります。分かったうえで2回目の設計を固め、そこから推移を取り始める。最初から完成した設計を目指すと、検討が終わらないまま1度も聞かずに年が過ぎます。

そして、決めた内容は短い文書として残します。段階の数、選択肢の言葉、並べる向き、送る相手の条件、聞くタイミング。この5つが書いてあれば、担当が替わっても同じ調査が続きます。書いていなければ、次の担当者が良かれと思って設問を作り直し、そこで推移が切れます。

Q1. 5件法と7件法は、どちらを選ぶべきですか?

設問の数で決めます。設問が1つか2つなら7件法でも答えてもらえますが、設問が10個並ぶなら5件法にします。段階を細かくすると分布は広がりますが、選択肢の言葉を7つ作るのが難しく、言葉が曖昧なままでは細かく分けた意味がなくなります。

Q2. 「どちらともいえない」は置いたほうがよいですか?

体験の評価を聞くなら置きます。本当にどちらでもない人に無理に選ばせると、その回答は事実と違います。「次回も申し込みますか」のような選択を聞く設問では、どちらでもないという状態が現実に存在しないため、置かないほうが材料になります。

Q3. リッカート尺度の平均値は出してよいのですか?

厳密には順序尺度なので、1と2の差と4と5の差が同じとは限らず、平均値を扱うことは正確には適切ではありません。ただし実務では5件法以上を等間隔に近いものとして扱い、加重平均や回帰分析に使うのが標準とされています。平均値と、上位2つの選択肢の割合を併記するのが安全です。

Q4. 段階の数を途中で変えてもよいですか?

変えると前後の数字を比べられなくなります。5件法の3.8と7件法の4.9は、どちらが良いのか判断できません。推移を追う目的があるなら最初に決めて固定し、どうしても変えるなら、変えた回を基準にして以前の数字とは別の系列として扱ってください。

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