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窓口業務の効率化で先に直す所|同じことを聞き直さなくなる形

2026年10月5日 ・ Halict編集部

窓口 業務 効率 化と検索する人の多くは、人を増やせない前提で立っています。来る人の数は減らず、聞かれることは増え、担当は同じ人数のまま。その状態で何から手を付けるかを決めたい段階です。

結論から書きます。窓口の効率化で最初に効くのは、受付の画面を新しくすることではなく、同じことを二度聞かない形をつくることです。窓口の作業時間は、聞き直しと待たせと記録のたどり直しの3つに偏って溜まっています。この3つを別々に数えて、いちばん大きいものから手を付けると、投資をしなくても短くできる部分が見つかります。

この記事では、窓口の詰まりを分けて数える方法、記録の持ち方から直す手順、そして効率化がうまくいかないときに何が起きているのかを整理します。

窓口業務の効率化がいま進んでいる場所と、その理由

窓口業務の効率化という言葉が広く使われるようになった背景には、自治体の窓口改革があります。国が制度として後押しし、予算を付けて進めている領域です。

この一環として、同省では、デジタル技術を活用した自治体の窓口改革を後押しする施策を行っています。令和7年1月には、オンライン申請などによる住民の利便性向上と、業務効率化の両立を目指し、窓口業務を含む総合的な改革に取り組む9市町をモデル事業に採択。各自治体に1億2,000万円を上限として支援を行う予定です。 出典: jt-tsushin.jp

注目すべきなのは、改革の中身が「オンライン申請を増やす」だけになっていないことです。利便性の向上と業務効率化の両立が目標に置かれています。つまり、来る人の手間を減らすことと、受ける側の作業を減らすことを、同じ取り組みの中で実現することが求められています。

この両立が難しいのは、片方だけを進めると、もう片方に負荷が移るためです。オンライン申請の入口を増やすと、来る人の手間は減ります。ところが受ける側は、窓口と郵送とオンラインの3つの経路を並行して見ることになり、作業は増えます。逆に受ける側の作業を減らすために書類の様式を固定すると、書く人の手間が増えます。

同じ構造は、民間の受付や事務局の窓口でも起きます。問い合わせのフォームを作ったのに電話が減らない、メールとフォームと電話の3つを見なければならなくなった、という状態です。窓口を増やすことは、それ自体では効率化になりません。

効率化として実際に効くのは、経路を増やすことではなく、経路ごとに届いたものを1か所で扱える形にすることです。送信されたあとの道具がそろっている状態をつくると、経路が3つあっても作業は1つの流れに収まります。ここが、窓口の効率化で最初に押さえる考え方です。

効率化を始める前に、いまの窓口を1週間数える

窓口の効率化で失敗する最も多い入り方は、道具を先に決めることです。何が詰まっているのかを数えないまま新しい仕組みを入れると、詰まっていない部分が速くなるだけで、体感は変わりません。

数えるのは1週間で足ります。用紙1枚に、次の4つだけを記録します。

1. 何の用件で来たか

用件の名前を短く書きます。分類を細かくしすぎないことが大事で、10種類くらいに収めます。細かくすると集計ができません。

2. かかった時間

対応を始めてから終わるまでの時間を、5分単位で構いません。

3. その場で終わったか、持ち帰りになったか

持ち帰りになった件は、あとでもう一度時間がかかります。ここを分けておかないと、実際の作業量を過小に見ることになります。

4. こちらから聞き直したことがあったか

書類の不足、記入漏れ、確認が取れない項目。聞き直しが発生した件に印を付けます。

1週間分を集めると、たいてい同じ形が出ます。件数の上位3つの用件で、全体の作業時間の半分以上を占めます。そして聞き直しの印は、特定の用件に集中しています。

もう1つ、数えているうちに分かることがあります。窓口に来なくても済んだはずの件が、どれくらい混ざっているかです。掲示やページを読めば分かる内容の確認、前回の説明の言い直し、提出先を間違えて来た件。この3つは、案内の書き方を直すだけで来なくなる件です。集計のときに「案内で防げたか」の欄を1つ足しておくと、あとで効く材料になります。

この集計で見たいのは、合計時間ではなく偏りです。窓口の効率化は、全部を均等に速くする取り組みではありません。時間を食っている用件を特定して、その用件だけを組み替えるほうが、投資に対して結果が出ます。

数える前に道具を選んでしまうと、この偏りが見えません。数えることに1週間かけても、選び方を間違える損失のほうがずっと大きくなります。

窓口の詰まりは3種類に分かれる

集計を眺めると、時間の使われ方が3つに分かれることが分かります。この3つは対策がまったく違うため、混ぜて考えないことが大事です。

聞き直し

来た人が持ってきたものだけでは処理できず、確認や追加の提出をお願いする作業です。1件あたりの時間は短くても、件数が多いため合計では大きくなります。さらに、持ち帰りになった件は再来訪や再提出を生むため、1件が2件分の作業になります。

待たせ

来た人を待たせている時間です。こちらの作業時間ではないため、集計に入れ忘れやすい部分です。ただし待たせている間に苦情が発生し、その対応で時間を取られます。待ち時間は、間接的にこちら側の作業を増やします。

たどり直し

過去のやりとりを探す作業です。前回いつ来たのか、誰が対応したのか、何と答えたのか。記録がメール、紙、表計算、担当者の記憶に散っていると、探すこと自体が仕事になります。

この3つのうち、いちばん先に手を付けるべきなのは聞き直しです。理由は3つあります。1つめは、道具を入れなくても減らせること。2つめは、減らした効果がそのまま来る人の手間の減少になること。3つめは、聞き直しが減ると持ち帰りが減り、待たせも同時に短くなることです。

たどり直しは、記録の持ち方を変える必要があるため、手を付けるのに準備が要ります。待たせは、聞き直しとたどり直しを減らした結果として短くなる部分が大きく、単独で対策しても効きにくいところです。順番としては、聞き直し、たどり直し、待たせの順になります。

同じことを聞き直さなくなる形をつくる

聞き直しが起きる原因は、ほぼ3つに絞られます。

必要なものが、来る前に伝わっていない

持ち物の案内が、窓口の掲示やページの奥にしか書かれていない状態です。案内を書いてあるつもりでも、来る人が読む場所に無ければ伝わっていません。

様式が、書く人にとって分かりにくい

記入欄の意味が読み取れず、空欄や誤記が出ます。記入例を添えているかどうかで、記入漏れの数は大きく変わります。

条件によって必要なものが変わる

全員に同じ案内を出していると、自分に必要なものが分かりません。条件で分岐する案内は、紙ではほぼ表現できません。

記入例の効果は、思われているより大きく出ます。同じ様式で、記入例を隣に置いた場合と置かなかった場合を比べた窓口では、記入漏れの件数がはっきり変わったという話がよく出ます。文字を増やすことを嫌って例を省くと、その分が聞き直しになって返ってきます。

手当ての順番は次のようになります。まず、来る前に読ませる案内を、来る人が実際に見る場所に置きます。窓口に貼るだけでは足りません。次に、記入例を様式の隣に置きます。そして、条件による分岐を案内の側で処理します。

分岐の処理は、紙よりも入力の画面のほうが向いています。最初にいくつか選んでもらい、その回答に応じて必要な項目と持ち物だけを出す形にすると、来る人は自分に関係のない案内を読まずに済みます。入力の画面を来る前に通してもらえれば、窓口に来た時点で必要な情報がそろっている状態になります。

ここで注意したいのは、入力の画面を用意しただけでは聞き直しは減らないことです。入力された内容を窓口の担当者がその場で見られなければ、来た人はもう一度同じことを口で説明することになります。入力の内容が窓口の画面で開けること、そして前回の入力もそこに残っていることが条件です。施設の予約や利用の申請のように、同じ人が繰り返し来る用件では効果が大きく出ます。この形は施設利用の申請の組み方と同じ考え方です。

来る前に済ませられる部分を切り出す

自治体の窓口改革で言われている「書かない窓口」は、窓口で書かせないという発想です。すでに持っている情報を窓口で書かせない、来る前に済ませられることは来る前に済ませる。この考え方は民間の受付にもそのまま当てはまります。

実際の取り組み状況は、まだ全体には広がっていません。

現在、窓口業務などフロントヤードの改革に向けて、自治体はどのような取り組みを行っているのでしょうか。総務省が令和6年4月、全国の自治体を対象に実施・公表したフロントヤード改革の取組状況調査結果(複数回答)は次の通りです。同調査によると、「書かない窓口」の構築に取り組む自治体は、全市区町村の20.9%にとどまっています(指定都市では60%)。 出典: jt-tsushin.jp

全市区町村で2割、指定都市で6割という差は、規模の差というより体制の差です。窓口の件数が多いところほど、書かせない形にする効果が大きいため、先に投資が進みます。

規模が小さい窓口でも、投資をせずにできる切り出しはあります。

・来る前に入力してもらう項目を決めて、入力の画面を1つ用意する ・窓口で書かせていた項目のうち、すでにこちらが持っている情報を消す ・条件の確認を入力の段階で済ませ、該当しない人が来ないようにする ・予約制にして、来る時間を分散させる

このうち最も効くのは、すでに持っている情報を書かせないことです。会員であることが分かっている人に住所を書かせる、前回申請した内容を毎回書かせる。こうした項目は、窓口の作業としても確認の手間を生みます。書かせなければ、書き間違いの確認も発生しません。

政策の全体像や調査の資料は総務省のサイトで公表されています。自治体の窓口を担当している場合は、モデル事業の対象になっている取り組みの内容を先に読んでおくと、自分の窓口で何を先に変えるかの判断材料になります。

窓口に来た人を待たせる時間をどこで削るか

待ち時間を削る方法は、大きく3つです。

同時に処理できる件数を増やす

人を増やす、窓口の数を増やす。効果は確実ですが、人を増やせない前提では選べません。

1件あたりの時間を短くする

聞き直しをなくす、書く量を減らす、確認の手順を減らす。前の節までの内容がここに効きます。

来る時間をずらす

予約制にする、混む時間帯を案内する、来なくても済む手続きを分ける。投資が小さく、効果が出やすい方法です。

待たせの計測でもう1つ役に立つのは、時間帯ごとの件数です。午前の早い時間と昼の直後に山ができる窓口は多く、その山の高さが待ち時間を決めています。件数の合計を減らせなくても、山を崩せば待ち時間は短くなります。予約の枠を山の外に多めに置く、混む時間帯を案内に書く、その場でなくても済む用件を別の受け方に分ける。どれも設備を入れずにできる手当てです。

3つめの予約制は、窓口の側から見ると好き嫌いが分かれます。来た人を順番に受けるほうが単純で、予約の管理という新しい作業が増えるためです。ただし予約制にすると、来る前に用件と条件が分かるという副産物があります。用件が分かっていれば、必要な書類や担当者を先に用意できます。1件あたりの時間が短くなるため、予約の管理の手間を差し引いても短縮になる場合が多くあります。

予約を受ける仕組みは、入力の画面と一体にしておくのが要点です。予約の受付と、用件の入力を別々の道具で受けると、当日に2つを突き合わせる作業が発生します。1つの入力で予約と用件の両方が届くようにすると、突き合わせが不要になります。実際の画面の動きは動くところを見るで確かめられます。

待ち時間の削減で注意すべき点が1つあります。待たせている時間を短くすることと、待っている人の不満を減らすことは別だということです。あと何分で呼ばれるのかが分かっていれば、同じ待ち時間でも不満は小さくなります。順番と目安の時間を表示するだけで、苦情の件数は変わります。時間を削る前に、見えるようにするほうが安く済みます。

記録のたどり直しをやめる

たどり直しは、窓口の効率化のなかで最も後回しにされがちで、実際には最も時間を食っている部分です。

たどり直しが起きるのは、1件の用件についての情報が複数の場所に散っているからです。典型的には、こう散っています。

・最初の問い合わせはメールの受信箱 ・電話で話した内容は担当者のメモ ・提出された書類は共有フォルダか紙のファイル ・進み具合は表計算の一覧 ・出した返事は送信済みメール

この状態で「前回いつ何と答えたか」を確かめるには、5か所を開くことになります。担当者が同じ人なら記憶で補えますが、担当が変わった瞬間に全部が探し物になります。

直し方は1つです。1件の用件を1つの単位として扱い、そこに紐づく情報を同じ場所に置くことです。具体的には、届いた内容、担当者、いまの状況、やりとりの履歴が、1件を開けば全部そろっている形にします。

この形にすると、副産物が3つ出ます。1つめは、担当者が不在でも他の人が状況を把握できること。2つめは、二重に返信したり返し忘れたりしなくなること。返信したかどうかが表に残らないと、二重返信と返し忘れは必ず起きます。3つめは、同じ質問が繰り返し来ていることに気づけることです。

3つめが効率化には効きます。同じ質問が月に何件来ているかが分かると、案内の文面を直すべき箇所が特定できます。案内を直せば、その質問自体が来なくなります。窓口の効率化のなかで、来る件数そのものを減らせるのはこの手だけです。

記録の持ち方を変えるときに、よく出る心配があります。いままでの記録をどうするのかという点です。過去の分を全部移すと、着手までに時間がかかりすぎて結局始まりません。現実的な線は、移さずに切り替えることです。切り替えた日から新しい形で記録し、それ以前の分は従来の場所を参照する。過去を引く必要があるのは全体のごく一部で、半年ほど経てば参照する回数はほとんどなくなります。

もう1つの心配は、入力の項目を決めきれないことです。これは決めきらずに始めてよい部分です。最初は届いた内容、担当者、状況、履歴の4つだけで十分に効きます。運用しながら足りない項目が出てきたら、そのときに足します。最初から完璧な項目を設計しようとすると、設計だけで数か月が過ぎます。

受け付けた内容を表計算で管理している窓口では、この形への移し替えが次の段になります。表計算との違いをどこで見るかはGoogleフォームとの比較に項目ごとの整理があります。

電話とメールとフォームの3つを1本にまとめる

窓口の効率化で、数えるまで気づきにくい負荷があります。経路が複数あることそのものです。

窓口を持つ組織では、たいてい同じ用件が3つの経路で届きます。電話、メール、フォームか窓口での対面。同じ人が電話で聞いたあとにメールで送ってくることもあり、その2つが同じ件だと気づかないまま両方に対応してしまう例もあります。

経路を減らせばよいという結論にはなりません。電話でしか連絡できない人はいますし、書面でないと受け付けられない手続きもあります。減らすのではなく、届いたあとに1本にまとめるのが実際に取れる手です。

まとめ方は3段階です。

第1に、経路ごとの入口をそろえる。

電話で受けた用件も、その場で同じ入力の画面に書き込みます。担当者が自分のメモに書くのをやめて、全員が同じ場所に書く形にします。ここを徹底しないと、あとの2段は成立しません。

第2に、同じ人からの件を紐づける。

メールアドレスか電話番号を鍵にして、過去の件を引けるようにします。前回いつ何を聞かれたのかがその場で分かると、同じ説明を繰り返さずに済みます。窓口に来た人からすれば、覚えてもらえている窓口になります。

第3に、返した内容を1か所に残す。

電話で答えたことも、書いて残します。口頭で答えた内容が記録に無いと、次に別の担当が受けたときに違う答えを出します。これが苦情のいちばん多い原因です。

この3段のうち、現場の抵抗が大きいのは第1です。電話を受けながら入力する手間が増えるように見えるためです。ただし1週間の集計を取ると、口頭で受けた件のたどり直しに費やしている時間が、入力の時間を上回っていることがほとんどです。数字を出してから説明すると、進め方への納得が得やすくなります。

人を増やさずに担当を分ける

窓口を複数人で回している場合、効率化の障害になるのは作業の速さではなく、担当の決まり方です。

担当が決まっていない状態では、次の3つが起きます。

誰も手を付けない件が残る

全員が「誰かが見ているだろう」と考える件が出ます。件数が多い日ほど起きます。

二重に対応する

同じ件に2人が手を付け、別々の内容で返事を出します。来た人から見ると、言っていることが違う窓口になります。

難しい件だけが後回しになる

判断が要る件は誰も取らず、簡単な件から処理されます。結果として、難しい件の滞留が延びます。

どれも人の意識では直りません。担当を機械が持っている形にするのが確実です。届いた件に担当者が付き、いまどの状況なのかが残っていて、担当が付いていない件がひと目で分かる。この3つがあれば、上の3つは起きなくなります。

割り振り方は、窓口の性質で変えます。用件の種類で自動的に割り振る形は、専門が分かれている窓口に向きます。先に開いた人が担当になる形は、用件の種類が似ている窓口に向きます。当番制は、来る件数が読める窓口に向きます。

どの形を採るにしても、担当が付いていない件を数えられることが条件です。数えられれば、体制が足りているかどうかが数字で分かります。人を増やす相談をするときも、感覚ではなく数字で話せます。問い合わせ全般の受け方については問い合わせの受付に組み方をまとめています。

効率化がうまくいかないときに起きていること

窓口の効率化に取り組んで、思ったほど楽にならない例には共通点があります。

入口を増やして出口を増やしていない

オンラインの申請を受けられるようにしたのに、届いたあとは印刷して紙の流れに戻している状態です。入力の手間は来る人から消えますが、こちらの作業は印刷という工程が増えた分だけ悪化します。入口を作るときは、届いたものをそのまま処理できるかを先に確かめます。

全部を一度に変えようとする

窓口の用件は10種類以上あり、全部を同時に組み替えるのは無理があります。1週間の集計で上位に出た用件だけを対象にすると、期間を短く区切れます。

紙の様式をそのまま画面にする

紙の様式には、紙だからこその項目が入っています。押印の欄、記入日、同じ情報の重複記入。これをそのまま画面に写すと、画面のほうが使いにくくなります。様式を作り直す手間を惜しむと、効率化の効果が出ません。

現場が触れない道具を選ぶ

項目を1つ追加するのに外部への依頼が必要な仕組みにすると、案内の文面を直すことも項目を減らすこともできなくなります。窓口の効率化は、運用しながら少しずつ直す作業です。現場で直せることが条件になります。

効果を測る数字を決めていない

始める前に何を測るかを決めていないと、楽になったかどうかが分かりません。測るのは、1件あたりの時間、聞き直しの発生率、持ち帰りの件数、担当が付いていない件の数。この4つで足ります。

もう1つ、見落とされやすい注意があります。個人情報の扱いです。窓口で受け取る情報には氏名や住所が含まれ、経路を増やすと保存される場所も増えます。誰が見られるのか、いつ消すのかを先に決めておくことが必要です。法律の解釈にわたる判断は、所管の窓口や専門家に確かめてください。考え方の整理はよくある質問にもまとめています。

何から手を付けるかを決める

最後に、判断の順番を整理します。窓口業務の効率化は、次の順で進めると手戻りが少なくなります。

第1段。1週間数える。

用件、時間、持ち帰りの有無、聞き直しの有無。この4つだけを記録します。費用はかかりません。ここを飛ばすと、あとの判断が全部感覚になります。

第2段。上位3つの用件の聞き直しを消す。

案内を来る人が見る場所に置き、記入例を添え、条件による分岐を入力の側で処理します。道具を買わなくても着手できます。

第3段。1件の記録を1か所に集める。

届いた内容、担当者、状況、やりとりの履歴が、1件を開けばそろう形にします。ここで初めて道具の選定が必要になります。選ぶときに見るのは、作る側の機能ではなく、届いたあとに扱える範囲です。標準でどこまで扱えるかはできることに一覧があり、費用の考え方は料金に整理されています。

第4段。担当が付いていない件を数える。

数えられるようになったら、体制の話ができます。人を増やすかどうかは、この数字が出てから判断します。

第5段。来る件数そのものを減らす。

繰り返し来ている質問を特定し、案内の文面を直します。件数が減れば、窓口の作業は根本から軽くなります。

窓口の効率化を「速くすること」だと考えると、たいてい行き詰まります。速くできる余地は、すでにある程度まで使い切られていることが多いためです。残っている余地は、そもそも発生しなくてよい作業を止めるところにあります。聞き直し、たどり直し、来なくてよかった来訪、二重の対応。この4つは速くする対象ではなく、消す対象です。消せば、1件あたりの時間を削る努力よりも大きく効きます。

順番を守るもう1つの理由は、現場の納得です。数えた結果を見せてから変えると、変える理由が全員に共有されます。数えないまま新しい仕組みを入れると、現場には「使いにくくなった」という記憶だけが残り、次の改善が通らなくなります。最初の1回で信用を失うと、2回目の投資が難しくなります。

この順番の要点は、第3段より前に道具を選ばないことです。数えていない状態で道具を入れると、詰まっていない部分が速くなり、詰まっている部分はそのまま残ります。効率化が進んだ窓口と進まなかった窓口の差は、投資の額ではなく、この順番を守ったかどうかに出ます。

数えるところから始めれば、投資をしない段階でも作業は短くなります。第2段までで1件あたりの時間が変わらなかった場合に限って、道具の話に進んでください。助成金や公募のように期間が決まっている受付では、段取りの順番がそのまま締め切りに効くため、助成金・公募の受付の組み方も併せて確かめておくと判断が早くなります。

Q1. 窓口業務の効率化は、何から始めればよいですか?

1週間、用件の種類とかかった時間、持ち帰りになったか、聞き直しが発生したかの4つを記録することから始めてください。費用はかかりません。集計すると上位3つの用件で作業時間の半分以上を占めることが多く、そこに絞って手を付けると効果が出ます。数えないまま道具を選ぶと、詰まっていない部分が速くなるだけで体感は変わりません。

Q2. オンライン申請を受けられるようにすれば効率化できますか?

来る人の手間は減りますが、受ける側の作業が減るとは限りません。届いた内容を印刷して紙の流れに戻している場合、工程が1つ増えた分だけ悪化します。入口を増やすときは、届いたものをそのまま処理できるか、窓口の画面で開けるかを先に確かめてください。入口と出口は必ず同時に設計します。

Q3. 人を増やせない窓口でも待ち時間は短くできますか?

できます。聞き直しをなくして1件あたりの時間を短くする方法と、予約制にして来る時間を分散させる方法の2つが、人を増やさずに効きます。加えて、待ち時間そのものを削る前に、順番と目安の時間を表示して見えるようにするだけでも苦情は減ります。同じ待ち時間でも、見通しがあるかどうかで受け取り方が変わります。

Q4. 複数人で窓口を回すとき、担当をどう決めればよいですか?

用件の種類で自動的に割り振る、先に開いた人が担当になる、当番制にするの3つから、窓口の性質に合うものを選びます。どの形でも共通して必要なのは、担当が付いていない件をひと目で数えられることです。数えられれば体制が足りているかを数字で示せるため、人員の相談も感覚ではなく根拠を持って進められます。

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