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資料請求フォームの作り方|送ったあとの追いかけ方から決める

2026年9月23日 ・ Halict編集部

資料請求フォームを用意したい。そう考えて検索した人が最初に読みたくなるのは入力欄の作り方ですが、実際に手が止まるのはそこではありません。フォームを公開するところまでは、無料のフォーム作成ツールでも30分あれば終わります。詰まるのは、送信ボタンが押されたあとです。

資料をその場でダウンロードさせるのか、メールでリンクを送るのか、紙で郵送するのか。氏名と会社名以外に何を聞くのか。そして、資料を渡したあとに連絡するのかしないのか、するなら何日おきに何回までか。この3つを決めないままフォームだけ先に公開すると、届いた請求を前に毎回判断が止まり、返信の履歴も残らないまま、返し忘れと二重返信が同時に起きます。

この記事では、資料請求フォームを「送ったあとの追いかけ方」から逆算して設計する手順を整理します。渡し方の3つの選択肢の使い分け、聞く項目の絞り方、送付後の連絡の間隔と止めどきまで、受付をひとりで回している人が、いま手作業で埋めている部分がどこなのかを見極められるところまで書きます。

資料請求フォームは増えたが、返す側の手は増えていない

資料請求という受付は、住宅、教育、人材、BtoBのソフトウェア、医療機器、機械部品、士業のサービスまで、業種を問わず存在します。かつては電話とはがきで受けていたものが、いまはほぼすべてWebのフォームに寄っています。フォームを立てる側のハードルは、この数年でほとんど無くなりました。

一方で、受付を担当する人の負担が同じだけ減ったかというと、そうではありません。フォーム作成ツールが標準で用意してくれるのは、入力欄を作り、送信された回答を1行ずつ貯め、必要なら表計算ソフトへ流し込むところまでです。次の4つは、たいてい人の手か表計算の関数で埋めることになります。

・請求された資料を実際に渡す(ダウンロードのURLを出す、添付する、封筒に入れる) ・誰に何を送ったのかを記録する ・送ったあとに連絡するかどうかを判断し、実際に連絡する ・その連絡に返事が来たのか、来ていないのかを追う

この4つのうち、1つ目はツール側の自動返信で片付く場合があります。問題は2つ目以降です。送信されたあとに状態が変わるものを、フォーム自体は持っていないため、送付済みなのか未送付なのか、連絡は何回目なのかを、別の表や個人の受信箱で管理することになります。

現場でよく聞くのは、こんな詰まり方です。資料請求が届いたことには気づいたが、その日は別の業務で手が離せず、翌日に対応しようとして忘れた。同じ会社から2人が別々に請求してきて、両方に同じ資料を送ってしまった。1週間後に「その後いかがでしょうか」と連絡したが、実は同僚がすでに2日前に電話していた。どれも珍しい話ではなく、担当者が悪いわけでもありません。返信したかどうかが表に残らない構造だと、二重返信と返し忘れは必ず起きます。

資料請求は、問い合わせの受付と同じ形をしています。1件の請求に状態が付き、担当が決まり、やり取りが残る。この構造をどこまで道具側が持ってくれるかで、受付の手間は大きく変わります。問い合わせを受ける側の整理は問い合わせの受付にまとまっており、資料請求もほぼ同じ考え方で設計できます。

無料か有料かという軸で道具を比べる前に、この「送ったあと」の4つを誰が埋めるのかを先に決めてください。ここが決まっていないと、どのツールを選んでも公開したあとに同じ手作業へ戻ります。

資料の渡し方は3つ|その場か、メールか、郵送か

資料請求フォームの設計は、渡し方から決まります。渡し方が決まると、聞くべき項目が決まり、聞くべき項目が決まると、送ったあとに何ができるかが決まるからです。順序を逆にすると、必ずどこかで足りない項目が出てきます。

その場でダウンロードさせる方式

送信ボタンを押した直後の画面、またはその直後に届くメールで、PDFのURLを出す方式です。相手を待たせないので、請求から入手までの離脱がいちばん少なくなります。

この方式が向いているのは、資料の中身が汎用で、誰に渡しても内容が変わらない場合です。会社案内、サービスの概要資料、料金表、導入の流れをまとめたもの、講座のカリキュラム、施設の利用案内などがこれにあたります。相手が業務時間外に見ていても、その場で目的を果たせます。

注意点は2つあります。1つは、URLがそのまま転送されることを前提にしておくことです。社内で共有されて別の人が開くのは自然な行為なので、「このURLは請求者本人限定」という運用は成立しません。見られて困る情報を入れないか、閲覧に期限を付けるかのどちらかで対処します。もう1つは、ダウンロードされたかどうかを把握したいなら、送信完了画面に直接置くのではなく、メール経由にすることです。完了画面に置くと、その場で開いたのか、あとで開いたのかが分からなくなります。

自動返信メールにリンクを載せる方式

送信直後にメールを1通送り、その中に資料のURLを載せる方式です。実務ではこれがもっとも扱いやすく、多くの現場で採用されています。

利点は3つあります。1つ目は、メールアドレスが正しいことを確認できることです。誤入力や捨てアドレスであれば届かないため、そのあとの連絡が無駄になるかどうかを最初に判別できます。2つ目は、そのメールが以後のやり取りの起点になることです。相手が返信すれば、そのまま会話が続きます。3つ目は、開封やクリックの有無を追える設計にしやすいことです。

注意点は、メールが届かない可能性を常に想定しておくことです。迷惑メールに振り分けられる、社内のフィルタで止まる、入力ミスで別のアドレスに飛ぶ。この3つは一定の割合で必ず起きます。送信完了画面に「数分経っても届かない場合は迷惑メールフォルダをご確認のうえ、こちらまでご連絡ください」と連絡先を出しておくと、そこで問い合わせが1件立ちます。届かないまま黙って諦められるより、はるかに良い状態です。

郵送で送る方式

紙の冊子やサンプル、見本帳を送る方式です。デジタルに寄った現在でも、この形が最適な場面は残っています。

向いているのは、紙の質感や実物が判断材料になる商材、社内で回覧されることを前提にした資料、相手方の年齢層や職種の関係でPDFより紙が扱いやすい場合です。住宅の間取り集、印刷の見本、繊維や建材のサンプル、学校や講座の募集要項、施設の利用申請に添える書式などが該当します。

郵送を選んだ時点で、聞く項目が確実に増えます。郵便番号、都道府県、市区町村、番地、建物名、部屋番号、宛名。法人宛なら会社名と部署名も要ります。この増加は避けられないので、代わりに任意項目を削って総数を抑えます。

そして郵送特有の論点が2つあります。1つは到着までの時間差です。投函から到着まで数日かかるため、「届いた頃」を見計らった連絡が必要になり、送付日を記録しておかないと間隔が決められません。もう1つは費用です。1件あたりの送料と印刷費がかかるため、明らかな悪意の請求や、同一人物からの重複請求を弾く仕組みが要ります。これはメールでの送付より切実な問題です。

3つを混ぜるときの決め方

実際には、この3つを組み合わせる形が多くなります。おすすめの組み方は、まずメールで確実に届けて、必要な人にだけ郵送するという順序です。

具体的には、フォームに「資料の受け取り方法」という項目を1つ置き、「メールで受け取る」「郵送で受け取る」の2択にします。メールを選んだ人には住所欄を出さず、郵送を選んだ人にだけ住所欄を表示します。この分岐がフォーム側で作れると、全員に住所を聞かずに済み、入力の負担が下がります。分岐が作れないツールを使っている場合は、住所欄を任意にして「郵送をご希望の方のみ」と注記を添える形で代替できます。

判断の基準は単純です。資料の中身が紙でなければ伝わらないものかどうか。紙でなくても伝わるなら、メールを既定にします。両方を選べるようにして、選択の結果を数えておくと、次の改定でどちらに寄せるべきかが見えてきます。

聞く項目の絞り方|送るために要るものと、営業のために欲しいもの

資料請求フォームで最初に揉めるのが、項目の数です。営業の側は多く聞きたがり、Webの担当は減らしたがります。この対立は、感覚で議論すると終わりません。基準を1つ置けば片が付きます。

基準はこれです。資料を届けるために必要な項目だけを必須にし、それ以外は任意にするか、そもそも聞かない

必須にしてよい項目

メールで送る場合、必須は実質2つで足ります。メールアドレスと、宛名に使う氏名です。法人向けなら会社名を加えて3つ。これ以上を必須にする理由は、届けるという目的からは出てきません。

郵送で送る場合は、氏名、郵便番号、住所、法人なら会社名と部署名が必須になります。郵便番号から住所を自動で補完する仕組みがあれば、入力の手間はかなり減ります。

電話番号は、扱いが分かれる項目です。届けるためには不要ですが、メールが届かなかったときの代替の連絡手段としては意味があります。必須にすると、そこで請求をやめる人が確実に出ます。「メールが届かない場合のご連絡先」と用途を明記したうえで任意にするのが、折り合いとしては現実的です。

項目が1つ増えるごとに、離脱は増える

入力欄が増えるほど途中でやめる人が増えるのは、フォームを運用している現場では共通して観測される事実です。特に、答えるのに考える必要がある項目、たとえば「導入予定時期」「ご予算」「現在の課題」といった自由記述は、そこで手が止まります。

考える必要のある項目には、共通する特徴があります。相手がまだ答えを持っていないことです。資料請求の段階では、予算も時期も決まっていないのが普通です。決まっていないことを聞かれると、人は「まだ聞かれる段階ではないな」と判断して、画面を閉じます。

個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用目的をできる限り特定しなければならない。 出典: www.ppc.go.jp

個人情報の保護に関する法律が求めているのは、集める目的をできる限り具体的に定めることです。この条文は、フォームの項目を絞る作業とそのまま重なります。「なんとなく営業で使えそうだから」という理由で集めた項目は、目的を特定して書き出そうとすると書けません。書けない項目は、そもそも聞かないほうが良い項目です。個人情報の取り扱いについて、どこまでが許されるかの具体的な判断は、集める情報の種類や渡す相手によって変わります。迷う場合は所管の窓口や専門家に確かめてください。この記事は一般的な整理にとどめています。

聞きたい項目は、選択式にして後ろに置く

営業として知りたい情報を完全に捨てる必要はありません。置き方を変えれば、離脱をほとんど増やさずに取れます。

方法は3つあります。1つ目は、自由記述をやめて選択式にすることです。「ご検討状況」を自由記述にすると空欄になりますが、「情報収集の段階」「比較検討中」「導入時期が決まっている」の3択にすると、多くの人が答えます。考える負担が消えるからです。

2つ目は、必須項目のあとに置くことです。人は入力を始めると最後まで進もうとするので、必須の2つか3つを先に埋めさせてから任意項目を出すと、回答率が上がります。

3つ目は、資料を送ったあとに聞くことです。資料に興味を持った人だけが答える形になるので、集まる情報の質も上がります。請求の時点で全部を聞き出そうとするのが、そもそも無理な設計です。

「任意」と書くだけでは足りない

任意項目には、なぜ聞くのかを1行添えます。「ご検討の状況(お送りする資料を選ぶ参考にします)」のように、相手にとっての利点を書きます。用途が書いてあると、答える人が増えます。用途が書いていないと、営業電話が来る前触れだと受け取られます。

そして、アカウント登録は求めないでください。資料を1つ受け取るためにIDとパスワードを作らせると、そこで確実に人が減ります。ログインを求めない受け取り方については、ツールごとの考え方が異なるため、Googleフォームとの比較Microsoft Formsとの比較で、回答者側にアカウントが要るかどうかを確認しておくと判断しやすくなります。

送ったあとの連絡は、間隔と回数を先に決める

ここが本題です。資料請求フォームの設計で、いちばん後回しにされて、いちばん結果を左右するのが送付後の扱いです。

追いかけない、という選択も設計のうち

最初に確認したいのは、そもそも連絡が必要かどうかです。資料を渡すこと自体が目的で、そのあとは相手からの連絡を待つ、という運用は十分に成立します。講座の募集要項、施設の利用案内、公募の要項、行政の手続き資料などは、追いかける必要がありません。

追いかけるかどうかは、資料の性質で決まります。相手がその資料を読んで、自分で次の行動を決められるなら、追いかけない。読んだあとに疑問が残る前提で、こちらが補足しないと前に進めないなら、連絡する。この線引きを最初にしておかないと、「一応フォローの連絡を入れておこう」という曖昧な判断が積み重なり、担当者の作業だけが増えます。

そして、追いかけないと決めたなら、フォームで聞く項目もそれに合わせて減らせます。連絡しないのに電話番号を聞く理由はありません。

1回目は送付の直後、2回目は数日後、3回目で止める

連絡すると決めた場合、間隔と回数を先に決めます。運用として現実的なのは、次の形です。

1回目は、資料を送った直後です。メールで送るなら、資料のURLと一緒に「ご不明な点があればこのメールにご返信ください」と1行添えるだけで足ります。これは営業の連絡ではなく、窓口の案内です。

2回目は、資料が読まれたであろう頃合いです。メール送付なら3日から5日後、郵送なら到着からさらに数日を見て7日から10日後が目安になります。翌日に連絡すると、まだ読んでいない人に「読みましたか」と聞くことになり、相手の負担にしかなりません。

3回目を送るかどうかは、慎重に決めてください。2回連絡して反応が無いということは、いま必要としていないという意思表示です。それでも1通だけ送るなら、内容を変えます。「その後いかがでしょうか」ではなく、「今回はご縁がなかったものとして、こちらからのご連絡は本メールで最後とします。必要になったときにこのメールを探していただければ幸いです」という締めの1通です。この形なら、相手の負担にならず、必要になったときに連絡先が残ります。

回数の上限を決めて、その回数で必ず止める。これを運用のルールとして書き出しておくと、担当者が判断に迷わなくなり、相手にとっても負担が読めます。

相手の負担を軽くする連絡の書き方

送付後の連絡が嫌われるのは、回数だけが理由ではありません。中身が相手の作業を増やすからです。

避けたい書き方は3つあります。1つ目は、返事を前提にした問いかけです。「ご検討状況はいかがでしょうか」は、相手に文章を書かせます。2つ目は、日程を求めることです。「ご都合の良い日時をいくつかお知らせください」は、相手のカレンダーを開かせます。3つ目は、複数の質問を並べることです。

代わりに置くのは、相手が読むだけで済む情報です。資料に載せきれなかった補足、よくある質問への答え、関連する資料のURL。読んで終わりにできる内容なら、相手は負担を感じません。返事が欲しいなら、「不要であればこのメールを無視してください」と明記したうえで、答えが1語で済む聞き方にします。

件名も重要です。「資料請求ありがとうございました」ではなく、何の資料についての連絡なのかが分かる件名にします。請求から数日経つと、相手は何を請求したのかを忘れています。

送付日と連絡日を記録しないと、間隔は守れない

間隔を決めても、記録が無ければ守れません。必要な記録は3つです。資料を送った日、連絡した回数、次に連絡する予定日。

この3つを表計算に列として足すと、一時的には回ります。ただし、件数が増えたときと、担当が2人以上になったときに崩れます。現場では、100件を超えたあたりから表が回らなくなると言われています。並べ替えのたびに行がずれる、同じ行を2人が同時に編集する、フィルタをかけたまま別の人が開いて全体を見誤る。表計算はもともと1人が集計するための道具なので、複数人で状態を更新する用途には向いていません。

同じ相手からの重複と、同じ会社からの複数請求

追いかけ方を決めるうえで避けて通れないのが、重複の扱いです。ここを整理しておかないと、1人の相手に同じ資料を2回送り、そのあとのフォローも2回走ります。

重複には2種類あります。1つは、同じ人が同じ資料を繰り返し請求してくる場合です。多くは悪意ではなく、送信できたか不安になってもう一度押した、迷惑メールに入って届かないと思ってやり直した、というだけです。この場合は、メールアドレスが一致する行をまとめて1件として扱えば済みます。送信完了画面で「ご登録のメールアドレス宛に数分以内にお送りします」と明記しておくと、この種の重複はかなり減ります。

もう1つは、同じ会社の別の人がそれぞれ請求してくる場合です。これは重複ではありません。部署が違えば検討している内容も違うので、それぞれに送るのが正しい対応です。問題になるのは、フォローの連絡が別々に飛ぶことです。同じ会社に2人の担当者から別々の文面が届くと、社内で「この会社は連携が取れていない」と受け取られます。会社名の列で並べ替えて、同じ会社が複数行あれば連絡を1本にまとめる。この確認を送付後の連絡を出す前に1回入れるだけで、印象がかなり変わります。

郵送を選んでいる場合、重複はそのまま費用になります。1件あたりの印刷費と送料がかかるため、同じ住所への重複発送は直接の損失です。郵送を含むフォームでは、送付済みかどうかを記録する列を最初から用意しておいてください。メール送付なら気づかずに済む重複も、郵送では封筒が2通届いた相手から連絡が来ます。

二重返信と返し忘れは、履歴が残らないから起きる

送付後の連絡を設計しても、履歴が1か所にまとまっていなければ、その設計は実行されません。ここは道具の問題です。

個人の受信箱に入ると、そこで止まる

資料請求の通知が担当者個人のメールアドレスに届く運用は、いまも多く残っています。この形の弱点は明確です。その人が休んだ日、通知は誰にも見えません。返信したかどうかも、その人の送信済みフォルダにしかありません。引き継ぎのときには、受信箱をまるごと見せるしかなくなります。

共有のアドレスに変えると、複数人が見られるようにはなります。ただし、今度は「誰が対応するのか」が決まりません。全員が見えて誰も動かない状態か、2人が同時に返信する状態のどちらかになります。共有アドレスは、担当を決める仕組みの代わりにはなりません。

足すべきなのは、状態を表す1列

表計算で管理している場合、最初に足すべき列は「対応の状態」です。未対応、資料送付済み、フォロー1回目済み、完了、対象外。この5つ程度から始めれば足ります。

次に足すのが「担当者」の列です。この2列があるだけで、二重返信はかなり減ります。誰が何をどこまで進めたかが1行で分かるからです。

ただし、列を足す作業自体が手作業であることは変わりません。請求が届くたびに行が増え、状態を人が書き換え、日付を人が入れる。この転記の回数が、いま道具に足りていない分量そのものです。転記を何回しているかを1週間数えてみると、道具を変えるべきかどうかの答えが出ます。

移行を考えるときに見る場所

いまWordPressのプラグインでフォームを作っている場合、送信された内容がサイト側に保存されているのか、メールで飛ぶだけなのかで、状況が大きく変わります。保存の扱いについてはContact Form 7との比較で、送信後のデータがどう残るのかを確認しておくと、移行の判断がしやすくなります。

道具を替えるかどうかを決めるとき、比較すべきなのは入力欄の作りやすさではありません。送信されたあとに、状態、担当、やり取りの履歴の3つが1つの画面に並ぶかどうかです。何がどこまでできるのかはできることに整理されており、実際の画面の動きは動くところを見るで確かめられます。費用の考え方は料金、運用上の細かい疑問はよくある質問にまとまっています。

場面ごとに、追いかけ方の正解は変わる

資料請求という言葉でまとめられていても、実際の運用は場面によって大きく違います。追いかけるべき場面と、追いかけてはいけない場面があります。

採用の会社案内・募集要項

応募を検討している人への資料送付は、追いかけ方をもっとも慎重にすべき場面です。相手は在職中であることが多く、業務時間中の電話は迷惑になります。連絡はメールに限定し、回数は2回までに抑えるのが無難です。

聞く項目も最小限にします。氏名とメールアドレスだけで足ります。現職の会社名を必須にすると、そこで請求をやめる人が出ます。選考の段階でどう追うかは、資料請求とは別の設計になるため、採用の応募受付の考え方を参考に、資料請求と応募受付を分けて扱ってください。

講座・イベントの案内資料

開催日が決まっている場合、連絡の間隔は開催日から逆算します。締切の1週間前に1通、2日前に1通。これは営業の連絡ではなく、締切のお知らせなので、相手にとっても有用です。逆に、開催がまだ先の資料請求で頻繁に連絡すると、開催前に嫌われます。申し込みまでの流れは講座の受講申し込みイベントの申し込みの整理が参考になります。

助成金・公募の要項

追いかけてはいけない場面の代表です。公募の要項を請求した相手に営業の連絡をすると、公平性の観点で問題になり得ます。送るのは要項そのものと、締切の変更や追加募集といった事務的な連絡だけです。

一方で、締切と要件の管理は厳密である必要があります。誰にいつ要項を送ったかの記録は、問い合わせを受けたときに必要になります。この形の受付は助成金・公募の受付に整理されています。

施設利用・入会・修理サポート

施設の利用案内や入会の資料は、請求した時点で利用の意思がある程度あります。この場合、連絡は「次の手続き」の案内になるので、相手の負担になりません。何を送り、次に何をすればよいかを1通で伝えるのが正解です。詳細な運用は施設利用の申請会員の入会申し込みにまとまっています。

修理やサポートの資料は、困っている人からの請求です。速度がすべてで、追いかける必要はありません。むしろ、送ったあとに「解決しましたか」と1通だけ送ると、未解決の人を拾えます。この形は修理・サポートの受付の考え方に近くなります。

独自データの考察

資料請求という受付を、担当者の作業に分解すると、道具に求められる要件がはっきりします。この記事で扱った渡し方、項目、連絡の間隔、履歴の4つのうち、フォームの入力欄で解決できるのは2つ目だけです。残りの3つは、送信されたあとに状態が変わるものなので、入力欄をいくら作り込んでも変わりません。

受付の場面を横に並べると、構造が共通していることが分かります。問い合わせの受付は返信の有無と担当、採用の応募受付は選考の段階と連絡、イベントの申し込みは定員と締切、助成金・公募の受付は締切と要件の確認、施設利用の申請は日程と承認、会員の入会申し込みは審査と入金、修理・サポートの受付は対応の進み具合、講座の受講申し込みは回ごとの定員と出欠。名前は違いますが、どれも「1件の申し込みに状態が付いて、担当が決まり、やり取りが残る」という同じ形です。

資料請求もこの形の1つです。だから、資料請求フォームで困っている部分は、資料請求に特有の問題ではありません。受付という仕事に共通する構造の問題です。フォームを作り直しても、毎回同じところで詰まるのはそのためです。

判断の順序をまとめると、次のようになります。まず、資料の渡し方をその場か、メールか、郵送かで決める。次に、その渡し方に必要な項目だけを必須にする。そのうえで、送付後に連絡するかどうかを決め、連絡するなら間隔と回数の上限を書き出す。最後に、送付日と連絡の回数がどこに記録されるかを確かめる。

この4つのうち、いくつを人の手で埋めているかが、いまのフォームで足りるかどうかの答えになります。埋める数が0か1なら、いまの道具のままで問題ありません。無理に替える必要はなく、いま使っているフォーム作成ツールで十分に回ります。

2つ以上を毎回人が埋めているなら、それは道具の選び直しで減らせる手作業です。減らすべきは入力欄の数ではなく、送信されたあとに人が転記している回数です。1週間のあいだに、表へ何回書き込んだか、受信箱と表を何回往復したかを数えてください。その回数が、次に何を変えればよいのかを具体的に教えてくれます。

そして、追いかけ方を先に決めておくことには、もう1つの効果があります。連絡の回数に上限があると分かっていれば、担当者は迷わずに止められます。止め方が決まっている受付は、送る側にとっても受け取る側にとっても、負担が読める受付になります。

Q1. 資料請求フォームで必須にすべき項目は何ですか?

資料を届けるために必要な項目だけです。メールで送るなら、メールアドレスと宛名に使う氏名の2つ、法人向けなら会社名を加えて3つで足ります。郵送なら氏名、郵便番号、住所が加わります。電話番号や検討状況を必須にすると、そこで請求をやめる人が出るため、任意にして用途を1行添えるのが現実的です。

Q2. 資料はその場でダウンロードさせるのと、メールで送るのはどちらが良いですか?

実務ではメール送付が扱いやすくなります。メールアドレスが正しいことを確認でき、そのメールが以後のやり取りの起点になるためです。ただし迷惑メールに振り分けられる可能性があるので、送信完了画面に「届かない場合の連絡先」を必ず出してください。中身が汎用の資料なら、その場でのダウンロードも有効です。

Q3. 資料を送ったあと、何日後に連絡するのが適切ですか?

メール送付なら3日から5日後、郵送なら到着を見込んで7日から10日後が目安です。翌日だと、まだ読んでいない人に読んだかを聞くことになります。回数は2回までを基本とし、3通目を送るなら「こちらからの連絡は最後にします」と締める内容に変えてください。上限を決めておくと担当者が迷わず止められます。

Q4. 資料請求の管理は表計算ソフトのままで回せますか?

件数が少なく担当が1人なら回ります。まず「対応の状態」と「担当者」の2列を足せば、二重返信はかなり減ります。ただし現場では100件を超えたあたりから表が回らなくなると言われており、並べ替えで行がずれる、2人が同時に編集するといった問題が出ます。表へ転記する回数を1週間数えると判断できます。

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