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整体院が集めた個人情報の扱い|同意をどこまで取っておくか

2026年9月13日 ・ Halict編集部

整体院の受付には、思っているより多くの情報が集まります。名前と電話番号だけではありません。どこが痛むのか、いつからなのか、どこに勤めていて何時なら来られるのか。問い合わせの本文を読み返せば、その人の生活のかなりの部分が書かれています。

集めること自体は仕事の一部です。困るのは、集めたあとの扱いが決まっていないことです。同意をどこで取るのか、どこに置くのか、誰が見るのか、いつ消すのか。この四つが決まっていないまま件数だけが増えると、あとから戻せなくなります。この記事は、整体院の受付が個人情報の保管について何を決めておけばよいかを、順番に並べたものです。

整体院の受付に集まる情報を、まず書き出す

問い合わせの段階で集まるもの

同意や保管の話に入る前に、いま何が手元にあるのかを書き出してください。書き出さずに方針だけを決めても、抜けが残ります。整体院の問い合わせ窓口には、おおよそ次のものが集まります。

種類 具体的な中身 どこから来るか
連絡先 名前、電話番号、メールアドレス フォームの入力欄
来られる時間 平日の夜、土曜の午前 フォームの入力欄、返信のやり取り
体の状態 痛む場所、いつから、日常で困っていること 問い合わせの本文
経過 他で診てもらったかどうか 問い合わせの本文、添付の書類
写真 姿勢、患部 添付ファイル
勤務先 福利厚生の利用、法人契約 申請の書式
紹介元 誰の紹介か 問い合わせの本文

この表を見ると、フォームの入力欄で集めているものより、本文の自由記入と添付で集まっているもののほうが重いことが分かります。入力欄は設計すれば減らせますが、本文は相手が書きたいことを書きます。減らすことはできません。だから、置き場所と扱いを決めるほうが現実的です。

来院後に増えるもの

問い合わせの段階で止まらず、来院すればさらに増えます。施術の記録、次回の予定、支払いの記録、キャンセルの経緯。受付が管理するのはこのうち予定と連絡の部分ですが、同じ人の情報として並びます。

ここで注意したいのは、問い合わせの記録と来院後の記録が別の場所に分かれていることが多い点です。問い合わせはメールやフォームの受信箱、来院後は紙のカルテと予約表。同じ人の情報が二か所に分かれていると、消してほしいと言われたときに片方だけが残ります。書き出しの段階で、この分かれ方も一緒に書いておいてください。

受付が持つ責任の範囲

受付が判断するのは、集めた情報をどう扱うかの手順の部分です。体の状態そのものをどう読むかは施術の担当が判断することで、受付が要約したり評価したりするものではありません。ここを分けておくと、記録に書く内容も自然に決まります。受付が書き残すのは、いつ誰から何の連絡が来て、いつ誰がどう返したか。それだけで足ります。

同意はいつ、どこまで取るのか

入り口で取る同意と、来院時に取る同意

同意を取る場面は二つに分かれます。ひとつは問い合わせの入り口、もうひとつは来院したときです。この二つを混ぜると、どちらも中途半端になります。

入り口で取るのは、問い合わせに書かれた内容と添付を、返信と予約の調整のために使うことへの同意です。これは短くて構いません。来院時に取るのは、施術の記録を残すことや、必要に応じて経過を記録することへの同意です。こちらは院の業態によって中身が変わります。

問い合わせの段階で来院後のことまで同意させようとすると、入り口の文章が長くなり、読まずにチェックを入れる人が増えます。読まれない同意は、取ってあるようで取れていません。入り口では入り口の分だけにとどめるほうが、結果として実のある同意になります。

利用目的を先に書く

同意の中身を決めるときの出発点は、何のために使うのかをはっきりさせることです。制度の側でも、この点が最初に置かれています。

個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用目的をできる限り特定しなければならない。 出典: www.ppc.go.jp

整体院の受付でこれを具体化すると、「返信と予約の調整のため」「来院時のご案内のため」といった書き方になります。ここに「サービス向上のため」のような広い言葉を足したくなりますが、広く書くほど何にでも使えるように見えて、かえって不信を招きます。使う予定のないことは書かないほうが、説明が楽になります。

なお、どこまで書けばよいか、どの範囲が必要かの判断は、院の業態や記録の内容によって変わります。この記事で断定はできません。文面を固める前に、所管の窓口や専門家に確かめてください。

チェックボックス一つで足りるのか

入り口の同意は、チェックボックス一つで受けている院がほとんどです。実務としてはそれで動きますが、チェックの横に置く文章が問題になります。長い規約へのリンクだけを置くと、読まれません。かといって全文を置くと、フォームが読みにくくなります。

現実的なのは、要点を三行から四行で書いて、詳しい文書へのリンクを添える形です。要点に入れるのは、何のために使うか、誰が見るか、いつまで置くかの三つ。これだけ書いてあれば、送る側は判断できます。詳細を読みたい人だけがリンクを開きます。

もうひとつ効くのは、チェックした記録が残るかどうかです。チェックを求めていても、送信されたデータに「同意した」という記録が残らない形だと、あとから確かめられません。入り口の道具を選ぶときは、同意の記録が一件ごとに残るかを見ておいてください。

誰が見るのかを決める

少人数だからこそ、先に決める

整体院は人数が少ないぶん、全員が全部を見られる状態になりがちです。人が三人しかいないのに権限を分けるのは大げさに思えます。しかし、分けておくと楽になる場面があります。

ひとつは、人が入れ替わるときです。アルバイトの受付が入ったとき、その人がどこまで見てよいかが決まっていないと、その場で判断することになります。もうひとつは、何かあったときです。誰が見られる状態だったのかを説明できないと、事実確認が進みません。

分け方の目安は単純で、その人がその情報を見ないと仕事が進まないかどうかです。予約の調整をするだけなら、体の状態の詳細まで見る必要はありません。施術に入る人は見る必要があります。この線を一度引いておけば、以後は迷いません。

端末と持ち出しの扱い

見る人を決めても、端末が決まっていないと意味が薄くなります。院の代表アカウントを個人のスマホで開いていると、その端末を持って出た先で見られる状態になります。自宅で返信するのが悪いわけではありませんが、どこまで許すかを決めておかないと、退職時に切れません。

決めておきたいのは、どの端末から見てよいか、退職や交代のときに何を止めるか、の二つです。パスワードを共有して使い回している状態だと、この二つが実行できません。ひとりずつの入り口を用意できるかどうかは、少人数の院でも効いてきます。

どこに置くのかを決める

分散がいちばんの問題

整体院の受付で個人情報の扱いが崩れる最大の原因は、置き場所が散っていることです。よくある散り方を並べます。

・サイトのフォームから届いたメール ・地図サービスや通話アプリのメッセージ ・受付のパソコンに作った表計算のファイル ・紙の予約台帳と申込書 ・院長の個人の端末に残ったやり取り

この五か所に同じ人の情報が入っている状態は、珍しくありません。散っていると、消す作業が終わりません。誰が見たかも追えません。何より、探す時間がかかります。受付が一日のうちで最も無駄にしているのは、探す時間です。

移し替えの作業が事故を生む

散っている状態を直そうとして、届いたものを別の場所に移し替える運用を作る院があります。フォームで受けて、表計算に転記して、紙に印刷する。これは一見整理されているようで、事故のもとになります。

理由は二つあります。ひとつは、転記の途中で間違いが入ることです。電話番号を一桁写し間違えるだけで、連絡が取れなくなります。もうひとつは、消すときに三か所とも消す必要があることです。二か所消して一か所忘れると、消したつもりの情報が残ります。

移し替えを減らすには、届いた場所で最後まで扱える形にするのが早道です。届いた一件に担当と状態を持たせて、返信の履歴も同じ場所に残る。そうすれば転記が要らなくなります。入り口の道具ごとに、送信されたあとをどこまで扱えるかは違います。回答が表に落ちたあとどう追うかという観点はGoogleフォームとの比較にまとめてあります。自前のサイトに埋め込んで使っている場合はContact Form 7との比較のほうが近い状況です。

紙をどう位置づけるか

紙をやめる必要はありません。整体院では、当日の受付票や同意書を紙で運用しているところが多く、それ自体は問題ではありません。決めておきたいのは、紙にしかない情報を作らないことです。

紙にしかない情報があると、消す作業も探す作業も紙に引きずられます。紙は当日の運用のための控えと位置づけて、元の記録は電子の側に置く。この向きにしておけば、紙は決めた期間で処分するだけで済みます。

いつまで置くのか

保存期間を決めていないと消せない

保存期間は、決めていない院がほとんどです。決めていないと、消す判断が毎回必要になり、結果として誰も消しません。数年分の問い合わせが受信箱に残っている状態は、探すのが遅くなるだけでなく、何かあったときの影響範囲も広がります。

決め方は、何のために持っているかから逆算します。返信と予約の調整のために受け取ったのであれば、来院するか、来院しないことが確定した時点で役目は終わります。来院後の記録として引き継ぐものは、そちらの保存の考え方に従います。院として期間を定めるときは、業態と記録の中身によって考え方が変わるため、所管の窓口や専門家に確かめてください。

消す作業を人の手に頼らない

期間を決めても、消す作業が手作業だと後回しになります。フォルダを開いて、日付を見て、選んで消す。この時間を取れる日はなかなか来ません。

置き場所がひとつにまとまっていれば、この作業は一度で終わります。散っていると、五か所を回ることになり、そのうち何度かは途中でやめます。保存期間を実際に運用できるかどうかは、置き場所をひとつにできたかどうかでほぼ決まります。

消してほしいと言われたとき

連絡は突然来る

問い合わせをした人から、送った内容を消してほしいという連絡が来ることがあります。他の院に決めた、家族に見られたくない、といった理由です。このとき慌てないためには、手順を先に書いておく必要があります。

手順に必要なのは三つです。どこに情報があるかの一覧、消す担当、消したことを伝える文面。一覧が無いと、消し漏れが出ます。担当が決まっていないと、誰かがやると思って誰もやりません。伝える文面が無いと、返信が遅れます。

消せないものがあるとき

すべてを消せるとは限りません。会計の記録として残す必要があるものや、他の制度で保存が求められるものが混ざることがあります。この線引きは院の業態によって変わるため、判断が必要な場面では所管の窓口や専門家に確かめてください。

受付として準備できるのは、消せるものと消せないものを事前に整理しておくことです。整理してあれば、連絡が来たときに「こちらは消しました、こちらはこの理由で残ります」と説明できます。整理していないと、調べるところから始まり、返信が何日も遅れます。

外に渡る場面を洗い出す

気づかないうちに外に出ていることがある

整体院の受付が使っている仕組みの中には、情報が外部の会社の設備に置かれるものがあります。予約を受ける仕組み、地図サービスのメッセージ、会計の仕組み、メールの仕組み。これらは業務のために使っているものですが、置き場所という意味では外にあります。

これ自体は普通のことです。問題になるのは、どこに何が置かれているかを把握していないことです。院として説明を求められたときに答えられるよう、使っている仕組みと、そこに何が入っているかの対応を一枚にまとめておいてください。

提携先や紹介元とのやり取り

法人契約や提携先とのやり取りで、来院者の名前や利用状況を先方に伝える場面があります。この場面は、入り口で取った同意の範囲を超えることがあります。伝えてよい範囲は契約や取り決めによって変わるので、事前に確かめてください。判断に迷う場合は、所管の窓口や専門家に確かめるのが確実です。

受付としては、外に伝えた記録を残すことが大切です。いつ、誰に、何を伝えたか。記録が無いと、あとから確かめられません。

入り口で集める項目を減らす

「あれば便利」で増えた欄が、扱いを重くする

保管の話は、集めたあとをどうするかの話だと思われがちですが、実際にいちばん効くのは入り口です。集めなければ、置き場所も見る人も保存期間も考えずに済みます。整体院の問い合わせフォームには、いつのまにか欄が増えていることがよくあります。生年月日、住所、性別、職業、家族構成。どれも「あれば便利」で足されたものです。

そこで一度、欄ごとに「この欄が空欄でも返信できるか」を問い直してください。返信できるなら、その欄は入り口では要りません。来院が決まった段階で聞けば足ります。住所は施術の予約に必要ありませんし、生年月日も来院時の問診で書いてもらえます。入り口で聞かない判断は、そのまま保管の負担を減らします。

欄を減らすと、送る側の手間も減ります。入力の項目が多いフォームは、途中でやめる人が出ます。特にスマホから入力している人は、欄が増えるほど離脱します。集める項目を減らすことは、扱いを軽くすることと、問い合わせを増やすことの両方に効く、数少ない手です。

自由記入欄をどう扱うか

一方で、自由記入の欄は減らせません。整体院の場合、ここに書かれる内容がいちばん重く、同時にいちばん役に立ちます。どこがいつから痛むのか、どんなときに困るのか。この情報がないと、初回の枠も担当も決まりません。

自由記入欄については、集めない方向ではなく、書きすぎないよう促す方向で考えてください。欄の上に「気になるところを、差し支えのない範囲でお書きください」と一行添えるだけで、書かれる内容の重さが変わります。逆に「詳しくお書きください」と書くと、必要以上の情報まで届きます。届いてしまえば、扱う責任はこちらに移ります。

選択式にできるものは選択式にする

痛む場所、いつから、来られる時間帯。この三つは選択式にできます。選択式にすると、自由記入に書かれる分量が減り、集計もできるようになります。何より、受付が読む時間が短くなります。文章を読んで内容を拾う作業は、件数が増えるほど重くなります。

選択式で拾えるところは選択式で拾い、拾いきれないところだけ自由記入に回す。この配分を一度見直すだけで、入り口の設計はかなり変わります。フォームの欄をどう組むかは、受け付ける中身によって変わります。応募や申し込みを受ける場面での考え方は講座の受講申し込みにまとめてあります。

受付の一日の中に、扱いの決まりを入れる

朝と閉院後にやること

方針を紙に書いても、日々の動きに組み込まれなければ守られません。少人数の整体院で現実的なのは、朝と閉院後の二回、決まった動きを入れることです。

朝は、未対応の問い合わせだけを開いて上から見ます。返信の期日を決めているなら、期日を過ぎそうなものを先に処理します。閉院後は、その日に届いたものがすべて対応済みか、担当が付いているかを確かめます。この二回で、返し忘れと放置はほとんど防げます。

この動きが回るかどうかは、未対応だけを絞り込めるかにかかっています。すべての問い合わせが同じ画面に並んでいて、どれが返信済みか分からない状態だと、毎回すべてを読み直すことになります。件数が二桁になった時点で続きません。返信したかどうかが表に残らないと、二重返信と返し忘れは必ず起きます。

受付の場所そのものも見直す

情報の扱いというと画面の中の話に思えますが、整体院では物理的な場所も関わります。受付の画面が待合から見えていないか、紙の予約表が来院者から読める位置に置かれていないか、電話で名前と症状を復唱していないか。

このあたりは費用をかけずに直せます。画面の向きを変える、台帳を伏せる、電話では名前だけを確認して症状は復唱しない。どれも今日からできることで、しかも来院者からの見え方に直結します。仕組みを入れ替える前に、ここを一度見ておいてください。

人が入れ替わるときにやること

交代の日に止めるものを決めておく

少人数の院では、受付の担当が変わることがあります。このとき、引き継ぐものと止めるものを分けて考えてください。引き継ぐのは、対応中の問い合わせと、その経緯です。止めるのは、その人が持っていた入り口です。

止めるのが難しいのは、パスワードを共有している場合です。ひとつのパスワードを全員で使っていると、誰かが辞めたときに全員分を変えることになります。変えると告知が必要になり、面倒なので後回しにされます。結果として、辞めた人が見られる状態が残ります。ひとりずつの入り口を用意しておけば、その人の分だけを止められます。

引き継ぎで抜けるのは「途中のもの」

引き継ぎで抜けやすいのは、完了したものではなく、途中のものです。返信を待っている問い合わせ、院長の確認待ちで止まっているもの、日程の候補を出して返事待ちのもの。これらは頭の中にしかないことが多く、口頭の引き継ぎでは抜けます。

抜けを防ぐには、状態が画面に出ている必要があります。対応中と未対応が区別されていて、担当が付いていれば、引き継ぎは画面を見せるだけで済みます。状態が持てない受け方をしていると、引き継ぎのたびに紙のメモを作ることになり、そのメモがまた新しい置き場所になります。

何かあったときの初動を決めておく

まず、何が起きたかを確定させる

誤って別の人に返信した、端末をなくした、紙の申込書が見当たらない。こうしたことは、どれだけ気をつけていても起こります。大切なのは、起きたときに何をするかが決まっていることです。

初動として必要なのは、何が、いつ、どの範囲で起きたかを確定させることです。誰の情報が、どこまで、誰の目に触れた可能性があるのか。ここが曖昧なまま連絡や説明に進むと、あとから訂正することになります。訂正は信用を余計に損ないます。

範囲を確定させるには、記録が要ります。誰がいつ何を見たか、どこに何が置いてあるかが分かる状態であれば、確定は早く済みます。散らばっていると、確定そのものに何日もかかります。日頃の置き場所の整理が、ここで効いてきます。

誰に伝えるかを決めておく

何かあったときに、誰に伝えるべきか、どの窓口に連絡するべきかは、内容と規模によって変わります。この判断は制度に関わるため、この記事で断定はできません。院として手順を作るときに、所管の窓口や専門家に確かめてください。

受付として準備しておけるのは、連絡先の一覧と、報告の順番です。まず院長に伝える、次にどこへ連絡するか。この順番が決まっていれば、慌てて自己判断で動くことがなくなります。

整体院ならではの、判断に迷う場面

家族からの代理の問い合わせ

整体院の窓口には、本人ではなく家族からの問い合わせが届きます。高齢の親を連れて行きたい、子どもの姿勢が気になる、といった内容です。このとき、書かれているのは本人の体の状態で、送ってきたのは別の人です。

受付として決めておきたいのは、返信をどちらに送るかと、来院時に本人の意思をどう確かめるかの二点です。返信は送ってきた人に返すのが自然ですが、内容によっては本人に直接伝えるべきものが混ざります。線引きに迷う場面は院の方針として決めておき、判断が必要なところは所管の窓口や専門家に確かめてください。少なくとも、受付がその場の判断で使い分けない形にしておくことが大切です。

口コミへの返信で書けること

地図サービスや口コミの欄に、来院した人の書き込みが付くことがあります。院として返信するとき、うっかり来院の事実や施術の内容に触れてしまうことがあります。書き込んだ本人が公開している内容であっても、院の側から追加の事実を書くのは別の話になります。

返信に書いてよいのは、来院への礼と、一般的な案内までにとどめるのが安全です。いつ来たか、何回来ているか、どこが悪かったかを院の側から書かない。この一線を決めておけば、返信を担当する人が迷いません。返信の文面を型にしておくと、書きすぎが起きにくくなります。

予約の変更やキャンセルのやり取り

予約の変更やキャンセルの連絡は、問い合わせとは別の入り口から来ることが多く、そこだけ扱いが緩くなりがちです。通話アプリのやり取りで済ませていると、そこに体調の話や事情が書かれて残ります。問い合わせの記録とは別の場所に、同じ人の情報が溜まっていきます。

ここも、置き場所をまとめる対象に入れてください。予約の変更を受ける入り口と、問い合わせを受ける入り口が同じであれば、探すのも消すのも一度で済みます。入り口の数を減らすことは、扱いを軽くするいちばん確実な方法です。使われる場面ごとの整理は問い合わせの受付にまとまっています。

決めごとを一枚にまとめて、受け方を選ぶ

決めることの一覧

ここまでの内容を、決めることの一覧として並べます。整体院の受付でこの一覧が埋まっていれば、日々の判断はほとんど迷いません。

・入り口で集める項目と、集めない項目 ・入り口の同意文の要点。何のために使うか、誰が見るか、いつまで置くか ・同意の記録が一件ごとに残るか ・見てよい人の範囲。予約の調整だけの人と、施術に入る人 ・見てよい端末と、交代時に止める手順 ・置き場所。散らさず一か所にできるか ・保存期間と、消す担当 ・消してほしいと言われたときの手順 ・外部の仕組みに何が置かれているかの一覧 ・外に伝えた記録の残し方

受け方の道具を選ぶときに見るところ

この一覧を埋めようとすると、入り口の道具に求めるものがはっきりしてきます。送信できるかどうかではなく、送信されたあとの道具がそろっているかどうかが効いてきます。届いた一件に担当と状態を持たせられるか、誰が返したかが残るか、見る人を分けられるか、まとめて消せるか。

このあたりが確かめられる一覧はできることにあります。実際に画面がどう動くのかは動くところを見るから見られます。問い合わせを受けて返すまでの流れそのものについては問い合わせの受付に整理があります。

一度に全部を直そうとしない

一覧を見ると項目が多く、腰が重くなります。しかし、全部を同時に直す必要はありません。効きが大きい順に並べると、置き場所をひとつにすること、入り口で集める項目を減らすこと、保存期間を決めること、見る人を分けること、の順になります。

置き場所を先に直す理由は、他の項目がすべてそこに乗るからです。散らばったまま保存期間を決めても運用できませんし、散らばったまま見る人を分けることもできません。逆に、置き場所がひとつになっていれば、残りの項目は設定と決めごとで済みます。

入り口で集める項目を減らすのを二番目に置いたのは、費用がかからず、今日からできるためです。欄を三つ削るだけで、保管する情報が三つ減ります。減った分だけ、消す作業も説明する内容も軽くなります。手を付ける順番を決めておくと、途中で止まっても前の段階までは残ります。

費用の考え方

情報の扱いを整えるための費用は、機能の数で比べても判断できません。比べるべきは、受付が探す時間と、消す作業にかかる時間がどれだけ減るかです。いまの状態で、一件を探すのに何分かかっているか、月末の整理に何分使っているかを一度測ってみてください。その数字が判断の材料になります。金額の考え方は料金にまとめてあります。

なお、ここで挙げた項目は、いま使っている道具でも確かめられます。仕様は変わるので、公式の資料でその時点のものを見てください。公開資料で確認できない項目は、問い合わせて確かめるのが確実です。判断の前によく出る疑問はよくある質問に並べてあります。

最後に付け加えると、ここで整えたことは来院者への説明にそのまま使えます。何のために聞いているのか、誰が見るのか、いつまで持っているのかを受付が即答できる院は、それだけで安心して任せてもらえます。整えることの効果は、事故を防ぐ側だけでなく、日々の応対の側にも出ます。手順を紙一枚にまとめて、受付の見える場所に置いておいてください。

Q1. 整体院の問い合わせフォームで、同意のチェックはどこまで必要ですか?

入り口で取るのは、書かれた内容と添付を返信と予約の調整に使うことへの同意にとどめるのが現実的です。来院後の記録に関する同意は、来院時に別に取ります。チェックの横には要点を三行から四行で書いてください。何のために使うか、誰が見るか、いつまで置くかの三つです。範囲や文面の判断は院の業態で変わるため、所管の窓口や専門家に確かめてください。

Q2. 問い合わせの記録は、どれくらい保管しておけばよいですか?

何のために持っているかから逆算します。返信と予約の調整のために受け取ったのであれば、来院するか、来院しないことが確定した時点で役目は終わります。来院後の記録として引き継ぐものは、そちらの考え方に従います。期間そのものは業態と記録の中身によって変わるので、所管の窓口や専門家に確かめたうえで、書面にして受付が迷わない形にしておいてください。

Q3. 情報の置き場所が何か所にも散っています。どこから直せばよいですか?

まず、いまどこに何があるかを書き出してください。フォームの受信箱、通話アプリのメッセージ、表計算のファイル、紙の台帳、個人の端末。書き出すと、消すときに回る場所の数が見えます。次に、届いたものを別の場所へ移し替える運用をやめます。移し替えは写し間違いと消し漏れの両方を生みます。届いた場所で最後まで扱える形にするのが近道です。

Q4. 送った内容を消してほしいと連絡が来たら、どうすればよいですか?

どこに情報があるかの一覧、消す担当、消したことを伝える文面の三つを先に用意しておいてください。一覧が無いと消し漏れが出て、担当が決まっていないと誰も動きません。会計の記録など、他の理由で残す必要があるものが混ざることもあります。消せるものと消せないものの整理は業態で変わるため、所管の窓口や専門家に確かめてください。

Q5. 少人数の整体院でも、見る人を分ける必要はありますか?

人数が少なくても分けておくと楽になります。アルバイトの受付が入ったとき、どこまで見てよいかが決まっていれば、その場で判断せずに済みます。何かあったときに、誰が見られる状態だったかを説明することもできます。分ける目安は、その人がそれを見ないと仕事が進まないかどうかです。予約の調整だけなら、体の状態の詳細まで見る必要はありません。

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