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顧客満足度調査のやり方|聞く相手と、聞いたあとの扱い

2026年10月2日 ・ Halict編集部

顧客満足度調査は、設問を並べて送るところまでは誰でもできます。難しいのはその手前と、そのあとです。何のために聞くのかを決めずに送ると、集計表だけが残って次の手が決まりません。この記事では、聞く目的の決め方、使われている指標の違い、設問の作り方、聞くタイミング、そして集めたあとに直すところまでを、順序として整理します。

顧客満足度調査とは何を測るものか

まず言葉の確認から入ります。

顧客満足度調査とは、商品やサービスを利用した顧客がどの程度満足しているかを数値化・可視化する調査です。企業はこの結果を基に改善点を見出し、顧客体験を高める施策につなげます。 出典: dm-insight.jp

CSはCustomer Satisfactionの略で、日本語では顧客満足と訳されます。調査の目的は、顧客の評価を定量的に測り、サービスの改善やマーケティングの判断に使うことです。

ここで押さえておきたいのは、「数値化」という部分です。感想を集めることと、数値化することは違います。自由記述だけを集めた調査は、読めば気づきがありますが、前回と比べられません。数字にしておくと、直したことが効いたかどうかが翌回に分かります。逆に数字だけを集めると、なぜその数字になったのかが分かりません。両方が必要です。

受付や事務局の仕事にこの調査を当てるなら、対象は商品ではなく手続きになります。応募の受付、講座の申し込み、施設の利用申請、修理の受付。どれも、案内の分かりやすさ、入力のしやすさ、返信の速さ、対応の丁寧さという4つの評価が返ってきます。窓口を1人で回している場合、この4つのどれが弱いのかが数字で見えると、限られた時間の使い先が決まります。

始めるべきタイミングとして、サービスを市場に投入した直後やリニューアルの直後、競合との差別化を図りたい場面が挙げられています。手続きの場合はこれを言い換えて、受付の方法を変えた直後、フォームの項目を変えた直後、担当者が替わった直後が、聞く価値が高いタイミングです。何も変えていない期間に聞いても、数字はほとんど動きません。

調査を行う目的を4つに分けて決める

目的を決めないまま始めるのがいちばんよくある失敗なので、ここを具体的にします。よく挙げられる目的は4つです。

1つ目は、商品やサービスの改善につなげることです。

顧客満足度調査(CS調査)の最大の価値は、商品やサービスの改善点を具体的に把握できることです。顧客が日常的に抱いている不満や要望は、社内だけで議論していても気づきにくい場合が多くあります。たとえば、操作が複雑で使いづらいアプリ、店舗での接客スピード、アフターサポートのわかりにくさといった問題は、実際に利用した顧客の声からこそ浮き彫りになります。 出典: dm-insight.jp

社内だけで議論していると気づかない、という部分が重要です。窓口の担当者は手続きに慣れているので、どこが分かりにくいかが分からなくなります。初めて申し込んだ人だけが知っていることを取りに行くのが、この調査の第一の価値です。

2つ目は、繰り返し使ってもらうことです。満足度の高い人は再度の利用や継続に結びつきやすく、周囲への推奨にもつながります。逆に不満を持ったままの人は、離れるだけでなく否定的な評価を広めることがあるため、早めに課題をつかむ必要があります。

3つ目は、他との違いを明確にすることです。

顧客満足度調査(CS調査)は、競合他社との差別化を明確にするための有効な手段です。同じ商品カテゴリーやサービス領域であっても、顧客が感じる価値や満足度には大きな差が生まれます。自社の強みと弱みを定量的に把握することで、「なぜ自社が選ばれるのか」「どの部分で競合に劣っているのか」を客観的に評価できるのです。 出典: dm-insight.jp

4つ目は、信頼を積み上げることです。声を聞いて実際に行動していると感じてもらえること自体が、評価につながります。調査の結果や、それを受けて直した内容を公開する形は、誠実さを示す方法として使えます。

窓口の運営で現実的に効くのは1つ目です。2つ目から4つ目は、事業全体の話で、窓口の担当者が動かせる範囲を超えることが多いからです。目的を1つ目に絞ると、設問も短くなり、集計も軽くなります。

使われている指標の違いを押さえる

顧客満足度の調査では、いくつかの指標が使われます。名前が似ているので、測っているものの違いを押さえておきます。

CSATはCustomer Satisfaction Scoreの略で、日本語では顧客満足度スコアと呼ばれます。「今回の商品(サービス)にどの程度満足しましたか」と聞き、5段階や7段階のリッカート尺度で評価を得るのが一般的です。平均値か、満足と答えた人の割合をスコアにします。直感的に理解しやすく、組織内で共有しやすい指標です。ただしその瞬間の満足度に強く依存するため、長期的な継続意向までは測りにくいという特徴があります。

NPSはNet Promoter Scoreの略で、「この商品(サービス)を友人や同僚にすすめたいと思いますか」を0点から10点の11段階で聞きます。9点と10点を推奨者、7点と8点を中立者、0点から6点を批判者に分け、推奨者の割合から批判者の割合を引いて出します。満足ではなく行動の意向を聞くため、評価が厳しく出ます。

CESはCustomer Effort Scoreの略で、目的を達成するまでにどれだけの労力を感じたかを数値化します。「本件の目的を達成するために、どの程度手間がかかりましたか」と聞き、5段階から7段階で答えてもらいます。スコアが低いほどスムーズに使えていることを意味します。手続きを受け付ける窓口にとっては、この指標がいちばん直接的です。入力項目を減らした効果や、案内文を書き直した効果が、ここに最も早く現れます。

この3つは、併用が前提とされています。CESは感情的な満足度までは測れないため、CSATやNPSと組み合わせるのが望ましいとされています。たとえば対応の速さをCESで、対応品質への満足をCSATで測ると、立体的に読めます。

LTVという指標も一緒に出てきます。Life Time Valueの略で、ある顧客が取引開始から終了までの間にもたらす利益の総額を指します。満足度と直接の関係はありませんが、満足度を上げる投資が回収できるかを判断するときの基準になります。

公的な指標との比較|JCSIとACSI

自社の数字だけでは、良いのか悪いのか判断できません。外部の基準として使われているものが2つあります。

ACSIはAmerican Customer Satisfaction Indexの略で、1994年に米国ミシガン大学ビジネススクールが開発した指標です。全米の消費者が企業や公共サービスにどの程度満足しているかを体系的に測るもので、四半期ごとに調査と発表が行われ、幅広い業種を対象にしています。

JCSIはJapanese Customer Satisfaction Indexの略で、公益財団法人日本生産性本部が2009年に創設した日本版です。ACSIをベースにしながら、日本の産業構造や生活者の特性に合わせて設計されています。年間約12万人を対象に調査され、70以上の業種と400を超える企業やブランドが評価対象になっています。

JCSIの特徴は、スコアの出し方です。顧客期待、知覚品質、知覚価値、顧客満足、推奨意向、ロイヤルティという6つの構成概念から算出されるため、満足だけでなく再利用の意向や推奨の意向までを含めて把握できます。単一の設問で出す指標とは、精度の考え方が違います。

窓口の運営でこれらの数字をそのまま比較の相手にすることはできません。業種の単位が大きすぎて、応募の受付という単位の数字は含まれていないからです。ただし、6つの構成概念の分け方は設問の設計に使えます。期待と実際の品質を別に聞く、価値の感じ方を別に聞く、再利用の意向を別に聞く。この3つを分けて聞くだけで、平均値が下がった原因が読みやすくなります。

公的な性格が強い調査であるため、社外への発信に使える信頼性があるという点も挙げられています。自社の数字を公表するときに、測り方をこうした指標に寄せておくと、説明がしやすくなります。

設問を作る手順と、避けるべき書き方

設問の作り方は、順序で決まります。

最初に、聞きたい項目を書き出します。案内の分かりやすさ、入力のしやすさ、返信の速さ、対応の丁寧さ、全体の満足度。手続きの受付なら、この5つで足ります。書き出した項目のうち、自分たちで直せないものは外します。直せない項目を聞いて低い数字が出ても、何も起きません。

次に、それぞれを1つの設問にします。設問は1つの内容に絞ります。「案内は分かりやすく、返信は早かったですか」という設問には答えられません。分かりやすかったが遅かった人は、どちらを選んでも事実と違う回答になります。

そして、段階を揃えます。全部の設問を同じ5段階にしておくと、平均値を並べたときに比べられます。1問だけ7段階にすると、その1問だけ数字が大きく出て、低い項目を見誤ります。

避けるべき書き方は3つあります。1つ目は、答えを誘導する文です。「丁寧な対応にご満足いただけましたか」と書くと、丁寧だったという前提が入り、否定を選びにくくなります。2つ目は、否定形です。「分かりにくいとは思いませんでしたか」は、答える側も集計する側も向きを間違えます。3つ目は、専門の言葉です。窓口の中で使っている呼び方をそのまま設問に書くと、答える人が何のことか分かりません。画面に出ている言葉で書きます。

設問の数は、答えるのに1分以内で終わる量に収めます。段階を選ぶ設問なら5問程度、自由記述を1つ足して6問が上限です。これを超えると、後半の回答が全部同じ選択肢に並びます。読まずに選んでいる状態で、集めた数字の意味がなくなります。

自由記述は1つに絞ります。位置は最後で、問いかけは具体的にします。「ご意見をお書きください」よりも「手続きの中で分かりにくかった箇所があれば教えてください」のほうが、使える記述が集まります。

聞く相手と、聞くタイミングを決める

誰に聞くかは、目的から決まります。手続きの分かりやすさを直したいなら、手続きを終えた人に聞きます。途中でやめた人の理由も知りたいところですが、やめた人には連絡手段がないことが多いので、まずは終えた人から始めます。

タイミングは、手続きの直後に固定します。理由は2つあります。1つは、記憶が鮮明なうちのほうが具体的な指摘が返ることです。もう1つは、送るきっかけがすでにあることです。完了の通知メールを送っているなら、その末尾に設問を1つ足すだけで済みます。新しい作業が増えません。

月末にまとめて送る形は、回答率が落ちます。手続きから日が経つほど記憶が薄れ、そもそもメールが開かれません。開かれないメールに何問並べても、答えは返りません。

回答率を上げる工夫としては、次の3つが実務的です。1つ目は、リンクを押したらすぐ答えられる形にすることです。回答者にアカウント登録を求めると、そこで答えるのをやめる人が出ます。2つ目は、すでに知っている情報を聞かないことです。名前や連絡先を改めて書かせると、二度手間だと感じられます。3つ目は、何に使うかを1行書くことです。前回の結果を受けて何を直したかを添える形は、さらに効きます。

聞く頻度は、手続きの直後に毎回聞く形と、四半期ごとにまとめて聞く形があります。手続きの単位で聞くなら毎回でよく、組織全体の評価を聞くなら四半期ごとが目安です。両方を同じ設問で聞こうとすると、どちらも噛み合いません。

そして、タイミングを毎回変えないことが重要です。前回が直後で今回が1か月後なら、数字の差は改善や悪化ではなく、聞き方の違いです。タイミングを固定していない調査は、数字が動いた理由を説明できません。

集めたあとに何をするか|手順を5つに分ける

集計表ができたところで止まる調査が多いので、そのあとの手順を具体的にします。

1つ目は、項目ごとの平均値を並べることです。5つの項目を並べて、いちばん低い項目を1つ見つけます。並べるだけなので作業は5分で終わります。

2つ目は、自由記述を全部読んで分類することです。分類は5つ以内に収めます。細かく分けると、どれも件数が少なくなって優先順位が付きません。受付の窓口でよく出る分類は、返信が遅い、案内が分かりにくい、入力項目が多い、途中で状況が分からない、電話が繋がらないの5つです。

3つ目は、直す件を1つに絞ることです。最も件数が多いものを1つだけ直します。同時に3つ直すと、次回に上がっても下がっても、どれが効いたのか分かりません。

4つ目は、直した内容と日付を記録に残すことです。次回の数字を見るときに、その間に何を変えたのかが分からないと、動きを読めません。残す場所は集計表の横に1列足すだけで足ります。

5つ目は、直した結果を答えた人に知らせることです。全員に個別に返す必要はなく、次回の案内に1行書けば足ります。「前回いただいたご指摘をもとに、添付ファイルの指定を分かりやすくしました」という形です。これがあると、次回の回答率が上がります。

この5つのうち、いちばん抜けやすいのは4つ目です。記録がないと、半年後に同じ議論を繰り返します。そして記録を残すには、指摘の1件ごとに担当と状態が付いている必要があります。送信されたあとの道具がそろっている形にしておけば、届いた回答に担当と状態が最初から付き、読んだだけの件と直した件が一覧の上で分かれます。

回答を集めるときに注意しておくこと

設計とは別に、集める側として押さえておく点があります。

1つ目は、匿名にするかどうかです。名前を書かせると、正直な評価が集まりにくくなります。とくに窓口の対応について聞く場合、次回の扱いに影響するのではないかと考える人が出ます。手続きの改善が目的なら、匿名で足ります。逆に、個別に返事をしたい場合は連絡先が要ります。両方を求めるなら、連絡先の入力を任意にして、返事が欲しい人だけが書ける形にします。

2つ目は、集めた回答の保管です。回答の中には、氏名や連絡先、手続きの内容が含まれます。集めた目的の範囲でだけ使い、目的の外に流用しないことが原則です。個人情報の取り扱いについて社内で判断に迷う場合は、所管の窓口や専門家に確かめてください。法律の解釈を窓口の判断で断定するのは避けます。

3つ目は、何のために聞くのかを回答の画面に書くことです。「手続きの改善のために使います」「個別のご返事はいたしません」という2行があるだけで、答える側の迷いが消えます。返事をしない方針なのに書いていないと、返事を待つ人が出て、後から督促が届きます。

4つ目は、保存の期間です。集めた回答をいつまで持つのかを決めておきます。推移を見るために数年持つ場合は、氏名や連絡先の列だけを一定期間で削除して、数字と記述だけを残す形が実務的です。決めていないと、退職した担当者の受信箱に回答が残り続けます。

5つ目は、回答を強く求めないことです。手続きの完了に回答を条件として付けると、回答率は上がりますが、適当に選ばれた回答が混ざります。答えるかどうかは任意にして、答えた人にだけ感謝を伝える形にします。

調査でよくある失敗4つと、その直し方

同じ失敗が繰り返されるので、形として整理しておきます。

失敗1は、設問が多すぎることです。聞きたいことを全部並べた結果、20問の調査になります。回答率が落ちるだけでなく、集計にも時間がかかり、2回目が実施されません。直し方は、自分たちで直せる項目だけに絞ることです。他の部署が決めている内容や、来年まで変えられない内容は、聞いても使えません。

失敗2は、良い数字を取りに行ってしまうことです。満足していそうな人だけに送る、不満を伝えてきた人を対象から外す、聞き方を肯定寄りにする。どれも数字は上がりますが、上がった数字で判断すると間違った方向に進みます。直し方は、送る相手の条件を文書にして、次回も同じ条件で送ることです。条件が書いてあれば、意図せず変わることも防げます。

失敗3は、平均値だけを見て終わることです。全員が3を選んだ場合と、半分が5で半分が1を選んだ場合は、平均値がどちらも3になります。この2つは全く違う状態で、後者は一部の人が強い不満を持っている状態です。直し方は、選択肢ごとの人数を必ず並べることです。平均値の横に人数の列を足すだけで足ります。

失敗4は、集計表を作って終わることです。いちばん多い失敗で、原因は集計のあとの作業が誰の担当にもなっていないことです。直し方は、集計より前に担当を決めることです。誰がいつ読んで、誰がいつまでに直すのかを、調査を始める時点で決めておきます。この決め方がないと、集計表は共有フォルダに残るだけで終わります。

この4つに共通する構造は、調査を「集めること」だと考えている点です。集めることは工程の半分で、残りの半分は読んで直すところにあります。半分しか計画していないから、半分で止まります。

定量と定性を分けて設計する

もう1つ、設計の段階で分けておくと後が楽になる考え方があります。数字として集めるものと、文章として集めるものを最初から分けることです。

数字として集めるのは、比較するためです。前回との差、項目ごとの差、属性ごとの差。比較する目的がない数字は、集めても使いません。逆に言えば、比較の相手を決めてから項目を決めれば、必要な項目だけに絞れます。

文章として集めるのは、原因を知るためです。数字は「どこが悪いか」を教えますが、「なぜ悪いか」は教えません。1つの設問に自由記述を1つ添えるだけで、直すべき内容が具体的になります。

この2つを混ぜると、どちらも使えなくなります。混ざる典型は、自由記述の内容を無理に数値化しようとする場合です。記述を分類して件数を数えるのは有効ですが、それを「満足度72%」のような数字に変えて報告すると、元の記述が持っていた具体性が消えます。件数は件数のまま、記述は記述のまま扱うほうが、次の手が決まります。

属性を一緒に聞くかどうかも、この段階で決めます。年代や職業を聞けば、属性ごとの差が見えます。ただし、聞いた属性の数だけ集計の組み合わせが増え、回答数が少ない窓口ではどの組み合わせも数件になります。回答が月に数十件の規模なら、属性は聞かないほうが集計が軽くなります。聞くのは、初めてか2回目以降かという1点だけで足ります。この1点だけで、案内の分かりにくさが初回に集中しているかどうかが読めます。

部門をまたいで共有するときのポイント

調査の結果は、窓口の中だけで見ていると効き目が限られます。

調査結果を部門横断で共有することで、開発は仕様の改善に、営業は提案の改善に、サポートは応対の流れの見直しに活かせるとされています。窓口の運営に当てると、共有先は3つです。手続きの内容を決めている部署、案内文を作っている部署、そして返信を書いている担当者です。

共有するときのポイントは、数字をそのまま渡さないことです。平均3.8という数字だけを渡されても、受け取った側は何をすればよいか分かりません。渡すのは、低かった項目と、その理由として書かれていた記述の要約、そして提案する変更内容の3点です。3点セットで渡せば、受け取った側はその場で判断できます。

もう1つのポイントは、変更の決定権がどこにあるかを先に確かめることです。入力項目を減らす提案をしても、その項目を必要としている部署があれば減らせません。減らせない理由を知らないまま提案すると、断られた記録だけが残ります。先に理由を聞いておけば、別の方法を考えられます。項目を減らせないなら、聞く順番を変える、説明を添える、任意にするといった手があります。

共有の頻度は、四半期に1回で足ります。毎月送ると読まれなくなります。四半期に1回、A4で1枚。低い項目と、直したこと、次に直すこと。この3つが書いてあれば、資料としては十分です。

続けるための道具と、集計の手間の見積もり

最後に、道具の話をおすすめの順に整理します。

回答が月に数十件までなら、フォームで集めて表計算ソフトで集計する形で足ります。項目ごとの平均を出す関数は単純で、自由記述も目で読める量です。専用の道具を入れる必要はありません。

回答が増えて、自由記述が月に100件を超えたあたりから、表計算ソフトでは辛くなります。辛くなるのは数字の集計ではなく、記述を分類して、対応した件を消し込み、対応していない件を残す作業です。1行ずつ色を付ける形では続きません。

集めたあとの扱いという点では、道具ごとに差が出ます。Googleフォームとの比較では、回答を表に書き出したあと誰が追うのかという点で違いを整理しています。サイトに設問を埋め込んで集めている場合の考え方はContact Form 7との比較に、社内が Microsoft 365 でそろっている場合はMicrosoft Formsとの比較にまとめています。

窓口の種類ごとの流れとしては、講座や研修の受講後に聞く形は講座の受講申し込みに、修理や不具合の対応後に聞く形は修理・サポートの受付に、窓口としての受け付け全体は問い合わせの受付に整理しています。どこまでを1つの画面で持てるかはできることに、人数で決まる料金の考え方は料金に、始める前に出やすい疑問はよくある質問にまとめています。

調査の質を決めるのは、道具の性能ではありません。目的を1つに絞り、設問を短くし、タイミングを固定し、直した記録を残す。この4つを最初に決めておけば、2回目以降はほとんど手間がかかりません。逆に4つを後回しにすると、1回目の集計表だけが残り、比較の相手がないまま終わります。

始め方としては、1回目を試験と割り切るのがおすすめです。設問を3問だけ作り、手続きを終えた人に送って、返ってきた回答を読む。この1回で、設問が伝わっているか、回答率がどのくらいか、集計に何分かかるかが分かります。分かったうえで2回目の設計を固め、そこから推移を取り始める形にすると、続きます。そして、決めた内容は短い文書として残します。設問、段階の数、送る相手の条件、聞くタイミング、集計の担当。この5つが書いてあれば、担当が替わっても同じ調査が続き、推移が切れません。

Q1. 設問は何問くらいが適切ですか?

答えるのに1分以内で終わる量に収めます。段階を選ぶ設問なら5問程度、自由記述を1つ足して6問が上限です。これを超えると後半の回答が全部同じ選択肢に並び、読まずに選んでいる状態になるため、集めた数字の意味がなくなります。

Q2. CSATとNPSとCESは、どれを使えばよいですか?

測るものが違うので使い分けます。CSATはその場の満足度、NPSは他人にすすめる意向、CESは目的を達成するまでの手間です。手続きを受け付ける窓口では、入力項目や案内文を直した効果がいちばん早く現れるCESが向いています。

Q3. 回答が少なくても意味はありますか?

数字の精度は落ちますが、自由記述には意味があります。20件の回答でも、同じ指摘が3件あれば偶然ではありません。回答が少ないうちは平均値の上下を追わず、書かれた理由を読んで直す使い方に切り替えてください。

Q4. 聞いたあと、答えてくれた人に結果を伝えるべきですか?

全員に個別に返す必要はありませんが、次回の案内に1行入れる形をおすすめします。前回の指摘をもとに何を直したかが分かると、次回の回答率が上がります。聞かれたのに何も変わらない経験は、聞かれなかった場合より評価を下げます。

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