整体院の問い合わせ対応をスマホで整えると聞くと、フォームがスマホで見やすいかどうかの話だと思われがちです。実際にはそれだけでは足りません。整体院で本当に問題になるのは、受け付ける側がパソコンの前にいない時間が長いことです。施術に入れば席を離れ、出てきたときには次の準備が始まっています。相談する側も、痛みを抱えたまま片手でスマホを操作しています。両側がスマホである前提に立って受付を組み直すと、届いてから返すまでの時間は目に見えて短くなります。この記事では、受ける側と書く側の両方について、何を整えれば埋まるのかを順番に見ていきます。
整体院の受付は、席にいない時間のほうが長い
事務所の窓口であれば、担当者はパソコンの前に座っています。整体院はそうではありません。60分の枠に入れば、その間は受付の作業を一切できません。この前提を無視して、パソコンの前で処理することを想定した運用を組むと、必ず遅れます。
施術中は、通知を見ることすらできない
手が相手の体に触れている間、スマホを見ることはできません。着替えや準備の合間に一瞬だけ画面を見る、という程度が現実的な上限です。この数十秒で何ができるかを設計しておくと、届いた相談が頭から消えるのを防げます。逆に、この時間に長い返信を書こうとする設計にしていると、結局は何もできずに終わります。
開院前と閉院後は、移動中であることが多い
自宅から院へ向かう電車の中、閉院後の帰り道。この時間はパソコンを開けませんが、スマホは使えます。1日のうちで受付に使える時間として計算に入れるなら、スマホから同じ一覧が見えて、同じ操作ができる必要があります。パソコンでしかできない操作が混ざっていると、その部分だけが翌日に持ち越されます。
訪問や出張で回っている場合は、席そのものが無い
訪問での施術を中心にしている院では、そもそも受付の席がありません。移動と施術の繰り返しの中で、すべての受付作業をスマホで行うことになります。この場合、スマホから何ができるかが、受付の速さをそのまま決めます。
受付専任を置けるかどうかで、必要な整え方が変わる
受付に常に人がいる院であれば、パソコン中心の運用でも回ります。手が空いた施術者が交代で受付を見る院では、スマホ中心に組んだほうが実態に合います。自分の院がどちらなのかを先に決めてから、道具や運用を選びます。
席に戻れる時間を数えると、実態が見える
1日の予約表に、受付作業ができる時間がどれだけあるかを書き出してみると、思っているより短いことが分かります。予約が詰まった日には、まとまった時間が昼の休憩しかない、ということも珍しくありません。この時間の少なさを前提にせず「空いたときに返す」と決めていると、空く時間が来ないまま1日が終わります。数えたうえで、スマホでできることと席でやることを分けるのが出発点になります。
相談する側も、ほぼスマホで書いている
受け付ける側の話をする前に、送る側の状況を押さえておきます。整体院を探している人の多くは、痛みや不調を抱えた状態でスマホから検索し、そのままフォームを開きます。
落ち着いて座って書ける状態ではない
腰が痛くて長く座っていられない人、肩や首がつらくて下を向きたくない人が入力しています。項目が多いフォームは、それだけで途中でやめる理由になります。必須の項目は7つ前後に収め、それ以上は任意にするか、初回の人にだけ表示する形にします。
片手で操作していることを前提にする
電車の中や、ベッドに横になった状態で入力している人もいます。押しにくい小さなボタン、細かい選択肢、横に長い表は、すべて入力の妨げになります。選択肢は縦に並べて、指で押せる大きさにします。
入力形式を、そのまま入力できる形にそろえる
電話番号の欄は数字のキーボードが開く形式にし、ハイフンの有無で弾かないようにします。日付はカレンダーから選ばせ、時間帯は選択肢にします。メールアドレスの再入力を求めると、それだけで手が止まります。確認は送信後の画面で見せるほうが完走します。
送信のあとに何が起きるかを、その画面に書く
送信の直後に「受け付けました」だけを出す形では、書いた人はいつ返事が来るのか分かりません。2営業日以内に電話で折り返す、と書いてあれば待てます。書いていなければ、その場で別の院を探し始めます。スマホの画面は小さいので、この一文を目立つ位置に置きます。
スマホで見る一覧に、何が要るか
受け付ける側の話に移ります。施術の合間にスマホで開く一覧には、パソコンの画面とは違う条件が要ります。
未対応が、いちばん上に残っている
小さい画面では、下にスクロールした先は見られません。未対応の件が上に残る形になっていなければ、忙しい日には見落とします。メールの受信箱は新しいものが上に来る作りなので、古い未対応が下に沈みます。これはスマホでは特に致命的です。
1件の内容が、1画面でだいたい分かる
名前、症状の部位、希望日時、届いた時刻、担当。この5つが1画面で見えれば、返すかどうかの判断がその場でできます。詳細を見るために何度もタップが要ると、施術の合間には確認しきれません。
取る操作が、1回のタップで終わる
見た瞬間に自分が担当することを記録する、この操作が重ければ実行されません。1回のタップで担当が入る形なら、着替えの合間でもできます。返す時間が無くても、取っておけば頭から消えません。取る操作の軽さが、返し忘れの件数を左右します。
状態を変える操作も、同じ軽さで
返した、返事待ちにした、判断待ちに上げた。この更新が重いと、更新されなくなります。更新されない記録は、無いのと同じです。スマホで数タップ以内に終わるかどうかを、道具を選ぶときに実際に触って確かめます。
スマホから返すときは、型がすべてを決める
小さい画面で長文を書くのは現実的ではありません。スマホで返すことを前提にするなら、文面を毎回書かない形を作る必要があります。
定型文を呼び出して、名前と日時だけ差し替える
初回の相談に日程を提案する型、希望の枠が埋まっていた場合の型、受け付けの範囲外だった場合の型、医療機関の受診を案内する場合の型。この4つを用意しておけば、返信は3分で終わります。型が無い状態でスマホから返そうとすると、書くのに時間がかかり、誤字も増えます。
型の中に、書かないことも組み込む
施術で改善するかどうかを断定しない、症状の原因や名前を書かない、回数や期間の見通しを数字で約束しない。この線引きを型に組み込んでおけば、急いで返すときにも外れません。受付の返信は専門的な判断を示す場ではなく、来院の段取りを組む場です。判断は来院時に、有資格の担当者が行います。
音声入力は下書きまで、送信前に必ず読み返す
移動中に音声で下書きを作るのは有効ですが、そのまま送るのは避けます。変換の誤りが相手の名前や日時に入ると、行き違いの原因になります。音声で骨格を作り、型に流し込んで、目で確認してから送る。この順番なら速さと正確さが両立します。
短くても、必要なことは落とさない
スマホから返した返信が短くなること自体は問題ありません。ただし、日時の候補、所要時間、当日の服装、この3つは落とさないようにします。落とすと、当日に確認の連絡が必要になり、結局は手間が増えます。
送る前に、宛名と日時だけは目で確かめる
型を使った返信でいちばん多い事故は、前の人の名前が残ったまま送ることと、日時を差し替え忘れることです。この2つは、受け取った側から見ると院の管理がずさんに映ります。送信の直前に、宛名と日時の2か所だけを目で追う習慣を付けます。5秒で終わる確認で、取り返しのつかない失敗が防げます。
時間帯ごとに、埋め方を決める
現場を離れられない時間帯を埋めるには、1日の流れに沿って対応の形を変えます。すべての時間で同じ対応をしようとすると、いちばん忙しい時間帯に合わせて全部が遅くなります。
開院前
前夜から朝までに届いた相談を拾う時間です。整体院では夜に届く相談が多く、朝の時点でいちばん時間が経っている件がここに集まります。10分取って、届いているものをすべて取り、返せるものは返します。電話での折り返しは相手が動き出す時間を考えて、朝いちばんではなく午前の遅い時間に回すこともあります。
午前の施術中
席を離れている時間です。ここでできるのは、着替えの合間に一覧を開いて取ることだけです。返信は無理に行いません。取ったうえで、昼にまとめて返す形にします。この時間に返そうとすると、書きかけのまま次の施術に入ることになり、かえって危険です。
昼の休憩
午前中に届いた相談をまとめて返す時間です。ここがいちばん長く取れる時間帯になる院が多く、日程の提案までを進めます。電話の折り返しも、相手が昼休みで出やすい時間帯にあたります。
午後から閉院まで
再び席を離れる時間です。取るだけにとどめ、判断が要る件は判断待ちの状態に置きます。夕方に届く相談は、その日のうちに返せる可能性が下がるため、自動返信で待ってもらえる状態を作っておく意味が大きくなります。
閉院後
その日の締めの時間です。未対応の件数を確認し、翌朝に拾う件を決めます。移動中にスマホから確認できれば、院に残る必要はありません。この確認を飛ばすと、翌朝の開院前に何から手を付けるかを考えるところから始まります。
休診日と、営業時間外に届いた相談
整体院は休診日が週に1日か2日あり、その間も問い合わせは届きます。ここをどう扱うかで、週の初めの詰まり方が変わります。
休診日に返すかどうかを、先に決める
休みの日にスマホで返すかどうかは、院として決めておきます。返すと決めるなら時間を区切り、返さないと決めるなら自動返信でその旨を伝えます。決めずにいると、気になった人だけが休みの日に働くことになり、続きません。
自動返信で、いつ返すかを伝える
休診日と受付時間を自動返信に書いておけば、休みの間に届いた相談も待ってもらえます。書いていなければ、返事が来ないと受け取られます。2日連続の休診がある院では、この一文の有無が大きく効きます。
休み明けの朝は、確認の時間を長く取る
休診日をはさむと、届いた相談が数日分たまります。通常と同じ時間しか取っていないと処理しきれず、そこで落ちます。休み明けだけは倍の時間を取る、と決めておきます。いちばん時間が経った件から順に拾うようにすると、待たせた人への連絡が先になります。
私物のスマホで受けるときの線引き
スタッフの私物のスマホで問い合わせを見る形は、費用がかからず、すぐ始められます。ただし、決めておかないと後で困ることがあります。整体院の相談には体の状態に関する情報が含まれるため、扱いには注意が要ります。個人情報の保護に関する法律には、次のように定められています。
個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。 出典: ppc.go.jp
自院の運用がこれをどう満たすかは、体制と情報の中身によって変わります。当てはめの判断は所管の窓口や専門家に確かめてください。実務としては、次の3点を決めておくと迷いが減ります。
端末そのものに記録を残さない
相談の内容をスクリーンショットで保存する、メモアプリに書き写す、といった扱いをすると、記録が個人の端末に散ります。散った記録は、あとから消すことも数えることもできません。見るのは画面の上だけにして、記録は院の側に置きます。
共有のアカウントを避ける
1つのアカウントを全員で使い回す形にすると、誰が見たのか、誰が返したのかが分からなくなります。返し忘れの原因になるだけでなく、退職した人のアクセスを個別に止めることもできません。人ごとにアカウントを分けられるかどうかは、道具を選ぶときの判断材料になります。
退職や異動のときに、確実に外す
私物の端末で見ている場合、辞めたあともアプリが入ったままになります。退職の手続きの中に、アクセスを外す作業を入れておきます。共有のアカウントで運用していると、この作業は全員のパスワード変更になり、実際には行われないまま放置されがちです。
画面をのぞかれないようにする
受付台や施術室でスマホを開くと、来院した人の目に入ることがあります。他の人の相談内容が見える状態は避けます。開く場所を決めておくだけでも違います。端末に画面の自動ロックをかけておくことも、置き忘れたときの備えになります。
施術の合間に、何ができて何ができないか
時間の長さごとに、できることを決めておきます。決めていないと、できないことを試みて中途半端に終わります。
30秒でできること
一覧を開いて未対応の件数を見る、届いた件を取る、状態を変える。この3つは30秒で終わります。着替えの合間や、次の人が来るまでの短い時間でもできます。返信そのものはできなくても、取っておけば頭から消えません。
3分でできること
型を呼び出して、名前と日時を差し替えて返信する。空いている枠を確認して候補を出す。3分あればここまで進みます。昼の休憩や、予約と予約の間に空きが出たときに使える時間です。
席に戻ってからやること
受け付けの範囲に入るか迷う相談の判断、長い説明が要る返信、記録の整理。これらは腰を据えてやる作業です。スマホでやろうとすると中途半端になり、かえって時間がかかります。判断待ちの状態に置いて、席に戻ってからまとめて処理します。
1日の終わりにやること
未対応の件数を確認し、翌朝いちばんに拾う件を決めます。30秒で終わる確認ですが、これがあると翌日の動きが速くなります。ゼロにする必要はなく、残っている件が把握されていることが大事です。
スタッフが複数いる場合の、スマホ運用の決め方
人が増えると、スマホで受ける形はそのままでは回りません。誰が見ているか分からない状態が生まれるためです。
取ったら担当になる、という決まりを先に置く
見た人が取り、取った人が最後まで持つ。この決まりが無いままスマホで全員が見る形にすると、全員が「誰かが返しただろう」と考える状態になります。取る操作が1回のタップで終わるなら、この決まりは守られます。重ければ守られません。
見る時間を、人ごとに割り振る
開院前、昼、閉院後の3回について、その時間に見る人を決めます。全員の役割にすると、忙しい日には誰も見ません。決まっていれば、来られない日に交代を頼めます。
施術に入る人が、入る前に取っておく
これから60分手が離れる人ほど、入る直前に一覧を見て、取れるものを取っておく価値があります。取ってあれば、他の人が状況を見て代わりに返すこともできます。取らずに入ると、その件は誰の視界にも入りません。
動いていない件を、閉院前に全員で見る
取られたまま1日動いていない件は、担当が施術に追われている可能性があります。閉院前に確認して、必要なら担当を付け替えます。付け替えを落ち度として扱わないことが、この運用を続ける条件です。
スマホの通知は、絞ってこそ役に立つ
通知が多すぎると、見なくなります。見なくなった通知は、無いのと同じです。
自分が担当している件だけを通知する
担当が決まっている件は、その担当にだけ通知が行く形にします。全員に飛ばすのは、まだ担当が決まっていない新しい相談だけで十分です。この分け方をすると、通知の数が減り、届いた通知の意味が濃くなります。
施術中に音を鳴らさない
施術室で通知音が鳴るのは、相手にとって気持ちのよいものではありません。音とバイブを切り、画面の表示だけにします。見るタイミングはこちらで決める、という形にしておけば、施術の妨げになりません。
通知の文面に、判断できる材料を入れる
通知に「新しいお問い合わせがあります」としか書かれていないと、開かないと中身が分かりません。名前と症状の部位が通知の時点で見えていれば、開かずに済ませるか、すぐ取るかを判断できます。ただし、通知は端末の画面に出るため、他の人の目に入る可能性があります。どこまで出すかは、端末の使い方と合わせて決めます。
通知が来ない前提の一覧を持つ
通知が迷惑メールに入る、機内モードのまま戻し忘れる、電池が切れる。通知が届かない理由はいくらでもあります。通知が来なくても、一覧を開けば未対応が残っている。この形になっていれば、通知の不着は遅れにはなっても、件そのものの消失にはなりません。
メッセージアプリで受けている院が気をつけること
スマホでの対応を進めると、メッセージアプリで相談を受ける形に近づきます。相手にとっては手軽で、院にとってもすぐ返せる利点があります。一方で、受付として回すには足りない点があります。
会話が下に流れて、未対応が分からなくなる
新しいメッセージが来るたびに、前の会話は下に流れます。返していない相手も、返した相手と同じ列に並ぶため、区別が付きません。未対応の相手に印を付けられる機能があれば使い、無ければ内容を一覧に転記します。件数が増えるほど、この差は開きます。
誰が読んだのか分からない
複数のスタッフが同じアカウントを見ている場合、既読が付いても誰が読んだかは分かりません。担当を持たせられないため、二重返信と返し忘れの両方が起きます。人ごとに分けられないなら、メッセージは受け付けの入口としてだけ使い、内容は一覧に移す形にします。
情報が3つの吹き出しに散らばる
名前、症状、希望日時が別々のメッセージで届き、あとから読み返す手間がかかります。途中でフォームの入力を案内して情報をそろえる方法もあります。相手にひと手間かけてもらう代わりに、行き違いが減ります。
私的なやり取りとの線引き
個人のアカウントで受けていると、業務の連絡と私的な連絡が同じ画面に並びます。休みの日にも通知が来て、返さないと気になります。院として使うなら、業務用のアカウントを分けるところから始めます。
電話とスマホを、同じ流れの中に入れる
整体院では、フォームと同じくらい電話で相談が入ります。スマホで受付を回すなら、電話も同じ場所に記録します。
折り返した記録を、その場で残す
掛けて出なかった場合、通じなかったことと次に掛ける時間を1行残します。この1行が無いと、次に手が空いた人がまた最初から掛け直します。スマホから1行書くだけなので、掛けた直後にその場で残せます。
院の番号で発信できるかを確かめる
私物のスマホから折り返すと、個人の番号が相手に表示されます。掛け直しがその番号に来ることになり、休みの日にも連絡が入ります。院の番号で発信できる形にするか、それができないなら、折り返しは院の電話からと決めます。
留守番電話を聞いたら、その場で記録に起こす
聞いて覚えておく形では抜けます。名前、電話番号、症状、希望日時の4つを、聞いた直後にスマホから入力して一覧に載せます。留守番電話は上書きされて消えることもあるため、聞いた時点で文字にしておく意味は大きくなります。
電話で決まったことも、その場で記録に残す
電話で日程まで決まった場合、予約表に入れる前に施術が始まると、そのまま忘れます。通話が終わった直後にスマホから予約を入れるか、少なくとも決まった内容を1行残します。相手はこちらが記録したと思って電話を切っているので、ここで落ちると当日の行き違いになります。
発信の前に、フォームの内容を見ておく
折り返す前に、届いた内容をスマホで開いて読みます。症状と希望日時を把握してから掛ければ、通話は短く済みます。読まずに掛けると、相手に同じことを説明させることになり、印象も通話時間も悪くなります。移動中に読んでおいて、着いてから掛ける、という順番が効率的です。
スマホで見る側の負担を、フォームの側から減らす
受け付ける側の速さは、届いた内容の質にも左右されます。書く側がスマホで入力しやすい形になっていれば、届く内容がそろい、読む時間が短くなります。
選択式にすると、小さい画面でも読み取れる
症状の部位や、いつからか、希望の時間帯。これらを選択式にすると、スマホの一覧でも一目で読み取れます。自由記述だけの相談は、画面をスクロールしながら読むことになり、施術の合間には確認しきれません。書く側の負担が減り、読む側の時間も減ります。
自由記述には、書き方の例を1つ添える
「症状について」とだけ書かれた欄には、何をどこまで書けばよいか分かりません。「例:3週間前から、朝起きたときに右の腰が痛みます」と1文添えると、書き方がそろいます。そろった文面は、スマホの小さい画面でも短時間で把握できます。
連絡が取りやすい時間帯を聞いておく
スマホから折り返すとき、いつ掛ければ通じるかが分かっていると、掛け直しの回数が減ります。午前、昼、夕方、夜、いつでも、といった選択肢で十分です。この1項目があるだけで、施術の合間の限られた時間を無駄にせずに済みます。
使っていない項目は外す
住所を集めているが返信には使っていない、生年月日を聞いているが当日にもう一度書いてもらっている。こうした項目が残っていると、スマホの1件表示に不要な情報が並び、必要な情報が下に押し出されます。折り返しで使っていない項目は外します。
スマホ対応を、点検表で確かめる
整えたつもりでも、実際に触ってみると引っかかる箇所が出ます。書く側と受ける側の両方を、実機で確かめます。
| 確かめる場所 | 見る点 |
|---|---|
| フォームの入力画面 | 片手で最後まで入力できるか |
| 電話番号の欄 | 数字のキーボードが開くか |
| 日付の欄 | カレンダーから選べるか |
| 送信後の画面 | いつ誰から連絡が来るか書いてあるか |
| 受付の一覧 | 未対応が上に残るか |
| 1件の画面 | 名前と症状と希望日時が1画面で見えるか |
| 取る操作 | 1回のタップで終わるか |
| 返信の画面 | 型を呼び出せるか |
確かめるときは、院のパソコンからではなく、実際に使うスマホで行います。画面の大きさと通信の速さで、印象はまったく変わります。自分の院のフォームを、自分のスマホから一度送信してみるところから始めます。
送信してみると、いくつも気づくことが出てきます。自動返信が届かない、届いても差出人の名前が分からない、送信後の画面に何も書かれていない、入力した内容が控えとして残らない。どれも、書く側の立場で一度通してみないと気づけません。院の中では正しく動いているつもりでも、外から見ると別のことが起きています。3か月に一度、この通し確認を予定に入れておくと、気づかないうちに壊れていた、という事態を防げます。
見る端末を変えると、見え方が変わる
スタッフによって使っている端末は違います。画面の小さい端末では2行に折り返される文字が、大きい端末では1行に収まります。全員が同じように見えている前提で運用を決めると、特定の端末を使っている人だけが見落とすことになります。院で使われている端末のうち、いちばん画面の小さいもので確かめておくと安全です。
スマホで回すための道具に、何が要るか
パソコン向けに作られた画面をスマホで開くと、文字が小さく、操作が重くなります。施術の合間に触ることを前提にするなら、スマホでの使い勝手を実際に確かめてから選びます。
無料で始められて回答が表に並ぶ道具を使っている場合、表計算をスマホで開いて横にスクロールしながら状態を更新することになります。どこまで表で足りて、どこから足りなくなるのかはGoogleフォームとの比較に整理されています。WordPressのプラグインでフォームを設置している院であれば、送信内容がそもそもどこに残るのかという観点でContact Form 7との比較を確かめておくと、スマホから見られる形になっているかが分かります。
届いた相談に担当と状態を持たせて、返すまでを同じ画面で追う形は問い合わせの受付で説明されています。体験会や講座を併設している院でも、申し込みを受けたあとの回し方は同じ形で組めます。機能を一覧で見たい場合はできることを、実際の画面の動きをスマホで確かめたい場合は動くところを見るを開くのが早い方法です。費用の感覚を先に知りたい場合は料金に条件が書かれています。
道具を選ぶときに見る点は3つです。スマホから同じ一覧が見えるか、取る操作と状態の更新が数タップで終わるか、定型文を呼び出して返せるか。集める側の作りはどの道具も整っていて差が出にくく、差が出るのは送信されたあとの道具がそろっているかどうかです。整体院のように、受付の担当が60分単位で席を離れる職場では、この差がそのまま返信の速さとして表れます。
Q1. 整体院の問い合わせを、スマホだけで回すことはできますか?
一覧を見る、届いた件を取る、状態を変える、型を呼び出して返す。ここまではスマホで完結できます。受け付けの範囲に入るか迷う相談の判断や、長い説明が要る返信、記録の整理は、席に戻ってから行うほうが確実です。時間の長さごとにできることを決めておくと、施術の合間に中途半端な作業を試みて終わることがなくなります。
Q2. スマホで見る一覧に、いちばん必要な条件は何ですか?
未対応の件が画面の上に残ることです。小さい画面では下にスクロールした先は見られないため、古い未対応が下に沈む作りだと忙しい日に必ず見落とします。メールの受信箱は新しいものが上に来るので、この点では不利になります。あわせて、名前と症状と希望日時と担当が1画面で見えると、返すかどうかの判断がその場でできます。
Q3. 私物のスマホで問い合わせを見てもよいですか?
決め事をそろえたうえでなら現実的な方法です。相談の内容をスクリーンショットやメモアプリに保存せず、記録は院の側に置くこと、アカウントを人ごとに分けること、退職のときに確実に外すこと。この3つを決めておきます。共有のアカウントを使い回すと、誰が返したか分からなくなるうえ、退職時に個別に止められません。法令上の当てはめは所管の窓口や専門家に確かめてください。
Q4. 施術の合間の短い時間で、何をしておくべきですか?
届いた件を取って、自分が担当することを記録に残すところまでです。30秒あればできます。返す時間が無くても、取っておけば頭から消えません。整体院でいちばん多い返し忘れは、施術に入る直前に通知だけ見て、内容を把握したまま何も残さずに施術へ入る形です。取る操作が1回のタップで終わる仕組みかどうかが効いてきます。
Q5. スマホで返すと文面が短くなりますが、問題ありませんか?
短いこと自体は問題ありません。日時の候補、当日の所要時間、服装の案内、この3つを落とさなければ十分に用は足ります。落とすと当日に確認の連絡が必要になり、かえって手間が増えます。型を用意して名前と日時だけ差し替える形にしておくと、短くても必要なことがそろった返信が3分ほどで出せます。
