応募の受付

キャンペーンの応募受付で重複応募をどう扱うか|条件の書き方と当選連絡の手順

2026年9月1日 ・ Halict編集部

キャンペーンの応募受付をひとりで回していると、集めること自体より、集まったあとの判断で手が止まります。とくに時間を奪うのが重複応募です。同じ名前が3行並んでいるとき、それが不正なのか、送信できたか不安でもう一度押しただけなのか、画面を見ただけでは分かりません。判断が付かないまま抽選日が来て、結局その場で決めることになります。

この記事は、キャンペーンの応募受付で重複をどう扱うかに絞って書きます。重複が起きる仕組み、同じ人かどうかを見分けるために受付時点で用意しておく列、応募条件の書き方、当選連絡と発送先の聞き方までを順に置きます。読み終えたときに、いまの受付のどこが詰まっていて、次に何を1つ変えるかが決まる状態を目指します。

キャンペーンの応募受付は、集める側ではなく返す側に負荷が寄る

キャンペーンの設計を考えるとき、話題になるのはたいてい前半です。何を景品にするか、どこで告知するか、フォームをどう作るか。ところが実際に担当者の時間を食うのは後半に集中します。届いた応募を並べ、条件を満たしているか確かめ、重複を判定し、当選者を決め、連絡し、返信を待ち、発送先を集め、発送し、届いたかどうかを追う。この一連が全部、受ける側の仕事です。

フォームを作る作業は数時間で終わります。応募が300件集まったあとの処理は、告知期間が終わってからさらに2週間ほど尾を引きます。現場では、受付そのものより当選連絡の往復のほうが工数が読めない、という声がよく出ます。連絡してから返信が来るまでの時間は相手の都合で決まるため、こちらの段取りでは縮められないからです。

しかも、キャンペーンの受付は単発で終わりません。季節ごとに走らせる、商品の入れ替えに合わせて走らせる、SNSの企画と連動させる。回数を重ねるほど「前回どうしたか」を思い出せないことが効いてきます。前回は同じメールアドレスからの2回目を無効にしたのか、有効にしたのか。それを覚えていないと、今回の判断もぶれます。そしてぶれた判断は、応募者から問い合わせが来た瞬間に説明できなくなります。

だから、キャンペーンの応募受付は「フォームを作る話」ではなく「判断の記録を残す話」として設計したほうが後が楽になります。重複応募の扱いは、その記録がいちばん問われる場面です。

重複応募はなぜ起きるのか。悪意より仕組みの側に原因がある

重複応募を「ルール違反」として一括りにすると、対応を誤ります。同じ人が複数回送信する状況には、性質のまったく違う原因が混ざっているからです。混ざったまま同じ処理をかけると、本来救うべき人を落とし、落とすべき応募を通すことになります。

送信できたか分からないから、もう一度送る

いちばん多いのがこれです。送信ボタンを押したあと、画面が真っ白になった、通信が切れた、完了メッセージを読まずにブラウザを閉じた。応募者は「届いていないかもしれない」と思い、もう一度最初から入力します。この場合、2件のデータはほぼ同じ内容で、送信時刻が数分以内に並びます。

この重複は、受付側の作りで発生量が変わります。送信後に完了画面をきちんと出しているか、自動返信メールを送っているか、その2つで大きく減ります。送信されたあとの道具がそろっている状態、つまり受け付けたことを応募者にすぐ返せる状態にしておくと、不安による再送信そのものが起きにくくなります。逆に、完了画面しか出しておらず控えが手元に残らない作りだと、不安による再送信は一定の割合で必ず発生します。

家族・同僚・複数端末という「別人に見える重複」と「同一人に見える別人」

同じ住所から2件、同じ電話番号から2件というケースがあります。夫婦、親子、同居の家族、同じ職場の同僚。これらは名前が違い、生年月日も違いますが、住所や固定電話は重なります。ここを機械的に「住所が同じだから重複」と処理すると、正当な応募を落とします。

逆に、同一人物が別のメールアドレスで送ってくることもあります。仕事用と個人用、キャリアメールとフリーメール。この場合、メールアドレスだけを鍵にしていると別人として通ってしまいます。つまり、どの列を鍵にしても単独では不十分です。

意図的に何度も送る人をどう見分けるか

当選確率を上げるために、複数のメールアドレスを用意して繰り返し応募する人はいます。この種の応募には、傾向として次のような特徴が出ます。

・短時間に連続した送信時刻が並ぶ。数秒から数分の間隔で複数件 ・氏名の表記だけを変えている。漢字とカタカナ、姓名の間のスペースの有無 ・メールアドレスがプラス記法や連番になっている。同じ文字列に数字だけ足したもの ・自由記述欄が空、または全件まったく同じ文面 ・応募理由やアンケートの回答が、意味の通らない短い文字列

ただし、これらは「特徴」であって「証拠」ではありません。短時間に2件送るのは、1件目が届いたか不安だった人の行動とも一致します。表記ゆれも、単に入力し直しただけかもしれません。だから、条件に当てはまったからといって即座に無効にするのではなく、後述する「印を付けて保留する」処理に回すのが実務的です。

重要なのは、この3種類を分けて数えられる状態にしておくことです。分けられれば、次回のキャンペーンで手を打つ場所が決まります。不安による再送信が多いなら自動返信を整える、意図的な多重応募が多いなら応募条件の書き方を変える、という具合に、対策が原因に対応します。

同じ人かどうかを見分ける手がかりを、受付の時点で作る

重複判定は、応募が全部集まってから頑張るものではありません。受け付ける時点で、突き合わせに使える情報を取っておくかどうかで難易度が変わります。あとから増やすことはできないので、フォームを公開する前に決めます。

突き合わせに使う列を最初から決めておく

最低限、次の情報があると判定できます。

・氏名(姓と名を別々の欄にする) ・フリガナ ・メールアドレス ・電話番号 ・郵便番号 ・送信日時 ・応募経路(どの告知から来たか)

姓と名を1つの欄にまとめると、「山田太郎」「山田 太郎」「やまだたろう」が全部別の文字列になります。欄を分けておくと、突き合わせのときに揃えやすくなります。フリガナは、漢字の表記ゆれを超えて同じ人を見つけるのに効きます。

送信日時は、多くのフォームで自動的に記録されます。ただし秒まで残るか、分単位で丸められるかは道具によって違うので、手元の環境で1件テスト送信して確かめておくと確実です。応募経路は、告知ごとにURLを分けるか、フォームに選択欄を置くことで取れます。重複の発生源が特定の告知に偏っているなら、その告知の導線に問題がある可能性を疑えます。

表記ゆれを吸収する下ごしらえ

集めたデータをそのまま比較しても、一致しません。突き合わせの前に、比較用の列を1つ足します。作り方は難しくありません。

・全角と半角をどちらかに寄せる ・スペースをすべて取り除く ・カタカナとひらがなをどちらかに寄せる ・メールアドレスは小文字に揃える ・電話番号はハイフンを取り除く

これらを結合した文字列を「照合キー」として1列作っておくと、並べ替えるだけで同一の候補が隣り合います。この作業は表計算ソフトの関数でもできますし、回答管理の機能を持つフォームなら、あらかじめ整形して保存できる場合もあります。どちらにしても、元データは触らず、比較用の列を別に作るのが安全です。元データを書き換えると、応募者から問い合わせが来たときに「送られてきたそのまま」を示せなくなります。

重複を「消す」のではなく「印を付ける」

いちばんやってはいけないのが、重複と判断した行を削除することです。削除すると、判断が正しかったかどうかを後から検証できません。応募者から「応募したのに連絡が来ない」と問い合わせが来たとき、削除済みの行は探せません。

代わりに、判定結果を記録する列を作ります。たとえば次のような値を持たせます。

・有効 ・重複(先行あり) ・重複(後続あり) ・要確認 ・条件不備

「重複(先行あり)」は、同じ人の応募がすでに前にあるという意味です。どの行と重複しているかを、応募番号で参照できるようにしておくと、あとで理由を説明できます。「要確認」は、機械的には判定できず人が見る必要がある行です。ここに入る件数が多いなら、応募条件の書き方が曖昧だったということになります。

この列を持つことの効き目は、当選者を決める段になって出ます。抽選の母集団を「有効」だけに絞れば、重複を含んだまま抽選してしまう事故が防げます。

応募条件の書き方で、重複の扱いは事前に決着する

重複応募の処理でもめるのは、たいてい応募要項に書いていなかったからです。書いていない条件で応募を無効にすると、応募者は納得しません。逆に、要項に明記してあれば、判断は要項を読み返すだけで終わります。

「1人1回」と「1メールアドレス1回」は別物

この2つは似ていますが、運用がまったく違います。

「お1人様1回まで」と書いた場合、同一人物が別のメールアドレスで送ってきたものは無効にできます。ただし、同一人物であることを受付側が示す必要が出てきます。氏名と住所が一致していれば同一人物と見なす、といった判定基準を自分で持たなければなりません。

「1メールアドレスにつき1回まで」と書いた場合、判定は機械的に終わります。メールアドレスが同じ行を並べるだけです。その代わり、別のアドレスからの複数応募は要項上は有効になります。それを許容できるかどうかは、景品の性質によります。

どちらが正しいということはありません。決めるべきは、要項に書いた条件と、実際にできる判定が一致しているかどうかです。「お1人様1回」と書きながら、実際にはメールアドレスでしか判定していないなら、要項と運用がずれています。ずれたまま運用すると、問い合わせが来たときに説明できません。

無効になる条件を先に書く

応募要項には、応募できる人の条件だけでなく、無効になる条件を並べて書きます。書いておく項目は次のあたりです。

・応募回数の上限と、その数え方 ・上限を超えた場合、どの応募を有効とするか(最初の1件か、最後の1件か) ・必須項目に不備があった場合の扱い ・当選連絡への返信期限と、期限を過ぎた場合の扱い ・発送先が国内に限られるかどうか ・応募者の年齢制限があるかどうか

「上限を超えた場合、最初の1件を有効とします」と1行書いてあるだけで、判定は迷いません。逆にここが空欄だと、担当者が毎回その場で決めることになり、前回と違う判断をしてしまいます。

返信期限も必ず書きます。当選連絡を送ったあと、返信が来ないまま何日待つのかを決めておかないと、発送のスケジュールが引けません。実務としては7日から14日を返信期限に設定し、期限を過ぎた場合は当選を無効として繰り上げる、という書き方がよく使われます。

応募期間と締切の時刻まで書く

「10月31日まで」と書くと、31日の何時までなのかが分かりません。23時59分に届いた応募を有効とするか無効とするかで、揉めます。時刻と、どのタイムゾーンかまで書きます。国内向けなら「日本時間」と添えるだけで足ります。

締切直前は送信が集中します。フォームの受付を締切時刻ちょうどで閉じる仕組みがあるなら使い、無いなら「サーバーに記録された受信時刻を基準とします」と書いておくと、判断の根拠がはっきりします。

景品や表示のルールは断定せず、所管の案内で確かめる

キャンペーンの景品には、景品表示法の考え方が関わります。ただし、どの企画がどの区分にあたるのか、上限額がいくらになるのかは、企画の形によって変わります。この記事で金額や要件を断定することはしません。企画を組む前に、消費者庁の案内を必ず確かめてください。

景品表示法は、商品・サービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、消費者がより良い商品・サービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。 出典: 消費者庁

判断が必要になるのは、たとえば次のような場面です。商品の購入者だけを対象にするのか、購入しなくても応募できるのか。抽選で当てるのか、条件を満たした人全員に配るのか。他社と共同で実施するのか。これらの違いで扱いが変わるため、企画の形が固まった段階で所管の窓口や専門家に確かめるのが確実です。判断を後回しにして告知を出してしまうと、あとから条件を変えることになり、すでに応募した人への説明が必要になります。

同じく、応募時に集める氏名・住所・電話番号は個人情報です。何のために使うのか、いつまで保管するのか、第三者に渡すことがあるのかを、応募フォームの近くに書いておきます。取り扱いの解釈については、個人情報保護委員会の案内を確かめたうえで、判断に迷う点は専門家に相談してください。

当選連絡の出し方。誤送信と二重連絡を止める

重複応募の処理が終わり、当選者が決まったあと。ここが2つ目の事故多発地点です。連絡を送ったかどうかが表に残っていないと、同じ人に2回送る、送るべき人に送っていない、という状態が同時に起きます。

誰が当選したかを、表の上で確定させる

抽選の結果は、必ず表に書き戻します。頭の中や別のメモに置かないことです。当選者に印を付ける列を1つ作り、当選・落選・繰り上げ候補の3つを入れます。繰り上げ候補を作っておくのは、返信期限を過ぎた当選者が出たときに、そこから順に繰り上げるためです。

抽選をどう行ったかも、簡単で構わないので記録します。乱数を使ったのか、応募順なのか、条件で絞ったのか。あとから問い合わせが来たときに、公平に行ったことを自分の言葉で説明できる状態にしておくためです。

連絡文に必ず入れる要素

当選連絡のメールには、次を入れます。

・当選した旨と、どのキャンペーンの当選かが分かる名称 ・応募いただいた日付、または応募番号 ・返信の期限(日付と時刻) ・返信で伝えてほしい項目 ・期限を過ぎた場合の扱い ・問い合わせ先

応募番号を書いておくと、応募者が「どの応募のことか」を確認できます。複数のキャンペーンを並行して走らせている場合、これが無いと相手も分かりません。

返信の期限は本文の目立つ位置に置きます。文末に小さく書くと読み飛ばされ、期限切れの繰り上げ処理が増えます。

返信が来ないときの締め方

期限を過ぎた当選者が出たら、要項に書いたとおりに処理します。ここで例外を作ると、次のキャンペーンでも例外を作ることになります。ただし、メールが届いていない可能性は考慮に値します。迷惑メールに振り分けられた、入力されたアドレスが誤っていた、という事故は一定の割合で起きます。

対策としては、当選連絡を送った時点で送信結果を確認できる状態にしておくことです。宛先不明で戻ってきたものが分かれば、その応募者には別の手段を試すか、繰り上げに回すかを判断できます。送信して終わりにせず、届いたかどうかまでを1つの表で追えると、この判断が早くなります。

発送先はいつ、どうやって聞くか

キャンペーンでよく議論になるのが、住所をいつ集めるかです。応募時に全員から集めるか、当選者だけから聞くか。どちらにも理由があります。

応募時に集めるか、当選後に聞くか

応募時に集めると、当選後の往復が1回減ります。当選連絡を送ったらそのまま発送に進めるので、期間は短くなります。その代わり、応募のハードルが上がります。入力項目が増えるほど、途中で離脱する人は増えます。景品が小さいキャンペーンで住所まで求めると、応募数そのものが落ちます。また、落選した人の住所まで保管することになるため、保管と削除の負担が増えます。

当選後に聞くと、集める個人情報が当選者の分だけで済みます。応募のハードルも下がります。その代わり、返信を待つ時間が発生し、返信が来ない人への対応が必要になります。

判断の基準は、景品が物理的に送るものかどうかと、応募数の見込みです。デジタルの景品なら住所は不要で、当選後にメールで送れば終わります。物を送る企画で、応募数を伸ばしたいなら、当選後に聞くほうが噛み合います。

発送先を集めるときの様式

当選後に住所を聞く場合、メールの返信で書いてもらう方法と、専用のフォームを案内する方法があります。

メールの返信で受け取ると、書式がばらばらになります。郵便番号を書かない人、建物名を落とす人、氏名を書かない人が出ます。あとで宛名ラベルを作るとき、1件ずつ整えることになります。件数が少ないうちは回りますが、50件を超えたあたりから手作業の限界が見えてきます。

専用フォームを案内すると、項目が揃います。必須にしておけば漏れも防げます。ただし、当選者ごとに個別のURLを出すのか、共通のURLに応募番号を入れてもらうのかを決める必要があります。共通URLにする場合、当選していない人が回答できてしまう点をどう扱うかも決めておきます。応募番号と氏名の両方を突き合わせて確認する、という運用にすれば実務上は足ります。

個人情報の保管と削除

集めた住所は、発送が終わったら不要になります。いつまで保管し、いつ削除するのかを、応募要項に書いた内容と揃えて決めておきます。表計算ファイルを担当者の端末にコピーしたまま放置する、共有フォルダに何年も置いたままにする、という状態が事故の元になります。

保管場所を1か所に決め、そこ以外にコピーを作らない運用にするのがいちばん単純です。フォームの回答管理画面の上でそのまま処理まで進められるなら、ファイルを持ち出す機会自体が減ります。

受付から発送までを一本の表で追う

ここまでの工程を並べると、キャンペーンの受付は次の段階を通ります。

  1. 応募を受け付ける
  2. 条件を満たしているか確かめる
  3. 重複を判定する
  4. 抽選する
  5. 当選連絡を送る
  6. 返信を受け取る
  7. 発送先を確定する
  8. 発送する
  9. 発送済みを記録する

この9段階のうち、いま何件がどこにいるのかを1つの表で言えるかどうかが、回せているかどうかの分かれ目です。段階ごとに別のファイルやツールに分かれていると、合計が合いません。

状態列の設計

状態を表す列は1つに絞ります。複数の列にチェックを入れる方式にすると、矛盾した組み合わせが生まれます。連絡済みにチェックが入っているのに未発送のチェックも空、といった行が出て、どちらが正しいのか分からなくなります。

値は上の9段階に対応させ、次に進んだら書き換えます。書き換えた日付を隣の列に持たせておくと、どこで滞留しているかが見えます。当選連絡を送ってから5日経っている行が並んでいれば、そこに手を入れればよいと分かります。

担当と対応履歴

複数人で受け付けるなら、担当者の列は必須です。担当が空のまま放置されると、全員が「誰かがやっている」と思って誰もやりません。逆に、担当が決まっていないのに2人が同時に手を付けると、当選連絡が二重に飛びます。

対応履歴も、行ごとに残せると強くなります。いつ、誰が、何をしたか。応募者から問い合わせが来たとき、履歴を見ればそのまま答えられます。履歴が別のメールソフトの中にしかないと、担当が休んだ日に答えられなくなります。

表計算だけで回すときの限界と、次に足すもの

応募が数十件で、担当がひとりで、キャンペーンが年に1回なら、表計算ソフトで足ります。無理に道具を増やす必要はありません。関数で照合キーを作り、並べ替えて重複を見つけ、当選者に印を付けて、メールを送る。この流れで完結します。

限界が見え始めるのは、次のどれかに当てはまったときです。

・件数が増え、並べ替えのたびに待たされる ・担当が2人以上になり、同じファイルを同時に編集する場面が出る ・当選連絡をメールソフトで送るため、送ったかどうかが表に自動では残らない ・応募者からの問い合わせに答えるのに、メールと表の両方を行き来する ・キャンペーンが複数走り、ファイルが増える

このうち、いちばん効くのは3つ目です。表の外でメールを送っている限り、送信の事実は手作業で書き戻すしかありません。書き戻しを忘れた1行が、二重連絡か連絡漏れになります。ここを直すには、応募の一覧と連絡の履歴が同じ場所にある状態にするしかありません。送信されたあとの道具がそろっているフォームを選ぶ、という判断はここに効きます。

使っている道具ごとに、どこまでは足りるのか

いま使っている道具を替えるべきかどうかは、上に挙げた限界に当てはまるかどうかで決まります。当てはまらないなら、替える理由はありません。

無料で作れるフォームは、応募を集めるところまでは十分に働きます。回答が表計算に流れる作りなら、集計や並べ替えもそのままできます。足りなくなるのは、返信の履歴や担当を回答ごとに持ちたくなったときです。どこまでが標準機能で、どこからが別の仕組みなのかは、Googleフォームとの比較で並べています。集める部分と、集めたあとを回す部分を分けて考えるための材料になります。

サイト内にフォームを設置する仕組みを使っている場合は、送信内容がメールで飛ぶ形が中心になります。メールで飛ぶ設計は軽くて確実な一方、届いた分を一覧で見るには受信箱を検索することになります。この違いを整理したのがContact Form 7との比較です。設置のしやすさと、あとから追える形にするための手間を、それぞれ書いています。

社内の仕組みを中心に組んでいる場合は、既存のアカウントで完結する利点が大きくなります。ただし、社外の応募者に回答してもらう企画では、回答する側にアカウントを求めないかどうかが分かれ目になります。アカウント登録を求めると、そこで応募をやめる人が出ます。この点の扱いはMicrosoft Formsとの比較にまとめています。

どの比較でも、機能が無いことを断定はしていません。仕様は更新されるため、実際に使う前には公式のドキュメントで最新の内容を確かめることをおすすめします。

場面が変わると、受付の作りも変わる

キャンペーンの応募受付は、他の受付と似た形をしています。ただ、力が要る場所が少しずつ違います。自分の企画がどれに近いかを見ると、優先して整えるところが決まります。

応募者の書類を受け取り、選考の状態を追う形は採用の応募受付に近くなります。選考の段階ごとに状態を進め、担当を決めて、応募者に返す流れが共通します。キャンペーンで当選者を決めていく流れと、構造はほぼ同じです。

要項に沿った応募を集め、条件を満たしているかを1件ずつ確かめる形は助成金・公募の受付に近いです。書式が揃っているか、必須の項目が埋まっているかを確かめる作業が中心になります。応募条件を先に書いて、そこに照らして判定するという進め方は、キャンペーンでもそのまま使えます。

日々届く連絡を、返信したかどうかで分けて追う形は問い合わせの受付です。当選連絡のあとに来る質問や、応募したのに連絡が来ないという問い合わせは、ここと同じ扱いになります。

定員があり、締切があり、参加の可否を返す形はイベントの申し込み講座の受講申し込みと重なります。定員を超えた分をどう扱うかを事前に決めておく点は、キャンペーンの応募上限と同じ設計です。

日時や場所の希望を受け、可否を返す形は施設利用の申請に近くなります。継続的な関係が始まる申し込みは会員の入会申し込み、届いたものに対応して結果を返す形は修理・サポートの受付がそれぞれ参考になります。

受付の設計を見直すときに見るところ

最後に、いまの受付を見直すときの判断材料を整理します。道具を替えるかどうかではなく、どこが詰まっているかを先に決めるための材料です。

まず、直近のキャンペーンで発生した重複応募を数えます。全体の何件だったか、そのうち不安による再送信が何件で、意図的な多重応募が何件だったか。この2つの比率で、次に打つ手が変わります。再送信が多いなら、完了画面と自動返信を整えるほうが先です。多重応募が多いなら、応募条件の書き方と判定の基準を明文化するほうが先です。

次に、当選連絡から発送完了までにかかった日数を数えます。連絡を送った日と、発送した日の差です。ここが14日を超えているなら、返信待ちか、発送先の整形か、どちらかで滞留しています。どちらかは、状態列の日付を見れば分かります。

3つ目に、担当者が表とメールソフトを何回行き来したかを思い出します。1件の応募を処理するのに、画面を切り替える回数が多いほど、記録の抜けは増えます。応募の一覧、連絡の履歴、状態、担当が同じ画面にあるかどうかで、この回数は変わります。回答管理まで含めて何ができるかはできることに一覧があり、実際の画面の動きは動くところを見るで確かめられます。読むより、自分の企画の流れを当てはめて見たほうが早く判断できます。

4つ目に、キャンペーンの回数と、1回あたりの件数を見ます。年に1回で数十件なら、いまの手作業のままで問題ありません。年に何度も走らせる、あるいは1回で数百件が集まるなら、記録が自動で残る作りに寄せる価値が出ます。費用の考え方は料金にまとめてあるので、削減できる時間と並べて判断してください。導入前によく出る疑問はよくある質問に集めています。

この4つを数えると、次に変える1つが決まります。全部を一度に変える必要はありません。重複応募の判定でいちばん時間を取られているなら、まず照合キーの列を1つ足すところから始める。それだけでも、次のキャンペーンの判断は目に見えて速くなります。

Q1. 同じ人からの2回目の応募は、無効にすべきですか?

応募要項にどう書いたかで決まります。「お1人様1回まで」と明記していれば無効にできますが、書いていない条件で無効にすると説明が付きません。要項には、応募回数の上限と、上限を超えた場合にどの応募を有効とするか(最初の1件か、最後の1件か)まで書いておくと、判定で迷わなくなります。

Q2. 重複と判断した応募は、削除してしまってよいですか?

削除は避けてください。応募者から「応募したのに連絡が来ない」と問い合わせが来たとき、削除済みの行は探せず、判断が正しかったかも検証できません。行は残したまま、判定結果を書く列を作り、有効・重複・要確認などの値を入れる方式にします。どの行と重複したかを応募番号で参照できると、理由をそのまま説明できます。

Q3. 発送先の住所は、応募時と当選後のどちらで聞くのがよいですか?

物を送る企画で応募数を伸ばしたいなら、当選後に聞くほうが噛み合います。入力項目が増えるほど途中でやめる人が出るうえ、落選者の住所まで保管する負担が減るためです。ただし返信待ちの時間が発生するので、当選連絡には返信期限(7日から14日が目安)と、期限を過ぎた場合の扱いを必ず書き添えてください。

Q4. 景品の金額に上限はありますか?

企画の形によって扱いが変わるため、この記事では断定しません。購入者限定か誰でも応募できるか、抽選か全員配布か、他社との共同実施かなどで判断が分かれます。企画の形が固まった段階で消費者庁の案内を確かめ、迷う点は所管の窓口や専門家に相談してから告知を出してください。

ガイド一覧へ

キャンペーンの応募受付で重複応募をどう扱うか|条件の書き方と当選連絡の手順|Halict