開封確認を付けて送ったのに、確認のメールがいつまでも届かない。この状態で困るのは、相手が読んでいないのか、仕組みが働いていないのかが分からないことです。開封確認が返らない条件は、実は公式のヘルプに公開されていて、そのほとんどは送る側からは判別できません。この記事では、届かないときに何をどの順番で確かめればよいのかを整理し、確かめきれなかった場合に受付としてどう動けばよいのかまで通して説明します。
「届かない」が指しているものを、先に2つに分ける
同じ「開封確認のメールが届かない」でも、状況はまったく違う2つに分かれます。ここを分けないまま調べ始めると、関係のない設定をいじって時間を失います。
1つ目は、こちらが送った本文は相手に届いているが、開封確認の通知だけが返ってこない場合です。この場合、問題は開封確認という仕組みの側にあります。相手が承認していないか、相手の環境で仕組みが働いていないかのどちらかです。
2つ目は、そもそも本文自体が相手に届いていない場合です。迷惑メールとして振り分けられた、送信元の設定が原因で受け取ってもらえなかった、宛先を打ち間違えた。この場合、開封確認が返らないのは当然で、直すべきは開封確認ではなく送信そのものです。
どちらなのかを見分ける手がかりは、いくつかあります。エラーメールが返ってきていれば、2つ目の可能性が高くなります。過去に同じ相手とやり取りができていて、今回だけ返らないのであれば、1つ目の可能性が高くなります。同じ相手に別件で送ったメールに返信が来ているなら、届いてはいると判断できます。
この2つに入る前に、もう1つだけ潰しておきたい状況があります。開封確認の通知は返っているのに、こちらの受信箱で見つけられていない場合です。開封確認の通知は件名が定型で、本文もそっけないため、迷惑メールのフォルダに入っていたり、自動振り分けの規則で別のフォルダに移されていたりします。届いていないと判断する前に、迷惑メールのフォルダと、自分で作った振り分けの規則を一度見てください。
この記事では、1つ目を中心に扱いますが、2つ目の可能性を潰す手順も後半に置いています。順番としては、2つ目を先に潰したほうが早く終わります。届いていないものの開封を追いかけても、答えは出ないからです。
使っているアカウントの種類で、機能そのものが無い場合がある
見落とされやすいのが、こちら側や相手側のアカウントの種類です。開封確認は、すべての環境で使える機能ではありません。
Gmailの場合、開封確認は仕事用または学校用のアカウントでのみ利用でき、個人用のgmail.comのアカウントでは機能しないとヘルプに明記されています。会社で契約しているアカウントであれば使えますが、個人で取得したアドレスでは、送る側でも受け取る側でも動きません。
これが受付の窓口で効いてくるのは、相手が個人のアドレスを使っている場合です。採用に応募してくる人、サービスについて問い合わせをしてくる人、イベントに申し込んでくる人の多くは、個人のアドレスを使います。その相手に開封確認を付けても、返ってこないのが普通です。設定を疑って何時間も調べる前に、宛先のドメインを見て、個人のアドレスかどうかを確かめてください。
組織の管理者が機能を止めている場合もあります。開封確認の送信を、組織内のユーザーに限る、あるいは一切許可しない、という設定を管理者が持っていることがあります。この設定は外からは見えません。相手の組織が返さない方針であれば、何度送っても返りません。
相手が社外の人であれば、条件はさらに厳しくなります。組織によっては、社内どうしの開封確認は許可し、社外への送信は許可しないという設定にしていることがあります。この場合、相手が承認する操作をしていても、確認は外に出ていきません。相手からすれば返したつもりで、こちらからすれば返ってこない、という食い違いが起きます。どちらも悪くないのに、印象だけが悪くなる典型的な場面です。
こちら側の設定も確かめる価値があります。管理者が開封確認の要求そのものを禁止している場合、作成画面に該当の項目が出てこないか、選んでも実際には要求が付いていないことがあります。作成画面のその他のオプションに「開封確認をリクエストする」が並んでいるかどうかを、まず目で確かめてください。
相手が承認しなければ、そもそも返らない
開封確認は、相手が黙って開いただけでは返りません。承認という操作を挟みます。Gmailのヘルプにも、この点がはっきり書かれています。
受信トレイに開封確認を受け取るには、メールの受信者が開封確認を承認する必要があります。 出典: support.google.com
つまり、相手が「後で」を選んだ場合も、はっきり断った場合も、確認は返りません。同じヘルプでは、後でを選ぶと次にそのメールを開いたときに再び尋ねられる、という動きも説明されています。相手が毎回後回しにしていれば、いつまでも返らない状態が続きます。
ここで押さえておきたいのは、承認しないことは相手の落ち度ではないという点です。返すかどうかを担当者の裁量ではなく職場の決まりとして定めているところは多く、その場合はこちらが何度送っても、丁寧に頼み直しても、結果は変わりません。切り分けの観点で言えば、ここは調べても答えの出ない領域です。返らない理由を相手に問い合わせると、届いたかどうかを確かめるつもりが、相手の職場の方針を聞き出す話にすり替わります。相手に手間をかけさせたうえで、欲しかった答えは手に入りません。
一方で、確認の表示が出ないまま自動で返る設定になっている環境もあります。同じヘルプには、開封確認を求めるメールを受け取っても確認の表示が出ない場合は自動的に送信されている、という説明があります。つまり、環境によって挙動が正反対になります。返らないことを相手の意思だと決めつけると、事実と違う前提で人を責めることになります。
公式に挙がっている、返らない条件
Gmailのヘルプには、開封確認が届かない場面が具体的に列挙されています。窓口として知っておくと、無駄な調査を避けられます。
・グループのメーリングリストやエイリアスにメールを送った場合 ・組織内のユーザーや組織外の特定のユーザーに対する開封確認の送信が、管理者によって制限されている場合 ・リアルタイムで同期されないメールソフトを受信者が使っている場合。オンデマンドでのみ同期するPOPのクライアントなど ・受信者がIMAPを使ったメールクライアントで開封確認を返信し、開封確認が自動で送信されない場合
この4つを見て気づくのは、どれも送る側からは事前に判別できないという点です。相手がメーリングリスト宛のアドレスを名刺に載せているかどうかも、相手の組織の管理者がどう設定しているかも、相手がどの方式でメールを取っているかも、こちらからは見えません。
問い合わせの窓口に多い、情報や総務といった名前の付いたアドレスは、複数人に配るためのエイリアスであることがよくあります。そのアドレス宛に開封確認を付けても、1つ目の条件に当たって返らない可能性があります。相手の窓口アドレスに送っている場合は、この点を疑ってください。
3つ目と4つ目の条件は、少し分かりにくいので補足します。メールの取り方には、サーバーから端末へ取り込んでしまう方式と、サーバーに置いたまま見る方式があります。前者は、端末がその都度取りに行ったときにしかメールが動きません。開いた瞬間に確認を返すという動きが、想定どおりに働かない場合があります。後者でも、確認を返す操作が自動にならず、相手が手で送らない限り返らないことがあります。どちらの方式を使っているかは、相手の環境の話ですから、こちらからは分かりません。
さらに、届いたとしても意味が薄い場合があることも、同じヘルプに書かれています。開封せずに既読の印だけを付けた場合でも確認が返ることがあり、確認が届いても読まれたとは限らないとされています。返らないことも、返ってくることも、どちらも確かな根拠にはならないという結論になります。
配信ツール側の開封が記録されないとき
開封確認と混同されやすいのが、メール配信ツールの開封の記録です。こちらが記録されない理由は、まったく別のところにあります。
配信ツールの開封は、本文に埋め込んだ目に見えないほど小さい画像が、受信側の画面で読み込まれたときに記録されます。多くのメールソフトやサービスは、はじめから画像を自動では読み込まない設定になっています。読み込まれなければ、相手が読んでいても記録は残りません。
テキスト形式で送っている場合も、記録は残りません。画像を埋め込めるのはHTML形式のメールだけだからです。配信ツールの設定でテキスト形式を選んでいるなら、開封の数字はゼロのまま動きません。
画像を代理のサーバー経由で取りに行く仕組みを持つサービスもあります。この場合、記録は残るものの、そこに書かれている接続元は代理サーバーのものになります。読んだ人の環境を知りたい目的で見ているなら、期待した情報は得られません。
逆に、人が読んでいないのに記録が付くこともあります。迷惑メールの検査や、画像を先に取得しておく仕組みが働く環境では、開かれていなくても読み込みが発生します。見分ける手がかりは時刻です。配信した直後に記録がまとめて立ち、その後まったく動かない場合は、人が順に開いたのではなく、受信側の検査が一度に取りに行った可能性が高くなります。数字が付いていることも、付いていないことも、1件ごとの判定には使えないと考えてください。
本文そのものが届いていない可能性を潰す
開封確認の設定を疑う前に、本文が届いているかどうかを確かめたほうが早く終わります。メールは複数の仕組みを経由して届くため、途中で止まる余地が多くあります。
電子メールの送受信は、インターネット上の多くのメールサーバが連携することによって実現しています。 出典: www.soumu.go.jp
確かめる順番は、次のようになります。
・エラーメールが返っていないか。宛先不明や容量超過の通知が来ていれば、そこで原因が確定します ・宛先のつづりが合っているか。1文字違いのドメインは、エラーも返らずに消えることがあります ・添付ファイルが大きすぎないか。相手の環境の上限を超えていると、受け取ってもらえません ・過去に同じ相手とやり取りできていたか。今回が初めての相手なら、迷惑メールに入っている可能性が上がります ・別の連絡手段で、届いているかどうかを1度だけ確かめられないか
添付は、思っているより多くの原因になります。容量の大きいファイルを付けたメールが受け取ってもらえず、返事が来ないだけの状態になっていることがあります。開封確認を疑う前に、添付を外して本文だけで再送してみると、あっさり返ってくることがあります。
迷惑メールに振り分けられている可能性も、必ず候補に入れてください。初めて連絡する相手や、フォームからの自動送信で差出人が普段と違うアドレスになっている場合は、受信側の判定に引っかかりやすくなります。相手に「迷惑メールのフォルダを見てください」と頼むのは気が引けますが、再送の文面に「迷惑メールに振り分けられている場合がございます」と一言添えておけば、頼まずに気づいてもらえます。
同じ相手に何度も送っていると、逆に判定が厳しくなることもあります。短い間隔で同じ件名のメールを繰り返し送るのは避けてください。再送は1回にとどめ、それでも動かなければ別の連絡手段に切り替えるほうが、結果的に早く着地します。
送信元の設定が原因で受け取ってもらえないケースもあります。フォームからの自動返信をレンタルサーバーから送っているような場合、送信元のドメインと実際に送っているサーバーの関係が整っていないと、相手側で弾かれることがあります。この種の設定は窓口の担当だけでは判断できませんので、社内の情報システムの担当か、契約しているサーバーの提供元に確かめてください。
自動返信と開封確認を取り違えていないか
窓口の現場でよくあるのが、フォームの自動返信と開封確認を混同したまま調べているケースです。この2つはまったく別の仕組みなので、直す場所も違います。
自動返信は、フォームが送信されたときに、申し込んだ人と受付の担当に向けて自動で送られるメールです。送るのはこちら側の仕組みで、相手が何かを操作する必要はありません。これが届かない場合、原因はこちら側の設定か、送信元のドメインの扱いにあります。
開封確認は、こちらが送ったメールを相手が開いたときに、相手のメールソフトから返ってくるものです。返すかどうかは相手が決めます。こちらの設定をどれだけ見直しても、相手が返さなければ届きません。
見分け方は簡単です。届かないメールの差出人が誰になるはずだったかを考えてください。差出人がこちらの組織であれば自動返信、差出人が相手であれば開封確認です。自動返信が届かない場合は、送信元のドメインとサーバーの関係や、フォーム側の宛先設定を確かめる話になり、開封確認の設定とは無関係です。
もう1つ紛らわしいのが、申し込んだ本人には自動返信が届いているのに、受付の担当宛の控えが届かない、という状態です。この場合は、担当宛のアドレスが社内の迷惑メールの判定に引っかかっている可能性があります。フォームからの通知が自分自身のドメイン宛に送られる形になっていると、なりすましと判定されて弾かれることがあるためです。ここも開封確認とは別の話ですので、切り分けの最初に整理しておいてください。
窓口で決めておく、待つ日数と次の行動
届かない状態が長引くのは、多くの場合、待つ期間を決めていないためです。担当者が「もう少し待とう」と判断を先送りし、気づいたら1週間が過ぎている、という進み方をします。
決めるべきことは、3つだけです。何日待つのか、待ったあと最初に何をするのか、それでも動かなかったときに誰に上げるのか。この3つを紙1枚に書いて、窓口の担当が見える場所に置いておけば、判断のばらつきはかなり減ります。
日数の目安は、案件の性質で変えるのが現実的です。締切のある募集や申し込みであれば、締切から逆算して2営業日ほどで再送に移らないと間に合いません。急ぎでない問い合わせであれば、3営業日から5営業日でよいでしょう。大事なのは、日数そのものより、決めてあることです。
上げる先を決めておくのも効きます。2回送っても動かない件を、窓口の責任者に渡すのか、営業の担当に渡すのか。渡し先が決まっていないと、担当者が抱えたまま止まります。抱えた件は、担当者が休んだ日に完全に見えなくなります。
決めた内容は、返信のひな形にも反映させておきます。再送の前置き、期限の書き方、受領の返信を頼む一文を、あらかじめひな形に入れておけば、担当者が毎回考えずに済みます。開封確認が届かないという状況に手を止められる回数は、ひな形が整うだけでかなり減ります。
切り分けの順番
ここまでの内容を、実際に手を動かす順番に並べ直します。上から順に確かめれば、余計な作業を減らせます。
1つ目に、エラーメールが返っていないかを確かめます。返っていれば、そこで原因が確定します。
2つ目に、宛先のドメインを見ます。個人のアドレスであれば、機能そのものが動かない可能性が高くなります。情報や総務といった名前の付いた窓口アドレスであれば、複数人に配るエイリアスの可能性を疑います。
3つ目に、こちらの送信画面で、開封確認の要求が実際に付いていたかを確かめます。送信済みのメールを開いて、要求の指定が入っているかどうかを見ます。
4つ目に、同じ相手に別件で送ったメールに返信が来ているかを確かめます。来ていれば、本文は届いていると判断できます。
5つ目に、時間を置きます。相手が後でを選んでいる場合、次に開いたときに改めて尋ねられます。1日か2日で判断せず、数日は待つ余地があります。
6つ目に、それでも分からなければ、開封確認で確かめるのをやめます。ここまでで分からないものは、この先も分かりません。次の手に移ったほうが早く進みます。
順番に意味があるのは、後半ほど時間がかかるためです。エラーメールを見るのは数秒で終わり、宛先のドメインを見るのも一瞬です。一方で、相手の環境や組織の方針は、こちらから調べようがありません。調べられるものから順に潰していけば、調べられないものだけが残ります。残ったものは、待つか、別の手に移るかしかありません。
やってはいけないのは、こちらのメールソフトの設定を手当たり次第に変えることです。開封確認が返らない原因のほとんどは相手側にありますから、こちらの設定を変えても結果は変わりません。それどころか、変えた設定が別の場面で悪さをして、原因の分からない不具合を増やします。設定を触るのは、送信画面に開封確認の項目が出てこない場合だけで十分です。
相手に問い合わせるという手もありますが、順番としては最後です。「開封確認が返ってこないのですが」と聞かれた相手は、責められているように感じます。聞くのであれば、開封確認の話ではなく、「先日お送りした件は届いておりますでしょうか」と、届いたかどうかだけを尋ねてください。相手にとっても答えやすい聞き方になります。
この順番のうち、1つ目から4つ目までは10分ほどで終わります。5つ目と6つ目は判断の問題です。窓口の中で「何日待ったら次に移る」を決めておくと、担当者ごとのばらつきが消えます。
確かめられなかったときの、次の動き方
開封確認で分からなかった場合の動き方を、あらかじめ決めておくのが実務としては最も大事です。決めていないから、届かない通知を何日も待つことになります。
最も確実なのは、本文で受領の返信を頼むことです。「お手数ですが、受け取った旨を1行で結構ですのでお知らせください」と書けば、相手は判断できます。開封確認と違い、断る自由が残っている頼み方なので、失礼にもなりません。返ってくれば、読まれたことも内容が伝わったことも同時に分かります。
再送も有効な手です。「行き違いでしたら申し訳ありません。念のため同じ内容を再送いたします」と前置きを付け、その下に前回と同じ本文を置きます。切り分けの手順としても意味があります。1通目が迷惑メールのフォルダに落ちていた場合、2通目は判定が変わって受信箱に入ることがあり、届いていなかったのかどうかがここで初めて分かるためです。添付を外し、本文だけにして送り直すと、判定が変わる確率はさらに上がります。件名の先頭に再送と入れておけば、既読のまま埋もれた1通目と区別も付きます。
期限を書いておくのも効きます。「9月11日までにご返信がない場合、いったん保留として処理いたします」と書けば、返さなかったときに何が起きるのかを相手が知ったうえで判断できます。判断材料を渡す形の催促は、責める形の催促より受け入れられます。
連絡の手段を変えるのも、失礼にはあたりません。2回メールを送って返事が無ければ電話で1本確かめる、という段取りは、届いていない可能性を潰すための手順です。本文にあらかじめ「ご返信がない場合はお電話を差し上げることがあります」と書いておけば、突然の電話にもなりません。
追いかける相手を、開封から自分たちの対応に変える
開封確認が届かないことに時間を取られている状態は、追いかける対象を間違えているサインでもあります。確かめられないもの、つまり相手の行動を追いかけているためです。
受付の現場で本当に困るのは、相手が読んだかどうかではありません。こちらが返したかどうかが分からなくなることです。返したはずのものをもう一度返す二重返信と、返したつもりで返していない返し忘れは、どちらも受信箱を目で追う運用から生まれます。開封の通知をいくら集めても、この2つは減りません。
必要なのは、1件ごとに次の3つを持たせることです。
・こちらから最後に送ったのはいつか ・いつまで返事を待つと決めたのか ・その日が来たときの次の一手は何で、誰が実行するのか
この3つを付けておくと、返事待ちの件が期限の近い順に並びます。開封の通知が返ってくるのを待つ理由がなくなり、期限の来た件から順に、再送なり電話なりへ機械的に移せます。確かめられないものを待つ状態から、決めた日に自分が動く状態へ変わります。送信されたあとの道具がそろっているかどうかは、受付の窓口を選ぶときにここで効いてきます。
件数が少ないうちは、表計算ソフトに3列足すだけでも機能します。詰まりが出るのは件数が増えたときで、同じ表を2人が同時に開けない、行が増えて見落とす、誰が最後に触ったのか分からない、という形で現れます。現場では、100件を超えたあたりから表が回らなくなると言われています。詰まってから道具を探すより、詰まる前に何を持たせたいのかを言葉にしておくほうが、選ぶときに迷いません。
受付の道具を替えるかどうかを決める材料
道具の話に移るときも、開封確認が付いているかどうかは判断の軸になりません。見るべきなのは、届いたものを誰がどう回すのかという部分です。
いま使っている道具で足りているなら、無理に替える必要はありません。1人で受けているうちは、返事待ちの件も、どこまで確かめたかも、頭の中で数えられます。替える判断が要るのは、返事待ちのまま何日が過ぎたのかを誰も言えなくなったときと、同じ相手に2人が別々に再送してしまったときです。どちらも、届いたかどうかが分からない件が積み上がったところで起きます。
比べるときは、届かなかった件をあとから追えるかどうかという1点を軸にすると迷いません。いつ送り、いつまで待ち、次に何をしたのかが1件の中に残るなら、同じ問い合わせに二度手間をかけずに済みます。回答を表計算ソフトで追うやり方がどこまで続けられるのかはGoogleフォームとの比較に整理してあります。ワードプレスにフォームを置いているなら、送信された内容がどこに残るのかが分かれ目になりますのでContact Form 7との比較が参考になります。社内でマイクロソフトの環境を使っている場合は、外部の人に登録を求めずに受け取れるかどうかをMicrosoft Formsとの比較で確かめておくとよいでしょう。
返事が来ないまま止めておいたときの損の大きさは、受け付ける中身によって違います。書類のやり取りが続く採用の応募受付では、どこまで進んだかを応募者ごとに追えることが要ります。提出物の点数が多い助成金・公募の受付では、欠けている書類を申請者ごとに見られる形が効きます。日々の問い合わせの受付なら、担当の割り当てと返信済みの印が同じ画面にあるかどうかで、返し忘れの起き方が変わります。定員のあるイベントの申し込み、回を重ねる講座の受講申し込み、予約の重なりが出やすい施設利用の申請、継続の管理が要る会員の入会申し込み、機器の情報を受け取る修理・サポートの受付も、残す情報の重みがそれぞれ違います。
扱える範囲を確かめるならできること、実際の画面を触るなら動くところを見る、費用の見当を付けるなら料金、細かい疑問はよくある質問にまとまっています。開封確認が届かない理由を突き止める作業は、多くの場合その先に答えがありません。同じ時間を、返す仕組みを整えるほうに使ったほうが、受付は確実に軽くなります。
Q1. 開封確認を付けたのに何日待っても届きません。設定が悪いのでしょうか?
設定より先に、宛先の種類を確かめてください。Gmailの開封確認は仕事用または学校用のアカウントでのみ機能し、個人用のgmail.comのアカウントでは動きません。また、メーリングリストやエイリアス宛、相手の組織が管理者設定で制限している場合も返りません。いずれも送る側では判別できません。
Q2. 相手が承認しなかったのか、届いていないのか、どちらか分かりますか?
分かりません。まずエラーメールの有無、宛先のつづり、添付の容量を確かめ、同じ相手からの別件の返信があるかを見てください。届いている形跡があれば承認していないだけと判断できます。それでも分からない場合は、開封確認で確かめるのをやめて、本文で受領の返信を頼むほうが早く解決します。
Q3. 配信ツールで開封数がゼロのままなのはなぜですか?
多くのメールソフトは画像を自動で読み込まない設定になっているためです。開封は本文に埋め込んだ画像の読み込みで数えるので、読み込まれなければ相手が読んでいても記録は残りません。テキスト形式で送っている場合も画像を埋め込めないため、数字は動きません。
Q4. 開封確認をあきらめたあと、返事が来ない相手にはどうすればよいですか?
「行き違いでしたら申し訳ありません」と前置きして同じ内容を再送し、件名の先頭に再送と入れてください。あわせて「9月11日までにご返信がない場合は保留として処理します」のように期限と次の動きを書いておくと、相手が判断できます。2回送って返事が無ければ電話で確かめる段取りまで決めておくと迷いません。
