保育園で応募の担当を決めるとき、「園長が見る」とだけ決めて終わっている園は少なくありません。それで回っているうちは問題ありませんが、園長が研修で1日いない日、土曜保育の振替で平日に休む日に限って、応募者から「明日の見学の時間を変えてほしい」と電話が入ります。電話を取った保育士は事情を知らず、「園長に伝えます」と答えてメモを机に置き、その日のうちには誰も折り返さない。この記事では、保育園のシフトの組み方を前提に、担当者が休んでも応募が止まらない担当の決め方と、休みの前日に残す引き継ぎの形を整理します。
保育園の応募が「その人の休み」で止まる理由
保育園の職員は、ほぼ全員がシフトで働いています。朝7時台から入る早番、夕方の延長保育まで残る遅番、その間の日勤。土曜日の保育に出た人は、平日のどこかで振替の休みを取ります。園長や主任も例外ではなく、配置の人数が足りない日は早番や遅番に入ります。
このため、同じ職員が月曜から金曜まで同じ時間に事務室にいることはほとんどありません。応募を担当する人が決まっていても、その人が事務室にいない時間のほうが長いのが普通です。
さらに保育園には、担当者が丸1日園を離れる日が定期的にあります。自治体の研修、園長会、法人の会議、自治体による指導監査への対応、行事の下見。こうした日は前もって分かっているにもかかわらず、応募のことまで引き継ぎが回らないまま当日を迎えます。
もう1つの理由は、応募の情報が担当者個人の手元にあることです。応募者の電話番号が園長の携帯電話の履歴にだけ残っている。見学の予定が園長の手帳にだけ書いてある。求人サイトの通知が園長個人のメールアドレスに届いている。これでは、園長が休んだ日に他の人が続きを引き取ろうとしても、何も分かりません。
保育士の仕事の負担については、こども家庭庁の資料にも次のような記載があります。
○保育士を退職した理由として、仕事量が多いことや労働時間が長いことが要因として挙げられている。また、非効率な事務作業や紙での業務によってこどもと向き合う時間が取れないといった意見がある 出典: cfa.go.jp
応募の担当を決め直すことは、採用の取りこぼしを防ぐだけでなく、特定の人に採用の事務が集中して保育の時間を削る状態を減らすことにもつながります。
担当は「人」ではなく「応募の段階ごと」に置く
担当を決めるとき、「採用担当は園長」のように人に全部を持たせると、その人がいない日に全部が止まります。保育園の応募は、段階ごとに必要な情報も判断する人も違うため、段階ごとに担当を置くほうが止まりにくくなります。
保育園の応募を段階で分けると、次の5つになります。
・受け取る:届いた応募に気づき、一覧に載せる ・最初の連絡をする:応募者に連絡し、見学や面接の候補日を出す ・見学を案内する:当日、応募者を保育室に案内する ・面接と採否を決める:面接をして、採用するかを決める ・結果と入職の準備を進める:結果を伝え、書類を集め、配属のクラスを決める
このうち、判断が要るのは「面接と採否を決める」だけです。残りの4つは、決まった手順と情報があれば園長でなくても進められます。受け取るのは事務員か法人本部、最初の連絡は主任、見学の案内は当日のフリーの保育士、というように分けておくと、園長が休む日でも応募は先に進みます。
見学や面接の候補日を園長以外が出せるようにするには、園長が週の初めに「見学を受けられる時間帯」を決めて共有しておくことが前提です。候補日の枠が決まっていれば、最初の連絡の担当者は、枠の中から選んで応募者に出すだけで済みます。
正と副を、シフトの重ならない2人で組む
段階ごとに担当を決めたら、それぞれに「正」と「副」の2人を置きます。保育園ならではの工夫は、正と副をシフトがずれる2人で組むことです。
たとえば、受け取る段階の正を平日の日中にいる事務員にしたら、副は遅番に入ることが多い主任にします。事務員が帰ったあとの夕方に届いた応募は、主任が夕方の保育の合間に一覧に載せます。最初の連絡の正が主任で、主任が土曜保育の振替で水曜に休むなら、副は水曜に出勤している園長か、本部の採用担当にします。
組み合わせを決めるときは、月のシフト表を横に置き、正と副の両方が休む日がないかを確かめてください。保育園では、行事の翌日に複数の職員がまとめて振替休日を取ることがあります。正と副がそろって休む日が見つかったら、その日だけ3人目を決めておきます。
正と副の役割の違いは、次のように決めておくと迷いません。
・正は、担当する段階の作業を毎日行う ・副は、正が休みの日と、正が保育に入って手が離せない日に作業を行う ・副が作業をしたら、次に正が出勤したときに分かるように一覧に書き残す
副が「正がやるだろう」と待ってしまうのを防ぐために、正が休みの日は朝の打ち合わせで「今日の応募は副の〇〇さん」と一言添えるだけでも効果があります。
休みの前日に書く「引き継ぎの1行」
正と副を決めても、副が続きを引き取れるだけの情報がなければ動けません。担当者が休む前日には、進行中の応募ごとに引き継ぎの1行を書いておきます。
1行に入れるのは、次の5つです。
・次にやること(見学の候補日を送る、面接の日時を確定する、結果を伝える、など) ・いつまでにやるか ・応募者にすでに約束したこと(「木曜までに連絡します」と伝えた、など) ・応募者に連絡してよい時間帯と手段(勤務中は電話に出られない、など) ・この応募を知っていてよい職員の範囲(在園児の保護者なので園長と主任だけ、など)
保育園の応募で特に大切なのが、3つ目と5つ目です。応募者に約束したことが引き継がれないと、副が約束と違う日に連絡してしまいます。知っていてよい職員の範囲が引き継がれないと、副が見学の予定を朝の打ち合わせで全員に話してしまい、応募者が在園児の保護者だったり、職員の知り合いだったりした場合に困ったことになります。
引き継ぎの悪い例と良い例
悪い例は、「〇〇さん、見学の件よろしく」のような書き方です。何をいつまでにするのか、相手に何を伝えているのかが分かりません。
良い例は、「〇〇様。見学の候補日を明日の15時までにメールで送る。9月19日か22日の10時で打診すると先週伝えてある。現職の保育士なので電話は18時以降。応募は園長と主任のみ把握」のような書き方です。これなら、副は園長に確かめなくても送れます。
引き継ぎの1行は、紙のメモや口頭ではなく、応募の一覧の中に書いてください。応募ごとに「次にやること」「期日」の欄を常に置いておけば、休みの前日にわざわざ引き継ぎを書く必要もなくなります。
届いた瞬間に担当者の名前を入れる
担当を段階ごとに決めても、1件ずつの応募に担当者の名前が入っていなければ、誰も自分の仕事だと気づきません。保育園でよく起きるのは、応募が一覧に載っていても担当者の欄が空のまま数日が過ぎ、それぞれが「誰かが見ているだろう」と思っている状態です。
これを防ぐには、受け取る段階の担当者が、一覧に載せるのと同時に「最初の連絡をする人」の名前を入れる決まりにします。担当表で正と副が決まっていれば、名前を選ぶだけで済みます。その日に正が休みなら副の名前を入れる、という判断も受け取る担当者がその場で行います。
応募が届く時間帯にも注意が要ります。保育士の応募は、勤務を終えた夜や、休みの土日に届くことが多くなります。夜や土日に届いた応募は、翌朝か週明けの朝に、受け取る担当者がまとめて一覧に載せ、担当者の名前を入れてください。月曜の朝は、欠席の連絡や週末の持ち物の確認で事務室が慌ただしくなるため、名前を入れる時刻を「月曜の10時」のように、登園の受け入れが落ち着いた時間に決めておくと確実です。
担当者の名前が入ったら、その人に届いたことを知らせます。保育室にいる主任に口頭で伝えるだけでは忘れられやすいので、職員が休憩中に見る連絡の場所や、朝と夕方の打ち合わせの記録に「新しい応募1件、担当は主任」と残してください。
電話で受けた応募を、取った人から担当者へ渡す
保育園では、応募の電話を担当者が取るとは限りません。事務室の電話は、登降園の時間帯には保護者からの連絡で鳴り続け、手の空いている保育士が取ります。電話の向こうから「求人を見て、見学をしたいのですが」と言われたとき、取った保育士が何を聞き、どこに残すかを決めておかないと、応募はメモ用紙1枚になって机の上に消えます。
電話を取った人が聞くことは、次の4つに絞ります。
・氏名と、折り返してよい電話番号 ・応募したい職種(保育士、保育補助、調理、看護師など) ・電話に出やすい曜日と時間帯 ・何を見て電話をくれたか
聞いたら、電話を切ったその場で一覧に載せ、担当者の名前を入れてもらいます。一覧を開けない保育士が取った場合は、決まった用紙に書いて、事務室の決まった箱に入れる形にしてください。「机の上に置いておく」は決まりになりません。箱の中身は、受け取る担当者が1日に2回確かめます。
電話を取った保育士が、見学の日時をその場で決めてしまうのも避けます。園長の見学の枠を知らないまま「来週の火曜日でどうぞ」と答えると、その日が行事の練習と重なっていたときに、担当者が日を変えてもらう連絡を入れることになります。電話では「担当の〇〇から、今日か明日のうちにご連絡します」とだけ答えてもらい、日時は担当者が決めます。
法人本部と園で担当を分けるとき
複数の保育園を運営する法人では、求人サイトの管理を本部が行い、見学や面接を各園が行う、という分担がよく見られます。この形は、本部に採用の事務が集まって園長の負担が軽くなる一方で、本部と園の間で応募が止まりやすい形でもあります。
止まる原因の多くは、本部が園の予定を知らないことです。本部の採用担当が見学の候補日を出そうとしても、その園の運動会の日程や、園長が研修で不在の日が分からなければ、候補日を出すたびに園に問い合わせることになります。問い合わせの電話が保育中の園長に届き、折り返しが翌日になれば、応募者への連絡も1日遅れます。
本部と園で担当を分けるなら、園の側が見学と面接を受けられる時間帯を、月のはじめに本部と共有してください。本部はその枠の中で候補日を出し、決まった日時を園に知らせるだけで済みます。
もう1つ気をつけたいのが、応募者から見た連絡元です。最初の連絡は本部の採用担当から、見学の案内は園長から、結果は再び本部から、というように連絡元が入れ替わると、応募者はどこに問い合わせればよいか迷います。最初の連絡の中で「本部の〇〇が窓口になり、見学の当日は園長の△△がご案内します」と、役割ごとの名前をまとめて伝えておいてください。
応募者に伝える「担当者」の書き方
担当者を園の中で決めたら、応募者に対して誰が担当なのかをどう伝えるかも決めておきます。
最初の連絡では、担当者の名前と、担当者が不在のときの代わりの人の名前を両方書いてください。「担当は主任の〇〇です。不在の日は園長の△△がお答えします」と書いてあれば、応募者は電話をかけたときに誰の名前を出せばよいか分かります。電話を取った保育士も、名前を聞けば応募の件だとすぐに分かります。
連絡の手段は、園の代表の電話番号と、採用用に決めたメールアドレスに限ってください。担当者の個人の携帯電話やメッセージアプリの個人アカウントから連絡すると、その人が休んだ日や異動した日に、応募者とのやりとりが園の外に残ったまま途切れます。保育士は応募者と年齢が近いこともあり、気軽に個人の連絡先を交換してしまいがちなので、決まりとして明文化しておくと安心です。
見学の当日に案内する保育士を、担当とは別に決める
保育園の応募では、ほとんどの人が見学に来ます。見学の案内は、応募の担当者とは別に、当日の保育室を回れる保育士に任せることが多くなります。
見学の案内を任せる保育士には、話してよいことと、担当者に回すことを分けて伝えておきます。
話してよいのは、保育室の様子、1日の流れ、クラスの子どもの人数、行事の雰囲気、職員の休憩の取り方など、日々の保育に関わることです。見学に来る保育士は、実際に現場で働く人の話を一番聞きたがっています。
担当者に回すのは、給与や手当の額、採用されそうかどうか、配属のクラス、入職の時期です。見学の案内の保育士が「たぶん2歳児クラスだと思いますよ」と答えると、応募者はそれを園の答えとして受け取ります。「その点は主任の〇〇からご連絡します」と引き取り、聞かれたことを一覧に書き残してもらってください。
見学の案内を頼むときは、応募者の名前、応募の職種、見学の時間、聞かれそうなことを、案内する保育士に前日までに伝えます。応募者の住所や前の勤務先、年齢まで伝える必要はありません。
応募者の情報を見られる人を分ける
担当を段階ごとに分けると、応募の情報を見る人が増えます。増えた分だけ、見られる範囲を決めておくことが必要です。
保育園では、応募者が職員の知り合いであったり、在園児の保護者であったり、近くの園で働いている保育士であったりすることがよくあります。応募の一覧を職員室の共用のパソコンで誰でも開ける状態にしておくと、知られたくない人に応募が知られてしまいます。
見られる範囲は、段階の担当に合わせて決めます。
・受け取る担当と最初の連絡の担当は、氏名、連絡先、職種、希望の時間帯までを見る ・見学を案内する保育士は、当日の見学者の氏名と職種だけを知る ・面接と採否を決める人は、履歴書や保育士証の写しを含めて全部を見る ・法人本部の担当は、自分が担当する段階に必要な範囲を見る
紙で履歴書を受け取っている場合は、鍵のかかる引き出しに入れ、鍵を持つ人を園長と主任に限ってください。データで受け取っている場合は、ファイルを開ける人を限れる置き場所に置きます。
園長の研修、指導監査、行事の日に担当を切り替える
担当者が丸1日園を離れる日は、前もって分かります。こうした日の担当の切り替えは、月のはじめにまとめて決めておくと漏れません。
月のはじめに、その月の予定表から次の日を拾います。
・園長や主任が研修、園長会、法人の会議で園を離れる日 ・自治体の指導監査や、実地での確認が入る日 ・運動会、生活発表会、卒園式などの行事の当日と前日 ・健康診断や、避難訓練の準備で事務室が空く日
拾った日には、応募の段階ごとに誰が担当するかを書き込みます。指導監査の日は、園長も主任も事務員も書類の対応に追われるため、その日だけ法人本部に受け取りと最初の連絡を任せる、という決め方もあります。行事の当日は見学を受けないと決めておき、候補日の枠から外しておきます。
年度末の異動と退職で、担当ごと引き継ぐ
保育園の担当が大きく入れ替わるのは、年度末です。法人内の異動で園長や主任が別の園に移る、退職する職員が出る、事務員が替わる。3月は4月入職の人の書類を集める時期でもあり、応募の途中の人と入職の準備中の人が一覧の中に混ざっています。
年度末の引き継ぎでは、次の3つをまとめて新しい担当者に渡してください。
・応募の途中の人の一覧と、それぞれの次にやること ・4月入職が決まった人の一覧と、集め終わった書類、まだ集めていない書類 ・見送った人のうち、次の欠員で連絡してよいと了承を得ている人の一覧
3つ目は、年度が替わると真っ先に失われる情報です。前の園長が「あの人は時間帯さえ合えば採りたかった」と覚えていても、新しい園長には伝わりません。了承の有無と見送りの理由の分類が一覧に残っていれば、4月以降に欠員が出たときに新しい園長が連絡を取り直せます。
異動する人は、4月1日に姿を消すわけではなく、3月の最後の週まで保育に入っていることがほとんどです。引き継ぎは3月の中旬までに済ませ、最後の2週間は新しい担当者が正、異動する人が副という形で並走すると、応募者への連絡の名前が急に変わって戸惑わせることも防げます。
主任や事務員が長く休むとき
研修や振替休日のような1日単位の不在とは別に、数か月単位で担当者が休むこともあります。産前産後休業や育児休業、病気による休職です。
長く休む場合は、1行の引き継ぎではなく、担当そのものを入れ替えます。副だった人を正に上げ、新しい副を立てます。副を立て直さないまま正だけを入れ替えると、新しく正になった人が休んだ日に、また応募が止まります。
休みに入る人が担当していた応募者には、担当者が替わることを連絡してください。理由を詳しく書く必要はありません。「〇月から、ご応募の件は主任の△△が担当します」と伝えるだけで、応募者は誰に連絡すればよいか分かります。
内定から入職までの間で、担当が抜けやすい作業
採否が決まると、応募の担当はそこで終わったように感じられます。保育園では、内定から入職までの間に集める書類と準備が多く、ここで担当が曖昧になると、入職の日に保育士証の写しが揃っていない、ロッカーの名札が用意されていない、ということが起きます。
保育園の入職の準備で、担当者を決めておきたい作業は次のとおりです。
・保育士証の写しなど、資格を確かめる書類を集める ・健康診断の結果を受け取る ・給食やミルクに関わる職員について、園の衛生管理の決まりに沿って検便の結果を受け取る ・配属のクラスと、最初の数週間のシフトを決める ・エプロン、名札、上履き、ロッカーを用意する ・自治体や法人本部に出す職員の届出や名簿を更新する
このうち、書類を集める作業は督促が必要になることが多く、担当者が休むとそのまま止まります。書類ごとに「いつまでに受け取るか」を決め、受け取った日を一覧に残す形にしてください。期日の目安は、入職の2週間前です。4月入職の人の書類は、年度末の忙しさと重なるため、2月のうちに依頼を出しておくと落ち着いて集められます。
保育士証の写しは、登録の申請中で手元に届いていない人もいます。その場合は、届いた時点で写しを出してもらう約束をし、「保育士証の写し」の欄に「申請中」と書いておきます。この欄が空のまま入職日を迎えると、誰が確かめるはずだったのかが分からなくなります。
担当表の例
ここまでの内容を、1つの表にまとめます。園の規模に合わせて、名前を入れ替えて使ってください。
| 段階 | 正 | 副 | 副が動く日 |
|---|---|---|---|
| 受け取る | 事務員(平日日中) | 主任(遅番が多い) | 事務員の退勤後、事務員の休み |
| 最初の連絡をする | 主任 | 園長 | 主任の振替休日、主任が保育に入る日 |
| 見学を案内する | 当日のフリーの保育士 | 主任 | フリーの保育士がいない日 |
| 面接と採否を決める | 園長 | 法人本部の採用担当と主任 | 園長の長期不在のみ |
| 結果と入職の準備を進める | 園長 | 事務員 | 書類の回収と督促は常に事務員 |
表は、月のシフト表と並べて職員室に貼るのではなく、応募の一覧と同じ場所に置いてください。貼り紙にすると、見学に来た応募者や出入りの業者の目にも触れます。
担当を決めてから1か月で確かめること
担当を決めて1か月たったら、次の点を確かめます。
・担当者の欄が空のままの応募がないか ・応募が届いてから最初の連絡までに、何日かかっているか ・副が動いた日に、正への書き残しがあったか ・応募者から「連絡が来ない」「前に聞いた話と違う」と言われたことがないか
担当の欄が空の応募があれば、受け取る段階で担当を入れる手順が抜けています。最初の連絡までの日数が、正の休みの日をはさんだ応募だけ長くなっているなら、副が動けていません。副が動けない理由は、多くの場合、情報が足りないか、副であることを本人が忘れているかのどちらかです。
確かめる作業そのものは、月に1回、職員会議の前に15分ほど取れば足ります。直近1か月の応募を一覧で並べ、届いた日、最初の連絡の日、担当者の名前の3つを見比べるだけです。見比べて問題が見つかったら、担当表を直すのか、引き継ぎの1行の書き方を直すのか、どちらか1つだけを変えてください。一度に何か所も変えると、翌月にどれが効いたのか分からなくなります。
担当の決め方は、園の職員の顔ぶれが変わるたびに見直しが要ります。4月の新年度、年度途中の退職、長い休みに入る人が出たとき。そのたびに担当表の正と副の欄を見直す、という決まりを1つ置いておくだけで、担当表が古いまま残ることを防げます。
いまの受け方で足りるかを見極める
担当の決め方の多くは、道具を変えなくても始められます。段階ごとに正と副を置く、引き継ぎの1行を一覧に書く、見られる範囲を決める。そのうえで、いまの道具で回るかを次の問いで見極めてください。
・応募が月に数件で、園長と主任の2人で受けているなら、表計算ソフトに担当と次にやることの列を足せば回ります ・法人本部と園で段階を分け合っているなら、応募ごとに担当者を持たせ、担当者で絞り込めるかが分かれ目です ・知っていてよい職員の範囲を分けたいなら、閲覧だけの人と編集できる人を分けられるかを確かめてください ・求人サイトやホームページの応募を担当者に知らせたいなら、届いたことを担当者のいる場所に通知できるかも見ておきます
Googleフォームとスプレッドシートで応募を受けている園では、担当者の列と次にやることの列を足し、共有する人を限れば、多くのことができます。どこから手作業が増えるのかはGoogleフォームとの比較に、法人でMicrosoft 365を使っている場合の違いはMicrosoft Formsとの比較にまとめています。
応募ごとに担当者と段階を持たせ、やりとりの履歴を残したまま担当を入れ替えられる流れは採用の応募受付で紹介しています。権限を役割ごとに分けられるか、担当者で絞り込めるかといった範囲はできることで、実際の画面は動くところを見るで確かめられます。使う人数で費用がどう変わるかは料金に、よく寄せられる疑問はよくある質問にあります。
まずは来月のシフト表を開いて、応募の担当者が休む日に丸を付けてみてください。丸の付いた日に届いた応募を誰が引き取るのかが決まっていなければ、そこが最初に直す場所です。送信されたあとの道具がそろっているかどうかは、その日に副の人が迷わず動けるかで判断できます。
Q1. 保育園の応募の担当は、園長と主任のどちらが持つべきですか?
採否の判断は園長が持ち、それ以外の段階は分けて持つ形が止まりにくくなります。届いた応募の受け取りは事務員、最初の連絡は主任、見学の案内は当日のフリーの保育士というように段階ごとに担当を置き、それぞれにシフトのずれた副を決めておくと、園長が研修や振替休日で不在の日でも応募が先に進みます。
Q2. 見学を案内した保育士が、給与や配属のクラスを聞かれたらどう答えればよいですか?
その場で答えず、「その点は担当の〇〇からご連絡します」と引き取ってもらってください。案内した保育士の答えは、応募者には園の正式な答えとして受け取られます。聞かれた内容は応募の一覧に書き残してもらい、担当者が最初の連絡のときにまとめて答えると、話の食い違いを防げます。
Q3. 担当者が個人の携帯電話で応募者とやりとりしてもよいですか?
避けてください。個人の携帯電話やメッセージアプリでやりとりすると、担当者が休んだ日や異動した日に、他の職員が続きを確かめられません。連絡は園の代表の電話番号と採用用のメールアドレスに限り、やりとりの内容を応募の一覧に残す決まりにしておくと、引き継ぎのたびに情報が途切れずに済みます。
Q4. 年度末に園長が異動する場合、応募の引き継ぎはいつまでに済ませればよいですか?
3月の中旬までに済ませ、最後の2週間ほどは新しい担当者を正、異動する人を副として並走するのが安心です。応募の途中の人、4月入職が決まって書類を集めている人、次の欠員で連絡してよいと了承を得ている見送った人の3つの一覧をまとめて渡し、応募者にも担当者が替わることを伝えてください。
