保育園の応募を数える必要に迫られるのは、たいてい誰かに聞かれたときです。法人の理事会で「今年の保育士の応募は何件あったのか」と聞かれる。求人サイトの契約の更新の前に、本部から「このサイトから何人入ったのか」と問われる。園長会で他の園と採用の話になる。そのたびに園長は、求人サイトの管理画面を1つずつ開き、メールの受信箱をさかのぼり、手帳の見学の予定を数え直します。この記事では、数えるための入力を新しく増やさずに、普段の受付の中で残している欄から応募の件数を出す考え方を、保育園の採用の暦に沿って整理します。
保育園で応募の数が問われる場面と、いまの採用の状況
保育園で応募の件数が問われる場面は、1年の中でいくつもあります。
・法人の理事会や本部への、年度の採用の報告 ・求人サイトや人材紹介会社との契約を続けるかの判断 ・次の年度の採用にかける費用の見積もり ・園長会や法人内の会議での、園どうしの比較 ・欠員が出たときに、どの入口に求人を出すかの判断
こうした場面で答えを出すには、応募が何件あったかだけでなく、そのうち何人が見学に来て、何人が面接を受け、何人が入職したかまで分かっている必要があります。応募の件数だけなら求人サイトの管理画面でも分かりますが、入職までの流れは、園の中で記録していなければ誰にも分かりません。
保育士の採用をめぐる状況は、依然として厳しいままです。こども家庭庁の資料には、次のように書かれています。
○ 直近の令和7年7月の保育士の有効求人倍率は2.77倍(対前年同月比で0.08ポイント上昇)となっており、全職種平均の1.18倍(対前年同月比で0.02ポイント減少)と比べると、依然高い水準で推移している。 出典: cfa.go.jp
同じこども家庭庁の令和7年1月時点の資料では、保育士の有効求人倍率は3.78倍とされています。7月の2.77倍と比べると、同じ年でも時期によって大きく違います。4月の新年度に向けて求人が集まる冬には、保育士1人に対して声をかける園の数がさらに増える、ということです。
応募が少ない状況では、1件の応募の重みが大きくなります。どの入口から来た応募が入職につながったのかを知ることは、限られた費用と手間をどこに向けるかを決める材料になります。
数えるための入力を増やすと、何が起きるか
応募の件数を把握しようとしたとき、多くの園がまず考えるのは、集計のための表を作ることです。応募が届いたら集計表に1件足す。見学に来たら見学の欄に正の字を1本足す。月末に本部に報告する用紙に件数を書き込む。
この方法は、始めた最初の月はうまくいきます。困るのは、2か月目、3か月目です。
1つ目の問題は、同じことを2か所に書くことです。応募の受付の記録とは別に集計表があると、応募が届くたびに2か所に書くことになります。受付の記録は、返事をするために必ず書きますが、集計表はあとで書こうと後回しにされます。結果として、受付の記録と集計表の件数が合わなくなり、どちらが正しいのか分からなくなります。
2つ目の問題は、忙しい時期に止まることです。保育園には、運動会、生活発表会、卒園式と進級の準備、新入園児の慣らし保育と、手が回らなくなる時期がはっきりあります。集計のための入力は、こうした時期に真っ先に止まります。止まった月の件数は、あとから数え直すしかありません。
3つ目の問題は、数え方が人によってずれることです。見学だけに来た人を応募に数えるのか、電話で問い合わせてきただけの人は数えるのか、同じ人が2つの求人サイトから応募したら2件なのか。決まりがないまま正の字を足していくと、園長と主任で数え方が違い、園ごとに比べることもできません。
数えるための入力を足すほど、数字は不正確になります。応募を数えるなら、数えるためだけの入力をやめて、普段の受付の中で必ず書いている記録から件数を出すほうが確実です。
数えるのは、すでに書いている欄から
保育園の応募の受付で、返事をするために必ず残している情報があります。応募の一覧を1件1行で作っていれば、少なくとも次の欄はすでにあるはずです。
・届いた日時 ・入口(求人サイト、ハローワーク、ホームページ、養成校、紹介会社、職員の紹介など) ・職種 ・いまの状態(未連絡、見学の日程を調整中、見学済み、面接済み、など) ・担当者
この5つがあれば、数えたいことの大半は出せます。何月に何件届いたかは届いた日時から、入口ごとの件数は入口の欄から、職種ごとの件数は職種の欄から出ます。見学まで進んだ人や面接まで進んだ人の数は、いまの状態の欄から出ます。
大切なのは、この欄を「数えるため」ではなく「返事をするため」に書いている、という点です。返事をするために毎日必ず更新する欄なので、忙しい時期にも止まりません。止まったとしたら、それは数えられないことより先に、応募に返事ができていないことを意味します。
数えるときに一覧に足してよいのは、あとで説明する「どの採用枠への応募か」の1欄だけです。それ以外の欄は、足す前に、その欄が返事をするために要るかを考えてください。返事に使わない欄は、いずれ誰も書かなくなります。
応募者の側にも、数えるための質問を足さない
数えるための入力を増やさないという考え方は、園の側の記録だけでなく、応募者が答える応募フォームにも当てはまります。
件数を分けて見たいと考えると、応募フォームに「この求人をどこで知りましたか」「年齢」「現在のお住まいの市区町村」のような質問を足したくなります。どれも数えるときには役に立ちそうに見えますが、応募者にとっては、園に応募するためには必要のない質問です。保育士の応募者の多くは、休憩時間や帰りの電車の中でスマートフォンから応募します。質問が1つ増えるごとに、途中で閉じる人が出ます。
「どこで知りましたか」は、多くの場合、園の側で分かります。求人サイトからの応募なら求人サイトの管理画面に届き、ハローワークからの応募なら紹介の連絡が来ます。応募フォームで聞く必要があるのは、ホームページの応募フォームに直接届いた応募だけです。その場合も、必須にせず、選択肢から選ぶ任意の質問にとどめてください。必須にすると、覚えていない人が適当な選択肢を選び、数字がかえって不正確になります。
年齢や性別を、数えるために聞くことも避けてください。採否に使わないつもりでも、応募の段階でこうした情報が一覧に並ぶと、判断に影響していないことを説明しにくくなります。職業安定法に基づく指針が、募集を行う者が集める個人情報を業務の目的に必要な範囲に限っていることも踏まえ、数えるためだけに応募者の情報を増やさないでください。扱いの細部は、所管の窓口や専門家に確かめてください。
状態の名前を決めておくと、段階ごとの数が自然に出る
いまの状態の欄から段階ごとの件数を出すには、状態の名前を最初に決めておく必要があります。保育園の応募で使いやすいのは、次のような状態です。
・未連絡 ・見学の日程を調整中 ・見学済み ・面接の日程を調整中 ・面接済み ・内定 ・入職 ・辞退 ・見送り
名前を自由に書ける欄にすると、「見学OK」「見学決定」「見学日調整」のように、同じ段階が人によって違う書き方になり、数えられなくなります。状態は、決めた選択肢から選ぶ形にしてください。
もう1つ決めておきたいのが、「辞退」と「見送り」の扱いです。この2つは、どの段階で辞退したのか、どの段階で見送ったのかが分からないと、原因を探れません。とはいえ、「見学のあとの辞退」「面接のあとの辞退」のように状態の選択肢を増やしていくと、選択肢が長くなって選び間違いが増えます。
解決の方法は、状態を変えた日時を残すことです。状態が変わるたびに、いつ何から何に変わったかが履歴として残る形であれば、辞退に変わる直前の状態を見るだけで、どの段階で辞退したかが分かります。表計算ソフトで管理している場合は、状態の欄の隣に「状態を変えた日」の欄を1つ置き、変えるたびに日付を書き換えるだけでも、ある程度の見当はつきます。
保育園の応募を数えるときに分ける軸は、4つで足りる
応募の件数を細かく分けようとすると、年齢、住所、経験年数、資格の種類と、分けたい軸がいくらでも出てきます。軸を増やすほど、そのための欄も増えます。保育園の採用で判断に使える軸は、次の4つで足ります。
職種
保育士、保育補助、調理員、栄養士、看護師。保育園の応募は、職種によって入口も応募者の層もまったく違います。保育士の応募は少ないが調理員の応募は多い、ということもよくあります。職種を分けずに数えると、「応募は十分に来ている」と見誤ります。
採用枠
次の4月からの採用なのか、年度途中の欠員を埋める採用なのか、パートの短時間の採用なのか。この軸は、あとで詳しく説明します。
保育士資格の状態
保育士証が手元にある人、登録の申請中の人、養成校を卒業見込みの人、資格を持っていない人。応募の件数が同じでも、配置の人数に数えられる人が何人いたかで、採用の状況はまったく違います。応募フォームで資格の状態を選択肢で聞いていれば、この軸は新しい入力なしで数えられます。
園
法人で複数の園を運営している場合は、どの園への応募かで分けます。駅から近い園には応募が集まり、住宅地の奥の園には来ない、というような違いが見えてきます。
入口の欄も数えるときに使いますが、入口は応募の一覧に必ずある欄なので、軸として新しく考える必要はありません。
数え方の決まりを、1枚にまとめる
数える前に、数え方の決まりを園や法人で1枚にまとめておきます。保育園の応募で迷いやすいのは、次の場面です。
・同じ人が2つの入口から応募した場合は、1人1件と数え、先に届いた入口に数える ・見学だけを申し込んだ人は、採用の見学であれば応募に数える ・保護者からの入園の見学の申し込みは、応募に数えない ・電話で「求人はありますか」と聞いてきただけの人は、連絡先を聞いて一覧に載せた時点で応募に数える ・紹介会社から推薦を受けた人は、推薦が届いた時点で応募に数える ・一度見送った人が再び応募してきた場合は、新しい応募として数える
保育園では、入園の見学と採用の見学が同じ窓口に届くため、3つ目の決まりが特に大切です。応募の一覧に入園の見学が混ざっていると、応募の件数が実際より多く見えます。問い合わせの入口で、入園の相談と採用の相談を分けて受けていれば、この混ざりは起きません。
決まりは、応募の一覧を開く人全員が見られる場所に置いてください。決まりを知っているのが園長だけだと、園長が休んでいる間に一覧に載せた人が、違う数え方で載せてしまいます。
月ごとより、採用枠ごとに数える
応募の件数を、4月から翌年3月までの年度ごとに、月別に並べて数える園は多くあります。ただ、保育園の採用は、月別の件数だけを見ていると判断を誤ることがあります。
理由は、4月入職の採用が年度をまたいで進むことです。次の4月からの保育士の採用は、前の年の夏から秋に求人を出し、秋から冬に見学と面接を行い、年明けに内定を固めます。応募が届くのは前の年度で、入職するのは次の年度です。年度で区切って数えると、応募は前の年度に、入職は次の年度に分かれて記録され、同じ採用の流れが2つの年度に割れてしまいます。
年度途中の欠員の採用は、また別の動き方をします。保育士の退職が決まった日から募集が始まり、後任が決まった日に終わります。数週間で埋まることもあれば、何か月も埋まらないこともあります。これを月別の件数に混ぜると、欠員が出た月だけ応募が増えて見え、他の月と比べられません。
そこで、数える単位を「採用枠」にします。応募の一覧に「どの採用枠への応募か」の欄を1つ置き、次のように採用枠を名前で残してください。
・2027年4月入職の保育士 ・2027年4月入職の調理員 ・年度途中の欠員(1歳児クラス、〇月退職の後任) ・通年の保育補助のパート
採用枠ごとに数えれば、「2027年4月入職の保育士には何件の応募があり、何人が入職したか」がひとつながりで分かります。年度途中の欠員は、欠員ごとに「募集を始めた日」と「後任が決まった日」の2つだけを残しておけば、何日で埋まったかも分かります。
この欄は、応募が届いたときに求人の名前を見て選ぶだけなので、手間はほとんど増えません。求人サイトが4月入職と年度途中を別の求人として載せていれば、どの求人に応募してきたかを見るだけで決まります。
数えた結果の読み方
採用枠ごと、入口ごとに件数が並んだら、次の順番で見ていきます。
最初に見るのは、入口ごとの応募の件数と入職の人数です。応募が多い入口が、入職も多いとは限りません。保育士専門の求人サイトから応募は多いが見学に来ない、養成校からの応募は少ないが入職につながる、職員の紹介は数えるほどだが辞める人が少ない、というような違いが見えてきます。
次に見るのは、見学から面接に進んだ割合です。保育園の採用では、ほとんどの応募者が面接の前に見学に来ます。見学に来たのに面接に進まない人が多ければ、見学の中身か、見学のあとの連絡に原因がある可能性があります。応募から見学に進む人が少なければ、最初の返事が遅いか、見学の候補日が合っていない可能性があります。
3つ目に見るのは、資格の状態ごとの件数です。応募の件数が増えていても、保育士証を持つ人の応募が減っていれば、配置の人数を満たす採用はむしろ難しくなっています。
件数が少ない園では、割合を出してもあまり意味がありません。応募が年に10件ほどの園で「見学から面接に進んだのは60%」と出しても、1人の違いで数字が大きく動きます。件数が少ないうちは、割合ではなく、応募ごとにどこで止まったかを1件ずつ見るほうが、原因を見つけやすくなります。数える単位を1年分に広げる、法人の複数の園を合わせて見る、という方法もあります。
保育園の採用の暦に合わせて、見る時期を決める
月に1回数えるのとは別に、採用枠ごとに「この時期にこれを見る」という節目を決めておくと、数えた結果を判断に使いやすくなります。
4月入職の保育士の採用枠であれば、節目は次のように置けます。
・秋の半ば:応募の出足を見る。入口ごとの応募の件数と、見学の日程が決まった件数を確かめる ・冬のはじめ:見学から面接に進んだ人数を見る。面接に進む人が足りなければ、年明けに向けて入口を増やすかを決める ・自治体の利用調整の結果が出たあと:必要な保育士の人数が固まった時点で、内定の人数と比べる ・入職から1か月後:入職した人数と、内定から入職までに辞退した人数を見る
年度途中の欠員の採用枠は、欠員が出た日から数えて、2週間ごとに応募の件数と見学の件数を確かめます。2週間たっても応募が1件もなければ、求人の中身か載せている場所を見直す合図です。
節目の日は、応募の一覧の中ではなく、園の年間の予定表に書き込んでください。運動会や生活発表会の予定と同じ場所にあれば、行事の準備に紛れて見過ごすことが減ります。
数えた結果を、理事会や本部にどう出すか
数えた結果を報告するときは、応募の件数だけを1つの数字で出さないでください。「今年度の応募は〇件でした」とだけ伝えると、聞いた側は多いのか少ないのかも、どこに手を打てばよいのかも判断できません。
報告は、採用枠ごとに、応募、見学、面接、内定、入職の人数を1行に並べる形が分かりやすくなります。そのうえで、入口ごとの内訳を別の表にし、前の年の同じ採用枠と比べます。比べる相手は、前の年度の同じ月ではなく、前の年の同じ採用枠にしてください。4月入職の保育士の採用枠どうしであれば、応募が届く時期も流れも同じなので、比べる意味があります。
報告の資料には、応募者の個人名を載せないでください。理事会の資料は、応募の一覧を見る権限のない人の目にも触れます。件数と入口だけで、報告の目的は果たせます。
報告のために新しい表を毎回作るのではなく、一覧を採用枠と状態で絞り込んだ結果をそのまま書き写せる形にしておくと、報告のための作業も増えません。
求人の費用は、入職の人数と並べる
入口ごとの件数が出ると、求人にかけている費用と並べて見たくなります。このときも、費用を記録するための新しい入力は要りません。求人サイトの掲載料や紹介会社の手数料は、経理の記録にすでに残っています。
並べるときは、応募の件数ではなく、入職した人数と並べてください。掲載に費用のかかる求人サイトから応募が多く届いていても、入職した人がいなければ、その費用は採用につながっていません。反対に、手数料のかかる紹介会社でも、紹介された人が入職して長く働いているなら、費用に見合っていると判断できることもあります。
保育園の場合、入職したあとに続けて働いているかも大切な材料です。4月に入職した保育士が、夏までに辞めてしまえば、また年度途中の欠員の採用が始まります。入職の人数と並べて、入職から半年後や1年後に在籍しているかを見られると、入口ごとの違いがより正確に分かります。この情報は、職員の名簿にすでにあるはずなので、応募の一覧に新しい欄を足す必要はありません。
求人サイトの件数と、一覧の件数が合わないとき
数え始めると、求人サイトの管理画面に表示されている応募の件数と、園の一覧で数えた件数が合わないことに気づきます。合わないこと自体は珍しくありません。どちらかが間違っていると決めつける前に、次の順で理由を確かめてください。
1つ目は、同じ人の重なりです。一覧では、同じ人が2つの入口から応募した場合に1件にまとめています。求人サイトの側では、その人も1件として数えられているため、一覧の件数のほうが少なくなります。
2つ目は、求人サイトの数え方です。求人サイトによっては、応募者が応募を取り下げた件や、応募の途中で止まった件まで件数に含めていることがあります。数え方は求人サイトごとに違うので、管理画面の説明で確かめてください。
3つ目は、一覧への載せ忘れです。管理画面にはあるのに一覧にない応募があれば、それは数え方の違いではなく、返事が漏れている可能性がある応募です。数字を合わせる前に、その応募者に連絡が届いているかを確かめてください。
数字が合わない理由を1つずつ確かめる作業は、最初の数か月は時間がかかります。ただ、理由が分かってしまえば、翌月からは同じ確かめ方で済みます。合わなかった理由と件数を、報告の資料の脚注に1行書いておくと、本部や理事会から問われたときにも説明できます。
数えるのを、誰がいつやるか
数える作業は、月に1回、決まった人が決まった日に行います。法人本部の採用担当か、園の事務員が向いています。
数える前に、必ず次の点を確かめてください。
・状態が「未連絡」のまま7日以上たっている応募がないか ・状態が「見学の日程を調整中」のまま、最後の連絡から日が空いている応募がないか ・採用枠の欄が空の応募がないか ・同じ人が2行になっていないか
状態の欄が実際の進み具合より遅れていると、数えた結果も実際とずれます。月に1回の数える作業は、状態の更新漏れを見つける作業でもあります。更新漏れが見つかったら、数える前に担当者に確かめて直してください。
数えた結果は、件数の表を作り直すのではなく、一覧を採用枠と状態で絞り込んだ画面を、そのまま本部や理事会への報告に使える形にしておくと、報告のためだけの作業も増えません。
数え始めの最初の1か月でやること
いまの受付の記録から数えられる形に移るときは、最初の1か月で次のことを行います。
1週目は、いまの応募の一覧を開き、状態の欄が選択肢から選ぶ形になっているか、入口と職種の欄が全ての応募で埋まっているかを確かめます。自由に書ける欄になっていれば、決めた選択肢に書き直します。
2週目は、「どの採用枠への応募か」の欄を足し、進行中の応募に採用枠の名前を入れます。すでに入職した人や見送った人の分は、分かる範囲で埋めれば足ります。
3週目は、数え方の決まりを1枚にまとめ、一覧を開く人全員に共有します。
4週目に、最初の数える作業を行います。最初の月は、数字の出来より、数える作業にどれくらいの時間がかかったかを見てください。30分を超えるようなら、どこかで一覧の外の情報を探しに行っているはずです。探しに行った情報が返事をするためにも要るものなら、一覧の欄に加え、要らないものなら数えるのをやめます。
数えられる受け方にする
ここまでの考え方は、道具を変えなくても始められます。状態を選択肢にする、採用枠の欄を1つ足す、数え方の決まりを1枚にまとめる、月に1回決まった人が数える。そのうえで、いまの道具で回るかを次の問いで見極めてください。
・応募が年に数十件で、1つの園で受けているなら、表計算ソフトの一覧と絞り込みで回ります ・状態が変わった日時を残したいなら、状態の変更が自動で履歴として残るかが分かれ目です ・法人で複数の園の応募を数えるなら、園ごとに見られる範囲を分けたまま、法人全体の件数を出せるかを確かめてください ・求人サイトの応募を一覧に取り込んでいるなら、取り込んだあとも入口と採用枠の欄が同じ形でそろうかも見ておきます
Googleフォームで応募を受けてスプレッドシートに集めている園では、状態と採用枠の列を選択肢にし、ピボットテーブルで数えるところまでは無理なく作れます。どこから手作業が増えるのかはGoogleフォームとの比較に、Contact Form 7で受けている場合の違いはContact Form 7との比較にまとめています。
応募ごとに状態と担当者を持たせ、状態の変更が履歴として残る流れは採用の応募受付で紹介しています。園の側で決めた欄を一覧の列として持てるか、表計算ソフトの形式で書き出せるかといった範囲はできることで、実際の画面は動くところを見るで確かめられます。費用は料金に、よく寄せられる疑問はよくある質問にあります。
まずは直近の採用枠を1つ選び、その枠に応募してきた人を一覧から書き出して、入口と最後の状態を並べてみてください。書き出すのに一覧の外を探しに行く必要があったなら、そこが最初に欄をそろえる場所です。送信されたあとの道具がそろっているかどうかは、普段の受付のまま、その書き出しが数分で終わるかで判断できます。
Q1. 保育園の応募は、年度ごとに数えればよいですか?
4月入職の採用は前の年度の秋から冬に応募が届き、次の年度に入職するため、年度で区切ると同じ採用の流れが2つの年度に割れてしまいます。応募の一覧に「どの採用枠への応募か」の欄を1つ置き、「2027年4月入職の保育士」「年度途中の欠員」のように採用枠ごとに数えると、応募から入職までをひとつながりで見られます。
Q2. 見学だけに来た人は、応募の件数に数えますか?
採用のための見学であれば、応募に数えるのが分かりやすい決め方です。保育園の応募者の多くは面接の前に見学に来るため、見学の申し込みを応募の入口として扱うと、見学から面接に進んだ割合も出せます。一方で、保護者からの入園の見学は応募に数えないよう、問い合わせの入口で分けて受けてください。
Q3. 集計用の表を別に作ってはいけないのですか?
作ってはいけないわけではありませんが、受付の記録と集計表の2か所に書くことになり、忙しい時期に集計表の入力が止まって件数が合わなくなりがちです。届いた日時、入口、職種、状態のように、返事をするために必ず書いている欄から件数を出す形にすれば、数えるための入力を増やさずに、行事の時期でも数字が途切れません。
Q4. 応募が年に数件しかない小さな園でも、数える意味はありますか?
件数が少ない園では割合を出しても1人の違いで数字が大きく動くため、割合より、応募ごとにどこで止まったかを1件ずつ見るほうが役に立ちます。入口と最後の状態を並べるだけでも、どの入口の応募が入職につながったかは分かります。数える期間を1年分に広げたり、法人の複数の園を合わせて見たりする方法もあります。
