クリニックで応募の担当を決めるとき、「事務長が見る」「院長が見る」と1人の名前を書いて終わりにしている診療所は少なくありません。ところが診療所では、院長も事務長も受付のリーダーも、それぞれ違う曜日に休みを取っています。担当が1人だと、その人が休んだ日に届いた応募は、翌日か翌々日まで誰にも読まれません。木曜休診の診療所で水曜の夜に届いた看護師の応募が、担当の事務長が金曜に休みを取っていたために、月曜の朝まで開かれなかった、ということが実際に起きます。この記事では、休みの日に応募の対応が止まらないように、診療所で担当をどう分け、どう引き継ぐかを整理します。
診療所の応募は、院長ひとりに集まりやすい
診療所の求人は、開業のときに院長が自分で出したものを、そのまま使い続けていることがよくあります。求人サイトに登録したメールアドレスが院長の個人のアドレスのまま、自院のホームページの応募フォームの通知先も院長のアドレス、という形です。開業の直後は院長が何でも自分で見ていたので、それで困らなかったのです。
職員が増え、院長が診療に専念するようになっても、通知の届け先は変わっていません。応募のメールは院長のスマートフォンに届き、院長は診察の合間にそれを見て、昼休みか診療後に事務へ「応募が来てたから連絡しておいて」と伝えます。院長が学会で不在の日や、往診に出ている午後には、応募のメールは誰の目にも触れずに残ります。
院長に応募が集まる形には、もう1つ困る点があります。院長しか応募の全体を知らないことです。何件の応募が来て、誰に連絡をして、誰の返事を待っているのかが、院長の頭の中とスマートフォンの中にしかありません。事務の職員に「あの看護師さんの件、どうなってますか」と応募者から電話がかかってきても、事務は答えられません。
担当を決めるというのは、この状態をやめて、応募の対応を院長の手から一部切り離すことです。院長が採否を決める役割は残したまま、受け取ること、返すこと、記録することを、院長以外の人が回せるようにします。そのためには、担当の名前を1つ書くだけでは足りず、作業ごとに誰が受け持つかを分ける必要があります。
診療所の休みは、職員ごとにずれている
担当の分け方を考える前に、自院の休みの形を書き出してみてください。診療所の休みは、病院や一般の事務所よりずっと複雑です。
診療所としての休診日があります。日曜と祝日に加えて、木曜が休診、あるいは木曜と土曜の午後が休診という形が多く見られます。そのうえで、職員それぞれの休みが重なります。常勤の看護師は週に1日、平日の休みを交代で取ります。医療事務のパートの職員は午前診だけ、あるいは週3日だけの勤務です。事務長は土曜の午前診には出ず、平日の月末と月初はレセプトで残ります。院長の家族が事務を務めている場合、その人は院長と同じ日に休むことが多くなります。
この形を1週間の表に並べると、応募の対応ができる人が1人もいない時間帯が見えてきます。たとえば土曜の午後から月曜の朝までは、休診で誰もいません。木曜が休診なら、水曜の夜から金曜の朝までも同じです。さらに、担当の事務長が金曜に休みを取れば、水曜の夜から土曜の朝まで、応募を読む人がいなくなります。
休診の時間帯に応募の対応が止まること自体は、避けられません。応募者も、診療所が休みの日に返事が来ないことは理解しています。問題は、休診が明けたあとも、担当が休んでいるために対応が止まり続けることです。休診明けの朝に、誰かが必ず応募を開く形にしておけば、休みが重なっても対応は1日で済みます。
表を作ったら、休診明けの朝ごとに「その日に出勤している人の中で、応募を開ける人」がいるかを確かめてください。いない日があるなら、担当の組み方を変える必要があります。
作業を「受け取る」「返す」「決める」に分けて、それぞれ2人ずつ置く
診療所の応募の対応は、大きく3つの作業に分けられます。
・受け取る:届いた応募に気づいて、一覧に載せる ・返す:応募者に最初の連絡をして、面接の日程や結果を伝える ・決める:面接に呼ぶか、採用するかを判断する
この3つを1人で抱えると、その人の休みの日にすべてが止まります。3つを別の人に分け、さらにそれぞれに「主に受け持つ人」と「その人が休みの日に代わる人」を置くのが、休みの日に止まらない組み方です。
受け取る作業は、出勤している日が多い人に向いています。受付のリーダーや、週5日勤務の医療事務の職員がこれに当たります。代わる人は、主の人と休みの曜日が重ならない人を選びます。休みの曜日が重なっていると、2人置いた意味がありません。
返す作業は、応募者との連絡の中身を理解している人が受け持ちます。勤務時間、給与の考え方、面接の場所、持ち物について、応募者から質問が来たときに答えられる人です。事務長がいれば事務長、いなければ受付のリーダーが主になり、代わる人は院長の家族の事務担当や、もう1人のベテランの医療事務になります。
決める作業は、院長が主になります。代わる人を置けない診療所も多いはずですが、少なくとも「院長が不在の日に、面接に呼ぶかどうかだけは事務長が決めてよい」という範囲を決めておくと、院長の学会の週でも面接の案内までは進められます。看護師の応募なら、看護師の主任に面接へ呼ぶかどうかの一次判断を任せる、という分け方もあります。
2人ずつ置くと、今度は2人が同じ応募者に連絡してしまう心配が出てきます。これは、代わる人が動くのは「主の人が休みの日だけ」と決めておき、代わる人が対応した応募には、対応したことを一覧に残してもらうことで防げます。
診療所の形ごとの組み方
同じ診療所でも、職員の顔ぶれによって担当の組み方は変わります。よくある3つの形で考えてみます。
院長と、院長の家族が事務を担っている診療所
院長の配偶者や親族が事務長の役割を務め、受付と会計はパートの医療事務が回している形です。応募の対応は、院長の家族の事務担当に集まりがちです。この形の弱点は、院長と事務担当が同じ日に休むことです。家族の行事や院長の学会に事務担当も同行すると、2人とも不在になります。
この形では、受け取る作業の代わりを、パートの医療事務のうち勤務日数の多い人に任せるのが現実的です。その人に採否の判断や条件の交渉まで求める必要はありません。応募に気づいて、「ご応募ありがとうございます。担当より○月○日までにご連絡します」という決まった一文を返し、一覧に載せるところまでを受け持ってもらいます。
事務長か受付のリーダーがいる診療所
事務長が採用を含めた院内の事務を取りまとめている形です。事務長が主になって返す作業を受け持ち、受付のリーダーが受け取る作業の主になると、2人の休みがずれていれば回ります。事務長は月初のレセプトの時期に手がふさがるので、その数日だけは受付のリーダーが返す作業の代わりも務める、という決め方を先にしておきます。
分院のある医療法人
複数の診療所を持つ医療法人では、法人の本部の事務局が応募を受け取り、各診療所の院長や事務長に回す形がとられます。この形では、本部と診療所の間で対応が止まりやすくなります。本部は診療所に回したつもり、診療所は本部が応募者に連絡しているつもり、という食い違いです。本部が受け取る作業と返す作業を受け持ち、診療所は決める作業と面接だけを受け持つ、というように、作業の境目をはっきり決めておきます。
看護師の応募を、現場の看護師に見せるかどうか
看護師の採用では、面接に看護師の主任や先輩の看護師が同席することがあります。一緒に働く人の意見を聞きたいという院長の考えは、もっともです。ただ、担当を決めるときには、応募の情報をどこまで現場の看護師に見せるかも一緒に決めておく必要があります。
地域の診療所では、応募してきた看護師が、院内の看護師の元同僚だったり、同じ看護学校の出身だったりすることがあります。応募書類を見せた看護師が、「あの人、前の病院で一緒だった」と言い出し、面接の前に院内で応募者の噂が広がる、ということが起きます。応募者から見れば、応募したことを本人の知らないところで知り合いに知られることになります。
現場の看護師に関わってもらう場合は、面接に同席する人だけに、面接の直前に必要な範囲を見せる、という形がよいでしょう。応募の一覧全体や、ほかの応募者の情報まで見せる必要はありません。面接に同席した看護師には、その場で聞いた内容を院内で話さないよう、事前に伝えておきます。
応募者の情報を扱う人の範囲を決めることは、診療所の職員に個人情報を扱わせる責任とも関わります。個人情報保護法には、事業者が職員に個人データを扱わせるときの監督について定めがあり、医療・介護関係事業者向けのガイダンスにもその条文が示されています。
個人情報取扱事業者は、その従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては、当該個人データの安全管理が図られるよう、当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。 出典: ppc.go.jp
応募者の情報の扱いについて、どこまでの対応が求められるかを判断するのは、この記事の範囲を超えます。院内の決まりを作るときは、個人情報保護委員会の相談窓口や、社会保険労務士などの専門家に確かめてください。担当を決める場面で押さえておきたいのは、「応募の情報を見られる人」を担当表と同じ紙に書いておく、ということです。
引き継ぎに書くのは、応募ごとの「次にやること」と「応募者に約束したこと」
担当を2人ずつ置いても、代わる人が主の人の状況を知らなければ動けません。引き継ぎのために書き残すことは、応募ごとに次の4つに絞れます。
・いまの段階:届いたばかり、日程の返事待ち、面接済みで院長の判断待ち、結果の連絡済み、など ・次にやること:日程の候補を送る、院長に判断を聞く、結果を送る、など ・次にやることの期限 ・応募者に約束したこと:「○日までに連絡します」「見学の日を改めて相談します」など
いちばん抜けやすいのは、4つ目の「応募者に約束したこと」です。主の人が電話で「来週の水曜までに面接の日程をお送りします」と伝えていても、それが一覧に書かれていなければ、代わる人は水曜に何もしません。応募者から見れば、診療所が約束を破ったことになります。電話やメールで応募者に何かを約束したら、その場で一覧の「約束したこと」の欄に日付と一緒に書く、という習慣を、担当の全員でそろえてください。
引き継ぎのメモを、事務室のホワイトボードや付箋に書く診療所もあります。院内にいる間は目に入りますが、休みの日に自宅から状況を確かめることはできませんし、ホワイトボードは患者の目に触れる位置にあることもあります。応募者の名前が書かれたメモを、受付から見える場所に残さないよう注意してください。
休みの前日、最後の診療が終わったら5分でやること
引き継ぎを確実にするには、主の人が休みに入る前日の締め方を決めておくのが効果的です。午後診が終わり、会計と片付けが済んだあとの5分で、次の3つを済ませます。
1つ目は、自分が主になっている応募の一覧を開き、段階と次にやることが最新になっているかを確かめることです。今日の昼休みに電話で話した応募者の件が、まだ書かれていないことがよくあります。
2つ目は、自分が休んでいる間に期限が来るものを、代わる人に口頭で伝えることです。一覧に書いてあるから大丈夫、と思わずに、「明日、この人に結果を送る期限です」と一言添えます。代わる人が一覧を開くきっかけになります。
3つ目は、自分宛てに直接届いたメールや電話のメモが残っていないかを確かめることです。応募者が一覧を通さずに担当の個人のアドレスへ返信してくることがあります。その返信の中身を一覧に移しておかないと、休みの間に誰も気づきません。
代わる人の側も、休診明けの朝、診療が始まる前の10分で一覧を開く習慣を持ちます。受付の準備、レジの確認、予約の確認と並べて、応募の一覧の確認を朝の準備の項目に入れてしまうのがよい方法です。朝の準備の手順書がある診療所なら、そこに1行足すだけで済みます。
長い休診の前後は、応募者への自動の返信を切り替える
年末年始、夏季休診、大型連休のように、休診が数日続く時期には、担当を2人置いていても対応は止まります。この時期に応募してきた人には、休診であることが伝わる返信を自動で送る形にしておきます。
自動の返信の文面は、普段のものとは別に用意します。「ご応募ありがとうございます。当院は○月○日から○月○日まで休診のため、担当からのご連絡は○月○日以降となります」という1文を加えるだけで、応募者は待つべき日数が分かります。休診のお知らせを患者向けにホームページに載せていても、応募者はそのページを見ていないことが多いからです。
院長の学会や研修で、診療は代わりの医師が行い、院長だけが数日不在になる場合も考えておきます。この場合、受け取る作業と返す作業は普段どおり回りますが、決める作業が止まります。面接に呼ぶかどうかの判断を事務長や看護師の主任に任せる範囲を、院長が出かける前に決めておいてください。任せられない場合は、応募者への最初の返信で「院長が不在のため、面接のご案内は○日以降となります」と伝えます。
休診が明けた日は、休診中に届いた応募がまとめて一覧に並びます。その日の担当は、診療の合間に全員に返そうとするより、まず全員に「休診明けに確認しました。○日までに改めてご連絡します」という短い連絡を送り、個別の対応は翌日以降に分けるほうが、抜けが出ません。
通知の届け先を、個人のアドレスから外す
担当を決めても、応募の通知が院長の個人のアドレスに届き続けていては、ここまでの組み方は機能しません。求人サイトの登録アドレス、自院のホームページのフォームの通知先、紹介会社に伝えている連絡先を、一度すべて洗い出してください。
洗い出すと、次のような状態が見つかることがあります。
・求人サイトの登録アドレスが、開業時に院長が作った個人のアドレスのまま ・フォームの通知先が、すでに退職した事務長のアドレスになっている ・紹介会社には院長の携帯電話の番号を伝えていて、担当者が院長に直接電話をかけてくる ・受付の共用のパソコンでしか見られないアドレスに届くため、休みの日には誰も確認できない
通知の届け先は、特定の職員の名前が入らない、診療所としての採用用のアドレスにまとめるのが基本です。そのアドレスを、受け取る作業の主と代わる人の両方が見られるようにします。職員が退職しても、アドレスを変えずにパスワードや見られる人だけを入れ替えれば済みます。
受付のパソコンで応募のメールを開く場合は、患者から画面が見えない位置かどうかも確かめてください。受付のカウンター越しに、応募者の履歴書のファイルが開いた画面が見えてしまう配置の診療所もあります。電子カルテの端末は外部のネットワークにつながない運用をしている診療所も多いので、応募の確認に使う端末をどれにするかも、担当と一緒に決めておきます。
担当を決めたら、応募者にも窓口の名前を伝える
院内で担当を決めたら、応募者への最初の連絡で、窓口になる人の名前を伝えます。「採用の窓口は事務の△△が担当します」と書いておくと、応募者は電話で問い合わせるときに誰を呼べばよいか分かります。受付に電話がかかってきたときにも、受付の職員が「△△に代わります」とすぐに取り次げます。
院長の名前で連絡を出すか、事務の名前で出すかは、診療所によって考え方が分かれます。院長の名前で出すと応募者は丁寧に扱われていると感じますが、応募者からの返信や質問も院長宛てに来るようになり、結局院長に対応が集まります。連絡は事務の名前で出し、面接の案内の中で「当日は院長が面接をいたします」と伝える形にすると、窓口と面接者を分けられます。
代わる人が対応する日に応募者へ連絡するときも、差出人は診療所としての採用の窓口にそろえておきます。主の人と代わる人で差出人がばらばらだと、応募者はどちらに返信すればよいか迷い、片方にだけ返信が届いて、もう片方が気づかないということが起きます。
応募者からの電話を、受付がどう取り次ぐかも決めておく
診療所では、応募者からの電話は、患者の予約や問い合わせと同じ受付の電話にかかってきます。電話を取るのは、担当表で応募の担当になっていない受付の職員であることが多く、担当が決まっていても、最初の応対は担当以外の人になります。この取り次ぎが決まっていないと、担当の分け方をどれだけ整えても、電話の1本で対応が止まります。
よく起きるのは、受付の職員が「担当が不在なので、また明日お電話ください」と答えてしまうことです。応募者は翌日も診療時間中に電話をかけ直さなければならず、現職の看護師なら、それだけで勤務の合間の休憩を使うことになります。もう1つは、受付の職員が気を利かせて、面接の日程や勤務の条件をその場で答えてしまうことです。担当が別の日程を伝えていた場合、応募者には2つの違う話が届きます。
受付の職員には、次の決まった応対だけを任せます。
・応募者の名前と、何の件の電話かを聞く ・担当が不在であることを伝え、担当から折り返す日を約束する ・折り返しの連絡を、電話とメールのどちらで受けたいかを聞く ・面接の日程や勤務の条件には、その場で答えない
受付の職員が約束した折り返しの日は、電話を切ったらすぐに応募の一覧の「応募者に約束したこと」の欄に書きます。紙のメモで担当に渡すと、担当が休みの日にはメモが机の上に残ったままになります。一覧に書いておけば、代わる人がその日のうちに折り返せます。
患者の電話が続く時間帯に、応募者の名前を受付で復唱すると、待合室の患者に聞こえることがあります。名前を聞き取るときは声を落とすか、復唱せずにメモに書くだけにする、という点も、受付の職員全員にそろえておいてください。
応募者が職員の知り合いだったときは、その職員を担当から外す
地域の診療所では、応募者が職員の知り合いであることがよくあります。受付の職員の子どもの同級生の母親、看護師の元同僚、医療事務の職員が以前に勤めていた診療所の後輩。職員が自分から紹介してきた場合もあれば、応募書類を見て初めて知り合いだと分かる場合もあります。
知り合いの応募を、その職員が担当として受け持つと、いくつか困ることが起きます。面接の日程や結果を、正式な連絡の前に私的なやりとりで伝えてしまう。見送りになったときに、職員が応募者への連絡をためらい、期限を過ぎてしまう。応募者の側も、知り合いの職員に遠慮して、勤務の条件について率直に質問できなくなります。
知り合いだと分かったら、その応募だけは担当を別の人に替え、一覧の担当の列にも替えた後の名前を書きます。知り合いの職員には、応募者から結果を聞かれても答えず、窓口の担当に問い合わせるよう伝えてもらいます。紹介してくれた職員に結果をどう伝えるかは、院長が決めてください。担当表の備考に「職員の知り合いの応募は、その職員を担当にしない」と1行書いておくと、新しく入った職員にも決まりが伝わります。
担当表の例
ここまでの内容を、1枚の表にまとめておきます。木曜と日曜が休診、土曜は午前診のみの内科の診療所を想定した例です。
| 作業 | 主に受け持つ人 | 休みの日に代わる人 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 応募を受け取り、一覧に載せる | 受付リーダー(火曜休み) | 医療事務Bさん(月曜休み) | 休診明けの金曜と月曜は朝の準備で確認 |
| 最初の連絡、日程の案内、結果の送付 | 事務長(土曜休み) | 受付リーダー | 月初3日間は受付リーダーが主 |
| 面接に呼ぶかの判断 | 院長 | 事務長 | 院長不在時は事務長が判断してよい |
| 採用するかの判断 | 院長 | なし | 不在時は応募者に待つ期限を伝える |
| 応募の情報を見られる人 | 院長、事務長、受付リーダー、医療事務Bさん | 面接に同席する看護師は当日のみ |
表は1枚の紙に印刷して、事務室の患者から見えない場所に貼っておくか、担当の全員が見られる共有の場所に置いておきます。職員の勤務の曜日が変わったら、その日のうちに表も直します。
担当の職員が辞めるときの引き継ぎ
診療所の医療事務は、職員の入れ替わりが起きやすい職種です。担当の職員が退職するときには、次のものを引き継いでください。
・担当している応募の一覧と、それぞれの段階、次にやること、応募者に約束したこと ・採用用のアドレスやフォームの管理画面に入るための情報 ・紹介会社やハローワークの担当者の連絡先と、これまでのやりとり ・見送りや面接の案内で使っている文面の型
退職の直前に慌てて引き継ぐと、応募者に約束したことが抜け落ちます。退職日が決まった時点で、その職員が主になっている作業を代わる人に移し、最後の2週間は代わる人が主、退職する職員が補助に回る、という順番にすると安全です。退職した職員が使っていた個人のアドレスや、管理画面のアカウントは、退職日に止めてください。
いまの受け方で、休みの日に止まらないかを見極める
ここまでの組み方を、いまの道具で回せるかは、次の問いで見極められます。
・応募が月に数件で、院長と事務長の2人で見ているなら、採用用のアドレスを2人で見られるようにし、表計算ソフトに段階と次にやることの列を足すだけで回ります ・受け取る人、返す人、決める人が別で、それぞれに代わる人がいるなら、応募ごとに担当と段階を持たせ、全員が同じ一覧を見られるかが分かれ目です ・応募者に約束したことや、代わる人が対応した記録を、休みの日に自宅からでも確かめられるかも見ておきます ・職員が退職したときに、アカウントを止めても応募の記録が残るかを確かめてください
Googleフォームで応募を受けて、スプレッドシートに担当の列を足して回している診療所は多くあります。その形で足りる使い方と、担当ごとの確認が手作業で増えていく境目は、Googleフォームとの比較で整理しています。院内でMicrosoftの環境を使っている場合の違いはMicrosoft Formsとの比較に、ホームページのフォームからメールで応募を受けている場合はContact Form 7との比較にまとめています。
応募ごとに担当者と段階を持たせ、複数の職員が同じ一覧から対応する流れは、採用の応募受付で紹介しています。担当の割り当てや見られる人の範囲をどう設定できるかはできることで、画面の動きは動くところを見るで確かめられます。使う人数と費用の関係は料金で、アカウントの扱いについての疑問はよくある質問で確認できます。
まずは自院の1週間の表に、職員ごとの休みと休診日を書き込み、応募を開ける人がいない時間帯に色を塗ってみてください。送信されたあとの道具がそろっているかどうかは、その色の付いた時間帯の長さを見ると判断できます。
Q1. 小さなクリニックでも、応募の担当を2人置く必要がありますか?
院長と事務の数人で回している診療所でも、応募に気づいて一覧に載せる作業だけは2人で分けておくと安心です。代わる人に採否の判断まで任せる必要はありません。休みの日に届いた応募へ「担当より○日までに連絡します」と返すところまでを受け持ってもらうだけで、対応が止まる日数は大きく減ります。
Q2. 応募の通知が院長の個人のメールに届いています。変えたほうがよいですか?
変えたほうがよいでしょう。院長が学会や往診で不在の日に誰も応募に気づけず、職員が応募の状況を把握できないためです。求人サイト、ホームページのフォーム、紹介会社に伝えている連絡先を洗い出し、職員の名前が入らない採用用のアドレスにまとめて、担当の全員が見られるようにします。
Q3. 面接に同席する看護師に、応募書類を事前に見せてもよいですか?
同席する人に、面接に必要な範囲を面接の直前に見せる形がよいでしょう。応募の一覧全体やほかの応募者の情報まで見せる必要はありません。地域の診療所では応募者が職員の元同僚であることもあるため、面接で知った内容を院内で話さないよう事前に伝えておきます。院内の決まりは専門家にも確かめてください。
Q4. 担当の事務職員が退職するとき、何を引き継げばよいですか?
担当している応募の段階と次にやること、応募者に約束した連絡の期限、採用用のアドレスや管理画面の情報、紹介会社やハローワークとのやりとり、文面の型を引き継ぎます。退職日が決まった時点で代わる人を主に切り替え、退職日には個人のアドレスやアカウントを止めてください。
