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クリニックの応募フォームで聞くこと|職種ごとに分けて、選考に使わない情報を集めない

2026年9月16日 ・ Halict編集部

クリニックの応募フォームで聞くことを決めるとき、迷いの出どころはたいてい1つです。看護師と医療事務と看護助手の募集を、同じフォームで受けていること。看護師の応募で知りたい「採血や点滴の経験」は医療事務の応募者には関係がなく、医療事務の応募で知りたい「レセプトの経験」は看護師には関係がありません。項目を足していくと全員に長いフォームを書かせることになり、削っていくと院長が応募を読んでも判断がつかず、診療の合間に電話で聞き直すことになります。この記事では、診療所の採用に絞って、職種ごとに最初に聞く項目、面接で聞けば足りる項目、医療機関だからこそ聞きたくなってもフォームに載せない項目を分けます。いまのフォームから何を足して何を削るかを、読み終えた時点で決められるようにします。

診療所の採用は、少ない人数で職種の穴を埋める作業になる

診療所の採用が病院と違うのは、1人の欠員がそのまま診療の形に響くことです。看護師が3人の内科クリニックで1人が辞めれば、午前の採血と点滴と予防接種を残りの2人で回すことになります。受付が2人の皮膚科で1人が抜ければ、会計の待ち時間がすぐに延び、患者からの苦情が院長の耳に届きます。病院のように、病棟から応援を回す余地がありません。

そのため、診療所の採用担当が応募を見るときに知りたいのは、「この人がどの穴を埋められるか」です。午前だけ入れる看護師なのか、午後診と土曜まで入れるのか。内視鏡の介助ができるのか、採血だけなら任せられるのか。医療事務なら、受付と会計だけか、月初のレセプト点検まで任せられるのか。穴の形が具体的であるほど、応募者に聞くべきことも具体的になります。

採用を担う人の形も、診療所ならではです。多くの診療所では、院長が採否を決め、院長の家族や事務長が応募の窓口を担い、受付のリーダーが面接に同席します。専任の人事担当はいません。院長は午前も午後も診察室にいて、応募を読めるのは昼休みか診療が終わったあとです。その短い時間に、1件ずつ電話をかけて経験を確かめる余裕はありません。

もう1つ、診療所の応募者の層も独特です。病院で夜勤をしてきて日勤だけの職場を探している看護師、子育てで数年離れていて復帰先を探している看護師、医療事務の専門学校を出たばかりの人、他業種の事務から医療事務に移りたい人、近所で短い時間だけ働きたい看護助手の希望者。層ごとに、確かめたいことが違います。

フォームの役割は、院長が昼休みの数分で一覧を読み、「この人には会う」「この人には条件を確かめる」を決められる形で情報を届けることです。項目を決めるときは、応募する人が答えやすいかどうかと同じくらい、院長が一覧で読んで次の一手を決められるかを基準にしてください。

まず、職種ごとに入口を分ける

診療所の応募フォームで最初に決めるべきは、項目より入口の数です。看護師、医療事務(受付)、看護助手の3つを1つのフォームで受けると、全員に全職種の項目を見せるか、答えによって表示を切り替える作りにするかのどちらかになります。切り替えは作れますが、応募者から見ると「自分に関係のない欄があるのでは」と迷う場面が増えます。

入口を分ける方法は2つあります。

・職種ごとに別のフォームを作り、求人ページの職種ごとにリンクを置く ・1つのフォームの最初に職種を選ばせ、選んだ職種の項目だけを次のページに出す

求人媒体やハローワークの求人票を職種ごとに出しているなら、前者のほうが選び間違いが起きません。自院のサイトの採用ページに職種が並んでいるだけなら、後者でも十分です。どちらの形でも、届いた応募が一覧に並んだときに職種の列で絞り込めることを確かめておいてください。看護師の応募だけを昼休みに見たい、という読み方ができるかどうかで、院長の手間は大きく変わります。

共通して聞く項目は、次の範囲で足ります。

・氏名とふりがな ・電話番号とメールアドレス(連絡してほしい手段と、電話に出やすい時間帯も選んでもらう) ・希望する雇用の形(常勤、パート) ・勤務できる曜日と時間帯 ・働き始められる時期 ・面接に来られる日時の候補 ・聞いておきたいことを自由に書く欄を1つ

ここに職種ごとの項目を足します。

看護師の応募で聞く項目

看護師の応募で院長が知りたいのは、免許の種類、どの科でどんな処置をしてきたか、そして勤務の形です。

免許は、看護師か准看護師かを選んでもらう

免許の欄は「看護師」「准看護師」「その他(保健師、助産師など)」の選択式にしてください。自由記述にすると「正看」「看護師(准)」のように書き方が揺れ、読み替えに時間がかかります。准看護師の募集を歓迎する診療所は、そのことを説明文にも書いておくと応募のためらいが減ります。

免許証そのものの写しは、応募の段階では受け取らなくて構いません。確かめるのは面接の場か採用が決まったあとで、原本を見れば足ります。応募の段階でファイルを集めると、選考が終わったあとに消す対象が増えるだけです。

経験は、年数より「どこで、何を」を聞く

「看護師経験 年数」だけを聞くと、急性期病院の病棟で10年働いた人と、クリニックの外来で10年働いた人が同じ数字になります。診療所の院長が知りたいのは、外来の流れに慣れているかと、自院で必要な処置ができるかです。

経験の欄は、次の2つに分けて選んでもらう形が読みやすくなります。

・経験した職場の種類(病院の病棟、病院の外来、診療所、健診センター、訪問看護、介護施設など、複数選択) ・経験のある処置(採血、静脈注射と点滴、予防接種、心電図、内視鏡の介助、小手術の介助、など自院で行う処置に絞って複数選択)

処置の選択肢は、自院の診療科に合わせて変えてください。内科なら採血と点滴と予防接種、消化器内科なら内視鏡の介助、整形外科ならギプスや関節注射の介助、皮膚科なら小手術や処置の介助、眼科なら視野や眼圧の検査の補助、というように、院長が「これができれば助かる」と思う処置だけを並べます。選択肢が10個を超えるなら、診療科に関係のないものが混ざっていないか見直してください。

経験した診療科そのものを聞く欄もよく見かけますが、病院の病棟経験者は「内科系の混合病棟」のように答えにくいことがあります。診療科は自由記述の短い欄にして、処置の経験を選択式で聞くほうが、判断に使える答えが届きます。

ブランクの有無は、年数でなく「いつまで働いていたか」で聞く

子育てや家族の事情で数年離れていた看護師の応募は、診療所にとって大事な層です。ブランクの長さを聞く欄を作ると、理由を書かせる流れになりがちです。聞くのは「最後に看護師として働いた時期」だけにしてください。理由は聞く必要がありません。

復帰を歓迎する診療所なら、「採血に不安がある方には最初の数週間、先輩の看護師がつきます」のように、受け入れの形を説明文に書いておくほうが、ブランクのある人の応募を後押しします。

医療事務(受付)の応募で聞く項目

医療事務の募集には、専門学校を出たばかりの人から他業種の事務経験者まで幅広く集まります。応募が多いぶん、フォームの項目で一次の判断ができるかどうかが、院長や事務長の手間を左右します。

経験は「受付」「会計」「レセプト」を分けて聞く

医療事務の経験を「あり」「なし」で聞くと、受付だけを半年経験した人と、レセプトの点検まで任されていた人が同じ「あり」になります。担当した業務を分けて、複数選べる形にしてください。

・受付と保険証の確認 ・会計 ・電話の応対と予約の管理 ・レセプトの作成や点検 ・診療報酬の請求の取りまとめ

レセプトまで任せたい診療所と、受付と会計を回してくれれば十分な診療所では、求める人が違います。自院がどちらを求めているのかを求人の説明に書き、フォームでは経験をこの粒度で聞くと、応募の段階で読み分けられます。

使ったことのある電子カルテやレセコンは、自由記述の短い欄にする

電子カルテやレセプトコンピュータの製品名を知りたい院長は多いのですが、製品は数が多く、選択肢を並べると長くなります。「使ったことのある電子カルテやレセプトの機械があれば、分かる範囲で」という任意の短い欄にしてください。製品名が思い出せない応募者も多いため、必須にすると手が止まります。同じ製品を使った経験があれば入職後の立ち上がりが早い、という程度の参考情報として扱うのが妥当です。

資格は任意にし、選考の条件にするかどうかを先に決める

医療事務の資格には、いくつかの団体が実施する民間の検定があります。資格がなくても受付や会計の仕事に就けるため、資格を必須にするかどうかは診療所の方針次第です。フォームでは「持っている医療事務の資格があれば」という任意の欄にしておき、選考で重く見るのかどうかは院内で先に決めておいてください。必須にすると、他業種で事務をしてきた経験者の応募が減ります。

未経験の人には、1つだけ聞く

医療事務が未経験の応募者には、「これまでの仕事で、窓口での応対や会計の経験があるか」を1問だけ足すと、面接に呼ぶかの判断材料になります。飲食店のレジ、銀行の窓口、役所の受付など、患者と向き合う仕事に近い経験は、医療事務の未経験者を見るときの手がかりになります。

看護助手の応募で聞く項目

看護助手の募集は、診療所によって仕事の中身が大きく違います。器具の洗浄と滅菌、診察室の準備、患者の誘導、検査室への案内、清掃。無資格で応募できる職種である一方、患者の体に触れる介助をどこまで任せるかは診療所ごとに異なります。

フォームで聞くべきなのは、資格より勤務の形です。看護助手の募集には、午前だけ、週に2日から3日、といった短い時間を希望する人が多く集まります。勤務できる曜日と時間帯を、診療所の診療時間の区切りに合わせて選べる形にしてください。「午前診のみ」「午後診のみ」「午前と午後の両方」「土曜の午前」のように、自院のシフトの区切りをそのまま選択肢にします。

介護施設や病院で看護助手をした経験があれば、それを選べる欄を1つ置けば足ります。仕事の中身は、求人の説明に具体的に書いておくことで、応募する人が自分で判断できるようにしてください。

診療科によって、1問だけ足すとよい項目

共通の項目と職種ごとの項目に加えて、診療科ならではの業務がある診療所では、1問だけ足しておくと面接の前の確認が短くなります。全員に聞く必要はないため、該当する職種の入口にだけ置いてください。

・小児科  子どもへの採血や予防接種の経験があるかを、看護師の応募で聞きます。大人の採血に慣れていても、泣いて動く乳幼児への処置は別の技量です。秋から冬にかけてワクチンの接種が集中する時期に、どこまで任せられるかの目安になります。

・美容皮膚科や自費の診療が多い診療所  施術の説明や料金の案内をした経験があるかを、医療事務と看護師の両方で聞きます。保険診療の受付とは、患者との会話の長さも中身も違います。

・透析を行う診療所  穿刺の経験があるかを看護師の応募で聞きます。早朝から始まる時間帯に入れるかも、勤務の時間帯の選択肢に含めてください。

・訪問診療を行う診療所  訪問に同行する看護師や事務を募集するなら、普通自動車免許の有無と、訪問車の運転をしてよいかを分けて聞きます。外来だけの募集で運転を聞く理由はないため、訪問を伴う入口にだけ置きます。

・健診を多く受ける診療所  健診の時期に早い時間から入れるかを聞きます。企業健診を受けている診療所では、特定の月に人手が必要になるため、その時期だけの勤務を歓迎することを説明文に書いておくと、短期の応募も集まります。

どの問いも、診療所が実際にその業務を持っているときだけ置いてください。よその診療所のフォームを参考にすると、自院にない業務の欄が残りがちです。

勤務の曜日と時間帯は、診療時間の区切りで聞く

診療所の勤務の形は、午前診と午後診の間に長い休憩が入ることが多く、「9時から18時」のような1本の時間帯では表しにくいものです。勤務できる時間帯を自由記述で聞くと、「平日の日中」「夕方まで」「応相談」のような答えが並び、シフトに当てはめられません。

曜日は複数選択、時間帯は自院の区切りをそのまま選択肢にしてください。

・月曜から土曜のうち、勤務できる曜日(複数選択) ・勤務できる時間帯(午前診、午後診、土曜の午前など、自院の区切りで複数選択)

午後診が遅くまである診療所では、「夕方の何時まで勤務できるか」を別の問いにしておくと、保育園の迎えの時刻との兼ね合いを本人が選べます。迎えがあるかどうかを聞くのではなく、何時まで勤務できるかを聞くのがポイントです。理由は聞かなくても、シフトに必要な情報は届きます。

休診日の扱いにも触れておくと、行き違いが減ります。木曜の午後と日曜が休診の診療所なら、その曜日は選択肢から外すか、説明文で「休診日を除く」と書いておいてください。

医療機関だからこそ聞きたくなるが、フォームに載せないこと

診療所は医療機関です。院長も看護師も、健康に関する情報を扱うことに慣れています。そのため、応募の段階で健康状態を確かめる欄を作ることに抵抗が薄くなりがちです。持病の有無、服薬の状況、通院歴、腰痛の有無、麻疹や風疹の抗体の有無、B型肝炎のワクチンの接種歴。どれも、医療の現場で働く人に関係がありそうに見えます。

厚生労働省の公正採用選考特設サイトでは、就職差別につながるおそれがある事項として、採用選考の方法に関して次のように書かれています。

合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施(注3) 本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用 出典: kouseisaiyou.mhlw.go.jp

同じページの注には、採用選考時において合理的・客観的に必要性が認められない健康診断書を提出させることを意味する、と添えられています。

抗体の有無やワクチンの接種歴は、医療機関が職員の感染対策として確かめる情報です。ただ、それは採用が決まった職員を守るための手続きとして扱うもので、応募を受け付ける段階で集めて選考に使うものではありません。応募フォームに抗体の欄を置くと、抗体がないことが不採用の理由になったのではないか、と応募者に受け取られる余地を作ります。どの時点で何を確かめるのが業務上の必要として認められるかは個別の判断になるため、迷う場合は所管の労働局やハローワーク、社会保険労務士などの専門家に確かめてください。

抗体やワクチンについて応募フォームが担えるのは、入職したあとに何をお願いするかを前もって知らせるところまでです。求人の説明に「採用後、感染対策のために抗体検査の結果の確認とワクチンの接種をお願いしています」と書いておけば、応募する人は入職後の流れを知ったうえで応募できます。病院で働いてきた看護師なら、前の職場で受けた抗体検査の結果を手元に持っていることも多く、入職の手続きの段階で提出してもらえば、改めて検査をせずに済む場合もあります。

もう1つ、診療所に特有の問いがあります。「当院に通院したことがありますか」という欄です。近所の人が応募してくる診療所では、応募者が患者であることは珍しくありません。院長としては把握しておきたくなりますが、通院歴は選考の判断に使う情報ではありません。仮に応募者が患者だと気づいても、カルテを開いて病歴を確かめるようなことは、診療のために預かった情報を別の目的に使うことになります。この点は、応募者の情報の扱いとして別に整理しておく価値があります。

家族に関する問いも同じです。子どもの年齢、配偶者の職業、同居の家族。急な休みを心配してのことでも、フォームには載せません。知りたいのは勤務できる曜日と時間帯であり、それは前の節の聞き方で届きます。

志望動機を必須にすると、看護師の応募が減る

診療所の応募フォームには、志望動機の欄が必須になっているものがあります。どういう気持ちで当院を選んだのかを知りたい、という意図は分かります。ただ、看護師の採用では、この欄が応募を止めることがあります。

看護師は複数の求人を同時に見ている人が多く、応募は仕事の休憩中や、夜勤明けの帰りの電車でスマートフォンから行われます。そこで数百字の志望動機を求められると、後回しにされ、そのまま戻ってこないことがあります。看護師の紹介会社を通せば志望動機を書かずに応募できるため、直接応募の入口が重いと、応募者は紹介会社のほうに流れます。診療所から見れば、同じ人を紹介手数料を払って採用することになります。

志望動機は必須を外し、「一言あれば」程度の任意の欄にするか、面接で聞く項目に回してください。面接であれば、なぜ病院から診療所に移りたいのか、なぜこの診療科なのかを、本人の言葉で聞けます。

医療事務の応募でも同じです。応募が多いぶん志望動機で選り分けたくなりますが、文章の上手さは受付での応対の上手さとは別のものです。一次の判断は、経験した業務と勤務できる時間帯で行い、人となりは面接で見る。受付の面接には受付のリーダーが同席することが多いため、患者への声のかけ方や、保険証を忘れた患者への説明のような場面を、その場で本人に話してもらって確かめられます。文章で書かせるより、診療所が知りたいことに近い答えが返ってきます。

応募の入口ごとに、足りない情報の埋め方を変える

診療所の応募は、自院のサイトからだけ届くわけではありません。求人媒体、ハローワーク、看護師や医療事務の紹介会社、職員からの紹介、診療所の入口に貼った求人の貼り紙を見て電話をかけてくる人。入口によって、届く情報の形が違います。

自院のサイトから直接応募する人には、この記事で挙げた項目をそのまま聞けます。求人媒体経由の応募は、媒体の入力欄で氏名と連絡先が届くだけで、処置の経験や勤務できる時間帯は届かないことがあります。その場合は、最初の返信で短いフォームのリンクを送り、足りない項目だけを答えてもらう形にすると、電話で1つずつ聞く手間が減ります。

貼り紙を見て電話をかけてくる人は、診療時間中に受付に電話をかけてきます。受付のスタッフは、待合室に患者がいる前で詳しい話を聞けません。「応募の内容はこちらのフォームから送ってください」と、フォームのURLをショートメッセージで送る手順を決めておくと、受付の電話が長引かず、院長にも同じ形で情報が届きます。

紹介会社を通した応募では、紹介会社の担当者が応募者の情報をまとめて送ってきます。書き方は会社ごとに違うため、院内で「免許の種類」「経験した処置」「勤務できる時間帯」を同じ列にそろえて記録し直しておくと、直接応募の人と並べて比べられます。入口ごとに情報の形がばらばらなままだと、同じ週に届いた看護師の応募を見比べることができません。

選択肢の作り方で、答えが読めなくなる場所

診療所のフォームは、病院の求人ページや一般企業のひな形から選択肢を写してくることが多く、自院の診療時間や職種の実情と合わない答えが届く原因になります。院長が昼休みに一覧を開いて首をかしげる例を挙げます。

・雇用の形が「正社員」「パート」の2つしかない  診療所の常勤には、土曜の午前まで含む週5日半の勤務と、午後診のない曜日を含む勤務があります。常勤とパートに加えて、「週4日の常勤を相談したい」のような選択肢を1つ足すと、応募の幅が広がります。

・勤務時間を「9時から18時」の1本で聞いている  午前診と午後診の間に長い休憩がある診療所では、この聞き方だと「午前だけ」の人を見分けられません。自院の診療時間の区切りをそのまま選択肢にしてください。

・経験した処置に「その他」があるのに、書く欄がない  何の処置の経験なのかが分からないまま届きます。「その他」を選んだ人には、どの処置かを書く短い欄を出してください。ギプス固定の介助なのか、エコー検査の準備なのかが分かるだけで、整形外科や内科の院長は面接に呼ぶかを決められます。

・働き始められる時期が「すぐ」「相談」の2つしかない  病院に勤める看護師は、翌月の勤務表が組まれたあとだと抜けにくく、医療事務もレセプトの締めが重なる月初を避けて退職日を決めることがあります。「今月中」「来月」「再来月」「それより先」のように月の単位で選べる形にしておくと、辞める職員の最終勤務日と並べて、引き継ぎの日数が取れるかを見られます。

・自由欄を必須にしている  「特になし」と書くだけの入力が増えます。自由欄は必須にしないでください。

直したら、スマートフォンから自分で一度応募してみて、届いた答えが一覧でどう見えるかまで確かめてください。昼休みに院長が一覧を開いたとき、職種と経験と勤務できる時間帯が1行で読めれば、フォームは役目を果たしています。

いまのフォームと表計算で回るかどうかの見極め

職種ごとに入口を分け、診療時間の区切りで勤務を聞くところまでは、無料のフォームでも形にできます。診療所で手が止まりやすいのは、応募が届いたあとです。院長は昼休みと診療のあとにしか応募を読めず、事務長や受付のリーダーは患者の対応の合間に返信します。面接の日時も、昼休みや午後診が終わったあとの短い枠に入れることになり、応募者と電話で候補を出し合っていると、診療中の受付の電話がそのたびに塞がります。そのうちに、どの応募者に誰が連絡し、面接がいつに決まったのかを、院内の誰も言えなくなります。見極めの目安を挙げます。

・応募が月に数件で、院長か事務長のひとりが受け取って返しているなら、無料のフォームと表計算ソフトの組み合わせで十分回ります ・受付のリーダーや院長の家族など、複数の人で応募を分け合っているなら、応募ごとに誰が担当しているかと、どこまで進んだかを残せるかが分かれ目です ・看護師と医療事務で別々のフォームを使っているなら、2つの応募を同じ一覧に並べ、職種で絞り込めるかを確かめてください ・求人媒体、紹介会社、自院のサイトから応募が届くなら、入口の違う応募を同じ形にそろえて見られるかも確かめておきます

Googleフォームで応募を受けて、スプレッドシートで管理している診療所は多くあります。職種ごとの項目の切り替えや回答の集計はそれで足り、担当者や返信の記録を別の列で補えば回ります。どういう使い方ならそのままでよく、どこから手作業が増えるのかは、Googleフォームとの比較で項目ごとに整理しています。医療法人のサイトをWordPressで作っていて、Contact Form 7で応募を受けている場合は、応募がメールで届くことで何が起きるかをContact Form 7との比較にまとめています。院内でMicrosoft 365を使っている場合の違いは、Microsoft Formsとの比較で確かめられます。

採用の応募受付で、届いた応募に担当者と段階を持たせ、返信まで同じ画面で回す使い方は、採用の応募受付で流れを紹介しています。職種や経験した処置のように、診療所が応募ごとに記録したい項目を一覧の列として持てるか、自動返信や一括の連絡ができるかといった機能の範囲は、できることで確認できます。届いた応募が実際にどう並ぶのかは動くところを見るから触れます。

受け付ける件数や利用する人数によって費用がどう変わるかは、料金に載せています。応募者のファイルの扱いや、見られる人の分け方についての疑問は、よくある質問にまとめています。まずは、いまのフォームを職種ごとに開き、看護師の応募者に医療事務の項目を見せていないか、医療事務の応募者に処置の経験を聞いていないかを確かめてください。送信されたあとの道具がそろっているかどうかは、項目を整えたあとに、届いた応募を1か月分並べてみると見えてきます。

Q1. 看護師と医療事務の応募を、1つのフォームで受けてもよいですか?

受けること自体は問題ありませんが、最初に職種を選ばせ、選んだ職種の項目だけを表示する作りにしてください。全員に全職種の項目を見せると、看護師に医療事務の経験を、医療事務の応募者に処置の経験を聞くことになり、入力が長くなります。届いた応募を職種で絞り込めることも、あわせて確かめておくと院長が読みやすくなります。

Q2. 応募フォームで、麻疹や風疹の抗体の有無を聞いてもよいですか?

応募の段階で聞くのは避けたほうが安全です。抗体の確認は、採用が決まった職員の感染対策として行う手続きで、選考に使う情報ではありません。求人の説明に、採用後に抗体検査の結果の確認やワクチンの接種をお願いしていることを書いておけば、応募者は流れを知ったうえで応募できます。扱いに迷うときは労働局や専門家に確かめてください。

Q3. 医療事務の資格を、応募の必須条件にするべきですか?

診療所の方針次第です。医療事務の資格は民間の検定で、資格がなくても受付や会計の仕事に就けます。必須にすると、他業種で窓口や会計の経験を積んだ人の応募が減ります。フォームでは任意の欄にしておき、受付と会計、レセプトの作成や点検など、経験した業務を分けて聞くほうが、判断に使える情報が届きます。

Q4. 応募者が自院の患者だった場合、フォームで通院歴を聞いてもよいですか?

通院歴は選考の判断に使う情報ではないため、フォームで聞く必要はありません。応募者が患者だと気づいた場合でも、カルテを開いて病歴を確かめることは、診療のために預かった情報を別の目的に使うことになります。応募の情報と診療の情報は分けて扱い、選考は経験や勤務できる時間帯など、応募で受け取った内容だけで行ってください。

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