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クリニックの面接の辞退を減らす|当日来ない応募者を減らす連絡

2026年9月16日 ・ Halict編集部

クリニックの面接の辞退を減らしたいと考える院長や事務長の多くは、辞退の原因を応募者の側に求めがちです。最近の応募者は気軽に応募して気軽に断る、という見方です。しかし辞退の連絡や、連絡のない欠席の経緯をたどると、日程が決まってから面接の当日までの数日間に、診療所から応募者へほとんど何も届いていないことが目立ちます。応募者はその数日の間に、ほかの診療所から具体的な勤務条件を聞き、家族と相談し、通勤の道のりを調べ、迷いを深めていきます。この記事では、面接の日程が決まってから当日までの間に、診療所から何をどの順に伝えれば辞退と当日の欠席を減らせるかを整理します。

診療所の面接で、辞退が出やすい場面

診療所の面接の辞退は、いくつかの決まった場面で起きます。自院で辞退が出たときの状況を思い出しながら、どれに当てはまるかを確かめてください。

1つ目は、応募者が同時に複数の医療機関に応募している場面です。看護師は、病院、診療所、健診センター、訪問看護などを並べて見ていることが多く、面接の日程が早く決まったところ、条件が早く具体的に分かったところから決めていく傾向があります。自院の面接が1週間先に入っていても、その間に別の診療所で面接を受けて内定が出れば、自院の面接は辞退されます。

2つ目は、応募したあとに勤務条件への不安がふくらむ場面です。求人サイトの掲載には「日勤のみ」「残業少なめ」と書いてあっても、午後診の終わる時刻から実際に帰れる時刻までがどのくらいか、土曜の出勤が月に何回あるのかは書かれていません。応募者は面接で聞けばよいと考えていたものの、日が近づくにつれて、聞いた答えが希望と違ったら断りにくい、と感じるようになります。そして面接に行く前に辞退を選びます。

3つ目は、家族の都合で予定が崩れる場面です。子どもの発熱や、家族の介護の急な用事で、面接の当日に来られなくなります。この場合、応募者は辞退するつもりはないのに、連絡の手段が分からない、あるいは診療時間中に電話をかけるのをためらって、そのまま連絡なしで欠席してしまうことがあります。

4つ目は、診療所の側の対応が応募者に不安を与える場面です。面接の日時を電話で伝えただけで文字で残していない、面接の場所が正面の入口なのか通用口なのか分からない、面接の前日に確認の連絡をしたら担当者が不在で要領を得なかった。こうした小さな不安が重なると、応募者は「この職場で大丈夫だろうか」と考えるようになります。

面接の時間帯そのものの選び方も辞退に影響しますが、ここでは日程が決まったあとの連絡に絞って考えます。1つ目から4つ目のどの場面も、日程が決まってから当日までの連絡で、ある程度は減らすことができます。

日程が決まった直後に、文字で確認を送る

面接の日程は、電話で応募者と話しながら決めることが多いはずです。電話で決めた日程は、その日のうちに必ずメールか、応募者が使っている連絡手段で文字にして送ってください。電話でのやりとりだけでは、応募者の手元に何も残りません。

確認の連絡に書く項目は、次のとおりです。

・面接の日付と時刻、それに加えて所要時間の目安 ・診療所の住所と、最寄りの駅やバス停からの道のり ・車で来る場合に停めてよい場所 ・到着したら、どこから入って誰に声をかけるか ・持ち物と服装 ・面接をする人 ・当日の連絡先と、遅れる場合や来られなくなった場合の連絡の方法

診療所で抜けやすいのは、車を停めてよい場所と、到着したときの声のかけ方です。郊外の診療所では、応募者の多くが車で来ます。患者用の駐車場が数台分しかない診療所で、応募者が患者用の枠に停めてよいのか、職員用の駐車場を使うのか、近くの有料駐車場を使ってほしいのかが分からないと、応募者は当日の朝から不安を抱えることになります。

所要時間の目安を書いておくことも大切です。現職の看護師が勤務の合間を縫って来る場合や、子どもを預けて来る場合、面接が何分で終わるのかが分からないと、預け先の時間や次の予定を組めません。院内の見学を含めて40分程度、というように書いておけば、応募者は余裕を持って予定を立てられます。

当日の連絡先には、診療所の代表の電話番号だけでなく、診療時間中でも受け取れる連絡の手段を書きます。受付の電話は患者の予約で埋まっていることが多く、応募者は電話をかけることをためらいます。メールで返信してもらえば担当者が確認する、と書いておけば、急な欠席のときにも連絡が届きやすくなります。

面接の前に、勤務条件を文字で渡しておく

辞退を減らすうえで、診療所がいちばん効き目を実感しやすいのが、面接の前に勤務条件を文字で渡しておくことです。面接の場で初めて条件を聞いた応募者は、その場では何も言わずに帰り、後日辞退の連絡をしてくることがあります。面接の前に条件を知っていれば、合わない応募者は面接の前に辞退しますが、合う応募者は安心して面接に来ます。面接当日の欠席や、面接後の辞退が減るのです。

募集を行う側が、応募者に業務の内容や労働条件をどう伝えるべきかは、職業安定法に基づく指針に示されています。

(一) 職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者及び労働者供給事業者は、法第五条の三第一項の規定に基づき、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者(以下「求職者等」という。)に対し、従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件(以下「従事すべき業務の内容等」という。)を可能な限り速やかに明示しなければならないこと。 出典: mhlw.go.jp

求人サイトの掲載に書いた内容で、明示としては足りている場合もあります。ただ、辞退を減らすという目的で考えると、掲載の文面では伝わらない、診療所の働き方の実際を補って伝える必要があります。どこまでを明示として求められるのかを判断するのは、この記事の範囲を超えるので、雇用契約や労働条件の書面については社会保険労務士などの専門家に確かめてください。

面接の前に渡しておきたいのは、次のような内容です。

・始業の時刻と、診療が始まる時刻の違い(診療の開始前に準備の時間があるか) ・午後診の終わる時刻と、片付けを終えて実際に帰れる時刻の目安 ・昼休みの長さと、昼休みに往診や検査の予定が入ることがあるか ・土曜の出勤の回数と、休診日の決まり方 ・月初のレセプトの時期や、予防接種の時期に残業が増えるかどうか ・休診日に研修や院内の会議があるかどうか

たとえば「午後診は18時30分までですが、最後の患者の会計と片付けを終えて、帰れるのは19時ごろになる日が多くあります」と書いておくと、17時までに保育園に迎えに行かなければならない応募者は、面接の前に判断できます。書きにくいことほど、先に書いておくほうが、辞退の総数は減ります。

看護師が、面接の前に知りたがること

看護師の応募者が面接の前に知りたがることは、医療事務とは違います。確認の連絡に添える資料や、面接の前に送る短い案内に、次の点を加えておくと、看護師の辞退が減ります。

いちばん気にされるのは、業務の範囲です。内科の外来なら採血、点滴、心電図、予防接種の介助。消化器内科なら内視鏡の介助や洗浄。整形外科ならリハビリの補助や処置。皮膚科なら処置と光線療法の介助。在宅医療を行っている診療所なら、往診への同行の有無。病院の病棟で働いてきた看護師は、外来の処置にどこまで慣れているか不安を持っていることが多く、業務の範囲が分からないまま面接に行くのをためらいます。

次に気にされるのは、看護師の人数と、1人で判断を任される場面があるかどうかです。看護師が2人しかいない診療所で、1人が休みの日にもう1人がすべてをこなすのか、准看護師や看護助手と組むのか。未経験の処置があったときに、誰に教わるのか。こうしたことは求人の掲載には書かれにくいですが、応募者にとっては大きな判断材料です。

ブランクのある看護師には、入職してから最初の数週間の流れを伝えておくと安心されます。最初は先輩の看護師について外来の流れを覚え、採血や点滴は慣れてから担当する、というように、段階を書いておきます。

医療事務が、面接の前に知りたがること

医療事務の応募者は、看護師とは別のことを気にしています。

未経験の応募者が気にするのは、レセプトの業務をいつから、どこまで任されるかです。受付と会計から始めて、レセプトの点検は経験を積んでから、という流れなのか、最初からレセプトの入力も担当するのか。医療事務の講座を修了したばかりの人は、講座で学んだ内容と実際の業務の差に不安を持っています。

経験のある応募者が気にするのは、使っている電子カルテやレセプトコンピュータの種類と、月初の残業の実態です。前の職場と同じ仕組みなら慣れるまでの時間が短く済みますし、違う仕組みなら覚え直す必要があります。月初の数日間に何時まで残ることが多いのかも、子育て中の応募者にとっては大きな判断材料です。

受付の業務の中身も伝えておきます。電話の予約をどのくらい受けるのか、発熱の患者の受付をどう分けているのか、保険証やマイナンバーカードの確認をどう行っているのか。受付の混み具合が想像できると、応募者は自分に務まるかを判断しやすくなります。

現職の職場に知られたくない応募者への配慮を、案内の中で示す

看護師や医療事務の応募者の多くは、いまの職場で働きながら次の職場を探しています。地域の医療機関どうしは、医師会や病診連携を通じて院長どうしが顔見知りであることが多く、応募者は「応募したことが今の職場の院長や看護師長に伝わるのではないか」と心配しています。この心配が大きくなると、面接の日が近づくにつれて、応募そのものを取り下げたくなります。

診療所の側でできる配慮は、案内の中ではっきり示しておくことです。日程の確認の連絡に、「ご応募いただいたことを、現在お勤めの医療機関に問い合わせることはありません」と1文を添えるだけで、応募者の不安は和らぎます。そのうえで、院長が知り合いの病院長や院長に、応募者のことを尋ねない、という決まりを院内で守ってください。

連絡の手段と時間帯にも配慮します。応募者の職場の勤務中に電話をかけると、周りの同僚の前で電話を受けることになります。最初の連絡の段階で、連絡してよい時間帯と手段を聞いておき、それ以外の時間には電話をかけないようにします。封書を自宅に送る場合も、差出人の書き方で家族や同居人に知られたくない事情がないか、必要なら確かめます。

面接に来る応募者が、自院の職員の元同僚である場合もあります。面接の日にその職員が出勤しているかどうかを応募者が気にするようなら、職員と顔を合わせない時間帯や入口を案内することもできます。

面接の前日には、日時と連絡の方法だけを短く送る

面接の前日には、確認の連絡を短く送ります。前日の連絡の目的は、応募者に面接の予定を思い出してもらうことと、来られなくなった場合に連絡しやすくすることです。長い文面は必要ありません。

「明日○時からの面接、お待ちしております。当日ご都合が悪くなった場合は、このメールにご返信ください。」

この程度で十分です。前日の連絡に対して、応募者から「よろしくお願いします」と返信が来れば、当日来る見込みが高いと判断できます。返信がなくても、欠席と決めつける必要はありませんが、当日の朝に一度だけ連絡を送るかどうかを決める材料になります。

休診日を挟む場合は、前日ではなく、休診日の前の診療日に送ります。木曜休診の診療所で金曜の午後に面接を入れているなら、水曜の診療後に送っておきます。休診日に担当者が連絡を送れないために、前日の連絡が抜けることがないようにします。

院長の診療が押したときに、応募者を待合室で待たせない

診療所の面接でよく起きるのが、院長の診療が押して、面接の開始が遅れることです。昼休みに面接を入れていても、午前診の最後の患者の診察が長引けば、院長は面接の時刻に診察室から出られません。

応募者から見ると、面接の時刻に着いたのに20分、30分と待たされることは、職場の忙しさや、自分が大切に扱われていないことの表れに見えます。待たされた応募者が、そのまま面接を受けても、後日辞退してくることがあります。

院長の診療が押す可能性があるなら、事務長や看護師の主任が先に面接を始められるようにしておきます。勤務条件の説明や院内の見学を先に行い、院長が来たら院長からの質問に移る、という順番です。院長を待つ時間が、応募者にとって診療所を知る時間に変わります。

応募者を待合室で待たせないことも大切です。待合室には患者がいて、応募者は患者と同じ椅子に座って待つことになります。自院の患者が応募してきた場合は、ほかの患者に顔を見られることにもなります。事務室や休憩室、診療で使っていない相談室など、応募者が待てる場所を先に決めておいてください。

遅れることが分かった時点で、応募者に一言伝えることも忘れないでください。「院長の診療が長引いており、10分ほどお待ちいただきます」と伝えれば、応募者は理由が分かって待てます。何も言われずに待たされるのとは、受け止め方がまったく違います。

家族に相談する応募者には、転送しやすい形で送る

子育て中の看護師や医療事務の応募者は、面接に行くかどうか、内定を受けるかどうかを、家族と相談して決めることが多くあります。家族が反対して辞退する、という経緯も珍しくありません。

家族が気にするのは、帰宅の時刻、土曜の出勤、急な休みへの対応、通勤の距離です。応募者が家族にこれらを説明するときに、診療所から届いた文面をそのまま見せられる形になっていると、説明が正確になり、家族の不安も和らぎます。

そのためには、勤務条件の案内を、メールの本文に要点が並んだ形で送るのがよいでしょう。添付のファイルを開かないと読めない形より、本文に「勤務時間」「土曜の出勤」「急な休みのとき」といった見出しを付けて短く書いたほうが、家族にも転送しやすくなります。

子どもの急な発熱のときの休みの取り方は、とくに丁寧に書いておきます。「急なお休みの連絡は、当日の朝に受付の電話かメールでお願いします。看護師の人数に余裕がない日は、ほかの職員で調整します」というように、実際の運用を書きます。「子育てに理解があります」とだけ書くより、家族には判断しやすい情報になります。

面接の日の院内の見え方で、辞退が決まることもある

診療所の面接は、ほかの業種の面接と違って、応募者が実際の職場の中を通り、働いている職員の姿を目にしながら行われます。面接の中身がよくても、院内で見たことが理由で辞退する応募者がいます。

応募者がよく見ているのは、受付の職員の応対です。到着して受付に名乗ったとき、受付の職員が面接のことを知らされておらず、「少々お待ちください」と言ったまま奥に確認に行く。患者と同じように保険証を求められそうになる。こうした応対を受けると、応募者は職員の間の連絡が回っていない職場だと感じます。面接がある日は、朝の準備の時点で、受付に立つ職員全員に「○時に面接の方が来る」と伝えておいてください。

職員の表情や言葉づかいも見られています。看護師が患者のいない場所で院長や先輩の看護師に強い口調で話しかけられているのを見ると、応募者は自分が入ったあとの人間関係を想像します。面接の日だけ取り繕う必要はありませんが、応募者が通る場所で、職員どうしのきつい言い合いが聞こえないように配慮することはできます。

院内の見学を面接と一緒に行う場合は、見学で何を見せるかを先に決めておきます。処置室や診察室の配置、看護師の動線、休憩室、更衣室、職員用のトイレ。応募者が入職後に毎日使う場所のうち、休憩室と更衣室はとくに気にされます。狭い休憩室でも、何人がどの時間に使うのかを説明すれば、応募者は実際の昼休みの過ごし方を想像できます。

面接で答えきれなかった質問は、翌診療日までに文字で返す

面接の場では、院長がすぐには答えられない質問が出てきます。社会保険の加入の条件、有給休暇の付与の時期、残業代の計算の仕方、賞与の支給の実績、通勤手当の上限。院長が「事務に確認して連絡します」と答えたまま、その連絡が数日たっても届かないと、応募者はほかの医療機関からの具体的な提示と比べて、辞退を選びます。

面接で出た質問のうち、その場で答えられなかったものは、面接に同席した事務長か、面接のあとに院長から話を聞いた事務の担当者が書き留め、翌診療日までに文字で返します。院長が答えに迷うような条件は、事務長が就業規則や給与の規程を確かめてから答えるほうが、あとで食い違いが起きません。

返事の文面は、質問ごとに短く答える形で十分です。「有給休暇は、入職から6か月後に付与されます」「通勤手当は、月○円を上限に実費を支給します」というように、応募者が家族に見せても分かる言い方にします。条件の詳細を正式な書面で渡すのは内定のときでも構いませんが、面接の段階で聞かれたことに答えないまま時間が過ぎることは避けてください。

面接で答えきれなかった質問は、同じ職種の次の応募者からも出てくる可能性が高い質問です。質問と答えを募集ごとに控えておき、勤務条件の案内の文面に書き足していくと、次の応募者には面接の前から答えを渡せます。辞退が出た応募で何を聞かれていたかを残しておくことが、次の辞退を減らす材料になります。

紹介会社を通した応募者の辞退は、担当者を通じて理由を聞く

看護師の採用で紹介会社を使っている場合、面接の辞退は紹介会社の担当者から伝えられます。担当者から「応募者の都合で辞退となりました」とだけ連絡が来ることもありますが、差し支えのない範囲で理由を聞いておくと、次の募集に役立ちます。

担当者は、応募者がほかのどんな医療機関を並べて見ていたか、どの条件で迷っていたかを知っていることがあります。「ほかの診療所のほうが帰れる時刻が早かった」「内視鏡の介助の経験がなく不安だった」といった理由が分かれば、次の募集で、勤務条件の案内に何を書き足すべきかが見えてきます。

紹介会社経由の応募者にも、面接の前に勤務条件を伝えておくことは同じように効果があります。担当者に、面接の案内と一緒に、勤務条件の実際を書いた文面を渡しておき、応募者に伝えてもらいます。担当者が求人票の内容しか知らないと、応募者の質問に答えられず、応募者の不安が残ったまま面接の日を迎えることになります。

来なかった人には、1回だけ文字で連絡する

面接の時刻を過ぎても応募者が来ず、連絡もない場合は、その日のうちに1回だけ文字で連絡を送ります。電話を何度もかけたり、翌日以降も連絡を続けたりする必要はありません。

「本日○時からの面接でお待ちしておりましたが、お越しになりませんでしたので、ご連絡いたしました。ご都合が悪くなった場合は、改めて日程をご相談できますので、○月○日までにご返信ください。」

この連絡には、改めて日程を相談できることと、返事の期限を書いておきます。子どもの急な発熱などで来られなかった応募者は、この連絡を受けて返信してくることがあります。期限までに返事がなければ、その応募は終わりとして一覧に記録します。

面接の時刻に来なかった応募者の枠は、院長や面接に同席する予定だった職員の時間を空けることになります。昼休みの枠なら、院長の休憩の時間がそのまま空きます。来なかったことを院長に伝え、次の応募者の日程を詰めるかどうかを判断してもらいます。

辞退の時期と理由を、応募ごとに残しておく

辞退を減らす手を打つには、自院でどの段階の辞退が多いのかを知る必要があります。応募ごとに、次の項目を残しておいてください。

・辞退した段階:日程を決める前、日程が決まったあと面接の前、面接の当日の欠席、面接のあと内定の前、内定のあと ・辞退の連絡の有無:連絡があった、連絡なしで欠席した ・分かっている範囲の理由:勤務時間、業務の範囲、通勤、家族の都合、ほかで決まった、不明 ・面接の前に勤務条件を文字で送っていたかどうか

診療所の応募は件数が少ないので、1回の募集で傾向を読み取るのは難しいはずです。数回の募集にわたって記録を続けると、「日程が決まってから面接までに1週間以上空いた応募で辞退が多い」「勤務条件を先に送った応募では当日の欠席がほとんどない」といった傾向が、自院の中で見えてきます。辞退の理由は、応募者が本当の理由を言わないこともあるので、分からないものは「不明」と記録し、推測で埋めないようにします。

いまの受け方で、辞退を追えるかを見極める

ここまでの流れを、いまの道具で回せるかは、次の問いで見極められます。

・面接が月に数件で、事務長ひとりが日程の確認と前日の連絡を送っているなら、表計算ソフトに面接の日付と連絡を送った日の列を足すだけで回ります ・複数の職員が日程の確認、勤務条件の案内、前日の連絡を分担しているなら、応募ごとにどの連絡をいつ送ったかを、全員が同じ一覧で確かめられるかが分かれ目です ・紹介会社、求人サイト、自院のフォームから応募が来るなら、入口ごとに辞退の段階を記録して並べて見られるかを確かめてください ・勤務条件の案内の文面を、職種ごとに用意して、誰が送っても同じ内容になるかも見ておきます

Googleフォームで応募を受けて、スプレッドシートで面接の日程を管理している診療所は多くあります。その形で足りる使い方と、連絡を送った記録を手で書き足す作業が増えていく境目は、Googleフォームとの比較で整理しています。ホームページのフォームからメールで応募を受けている場合はContact Form 7との比較に、院内でMicrosoftの環境を使っている場合はMicrosoft Formsとの比較にまとめています。

応募ごとに段階と連絡の履歴を持たせ、面接の案内から結果の連絡まで同じ画面から送る流れは、採用の応募受付で紹介しています。返信の文面の型を職種ごとに用意できるか、送った履歴が応募ごとに残るかはできることで、画面の動きは動くところを見るで確かめられます。費用は料金で、通知の届き方などの疑問はよくある質問で確認できます。

まずは直近の募集で辞退した応募者を並べ、日程が決まった日から辞退の連絡が来た日までに、診療所から何を送っていたかを書き出してみてください。送信されたあとの道具がそろっているかどうかは、その間に何も送っていなかった応募がいくつあったかを見ると判断できます。

Q1. クリニックの面接の辞退を減らすには、まず何をすればよいですか?

日程が決まった直後に、日時、所要時間、車を停める場所、到着したときの声のかけ方、当日の連絡の方法を文字で送ることから始めます。あわせて、帰れる時刻の目安や土曜の出勤の回数など、求人の掲載では伝わらない勤務の実際を面接の前に渡しておくと、当日の欠席と面接後の辞退が減りやすくなります。

Q2. 勤務条件を面接の前に伝えると、応募者が減りませんか?

条件が合わない人が面接の前に辞退することはあります。ただし、そうした人は面接に来ても後日辞退する可能性が高く、面接の前に分かるほうが院長や職員の時間を使わずに済みます。条件が合う人は安心して面接に来るため、当日の欠席や面接後の辞退を含めた辞退の総数は減る傾向があります。

Q3. 面接に連絡なしで来なかった応募者に、何度も連絡したほうがよいですか?

その日のうちに1回だけ文字で連絡すれば十分です。改めて日程を相談できることと、返事の期限を書いておきます。子どもの急な発熱などで来られなかった人は返信してくることがあります。期限までに返事がなければ、その応募は終わりとして記録し、それ以上は追いかけません。

Q4. 院長の診療が長引いて面接に遅れそうなときは、どうすればよいですか?

遅れると分かった時点で応募者に理由と待ち時間を伝え、事務長や看護師の主任が勤務条件の説明や院内の見学を先に始めます。応募者は待合室ではなく、事務室や相談室など患者と顔を合わせない場所で待ってもらいます。院長が来たら、院長からの質問に移る順番にします。

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