美容室で応募の担当を決めようとすると、多くの店で「店長がやる」という一言で終わります。ところが店長は、自分の指名客を担当し、アシスタントの教育を見て、売上の数字も追っています。応募の対応はそのすき間に押し込まれ、忙しい週には3日も4日も返事が止まります。止まっているあいだに、見学を希望していた美容学生や、転職を考えているスタイリストは別のサロンに決めてしまいます。この記事では、美容室の応募の仕事を受け持ちごとに分け、店長ひとりに寄せずに回す分け方を、店の規模ごとに整理します。
美容室の応募は、手が空いている人がいない時間に届く
美容室の応募が届く時間は、応募者の生活に合わせて決まります。美容学生は授業が終わった夕方から夜、在職中のスタイリストは自分の店の閉店後か休みの日、ブランクのある人は家事の合間の昼間です。つまり、応募の多くは、店の全員が施術に入っている時間か、閉店して誰もいない時間に届きます。
応募を受ける側の美容室は、全員が技術者です。受付の専任スタッフがいる店でも、受付は予約の電話と会計で手一杯です。応募の通知に誰かが気づいても、「あとで店長に見てもらおう」と置いたまま、店長は気づかないという状態が起きます。
さらに美容室には、応募に関わる人が多いという特徴があります。見学に来た学生を案内するのは手の空いたアシスタント、技術チェックを見るのは教育担当のスタイリスト、給与や歩合の話をするのはオーナー、入社日を決めるのは店長。1つの応募に3人か4人が関わるのに、誰がどこを受け持つかが決まっていないと、全員が「誰かがやっている」と思ったまま止まります。
担当を決めるというのは、店長の仕事を減らすことではなく、応募の流れのどこを誰が持つかを分けて、止まる場所を無くすことです。店長にすべてを任せる形は、店長が休んだ日や、店長の予約が詰まった週に必ず止まります。
応募の仕事を5つの受け持ちに分ける
美容室の応募の流れは、受け持ちで分けると5つになります。1人が複数を兼ねてもかまいませんが、受け持ちごとに名前を1人ずつ書けるようにしておきます。
窓口
届いた応募に気づき、最初の返事を送り、見学や面接の日程を決める役です。求人サイトのメッセージ、店のメール、InstagramのDM、学校からの電話など、入口が複数ある美容室では、この役が全部の入口を見ることになります。窓口の仕事は判断ではなく、止めないことです。
見学の案内役
サロン見学に来た人を迎え、店の中を案内し、スタッフの働く様子を見てもらう役です。学生の見学が多い美容室では、この役がいちばん応募者と長く話します。案内役は、店の雰囲気を伝えることはできても、給与や契約の条件を答える役ではありません。
技術を見る人
ウィッグやモデルを使った技術チェックを見て、到達度を判断する役です。多くの店では教育担当のスタイリストか、オーナー自身が持ちます。技術の段階によって任せる仕事と給与が変わる美容室では、この判断が採否に直結します。
条件を話す人
給与、歩合の率、社会保険、休みの数、デビューまでの目安の期間、業務委託の場合の取り分など、お金と契約に関わる話をする役です。この役は必ず1人に絞ります。理由は次の節で述べます。
決める人
採用するかどうかを最終的に決め、その結果を窓口に伝える役です。オーナーが決める店、店長に任せている店、複数店舗で本部が決める会社とさまざまですが、「誰の返事を待てば決まったことになるか」を全員が知っている状態にします。
5つに分けると、店長ひとりが持っていた仕事が、実際にはまったく性質の違う仕事の束だったことが分かります。窓口は反応の速さが要り、技術を見る人は技術の目が要り、条件を話す人は店の数字を知っている必要があります。1人に全部が集まれば、どれかが遅れるのは当然です。
条件を話す人は、必ず1人に絞る
美容室の応募で起きやすい問題の1つが、条件の話のずれです。見学の案内をしたアシスタントが、学生から「練習の時間にもお給料は出ますか」「デビューまで何年くらいですか」と聞かれ、自分の経験で答えてしまう。その答えが、オーナーが面接で話す内容と違っていると、応募者は店の説明を信用しなくなります。
とくに業務委託の募集では、歩合の率、材料費の負担、指名客の扱いといった条件は、応募者によって交渉の余地があることもあり、スタッフが軽く答えてよい話ではありません。雇用の募集でも、アシスタントの給与、スタイリストになってからの歩合、社会保険の加入の条件は、店の決まりとして1つの答えを持つべき内容です。
そこで、条件を話す人を1人に決め、それ以外のスタッフには、聞かれたときの答え方を1つだけ渡しておきます。
「お給料や契約の条件は、面接でオーナーから詳しくご説明します。今聞いておきたいことがあれば、メモしてオーナーに伝えておきますね」
こう答えてもらい、聞かれた内容を窓口の記録に書いておきます。オーナーは面接の前に、応募者が気にしていることを知ったうえで話せます。スタッフが答えを知っていても、答えるのは条件を話す人に任せる、というのが大切です。
見学の案内役に渡すもの
見学の案内をスタッフに任せる美容室は多く、それ自体は良い形です。学生にとっては、オーナーより年の近いアシスタントの話のほうが、働く姿を想像しやすいからです。ただし、任せるなら案内役に渡すものを決めておきます。
・見学に来る人の名前、学年や経験、応募した職種 ・見てもらう場所と順番(シャンプー台、カラー剤の準備室、練習の場所、スタッフルーム) ・話してよいこと(1日の流れ、練習の雰囲気、スタッフの人数、自分が入社したときのこと) ・答えずにオーナーに回すこと(給与、歩合、休みの数の約束、デビューの時期の約束) ・見学が終わったあとに記録に書くこと
最後の「記録に書くこと」がないと、見学で応募者が話したことが店に残りません。案内役が書くのは評価ではなく、事実です。「カラーに興味があると話していた」「土日の勤務について質問があった」「練習の時間を気にしていた」。こうした一言が、面接をする人の準備になり、見送りや内定の連絡の文面にも生きます。
案内役を固定するか、その日の予約の空いている人に任せるかは、店の規模で決めます。見学の数が月に数件なら、その日に手の空いた人でかまいません。新卒の見学が集中する時期は、案内役を2人か3人に決めておき、その人たちの予約の入れ方で見学の時間を確保します。
技術を見る人は、見る点をそろえる
技術チェックを教育担当に任せる店では、教育担当ごとに見る点が違うと、同じ応募者でも誰が見たかで結果が変わります。美容室の技術は、カット、カラー、パーマ、シャンプー、ブローとさまざまで、どこまでできればどの職種で採るのかを、店として決めておく必要があります。
見る点は、技術ごとに「店の基準に届いている」「練習中」「まだ見られない」の3段階くらいでそろえるのが扱いやすい方法です。細かい点数表を作ると、教育担当が営業の合間に記入しきれません。3段階なら、技術チェックの直後に一言で書けます。
技術を見る人が2人以上いる店では、年に一度か、新卒の見学が始まる前に、同じウィッグの仕上がりを見て、どの段階と判断するかを話し合っておくと、判断のずれが小さくなります。
技術を見る人は、判断の結果を決める人に渡します。技術を見る人が採否まで決めてしまうと、条件や店との相性という別の観点が抜けます。技術は採否の材料の1つとして扱います。
窓口は、施術に入っていない時間がある人に持たせる
窓口の役は、店長やトップスタイリストより、施術の予約が比較的少ない人に持たせたほうが回ります。応募への最初の返事は、判断を含まない定型の内容なので、経験の長さは要りません。要るのは、応募に気づく回数の多さです。
美容室で窓口に向いているのは、次のような人です。
・受付の専任スタッフ(予約の電話と同じ流れで、応募の通知も見られる) ・入社数年目のアシスタントで、予約の入らない時間に練習や準備をしている人 ・店長の補佐をしているマネージャー
窓口に決めた人には、1日のうち応募を見る時間を決めてもらいます。開店前と昼休憩のあと、閉店後の3回見ると決めておけば、夜に届いた応募にも翌朝には気づけます。
窓口がアシスタントの場合、応募者への返事に店の名前ではなく自分の名前を書くことに抵抗を感じることがあります。返事の文面を「美容室〇〇 採用担当」で統一しておくと、若いスタッフでも送りやすくなり、担当が変わっても応募者から見た窓口は変わりません。
美容学校との窓口は、1人に固定する
美容学校からの求人の問い合わせ、学校訪問の日程、学生の見学の申し込みは、応募の窓口とは別に、学校との窓口を1人に固定しておきます。学校の就職担当の先生は、毎年同じ店と連絡を取るので、相手が毎回変わると、前年の話が引き継がれません。
学校との窓口に向いているのは、オーナーか店長です。学校との関係は、来年以降の応募にも影響するので、判断のできる人が持つ意味があります。ただし、学生からの見学の申し込みそのものは応募の窓口に回し、学校との窓口は、学校とのやり取りと、学生の選考の結果を学校に伝える役に絞ります。
美容学校によっては、学生の選考の状況を学校が把握する運用をしているところがあります。見学に来た学生の結果を、本人と学校のどちらに、いつ伝えるかは、学校との窓口が学校ごとに確かめて、記録に残しておきます。
店の形ごとの分け方
5つの受け持ちを誰に割り当てるかは、店の人数と店舗の数で変わります。
オーナーひとりか、スタッフ2〜3人のサロン
5つのうち、窓口、条件を話す人、決める人は、オーナーが兼ねるしかありません。この規模で担当を決める意味は、オーナーが持つ仕事を減らすことより、オーナーが施術中や休みのときに何を止めないかを決めることにあります。
たとえば、最初の返事だけはスタッフに送ってもらう、見学の案内はスタッフに任せる、という2つを外に出すだけでも、止まる時間は大きく減ります。技術を見る人は、オーナーが見るのが自然です。
スタッフ5〜15人くらいのサロン
店長、トップスタイリスト、教育担当、アシスタント、受付と役割が分かれてくる規模です。この規模では、5つの受け持ちを別々の人に割り当てられます。窓口は受付かアシスタント、見学の案内役はアシスタント数人、技術を見る人は教育担当、条件を話す人と決める人はオーナーか店長、という形が一般的です。
この規模でいちばん起きやすいのは、オーナーと店長のどちらが決める人なのかがあいまいなことです。オーナーが面接に出るときと出ないときがあり、出ないときは店長が決めてよいのかが分からない。決める人を募集の種類ごとに決めておくと、迷いがなくなります。たとえば、アシスタントの採用は店長が決め、スタイリストと業務委託はオーナーが決める、というように分けます。
複数の店舗を持つ美容室
本部で応募を受け、各店舗の店長が面接をする形が多くなります。この形では、窓口を本部の1人に集め、店舗の店長には見学の案内と技術を見る役を持たせる分け方が合います。条件を話す人は、会社として決まった条件を話せる人にするため、本部の人事か、各店の店長のうち条件の説明を任された人にします。
複数店舗の場合、応募者が「どの店舗でもよい」と希望していることがあります。そのときに、店舗の間で応募者を回すかどうかを誰が決めるのかも、担当と一緒に決めておきます。店長同士で直接やり取りすると、同じ応募者に2つの店舗から連絡が届くことがあります。
InstagramのDMは、見る人と返す人を分けて決める
美容室は、店のInstagramのアカウントを予約の案内や作品の紹介に使っていることが多く、そこに「働きたいです」「見学はできますか」というDMが届きます。店のアカウントには、オーナー、店長、SNSの更新を任されたスタッフなど、複数の人がログインしていることがよくあります。
DMで起きやすいのは、誰かが開いたことで既読になり、ほかの人は新しいメッセージに気づかないという状態です。開いた人は「あとで窓口に伝えよう」と思っていても、予約のお客様への返信に紛れて忘れます。応募者から見ると、既読になったのに返事がない状態が続きます。
そこで、DMについては、見る人と返す人を分けて決めておきます。DMを見るのはSNSの更新を担当しているスタッフでかまいませんが、応募や見学の問い合わせだと分かったら、自分では返事の中身を書かず、決まった一文だけを返して窓口に渡します。
「ご連絡ありがとうございます。採用の担当から、〇日までにご案内をお送りします」
こう返しておけば、応募者は放置されたと感じず、窓口は自分の受け持ちとして引き取れます。見学の日程や条件の話をDMのまま進めると、記録が店のアカウントの中に散らばり、担当が交代したときに追えなくなります。
業務委託の応募は、受け持ちを変える
雇用と業務委託の両方で募集している美容室では、業務委託の応募を雇用と同じ流れに乗せると、うまく回らないことがあります。業務委託で応募してくるのは、すでに自分の指名客を持っているスタイリストが多く、見学の案内や技術チェックより先に、取り分や材料費、予約の取り方、使える席の数といった条件の話が知りたいからです。
業務委託の応募では、窓口のあとすぐに条件を話す人が入る流れにします。見学の案内役を通さず、オーナーか店長が直接、店の設備と条件を説明する形です。技術を見る人の出番は、条件の話がまとまってからか、そもそも技術チェックをしない店もあります。
業務委託の場合、条件の一部を応募者ごとに調整することがあり、その内容は同じ店の業務委託のスタイリスト同士で比べられやすい情報です。条件を話す人以外のスタッフには、業務委託の応募者と話した条件の中身を伝えないようにし、記録も条件を話す人と決める人だけが見られる場所に置きます。
受け持ちの間の受け渡しを、1行で残す
5つの受け持ちに分けたあと、応募が止まるのは、受け持ちの中ではなく、受け持ちと受け持ちの間です。見学の案内が終わったのに窓口が知らない、技術チェックの結果を決める人がまだ見ていない、決めたのに窓口が連絡を送っていない。
受け渡しを確実にするには、受け持ちを終えた人が、応募の記録に1行だけ書くことを決まりにします。
・案内役:「見学済み。カラーに興味、土日の勤務を質問」 ・技術を見る人:「チェック済み。カットは練習中、シャンプーは基準に届いている」 ・決める人:「内定。条件の説明は面接で済み、連絡は窓口から」
1行を書いた時点で、次の受け持ちに渡ったことになります。口頭で「見学終わりました」と伝えるだけだと、聞いた人が忙しければそのまま忘れます。美容室では、閉店後のミーティングで伝えるつもりが、その日のミーティングがなくなることもあります。書いてあれば、次の人は自分の時間に見られます。
講習、コンテスト、繁忙期に担当を止めない
美容室には、応募の担当が一時的に抜ける時期がはっきりあります。メーカーやディーラーの講習会、技術のコンテスト、店の研修旅行、そして年末や成人式、卒業式の前の繁忙期です。
担当を決めるときは、それぞれの受け持ちに代わりの人も1人ずつ決めておきます。窓口の代わり、条件を話す人の代わり、決める人の代わり。代わりの人は、ふだんは何もしませんが、担当が抜ける日だけ受け持ちます。
繁忙期には、応募の対応そのものを減らす工夫も要ります。年末の繁忙期に見学を受けても、案内役のスタッフに余裕がなく、応募者に店の良さが伝わりません。繁忙期に届いた応募には、最初の返事で「〇月〇日以降に見学の日程をご案内します」と先の日付を伝え、応募者を待たせる理由をはっきりさせておきます。何も言わずに止めるより、日付を示して待ってもらうほうが、応募者は離れにくくなります。
応募者の情報を見られる人を決める
担当を分けると、応募者の情報を見る人が増えます。美容室の応募には、氏名や連絡先のほかに、顔写真付きの履歴書、作品の写真、今の勤め先、転職を考えている理由が含まれます。在職中のスタイリストにとって、転職活動をしていることが今の店に伝わるのは大きな痛手です。美容師同士は講習会やSNSでつながっていて、スタッフの何気ない一言が相手の店に届くこともあります。
個人情報保護委員会のガイドラインには、事業者が従業者に個人データを扱わせるときの監督について、次のように書かれています。
個人情報取扱事業者は、その従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては、当該個人データの安全管理が図られるよう、当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。 出典: ppc.go.jp
美容室でこれを受け持ちに当てはめると、見る範囲は次のように分けられます。
・窓口は、応募者の連絡先と、選考がどこまで進んでいるかを見る ・見学の案内役は、見学に来る人の名前と、応募した職種を見る ・技術を見る人は、経験と技術の到達度を見る ・条件を話す人と決める人は、すべてを見る
案内役のアシスタントが、応募者の今の勤め先や履歴書の写真まで見る必要はありません。スタッフに見学の案内を任せるときは、案内に必要な情報だけを渡します。どこまでの管理が必要かの判断に迷うときは、個人情報保護委員会の相談窓口や専門家に確かめてください。
担当表の例
担当を決めたら、1枚の表にしてスタッフルームに貼るか、スタッフが見られる場所に置きます。スタッフ7人ほどのサロンなら、次のような形になります。
| 受け持ち | 担当 | 代わり | やること |
|---|---|---|---|
| 窓口 | 受付の〇〇 | アシスタントの△△ | 応募を1日3回見る、最初の返事、日程の調整 |
| 見学の案内役 | アシスタントの△△、□□ | 店長 | 見学の案内、見学後の記録 |
| 技術を見る人 | 教育担当の◇◇ | オーナー | 技術チェック、到達度の記録 |
| 条件を話す人 | オーナー | 店長 | 給与、歩合、契約の説明 |
| 決める人 | オーナー | 店長 | 採否の決定、窓口への指示 |
| 学校との窓口 | 店長 | オーナー | 学校との連絡、学生の結果の報告 |
表には、応募の流れのどこで受け持ちが入れ替わるかも書いておくと、渡し忘れが減ります。たとえば、「見学の記録を書いたら窓口に知らせる」「技術チェックの結果を書いたら決める人に知らせる」といった一行です。
スタッフの入れ替わりで、担当を引き継ぐとき
美容室は人の入れ替わりがある職場です。窓口を任せていたアシスタントがスタイリストにデビューして予約が増える、見学の案内役だったスタッフが独立する、店長が別の店舗に移る。担当の人が変わるたびに、応募の対応が一度止まります。
引き継ぎで抜けやすいのは、選考の途中にいる応募者です。前の担当者の頭の中には「この人は来週見学に来る」「この学生は学校経由で結果を伝える約束をした」といった約束が残っていて、それが次の担当者に渡りません。
担当を交代するときは、担当表の名前を書き換えるだけでなく、選考中の応募を1件ずつ見ながら、前の担当者と次の担当者が一緒に確かめる時間を取ります。応募の記録に受け渡しの1行が書かれていれば、この確認は短く済みます。デビューや異動の時期は前もって分かっていることが多いので、その前の週に交代を済ませておきます。
担当が回っているかを、月に1回確かめる
担当を決めても、最初の1か月は必ずどこかで止まります。止まった場所を見つけて直すために、月に1回、閉店後のミーティングか、定休日の前の時間に、応募の一覧を見返します。見るのは次の3つです。
・最初の返事までに何日かかったか ・見学や面接のあと、結果の連絡までに何日かかったか ・連絡が止まっている応募が何件あるか
止まっている応募があれば、どの受け持ちのところで止まったのかを確かめます。多くの場合、受け持ちの間の受け渡しで止まっています。技術チェックの結果が決める人に伝わっていない、決める人の結果が窓口に伝わっていない、というように。受け渡しの一言を担当表に足していくと、2か月目からは止まる場所が減ります。
担当を責める場にしないことも大切です。美容室の担当は、全員が施術の合間に応募を受け持っています。止まった原因は人ではなく、受け渡しの決まりの足りなさにあると考えて、決まりの方を直します。
いまの受け方で足りるかを見極める
担当表は紙でも作れますし、応募の一覧は表計算ソフトでも持てます。分かれ目は、応募ごとに「いま誰が持っているか」「どこまで進んだか」が、担当以外の人にも見えるかどうかです。次の問いで見極められます。
・オーナーひとりで窓口から決定まで持っているなら、表に「状況」の列を1つ足すだけで足ります ・窓口、案内役、技術を見る人が別の人なら、応募ごとに担当者の名前と記録が1か所に残るかが分かれ目です ・見学の案内役に渡す情報を絞りたいなら、担当ごとに見られる範囲を分けられるかを確かめてください ・複数店舗で本部が窓口を持つなら、店舗の店長が自分の店の応募だけを見られる形になっているかを見ておきます
Googleフォームで応募を受けて、スプレッドシートを店のスタッフで共有している美容室は多くあります。担当者の列を足せば受け持ちも記録でき、応募が少ないうちはそれで回ります。どういう使い方ならそのままでよく、どこから手作業が増えるのかは、Googleフォームとの比較で整理しています。Microsoft 365を使っている会社なら、Microsoft Formsとの比較も参考になります。
届いた応募に担当と状況を持たせ、返信まで同じ画面で回す流れは、採用の応募受付で紹介しています。担当者の割り当てや、見られる範囲の分け方といった機能はできることに、実際の画面の動きは動くところを見るにまとめています。人数によって費用がどう変わるかは料金で、権限についての疑問はよくある質問で確かめられます。担当を決めた効果が出るかどうかは、決めた担当が見える場所に、送信されたあとの道具がそろっているかで変わります。まずは、いま選考中の応募を1件ずつ見て、それぞれ誰が持っているかを言えるかどうかから確かめてみてください。
Q1. 美容室の応募の窓口は、店長が持つべきですか?
店長が窓口を持つと、店長の予約が詰まった週に最初の返事が止まりやすくなります。最初の返事や日程の調整は判断を含まない定型の仕事なので、受付スタッフや予約の少ないアシスタントに任せ、店長は条件の説明や採否の決定に回るほうが流れは止まりにくくなります。
Q2. 見学を案内したアシスタントが、給与について聞かれたらどう答えればよいですか?
その場で自分の経験から答えるのではなく、「条件は面接でオーナーから詳しく説明します」と答え、聞かれた内容をメモして条件を話す人に伝える形をおすすめします。スタッフによって答えが違うと、応募者は店の説明を信用しにくくなります。答え方の一文を事前に渡しておくと、スタッフも迷いません。
Q3. 技術チェックは、誰が見るのがよいですか?
教育担当のスタイリストか、オーナーが見る形が多くあります。2人以上で見る場合は、技術ごとに「店の基準に届いている」「練習中」「まだ見られない」の3段階ほどで見る点をそろえておきます。技術を見る人は到達度を記録して決める人に渡し、採否は条件や店との相性と合わせて決める人が判断します。
Q4. 在職中の美容師からの応募を、スタッフ全員が見られる状態にしてもよいですか?
在職中の人にとって、転職活動が今の店に伝わることは大きな負担になります。美容師同士は講習会やSNSでつながっていることが多いため、応募の情報は受け持ちに必要な範囲の人だけが見られるようにしておくのが安全です。どこまで管理すべきか迷う場合は、個人情報保護委員会の相談窓口や専門家に確かめてください。
