美容室で履歴書を受け取る場面は、店によってばらばらです。見学の日に手書きの履歴書を持ってきてもらう店、求人媒体のWeb履歴書をそのまま読む店、応募の時点でスマートフォンで撮った履歴書の写真を送ってもらう店。どれも間違いではありませんが、受け取り方を決めないまま応募を受けていると、紙とデータが混ざり、バックヤードの引き出しとオーナーのスマートフォンと求人媒体の管理画面に、応募者の書類が散らばります。この記事では、美容室の採用に絞って、履歴書を紙とデータのどちらで受けるか、いつ受けるか、美容師免許証の写しや作品写真のように美容室ならではの書類をどう扱うかを整理します。読み終えたときに、次の募集から書類の受け取り方を1つに決められる状態を目指します。
美容室の履歴書は、応募者の層で形が分かれる
美容室に届く履歴書の形は、応募者がどの層かによって大きく違います。まずここを押さえておくと、店として受け取り方を1つに決めるときに、どの層に無理をさせることになるかが見えます。
美容学生は、手書きの履歴書を用意してくることが多い層です。学校の就職指導で履歴書の書き方を練習し、見学や面接の日に持参する流れに慣れています。学校によっては、学校が用意した様式や、学校からの推薦の書類を合わせて出すこともあります。学生にデータでの提出を求めると、手書きの履歴書をスマートフォンで撮って送ってくることがあり、読みにくい画像が届きます。
在職中の美容師は、データで出すことに慣れている層です。求人媒体を通して応募する人は、媒体に登録したWeb履歴書で応募を済ませ、紙の履歴書を別に書くことを負担に感じます。休みの日が少なく、履歴書を手書きで書き直す時間を取りにくいのも、この層の事情です。
美容の仕事から離れていて戻ろうとしている人は、紙とデータのどちらにも対応できますが、書くことに不安を持っていることがあります。離れていた期間の書き方に迷い、履歴書を用意する段階で応募をためらう人もいます。
業務委託で働きたい美容師は、履歴書よりも、どんな客をどれくらい担当してきたか、どんなスタイルを得意とするかを伝えたいと考えています。雇用の応募と同じ履歴書を求めても、店が知りたいことと、応募者が伝えたいことがかみ合いません。
この4つの層が同じ店に応募してくる以上、「履歴書は必ず手書きで持参」と決めると在職中の美容師が離れ、「データで送ってください」と決めると学生の書類が読みにくくなります。受け取り方は1つに決めつつ、層ごとに逃げ道を用意しておくのが現実的です。
紙で受けるか、データで受けるかを決める3つの問い
店としての受け取り方を決めるときは、次の3つの問いに答えていくと、自然に決まります。
1つ目は、誰が読むかです。オーナーひとりが採用を決めている店なら、紙の履歴書でも困ることはほとんどありません。店長やマネージャー、教育担当のスタイリストなど、複数の人が読むなら、紙は回覧の手間がかかります。スタッフの休みがばらばらな美容室では、紙を手渡しで回すと、全員が読み終えるまでに何日もかかります。
2つ目は、どこに保管するかです。美容室のバックヤードは、スタッフの荷物や薬剤、タオルが置かれていて、客が化粧室に行く途中に目に入る店もあります。紙の履歴書を受け取るなら、鍵のかかる引き出しや、スタッフが自由に開けない場所を先に決めておく必要があります。データで受けるなら、オーナー個人のスマートフォンやメールに残すのではなく、店として決めた1か所に置く必要があります。
3つ目は、店舗がいくつあるかです。複数の店舗を持つサロンで、応募者が見学した店舗と、面接をする店舗、採用を判断する本部が分かれているなら、紙の履歴書を店舗間で運ぶことになります。郵送や、スタッフが持ち運ぶ途中で紛失する心配を考えると、データで受けて同じ場所から全員が読める形のほうが安全です。
この3つの問いで、読む人が1人、保管場所が決まっている、店舗が1つ、となる店なら、紙で受けて問題ありません。どれか1つでも当てはまらないなら、データで受ける形を基本にし、紙で持ってきた人の分は店の側で読み取ってデータに置き換える、と決めておくと、書類が散らばりません。
履歴書を受け取る時期は、見学のあとに寄せる
受け取り方と同じくらい大切なのが、受け取る時期です。美容室の採用では、履歴書を受け取る時期の候補が、応募の時点、見学の当日、見学のあとの面接の前、と3つあります。
応募の時点で履歴書を求める店は多くあります。届いた時点で経歴が分かり、見学に進んでもらうかを判断しやすいからです。ただ、この形には2つの弱点があります。1つは、応募のハードルが上がることです。履歴書のファイルを用意していない在職中の美容師は、そこで応募をやめます。もう1つは、見学に進まなかった人の履歴書まで、店の手元に残ることです。応募が多い時期には、会ってもいない人の履歴書が何十通も残り、その扱いを考える手間が増えます。
見学の当日に持ってきてもらう形は、学生にはなじみのある形です。ただ、見学は応募者が店を選ぶための場でもあり、見学してみて合わないと感じた応募者も、持ってきた履歴書を置いて帰ることになります。
美容室の採用で扱いやすいのは、応募の時点ではフォームで必要な項目だけを答えてもらい、見学を終えて面接や実技に進むことが決まった人にだけ、履歴書を出してもらう形です。応募の時点で、免許の状態、経験の長さ、希望する職種といった項目が分かっていれば、見学に進んでもらうかの判断には足ります。履歴書が必要になるのは、採用を具体的に考える段階からです。この形にすると、店の手元に残る書類は、面接に進んだ人の分だけになります。
見学の当日に履歴書を持ってくる学生には、「本日は履歴書をお預かりせず、面接に進んでいただく場合に改めてお願いします」と伝えれば、学校の指導と食い違うことはありません。学校から見学の時点で履歴書を出すよう指導されている場合は、学校の流れに合わせて受け取ります。
美容師免許証の写しは、応募の段階では受け取らない
美容室の採用で、履歴書と一緒に受け取りたくなる書類が、美容師免許証の写しです。免許が本当に登録されているかを確かめたい、という気持ちから、応募の時点で写しの提出を求める店があります。しかし、応募の段階で免許証の写しを受け取るのは避けてください。理由は、免許証に記載されている事項にあります。
美容師の免許は、美容師名簿に登録されることで与えられます。理容師美容師試験研修センターの説明では、美容師名簿に登録される事項として本籍地の都道府県名、氏名、生年月日、性別が挙げられていて、本籍の都道府県が変わったときには、変更後の都道府県名が記載された免許証が交付されるとされています。つまり、免許証の写しを受け取ると、応募者の本籍地の都道府県名も一緒に受け取ることになります。
本籍は、採用の場で集めないよう求められている情報です。職業安定法に基づく指針には、労働者を募集する者が集めてはならない個人情報として、次のように書かれています。
イ 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項 出典: mhlw.go.jp
同じ指針には、特別な職業上の必要性があり、収集の目的を示して本人から集める場合などの例外も書かれています。ただ、応募を受けた段階で免許が登録されているかを知るために本籍の情報まで受け取る必要があるとは言いにくく、少なくとも応募の段階で集める理由にはなりません。厚生労働省の公正な採用選考の案内でも、本籍が記載された住民票の写しを提出させることは、就職差別につながるおそれのある事項の例として挙げられています。
では、免許が登録されているかは、どう確かめればよいのでしょうか。美容室の採用で扱いやすいのは、次の2段に分ける形です。
・面接の段階:免許証の原本を見せてもらい、免許が登録されていることだけを確かめる。写しは取らない ・採用が決まったあと:店として必要な手続きのために、目的を伝えたうえで写しを受け取る
採用が決まったあとに免許証の情報が必要になるのは、美容所の届出があるからです。美容師法には、美容所の開設者の届出について次のように定められています。
美容所を開設しようとする者は、厚生労働省令の定めるところにより、美容所の位置、構造設備、第十二条の三第一項に規定する管理美容師その他の従業者の氏名その他必要な事項をあらかじめ都道府県知事に届け出なければならない。 2 美容所の開設者は、前項の規定による届出事項に変更を生じたとき、又はその美容所を廃止したときは、すみやかに都道府県知事に届け出なければならない。 出典: laws.e-gov.go.jp
従業者の氏名は届出の事項に含まれているため、美容師を新しく雇ったときには、店を管轄する保健所などへの届出が必要になります。届出にどの書類を添えるか、免許証の写しの本籍の部分をどう扱えばよいかは、自治体によって案内が違うことがあります。受け取る前に、管轄の保健所に確かめてください。いずれにしても、写しを受け取るのは採用が決まってからで足ります。
免許の登録を待っている新卒の場合は、面接の段階では原本がまだありません。この場合は、合格したことと、登録を申請したかどうかを本人に聞いておき、免許証が届いたら見せてもらう段取りを入社前に決めておきます。
作品写真は、受け取る前に「誰が写っているか」を考える
美容室の採用で、履歴書と並んで見たくなるのが、作品写真やスタイル写真です。中途のスタイリストの技術や、得意なスタイルを知るには、写真を見るのが一番早いのは確かです。ただ、作品写真は、他の業種の書類には無い問題を抱えています。写っているのが、応募者本人ではない人だということです。
作品写真に写っているのは、応募者が施術した客や、撮影に協力したモデルです。写真を応募書類として店に送ってもらうと、その人たちの顔が、本人の知らないところで別の店の手元に残ります。応募者が撮影のときにモデルから使い方の了承を得ていても、その了承が「別のサロンの採用のために送ること」まで含んでいるとは限りません。
作品写真の扱いは、次のように決めておくと、店が余計な責任を負わずに済みます。
・応募の時点では、写真のファイルを受け取らない。見たい場合はSNSやポートフォリオのURLを任意で教えてもらう ・面接のときに、応募者の端末で作品を見せてもらう ・どうしても店で保管する必要がある場合は、枚数を絞り、写っている人の了承が取れている写真だけにしてもらう
応募者がSNSで作品を公開している場合、公開されている作品を店が見ることは、多くの場合問題になりません。ただ、公開されている写真を店が保存して、採用の書類として残すのは別の話です。見て判断するところまでにとどめ、保存はしないと決めておきます。
業務委託の美容師の応募では、作品写真の比重がさらに高くなります。履歴書より作品で判断する店も多く、応募の時点で写真をまとめて送ってくる応募者もいます。届いてしまった写真は、選考が終わったら削除し、応募者にもその扱いを伝えておくと、あとで迷いません。
中途の美容師の履歴書は、店の名前ではなく役割の変化を読む
履歴書を受け取ったあと、中途の美容師の経歴をどう読むかも、美容室ならではの難しさがあります。美容師の職歴欄には、サロンの名前が並ぶだけのことが多く、それぞれの店で何をしていたのかが分かりません。
読むときに見るのは、店の名前より、それぞれの店での役割の変化です。アシスタントとして入った店で何年目にスタイリストになったか、次の店ではスタイリストとして入ったのか、再びアシスタントから始めたのか、店長や教育担当を任されていたか。役割の変化が分かれば、その人がどの段階の技術を持ち、どういう店で力を発揮してきたのかが想像できます。
履歴書の職歴欄に役割が書かれていない場合は、面接で聞けば足ります。応募の段階で役割を細かく書かせる必要はありません。応募フォームで技術の到達度や経験の長さを選んでもらっていれば、履歴書の職歴欄は、面接で話を聞くときの手がかりとして使えます。
美容師の経歴で、他の業種より多く見られるのが、短い期間で店を移っている経歴や、雇用と業務委託を行き来している経歴です。アシスタントの時期に店の教育の方針が合わずに移る人、スタイリストになってから業務委託で複数の店に入る人、一時期ひとりでサロンを開いていた人。こうした経歴は、美容師の働き方としては珍しくありません。短い在籍を理由に読み飛ばすのではなく、面接で移った理由と、そこで何を身につけたかを聞くほうが、その人の考え方が分かります。
離れていた期間がある人の履歴書では、空白の期間の理由を書いていないことがあります。理由は面接でも無理に聞く必要はありません。店として知りたいのは、戻るにあたってどの技術に不安があるか、どのくらいの勤務から始めたいかです。
求めていない書類が届いたときの扱い
履歴書を受け取る流れを整えても、店が求めていない書類が一緒に届くことがあります。美容室の採用でとくに気をつけたいのは、次の3つです。
1つ目は、前の店での売上や指名の実績を示す資料です。中途のスタイリストの中には、自分の力を伝えようとして、前の店の売上の一覧や、指名客の数をまとめた資料を添えてくる人がいます。数字だけなら大きな問題はありませんが、資料の中に客の名前や来店の記録が含まれていることがあります。これは応募者本人の情報ではなく、前の店が預かっている客の情報です。こうした資料が届いたら、中を詳しく見ずに応募者に返すか削除し、「前の店のお客様の情報が含まれる資料はお受け取りできません」と伝えます。
2つ目は、本籍が記載された住民票の写しや、戸籍の書類です。応募者が「本人確認に使ってください」と気を利かせて送ってくることがあります。前の節で触れたとおり、本籍は採用の場で集めないよう求められている情報なので、受け取ったまま保管しないでください。
3つ目は、健康診断書や、手荒れや皮膚の状態についての診断の書類です。薬剤を扱う仕事なので、応募者の側から先に伝えておきたいと考える人もいます。ただ、病歴は個人情報保護法で要配慮個人情報とされていて、取り扱いに特に配慮が要ります。応募の段階で必要な情報ではないため、受け取った場合は、本人に返すか削除し、働くうえで配慮してほしいことがあれば面接で相談してもらう形にします。
求めていない書類が届くのを減らすには、履歴書をお願いする連絡の中で、出してほしい書類と、出さなくてよい書類を書いておくのが一番の近道です。「ご提出いただくのは履歴書のみです。免許証の写しや住民票は、この段階では不要です」と一行添えるだけで、多くの応募者は迷わずに済みます。
データで受け取るときは、ファイルの形を先に伝える
データで履歴書を受け取る場合、ファイルの形を伝えておかないと、店の端末で開けないファイルが届きます。美容室の事務は、オーナーのスマートフォンや、受付に置いたタブレットで済ませていることが多く、パソコン向けのファイルが開けないことがあります。
伝えておくとよいのは、次の3点です。
・ファイルの形はPDFか、スマートフォンで撮った写真のどちらか ・写真の場合は、紙全体が写り、文字が読める明るさで撮ること ・ファイルは1つか2つにまとめること
パスワードを付けて圧縮したファイルを送ってくる応募者もいます。個人情報を守ろうとする気持ちからの行動ですが、スマートフォンでは開けないことが多く、パスワードを別のメールで送ってもらう手間も増えます。応募フォームのファイルの欄から直接アップロードしてもらう形にしておけば、応募者がパスワードを付ける必要も無くなり、店の側でも応募ごとに書類がそろいます。
履歴書の様式を、店が指定するかどうか
履歴書を受け取るときに、店が様式を指定するかどうかも決めておきます。
様式を指定しない場合、応募者は市販の履歴書や、求人媒体のWeb履歴書、学校の様式など、手元にあるものを使います。応募者の負担は小さくなりますが、様式によって書かれている項目が違い、比べにくくなります。市販の履歴書の中には、以前の様式の名残で、家族や通勤時間を書く欄があるものもあり、店が求めていない情報まで届くことがあります。
様式を指定する場合は、厚生労働省が公正な採用選考の観点から作成している履歴書の様式例を使うのが1つの方法です。店が独自の様式を作るなら、適性や能力に関係のない事項を含めないよう注意します。美容室の場合、独自の様式に「保有する技術」「担当していた客数の目安」のような欄を足したくなりますが、それは応募フォームで聞いておけば、履歴書に同じことを書かせる必要はありません。
学生については、学校の様式や学校の指導に合わせて受け取るのが基本です。店独自の様式を学生に求めると、学校の指導と食い違い、学生を迷わせることがあります。
業務委託を希望する美容師には、雇用と同じ履歴書を求めず、これまでの働き方を短くまとめた書類でよいと伝える方法もあります。どの店でどのくらいの期間、雇用か業務委託のどちらで働いてきたか、主に担当してきたメニューは何か。業務委託の契約を考えるうえで店が知りたいのはこの程度で、学歴や資格の欄を1つずつ埋めてもらう必要はありません。書類の形を応募者に合わせておくと、業務委託の美容師から見て「この店は業務委託の働き方を分かっている」と伝わり、応募そのものも集まりやすくなります。
受け取った履歴書を、誰が読み、どこに置くか
履歴書を受け取ったあとの扱いは、受け取る前に決めておきます。美容室で起きやすいのは、次のような場面です。
・見学の日に預かった履歴書が、受付の引き出しに入れたまま、誰が預かったのか分からなくなる ・オーナーが履歴書をスマートフォンで撮り、スタッフのグループチャットに送って意見を聞く ・複数の店舗で回覧するために、履歴書を別の店舗のスタッフに持ち帰ってもらう ・郵送で届いた履歴書を、他の郵便物と一緒に受付に置いたままにする
グループチャットに履歴書の写真を送る運用は、手軽なぶん、とくに気をつけたい場面です。送った写真は、グループにいる全員の端末に残り、辞めたスタッフの端末にも残り続けます。スタッフの意見を聞きたい場合は、履歴書そのものを送るのではなく、店として決めた1か所に置いた書類を、見る必要のあるスタッフだけが見られる形にします。
紙で受け取った履歴書は、受け取った人がその日のうちに決めた場所に入れ、応募の一覧に「履歴書受領」と記録します。郵送で届くことが分かっている場合は、受付のスタッフに「採用の封筒は開けずにオーナーの引き出しへ」と伝えておきます。
データで受け取った履歴書は、オーナーのメールの受信箱に残したままにしないで、応募ごとに一覧の中に紐づけて置きます。応募者の名前でファイルを探す手間が無くなり、選考が終わったあとに、その応募者の書類をまとめて扱えるようになります。
選考が終わったあとの書類の扱い、とくに採用しなかった人の履歴書を返すのか、いつ破棄するのかは、受け取る前の段階で方針を決め、応募者にも伝えておくのが理想です。方針が無いまま受け取ると、書類はいつまでも手元に残ります。
紙とデータが混ざる店の、置き換えの手順
どれだけ方針を決めても、紙とデータの両方が届く店は残ります。学生は紙で持ってきて、中途の美容師はデータで送ってくる。この状態で書類を散らばらせないためには、店の側で置き換えの手順を決めておきます。
紙で受け取った履歴書をデータに置き換える場合は、店のスキャナーや、店の端末のスキャン機能を使います。スタッフ個人のスマートフォンで撮ると、写真がそのスタッフの端末に残るからです。置き換えたデータを応募の一覧に紐づけたら、紙の原本をどうするかを決めます。原本を返すと応募者に伝えている場合は返し、そうでなければ、選考が終わるまで決めた場所に保管します。
データで受け取った履歴書を紙に印刷して回覧する運用は、印刷した紙が増えるだけなので、避けたほうがよい形です。面接の場で紙が必要なら、面接の直前に1部だけ印刷し、面接が終わったら決めた場所に戻すか、その場で細断します。
いまの受け取り方で足りるかの見極め
履歴書の受け取り方を決めたら、いまの道具で回るかどうかを確かめます。美容室の場合、次の問いが目安になります。
・応募が月に数件で、読むのがオーナーひとり、店舗が1つなら、紙で受けて鍵のかかる引き出しに保管する形で足ります ・複数の人が読むなら、データで受けて、見る必要のある人だけが同じ場所から読める形になっているかが分かれ目です ・応募の時点ではフォームの項目だけ、面接に進む人にだけ履歴書、と段階を分けるなら、応募ごとに書類を追加で受け取れるかを確かめてください ・作品写真や免許証の写しのように扱いに注意が要るファイルを受け取るなら、そのファイルを誰が開けるのかを決められるかを見ておきます
Googleフォームで応募を受け、ファイルのアップロードの設問で履歴書を集めている店もあります。回答者にGoogleアカウントでのログインが求められる点や、ファイルがフォームの持ち主のドライブに保存される点を理解したうえで使えば、件数が少ないうちは回ります。詳しくはGoogleフォームとの比較で、Microsoft 365でファイルを受け取る場合の違いはMicrosoft Formsとの比較で整理しています。
応募ごとに書類を紐づけ、面接に進んだ人にだけ追加で書類を出してもらう使い方は、採用の応募受付で流れを紹介しています。ファイルを誰が開けるかの分け方や、応募者にアカウントの登録を求めずに書類を受け取れるかといった範囲はできることとよくある質問で、画面は動くところを見るで確かめられます。費用は料金に載せています。
履歴書は受け取った瞬間から、店が預かる情報になります。受け取る時期を後ろに寄せ、置き場所を1つにし、送信されたあとの道具がそろっているかを、いま手元にある書類の数から確かめてみてください。
Q1. 美容室の応募で、履歴書は手書きを指定したほうがよいですか?
手書きを指定する理由は、多くの店では大きくありません。在職中の美容師は休みが少なく、手書きの指定があるだけで応募を見送る人が出ます。学生は学校の指導で手書きの履歴書を用意してくることが多いため、手書きもデータも受け付け、店の側で1か所にそろえて保管する形にするのが扱いやすいです。
Q2. 美容師免許を持っているかは、応募の時点でどう確かめればよいですか?
応募の時点では、フォームで免許の状態を選んでもらうだけで足ります。免許証には本籍地の都道府県名が記載されているため、応募の段階で写しを受け取るのは避けてください。面接で原本を見せてもらって登録を確かめ、写しは採用が決まったあとに、保健所への届出など目的を伝えたうえで受け取ります。
Q3. 作品写真を応募書類として送ってもらうのは問題ですか?
作品写真には、応募者が施術した客やモデルが写っていて、その人たちの顔が店の手元に残ることになります。応募の時点ではファイルを受け取らず、SNSやポートフォリオのURLを任意で教えてもらうか、面接で本人の端末から見せてもらう形が安全です。受け取った写真は、選考が終わったら削除してください。
Q4. 見学の日に学生が履歴書を持ってきたら、受け取るべきですか?
学校から見学の時点で履歴書を出すよう指導されている場合は、学校の流れに合わせて受け取ります。そうでなければ、面接に進むことが決まった段階で改めてお願いする形でも問題ありません。受け取った場合は、その日のうちに決めた場所に保管し、誰が預かったかを応募の一覧に記録しておきます。
