美容室が集めた応募者の情報の扱いは、採用が決まった瞬間に後回しにされがちです。新しいスタッフの入社の準備が始まると、採用しなかった人の履歴書は受付の引き出しに残り、SNSのDMのやり取りはそのまま、見学の予約を入れた台帳にも名前と電話番号が残ります。数か月たって引き出しを開けたとき、誰の書類をいつまで持っていてよいのか分からず、捨てるに捨てられない紙の束が出てきます。この記事では、美容室の採用で集めた応募者の情報を、選考が終わったあとにどう片付けるかを整理します。情報が残っている場所の洗い出し方、不採用の人の書類を返すか破棄するかの決め方、次の募集のために残したいときの同意、不採用の人が客として来店したときの扱いまでを扱い、次の募集の前に店としての決まりを1つ作れる状態を目指します。
美容室の応募者は、選考のあとも店の近くにいる
美容室の採用で、応募者の情報の扱いを他の業種より気にかけたほうがよい理由があります。採用しなかった応募者が、選考のあとも店の近くにい続けることです。
美容師が通える範囲で働く先を探す以上、応募者は同じ地域のサロンで働き続けます。講習会や、材料を仕入れているディーラーの勉強会、養成施設の卒業生のつながりで、店のスタッフと顔を合わせることもあります。不採用になった美容学生が、数年後にスタイリストとして再び応募してくることもありますし、応募者本人やその家族が、客として店に予約を入れることもあります。
こうした距離の近さがあるため、応募者の情報の扱いが雑だと、その話はすぐに広がります。「あの店に出した履歴書を、スタッフが見せ合っていたらしい」「落ちたのに、しばらくしてから店のお知らせのメッセージが届いた」。こうした話は、次の募集の応募の数にそのまま響きます。
もう1つの事情は、美容室の応募の情報が、1か所にまとまっていないことです。求人媒体、店のサイトのフォーム、SNSのDM、オーナー個人のLINE、見学のときに預かった紙の履歴書、予約の台帳。応募の入口が多いぶん、選考が終わったあとに片付けるべき場所も多くなります。1か所だけ片付けて終わりにすると、別の場所に情報が残り続けます。
決まりがあることと、決まっていないこと
片付けの方針を決める前に、法令や指針で決まっていることと、店が自分で決める必要があることを分けておきます。
職業安定法に基づく指針には、労働者を募集する者が、応募者の個人情報の管理のために講じるべき措置が挙げられています。その中に、次の項目があります。
ニ 収集目的に照らして保管する必要がなくなった個人情報を破棄又は削除するための措置 出典: mhlw.go.jp
個人情報保護法にも、利用する必要がなくなった個人データの消去についての定めがあります。個人情報保護委員会のガイドラインには、次のように書かれています。
個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならない。 出典: ppc.go.jp
つまり、採用のために集めた情報は、採用という目的を果たして必要がなくなったら、破棄や削除をする仕組みを持っておく、というのが出発点です。
一方で、採用しなかった人の応募書類を、何か月、何年保管しなければならないという期間は、公的機関の公開資料で一律に定めたものは確認できませんでした。反対に、「結果を連絡したらその日のうちに捨てなければならない」という決まりも見当たりません。いつ破棄するか、返すか破棄するかは、店が自分で決め、応募者に伝えておく事項です。判断に迷う場合は、個人情報保護委員会の相談窓口や、所管の労働局に確かめてください。
小さな美容室でも、この考え方は変わりません。オーナーひとりで営んでいる店であっても、応募者の履歴書を預かっている以上、預かった情報をどう扱うかの責任は店にあります。
情報が残っている場所を、入口ごとに洗い出す
片付けの最初の作業は、応募者の情報がどこに残っているかを洗い出すことです。美容室の場合、1人の応募者の情報が、次のような場所に分かれて残っていることがよくあります。
・求人媒体の管理画面に残った応募の情報とメッセージ ・店のサイトの応募フォームの回答と、自動返信の送信記録 ・店のメールの受信箱と送信済みの箱 ・店のSNSアカウントのDMのやり取り ・オーナーや店長の個人のLINEやSNSのやり取り ・見学の日に預かった紙の履歴書と、面接で書き込んだメモ ・見学や実技の枠を入れた予約の台帳の、名前と電話番号 ・実技の確認で撮った、ウィッグやモデルの仕上がりの写真や動画 ・スタッフのグループチャットに書き込まれた、応募者についての感想
この一覧を見ると、片付けが1回の作業で終わらない理由が分かります。場所ごとに、消せる人も、消し方も違うからです。
一覧は、応募が届く前に、店の入口に合わせて作っておくのが理想です。「うちの店では、応募の情報がこの5か所に残る」と分かっていれば、選考が終わったときに、その5か所を順に確かめるだけで片付けが終わります。入口が多すぎて一覧が長くなるなら、それ自体が、入口を減らすべきだという合図です。SNSのDMで届いた応募を応募フォームに誘導する、見学の予約を台帳に入れるときは名前だけにして電話番号は入れない、といった小さな変更で、残る場所は減らせます。
不採用が決まった人の書類は、返すか、破棄するか
紙の履歴書を預かった場合、不採用が決まったあとに、返すか破棄するかを決めます。どちらが正しいということはありません。店の手間と、応募者の受け取り方で選びます。
返す形は、応募者に「書類がどうなったか」が見えるのが利点です。美容学生は、手書きの履歴書を何枚も書いて就職活動をしていることがあり、戻ってくることで安心する人もいます。一方で、郵送で返すには封筒と切手が要り、住所を書く手間もかかります。返送の途中で届かなかったときの心配もあります。
破棄する形は、店の手間が小さく、郵送の心配もありません。ただし、破棄の仕方には気を配ります。美容室のゴミは、スタッフが営業の終わりにまとめて出すことが多く、履歴書をそのまま資源ごみに混ぜると、他の紙と一緒に読める状態で外に出ます。シュレッダーにかけるか、裁断の業者に出すなど、読めない状態にしてから捨てます。
どちらを選ぶ場合も、大切なのは、応募を受け付ける時点で伝えておくことです。応募フォームの説明文や、履歴書をお願いする連絡の中に、「選考の結果にかかわらず、ご提出いただいた書類は返却いたしません。不採用の場合は、結果のご連絡から◯週間以内に責任を持って破棄します」のように書いておけば、応募者は自分の書類がどうなるのかを知ったうえで出せます。あとから「返してほしい」と言われて困ることも減ります。
面接のときに店のスタッフが書き込んだメモも、書類と一緒に片付けます。メモには、応募者の受け答えについての感想や、評価の言葉が書かれていることがあり、履歴書より扱いに注意が要ります。応募者から自分の情報の開示を求められる場面を考えると、メモに書く言葉は、本人に見られても説明できる内容にしておくのが安全です。
データで残っている情報は、場所ごとに消し方を決める
紙より片付けが難しいのが、データで残っている情報です。消したつもりでも、別の場所に残っていることがあるからです。前の節で洗い出した場所ごとに、消し方を決めておきます。
応募フォームの回答や、店のメールに残った応募は、店として決めた時期が来たら、回答の一覧から削除し、添付のファイルも一緒に消します。メールの場合は、受信箱から消しても、ごみ箱に一定の期間残る設定になっていることがあるので、ごみ箱まで確かめます。
店のSNSアカウントのDMは、アカウントを複数のスタッフで管理している場合、誰がいつ消すかを決めておきます。やり取りの中に、応募者が送ってくれた作品の写真や、履歴書の画像が含まれていることがあるため、DMで届いた応募こそ、選考が終わったら忘れずに片付けます。
オーナーや店長の個人のLINEやSNSに残ったやり取りは、店の側からは見えない場所です。個人の端末に応募者の情報が残る運用そのものを避けるのが一番ですが、残ってしまった場合は、本人に消してもらうしかありません。採用が終わるたびに「応募者とのやり取りが個人の端末に残っていたら消してください」とスタッフに声をかける習慣を持つと、残り続けることを防げます。
求人媒体の管理画面に残った情報は、店の側で消せる範囲が媒体によって違います。店の操作で応募を非表示にしたり、削除したりできる媒体もあれば、一定の期間が過ぎると自動で見られなくなる媒体もあります。どこまで店が消せるのかは、使っている媒体の案内で確かめてください。
予約の台帳に入れた見学や実技の枠は、見落としやすい場所です。台帳には、応募者の名前と電話番号が、客の予約と同じ形で残ります。予約システムによっては、名前で検索したときに過去の予約として表示されるため、選考が終わったら、採用の枠として入れた記録から電話番号を消しておきます。
実技の確認で撮った写真や動画も同じです。ウィッグの仕上がりだけでも、応募者の名前と一緒に保存していれば、応募者の情報の一部です。モデルに施術してもらった場合は、モデルの顔も写っています。判断のために撮ったものは、判断が終わったら消すと決めておきます。
いつ消すかを、店として1つの決まりにする
返すか破棄するか、消し方をどうするかが決まったら、いつ消すかを1つの決まりにします。応募者ごとにその場で決めていると、忙しい時期には必ず後回しになります。
美容室の場合、扱いやすいのは、「結果を連絡した日」を起点にする決まりです。たとえば、不採用の結果を連絡した日から一定の期間が過ぎたら、紙は破棄し、データは消す。期間を置く理由は、結果を連絡したあとに、応募者から問い合わせが来ることがあるからです。結果の連絡が届いていない、提出した書類について聞きたい、といった問い合わせに答えるには、少しの間は情報が手元にある必要があります。期間の長さは店が決めてかまいませんが、長くしすぎると「必要がなくなった情報を持ち続けている」状態に近づきます。
美容学生の応募では、学校との関係も起点に加わります。学校の就職担当を通した応募では、学校への結果の報告が済むまでは、書類を手元に置いておく必要があるかもしれません。学校の手順を確かめ、報告が済んだ日を起点にします。
決まりは、紙に書いて受付の見えないところに貼るのではなく、応募の一覧の中で扱えるようにしておくと守られやすくなります。応募ごとに「結果連絡日」を記録しておけば、月に1回、期間を過ぎた応募をまとめて片付けるだけで済みます。
途中で辞退した人と、連絡が途絶えた人も片付けの対象に入れる
片付けの対象として忘れられやすいのが、結果を連絡する前に選考から外れた応募者です。見学のあとに「他のサロンに決めました」と辞退の連絡をくれた人、候補日を送ったまま返事が途絶えた人、面接の当日に来なかった人。こうした応募は、店が結果を連絡していないため、「結果連絡日」を起点にした決まりから漏れます。
美容室の採用では、辞退や連絡の途絶えは珍しくありません。応募者は同じ時期に何軒も見学していて、先に決まった店に気持ちが向けば、他の店への連絡は後回しになります。そのたびに情報が手元に残り続けると、不採用の人より多くの情報が、行き先の決まらないまま溜まっていきます。
扱いやすいのは、「辞退の連絡を受けた日」や「最後に連絡した日」も、結果連絡日と同じ起点として記録しておくことです。辞退の連絡をもらったら、その日を記録してお礼を返し、店の決まりに沿って片付けます。返事が途絶えた応募は、最後に連絡した日から一定の期間が過ぎた時点で、連絡が取れなかったものとして閉じ、同じ決まりで片付けます。応募の一覧に「辞退」「連絡が取れず終了」のような状態を持たせておくと、月に1回の片付けのときに、不採用の応募と一緒にまとめて扱えます。
応募者から「自分の情報を消してほしい」と言われたとき
選考の途中や、結果を連絡したあとに、応募者から「提出した書類や情報を消してほしい」と頼まれることがあります。辞退した応募者が、他の店に決まったことをきっかけに連絡してくることもあります。
頼まれたときに大切なのは、洗い出しておいた場所を順に確かめ、どこから何を消したかを応募者に伝えることです。応募フォームの回答、店のメール、DM、紙の履歴書、予約の台帳、実技の写真。店の側で消せるものはすべて消し、「お預かりしていた履歴書は破棄し、応募フォームの回答とメールのやり取りも削除しました」と返します。
店の側で消せないものがある場合は、そのことも正直に伝えます。求人媒体を通して応募した場合、媒体の側に残っている情報は、店の操作では消せないことがあります。その場合は、媒体の問い合わせ窓口に連絡してもらう必要があることを案内します。
消してほしいと頼まれたことを、面倒な依頼として受け止める必要はありません。情報が残る場所を普段から把握していれば、依頼への対応は数分で終わります。反対に、どこに何が残っているか分からない店では、この依頼に答えることができず、応募者の不安を大きくしてしまいます。
次の募集のために残したいときは、結果の連絡で同意を聞く
採用しなかった応募者の中にも、次に枠が空いたら声をかけたい人はいます。今回はスタイリストの枠が埋まったが、半年後にもう1人採用する予定がある。今回はアシスタントの経験が足りなかったが、1年後なら合いそうだ。美容室では、こうした場面が少なくありません。
ただ、今回の採用のために集めた情報を、次の募集のために残しておくのは、集めたときの目的とは別の使い方です。職業安定法に基づく指針でも、個人情報の保管や使用は収集の目的の範囲に限られ、別の目的で保管するには、その目的を示して本人の同意を得ることが求められています。
同意を聞くのに向いているのは、応募フォームの段階ではなく、結果を連絡するときです。応募の時点で「今後の募集のご案内に使うことに同意します」というチェック欄を置くと、応募者は断ると不利になると感じて、同意せざるを得ません。結果の連絡の中で、「今回はご期待に沿えませんでしたが、半年後にスタイリストの募集を予定しています。その際にご連絡してもよろしければ、お知らせください。ご希望がなければ、お預かりした書類は◯月◯日までに破棄します」と聞けば、応募者は結果を知ったうえで、自分で選べます。
同意をもらった場合も、残すのは連絡に必要な最小限の情報にします。名前、連絡先、希望していた職種、次に声をかける時期の目安程度で足ります。履歴書や作品の写真まで残す必要はありません。残す期間も決め、その期間を過ぎたら、声をかけたかどうかにかかわらず消します。同意をもらった日と、残す期間は、応募の一覧に記録しておきます。
他のサロンに紹介したくなったとき
美容室のオーナー同士は、地域や講習会、ディーラーを通じてつながっていることが多く、「うちでは採れなかったが、あの店なら合いそうだ」と、応募者を知り合いのサロンに紹介したくなる場面があります。善意からの紹介でも、ここは慎重に扱う必要があります。
同じ会社が運営する別の店舗に応募者を回すことと、別の会社や別のオーナーが運営するサロンに応募者の情報を渡すことは、扱いが違います。後者は、個人情報保護法でいう第三者への提供に当たります。個人情報保護委員会のガイドラインでは、個人データを第三者に提供するときは、法令で定められた場合を除き、あらかじめ本人の同意を得ることが原則とされています。
知り合いのサロンに紹介したい場合は、応募者の情報を渡す前に、本人に聞きます。「知り合いのサロンで、〇〇さんの経験に合いそうな募集があります。先方にお名前と連絡先をお伝えしてもよろしいですか」と聞き、了承をもらってから伝えます。よりよいのは、店から先方に情報を渡すのではなく、応募者に先方の募集の案内を伝えて、応募するかどうかを本人に任せる形です。この形なら、店が応募者の情報を渡す必要がありません。
ディーラーや講習会の講師から紹介を受けた応募者の場合も、結果を紹介者に伝えることには注意が要ります。紹介者は結果を気にしていることが多いですが、応募者の選考の結果は応募者本人の情報です。紹介者には「ご紹介いただいた方とは、ご本人と直接やり取りしています」と伝えるにとどめ、結果を伝える場合は本人の了承を得てからにします。
不採用だった人が、客として来店したとき
美容室ならではの場面として、採用しなかった応募者が、あとから客として予約を入れてくることがあります。応募者の家族や友人が予約を入れることもあります。こうしたときに気をつけたいのは、応募のときの情報と、客としての情報を混ぜないことです。
予約の台帳に見学の枠を入れていた場合、応募者が客として予約すると、同じ名前で過去の記録が表示されることがあります。前の節で触れたとおり、選考が終わった時点で採用の枠の記録を片付けておけば、この心配は減ります。
スタッフにも、応募の話を客としての来店に持ち込まないよう伝えておきます。「前に面接に来てくれた人ですよね」と施術中に話しかけると、本人が他の客に知られたくないと思っている場合、気まずい思いをさせます。本人から話題に出さない限り、ふつうの客として迎えます。
反対に、客として来ていた人が応募してくることもあります。この場合も、客としての情報、たとえば来店の記録や、施術のカルテに書いた髪や頭皮の状態、会話の中で聞いた家庭の事情を、採用の判断に使わないようにします。カルテの情報は、施術のために預かった情報であり、採用のために集めたものではありません。
採用した人の応募の情報も、そのまま持ち越さない
片付けというと、採用しなかった人の情報を思い浮かべがちですが、採用した人の応募の情報にも整理が要ります。応募の段階で集めた情報と、雇ったあとに必要になる情報は、同じではないからです。
入社が決まると、雇用の契約や社会保険の手続き、美容所の従業者としての届出など、雇ったあとに必要な書類をあらためて受け取ります。このとき、応募のときの履歴書や面接のメモを、そのまま従業員の書類の束に綴じてしまう店があります。面接のメモには、選考のときの感想や評価が書かれていて、入社後の本人の働きぶりとは関係のない先入観を、先輩のスタッフに引き継ぐことになりかねません。
採用した人については、雇用の手続きに必要な情報をあらためて受け取り、応募のときの情報のうち、手続きに使わないものは、不採用の人と同じ決まりで片付けます。実技の確認で撮った写真や、選考中のやり取りのDMも同じです。応募の一覧から「採用」に移した応募者についても、片付けの日を記録しておくと、月に1回の片付けで一緒に扱えます。
スタッフが辞めるときに、確かめておくこと
応募者の情報の片付けで、見落とされやすい場面がもう1つあります。応募者を担当していたスタッフが店を辞めるときです。
店長や受付のスタッフが採用の窓口を担っていた場合、そのスタッフの個人の端末や、そのスタッフが使っていた店のアカウントに、応募者とのやり取りが残っていることがあります。辞めるときに確かめておきたいのは、次の3つです。
・店のSNSアカウントや、応募の一覧を見られる権限を外したか ・個人の端末に、応募者とのやり取りや履歴書の画像が残っていないか ・担当していた応募で、まだ結果を連絡していないものや、次の募集で声をかける約束をしているものが無いか
3つ目は、応募者との約束が引き継がれずに消えることを防ぐための確認です。次の募集で声をかけると伝えていた応募者に、担当が辞めたことで誰も連絡しなかった、ということが起きると、店への印象は大きく下がります。約束の中身が応募の一覧に記録されていれば、引き継ぎはその一覧を見るだけで済みます。
いまの受け方で、片付けまで回せるかの見極め
応募者の情報の片付けは、選考が終わったあとの作業に見えますが、実際には、応募をどこでどう受けるかでほとんど決まります。いまの受け方で片付けまで回せるかは、次の問いで見極められます。
・応募が月に数件で、入口が応募フォームとメールの2つだけなら、表計算ソフトで結果連絡日を記録し、月に1回片付ける形で十分回ります ・求人媒体、SNSのDM、紙の履歴書と入口が多いなら、情報が残る場所を減らせるか、少なくとも応募ごとに1つの一覧にまとめられるかが分かれ目です ・次の募集のために同意をもらって残す応募者がいるなら、同意の日と残す期間を応募ごとに記録できるかを確かめてください ・選考が終わった応募を、添付のファイルごと、まとめて消せるかも見ておきます
Googleフォームで応募を受けている店では、回答はフォームとスプレッドシートの両方に、ファイルはフォームの持ち主のドライブに残ります。片付けのときは、この3か所を確かめる必要があります。どこまでそのままでよく、どこから手作業が増えるのかはGoogleフォームとの比較で、店のサイトにContact Form 7を入れて受けている場合の違いはContact Form 7との比較で整理しています。
応募ごとに担当者と結果連絡日を持たせ、選考が終わった応募を片付けるまでの流れは、採用の応募受付で紹介しています。ファイルを誰が見られるかの分け方や、応募の削除の扱いといった範囲はできることとよくある質問で、実際の画面は動くところを見るで確かめられます。費用は料金に載せています。
応募を受けることと、預かった情報を片付けることは、ひと続きの作業です。送信されたあとの道具がそろっているかどうかは、いま店の引き出しと端末に、選考の終わった応募者の情報がいくつ残っているかを数えてみると分かります。
Q1. 美容室で不採用にした人の履歴書は、何か月保管すればよいですか?
不採用の人の応募書類について、一律の保管期間を定めた公的な資料は確認できませんでした。採用のために集めた情報は、必要がなくなったら破棄や削除をする仕組みを持つことが出発点です。結果の連絡後の問い合わせに答えられる程度の期間を店で決め、応募の時点で応募者に伝えておくと、迷わずに片付けられます。
Q2. 不採用の人に、履歴書を返却しないといけませんか?
返却が必須という決まりは確認できませんでした。返すか、読めない状態にして破棄するかは店が選べます。大切なのは、応募を受け付ける時点で「返却しない」「結果の連絡から一定期間内に破棄する」などの扱いを伝えておくことです。破棄する場合は、シュレッダーにかけるなど、他の紙ごみに混ぜて読める状態で出さないようにしてください。
Q3. 採用しなかった美容師を、知り合いのサロンに紹介してもよいですか?
別のオーナーや別の会社が運営するサロンに応募者の情報を渡すことは、第三者への提供に当たり、原則として本人の同意が必要です。紹介したい場合は、先に本人に了承を取ってください。店から情報を渡すのではなく、先方の募集の案内を応募者に伝え、応募するかどうかを本人に任せる形にすると、情報を渡す必要がありません。
Q4. 不採用だった応募者が客として予約してきたら、どう対応すればよいですか?
ふつうの客として迎え、応募のときの話はスタッフから持ち出さないようにします。見学の枠を予約の台帳に入れていた場合は、過去の記録として名前や電話番号が表示されないよう、選考が終わった時点で片付けておくと安心です。反対に、客として預かったカルテの情報を、応募の判断に使わないことも大切です。
