美容室の面接の辞退を減らしたいとき、多くの店が最初に考えるのは、返事を早くすることや、前日に確認の連絡を入れることです。どちらも効果はありますが、それだけでは同じ理由の辞退が次の募集でも繰り返されます。見学に来た美容学生が「ほかのサロンに決めました」と連絡してきたとき、そのサロンのどこに決めた理由があったのか。面接の前日に辞退したスタイリストは、何を知って気持ちが変わったのか。この記事では、美容室の辞退の理由を聞き出す方法と、聞いた理由を求人の文面、見学、面接、条件のどこに戻して直すかを整理します。
美容室の辞退は、見学のあとに決まることが多い
美容室の採用には、見学という段階があります。とくに美容学生は、面接の前にサロン見学に来て、店の雰囲気、スタッフの様子、練習の環境を自分の目で確かめます。学生は同じ時期に何軒ものサロンを見学しているので、見学のあとで「この店で面接を受けるか」を比べて決めます。辞退の多くは、この比べる段階で起きます。
中途のスタイリストも同じように比べます。在職中の人は、今の店の条件と比べ、ほかに受けている店とも比べます。美容師の転職では、給与や歩合の率だけでなく、指名客をどう扱うか、休みが取れるか、教育に時間を取られるかといった点が比べられます。
つまり、美容室の辞退の理由は、応募者の心変わりというより、比べた結果です。比べた結果である以上、その比べ方の中に、店が直せる点が含まれています。辞退の理由を聞かないまま次の募集を始めると、同じ点で比べられて、同じように選ばれません。
辞退を段階で分けておくと、理由を聞いたあとの直し方も分けられます。
・応募のあと、見学の前に辞退する ・見学のあと、面接や技術チェックの前に辞退する ・面接や技術チェックのあと、内定の前に辞退する ・内定のあと、入社の前に辞退する
美容室で特徴的なのは、最後の段階が長いことです。美容学生の場合、内定から入社まで、卒業と国家試験と免許の登録を挟んで何か月も空きます。この長い期間の辞退は、面接の辞退とは別の手当てが要ります。
段階ごとに、応募者が何を材料に決めているかも違います。見学の前に辞退する人は、求人の文面と店のInstagramと、最初の返事の早さしか見ていません。見学のあとに辞退する人は、店の中で見たものと、案内してくれたスタッフの話で決めています。面接のあとに辞退する人は、条件の説明と、面接での聞かれ方で決めています。辞退の理由を聞くときは、どの段階での辞退かを必ず一緒に残しておくと、同じ番号の答えでも、どこで比べられて負けたのかが分かります。
辞退の連絡には、理由を1問だけ添えて返す
辞退の連絡を受けたとき、店がやりがちなのは、何も聞かずに「承知しました」と返すことか、逆に電話で引き止めようとすることです。前者では理由が分からず、後者では応募者が本当の理由を話さなくなります。
辞退を受け取ったら、お礼と了承を先に伝え、そのあとに理由を1問だけ、答えなくてもよい形で聞きます。
〇〇様
ご連絡ありがとうございます。辞退の件、承知いたしました。 今後の採用の参考にさせていただきたく、差し支えなければ、当てはまるものを1つだけ番号でお知らせいただけますか。お答えいただかなくても、まったく問題ありません。
1 ほかのサロンに決めた 2 練習の時間や進め方が合わなかった 3 スタイリストになるまでの期間が気になった 4 休みの数や曜日が合わなかった 5 給与や歩合の条件が合わなかった 6 雇用か業務委託かの形が合わなかった 7 通勤の距離や時間 8 見学や面接で感じた店の雰囲気 9 今の職場に残ることにした 10 そのほか
〇〇様のこれからのご活躍をお祈りしております。
美容室△△ □□
番号で答えられる形にしておくと、応募者は数秒で返せます。自由に書いてもらう形にすると、ほとんど返事が来ません。「ほかのサロンに決めた」を選んだ人には、それ以上は聞きません。どのサロンに決めたかを尋ねるのは、応募者に負担をかけるうえ、答えを知っても店が直せることは少ないからです。
選択肢は、美容室の辞退で実際に出やすい理由に絞っています。一般的な選択肢の一覧を使い回すと、「条件が合わなかった」のように広すぎる答えばかりが集まり、どこを直せばよいかが分かりません。練習、デビューまでの期間、休みの曜日、歩合と、美容室ならではの言葉で分けておくことで、答えがそのまま直す場所の手がかりになります。
学生の辞退の理由は、学校の就職担当から聞けることがある
美容学生は、店に直接理由を伝えるのをためらうことがあります。学生にとって、見学したサロンの人は業界の先輩で、将来どこかで顔を合わせるかもしれない相手だからです。
学校経由で見学に来た学生の場合、学校の就職担当の先生が、学生から辞退の理由を聞いていることがあります。店から学校に、学生本人の評価を聞き出すような問い合わせをするのは避けるべきですが、「今後の見学の受け入れの参考に、学生さんから見て分かりにくかった点があれば教えてください」と、店の側の改善点として尋ねることはできます。
学校の先生は、同じ時期に多くのサロンの見学の話を学生から聞いています。個別の学生の話ではなく、「最近の学生は、練習の時間がどのくらいかを見学で知りたがっている」「教育の計画が紙で見られるサロンは安心されている」といった、全体の傾向を教えてもらえることもあります。この傾向は、1軒の店で集まる辞退の理由より、ずっと多くの学生の声に基づいています。
美容室で出やすい辞退の理由と、その裏にある不安
辞退の理由として選ばれた番号は、そのままでは直し方が分かりません。美容室で出やすい理由ごとに、応募者がどこで何を不安に思ったのかを考えておくと、直す場所が見えてきます。
練習の時間や進め方
アシスタントの応募者が最も気にするのが、練習です。美容室では、営業のあとや営業の前に練習の時間を取る店が多く、その時間の長さ、週に何回あるか、誰が教えるか、練習の時間をどう扱うかは店によって大きく違います。
この理由で辞退する人の多くは、練習がつらそうだから辞退するのではありません。練習がどうなっているのかが分からないまま、ほかのサロンがはっきり説明してくれたから、そちらを選んでいます。練習の時間の扱いを見学や面接で聞かれて、スタッフによって答えが違ったり、あいまいだったりすると、応募者は不安を強めます。
スタイリストになるまでの期間
アシスタントの応募者にとって、何年でスタイリストとしてデビューできるかは、将来の収入と直結します。「人によります」「頑張りしだいです」という答えは、応募者には説明がないのと同じに聞こえます。
店として、カット、カラー、パーマなど、どの技術の試験をどの順番で受け、それぞれに合格するとどんな仕事を任されるのかを示せると、応募者は期間の目安を自分で考えられます。期間を約束する必要はありません。道のりが見えることが大切です。
休みの数と曜日
美容室は土日や祝日が忙しい業種で、平日に休みを取る形が一般的です。この点は応募者も分かって応募していますが、それでも「月に何回、土日に休めるか」「連休は取れるか」「講習会や練習会が休みの日にあるか」は、店ごとの違いとして比べられます。
特に、定休日に講習や練習会が入る店では、実際に休める日が求人の休日数より少なく見えることがあります。応募者がこの点を見学で知ると、求人で見た内容と違うと感じ、辞退につながります。
給与と歩合の条件
アシスタントの期間の給与と、スタイリストになってからの歩合の仕組みは、中途の応募者ほど細かく比べます。歩合の率だけでなく、指名料の扱い、店販の歩合、材料費を差し引くかどうかといった計算の仕方によって、同じ率でも手元に残る額が変わるからです。
この理由の辞退は、条件そのものが他店に劣っている場合もありますが、計算の仕方が説明されず、応募者が不利な方に受け取っている場合もあります。
雇用か業務委託かの形
業務委託のスタイリストを募集している店に、雇用を希望する人が応募してくる、あるいはその逆は、美容室ではよくあります。求人の段階で形がはっきり書かれていても、応募者は「相談すれば変えられるかもしれない」と考えて応募し、面接で変えられないと分かって辞退します。
見学で感じた店の雰囲気
見学で応募者が見ているのは、店の内装より、スタッフ同士のやり取りです。先輩がアシスタントにどう声をかけているか、施術の合間にスタッフが笑っているか、見学者に誰が挨拶したか。こうした点で「自分がここで働く姿が想像できない」と感じた人が、この番号を選びます。
聞いた理由を、直す場所に振り分ける
理由が集まったら、それぞれを直す場所に振り分けます。美容室で直す場所は、次の4つです。
・求人の文面:応募する前に知っておいてほしかったことが書かれていない ・見学の見せ方:見学で見るべきものが見られていない、見せ方で誤解された ・面接での説明:説明がスタッフによって違う、あいまいだった ・条件そのもの:説明は十分でも、条件がほかの店と比べて選ばれていない
たとえば、「練習の時間や進め方」で辞退した人が、見学のあと面接の前に多いなら、見学で練習の様子を見せられていないか、見学の案内役の説明がばらついている可能性があります。面接のあとに多いなら、面接で練習の時間の扱いを説明したときに、応募者の予想と違った可能性があります。
「休みの数や曜日」で辞退した人が、応募のあと見学の前に多いなら、求人の文面の休日の書き方を見直します。「給与や歩合」で面接のあとに辞退する人が多い場合は、まず説明の仕方を見直し、それでも変わらなければ条件そのものを考える、という順番にします。
最後の「条件そのもの」は、店の経営に関わるので、すぐには変えられないことが多いでしょう。ただ、ほかの3つの場所を直しても同じ理由が残るなら、それは条件を見直す材料になります。辞退の理由を集めることは、オーナーが条件を考えるときの根拠を持つことでもあります。
条件は、面接の前に文字で渡す
練習の時間、デビューまでの道のり、休み、給与と歩合。美容室の辞退の理由の多くは、応募者が面接より前に知りたかったことです。職業安定法に基づく指針には、求人する側が業務の内容などを示すときの配慮として、次のように書かれています。
ロ 求職者等が従事すべき業務の内容に関しては、職場環境を含め、可能な限り具体的かつ詳細に明示すること。 出典: mhlw.go.jp
美容室でこれを実際の形にするなら、見学や面接の日程が決まったときに、次のような内容を1枚にまとめて送っておく方法があります。
・1日の流れ(開店前の準備、営業、閉店後の片付けと練習) ・練習の曜日と時間の目安、誰が教えるか ・技術の試験の順番と、合格すると任される仕事 ・休みの決め方、土日の休みの取り方、講習会がある日 ・アシスタントの給与の例と、スタイリストの歩合の計算の仕方 ・雇用か業務委託か、その形を変えられるかどうか
文字で渡しておくと、応募者は家に帰ってから読み返し、ほかのサロンの条件と落ち着いて比べられます。その結果、合わないと分かった人が面接の前に辞退することもありますが、それは面接の時間を使ったあとの辞退より、店にとっても応募者にとっても負担が小さい辞退です。面接に来る人は、条件を分かったうえで来る人になります。
1枚にまとめる作業は、スタッフによって説明がばらつく問題も解きます。見学の案内役も面接をする人も、同じ紙を見て話せるからです。
見学で見せるものを変える
見学のあとの辞退が多い店は、見学で何を見せているかを見直します。美容室の見学は、店の中を一回りして、オーナーと少し話して終わる形になりがちです。これでは、応募者が最も知りたい練習の様子や、アシスタントの働き方が見えません。
見学で見せるものを、辞退の理由に合わせて変えていきます。
・練習の理由が多いなら、見学の時間を練習の時間に合わせ、実際の練習を少し見てもらう ・デビューまでの期間の理由が多いなら、技術の試験の順番を書いた紙を見せ、最近デビューしたスタイリストに話してもらう ・店の雰囲気の理由が多いなら、年の近いアシスタントと応募者だけで話す時間を数分作る
年の近いアシスタントと話す時間は、学生の見学で特に効果が大きいとよく言われます。オーナーや店長の前では聞けない「実際の練習はどのくらい大変か」「休みは本当に取れているか」を聞けるからです。話す内容をスタッフに指示しすぎると、応募者は作られた話だと感じるので、条件の話だけは条件を話す人に回すという決まりだけ伝えておきます。
内定から入社までの辞退を減らす
美容学生の内定から入社までは長く、そのあいだに学生の気持ちが揺れることがあります。国家試験の勉強が大詰めになる時期に、店から何の連絡もないと、学生は自分が本当に待たれているのか不安になります。同級生から別のサロンの話を聞いて、比べ直すこともあります。
この期間は、連絡の間隔を決めておきます。月に1回ほど、店の近況や、入社までに準備しておくとよいことを短く送ります。国家試験の前には応援の一言を、合格の発表のあとにはお祝いの一言を送ります。連絡の目的は、店の存在を思い出してもらうことで、課題を出したり、店に来るよう求めたりすることではありません。入社前の練習会などを案内する場合も、参加は本人の都合に任せる形にします。
中途の美容師の場合は、内定から入社までのあいだに、今の店を辞める話し合いがあります。今の店のオーナーから引き止められたり、指名客をどうするかで悩んだりして、辞退につながることがあります。内定を伝えるときに、入社の日をいつにするか、今の店での引き継ぎにどれくらいかかりそうかを応募者と話しておき、その期間を店として待つ姿勢を伝えておくと、応募者は焦らずに退職の話を進められます。
業務委託の応募者は、辞退の理由の出方が違う
業務委託のスタイリストを募集している美容室では、雇用の応募とは辞退の理由の出方が違います。業務委託で応募してくる人は、すでに自分の指名客を持ち、ほかの店やシェアサロンと条件を細かく比べています。見学で店の雰囲気を見るより先に、数字で比べて辞退することが多くなります。
業務委託の応募者が比べるのは、取り分の率だけではありません。材料費や店販の扱い、予約の取り方、使える席と時間、店の集客の力、ほかのスタイリストとの関係です。取り分の率が同じでも、材料費を差し引く店と差し引かない店では手元に残る額が違い、予約の取り方の自由度によって、自分の指名客をどれだけ受けられるかが変わります。
業務委託の辞退を受け取ったら、上の選択肢とは別に、次のような選択肢で聞くと、直す場所がはっきりします。
・取り分の率 ・材料費や店販の扱い ・予約の取り方や、使える時間 ・店の場所と、自分のお客様の通いやすさ ・ほかの店やシェアサロンに決めた
業務委託は、雇用の条件より店ごとの違いが大きく、応募者も比べ慣れています。条件の説明を面接の場で口頭だけで済ませると、応募者は持ち帰って計算し直し、その結果で辞退します。取り分の計算の例を、材料費の扱いまで含めて文字で渡しておくと、面接のあとの辞退は減りやすくなります。
面接での聞き方で、辞退される
辞退の理由として選ばれにくいものの、実際には多いのが、面接での聞かれ方です。応募者は「面接の雰囲気が嫌だった」とは書きにくいので、「店の雰囲気」や「そのほか」を選びます。
美容室の面接で、応募者が引っかかりやすい聞き方があります。前の店を辞めた理由をしつこく掘り下げる、指名客をどれだけ連れてこられるかを最初に聞く、休みの希望を話したら「やる気がない」と受け取る、といった聞き方です。面接をするオーナーにとっては店を守るための確認でも、応募者には、入社したあとの扱われ方を想像させる材料になります。
指名客の数は、中途のスタイリストの採用で知りたくなる点です。ただ、前の店の客を連れてくることを当然のように前提にすると、応募者は前の店との関係で困る立場に置かれます。聞くなら、「今お持ちのお客様について、移られる場合にどうお考えか」と、応募者の考えを尋ねる形にします。
家族のことや結婚の予定を聞くのは、辞退の原因になる以前に避けるべき質問です。美容室は土日の勤務があるので、家庭の事情を確かめたくなる場面がありますが、聞くのは「土日に月何回出られるか」といった働き方そのものに絞ります。
面接での聞き方による辞退を減らすには、面接をする人が複数いる店では、聞くことと聞かないことを1枚にしてそろえておきます。オーナーひとりが面接をする店でも、辞退の理由に「そのほか」や「店の雰囲気」が面接のあとに続くようなら、面接の進め方を一度見直すきっかけにします。
連絡なしで来なかった人には、1回だけ連絡する
見学や面接に、連絡なしで来ない人もいます。美容室では、予約の枠を空けて見学や面接の時間を取っているので、来なかったときの損は小さくありません。それでも、来なかった人に何度も連絡したり、責める文面を送ったりするのは避けます。
来なかった日のうちか翌日に、1回だけ短い連絡を送ります。
「本日〇時にお約束していた見学の件で、ご連絡しました。ご都合が悪くなった場合は、改めて日程をご相談できますので、ご希望があればご返信ください」
返事がなければ、そこで終えます。返事があって、日程を間違えていた、体調を崩していたという事情が分かれば、もう一度日程を組みます。返事の中で、辞退を伝えてくる人もいます。その場合は、ほかの辞退と同じように、理由を1問だけ聞きます。
連絡なしで来なかった人の記録も、辞退の段階と一緒に残しておきます。同じ入口から来た人に、来ない人が続いていないかを見ると、求人の文面や、日程の決め方の問題が見えることがあります。
辞退した人に、次の募集で声をかけるか
辞退した人の中には、次の募集で改めて声をかけたい人もいます。「ほかのサロンに決めた」学生が、数年後にスタイリストとして転職を考えることもありますし、「今の職場に残ることにした」スタイリストが、1年後に状況が変わっていることもあります。
声をかけるには、辞退の連絡への返事の中で、今後の募集の案内をしてよいかを尋ね、返事があった人だけを記録に残します。応募の時点で受け取った情報を、次の募集の案内に使うことになるからです。理由を1問聞く文面と一緒に尋ねると、応募者に何度も連絡しなくて済みます。
辞退を減らそうとして、やらないこと
辞退を減らしたい気持ちが強くなると、逆に応募者を遠ざける行動をとりがちです。美容室で次のようなことは避けます。
・辞退の連絡に対して、何度も電話をかけて引き止める ・内定の返事を、その場や翌日までと急がせる ・見学や面接で、ほかのサロンや前の店を悪く言う ・面接で条件を良く言っておき、入社してから本当の条件を話す ・辞退した人の話を、スタッフのあいだでうわさ話にする
最後の点は見落とされがちです。美容師の世界は狭く、辞退した学生の話がスタッフの会話を通じて、同じ学校の後輩の耳に入ることがあります。辞退の理由は、直す場所を決めるために集めるもので、応募者を評価するためのものではありません。
理由を数えるとき、件数の少なさに気をつける
1つの美容室で1年に集まる辞退の理由は、多くても数十件、小さな店なら数件です。この件数で「練習の理由が1番多いから、練習を変えよう」と決めるのは早すぎることがあります。1件か2件の違いは、たまたまその年の応募者の事情で変わるからです。
件数が少ないうちは、次のように見ます。
・同じ理由が、違う段階で繰り返し出ていないか ・同じ理由が、2回の募集で続けて出ていないか ・学校の先生から聞いた傾向と、店の辞退の理由が重なっていないか
2回の募集で同じ理由が出ていれば、直す価値があります。直したあとは、次の募集でその理由が減ったかを見ます。減っていれば直し方が合っていて、変わらなければ直す場所が違っていた可能性があります。
理由の記録は、応募ごとの記録の中に、辞退した段階と番号を残す形にします。応募の一覧と別の紙に書くと、どの段階での辞退かが分からなくなります。
いまの受け方で足りるかを見極める
辞退の理由を聞くことも、記録することも、紙と表計算ソフトでできます。分かれ目は、辞退の理由を、応募ごとに段階と一緒に残し、募集ごとに並べて見られるかどうかです。次の問いで見極められます。
・辞退が年に数件で、オーナーひとりが連絡を受けているなら、表に「辞退した段階」と「理由の番号」の列を足すだけで足ります ・見学の案内役、面接をする人、条件を話す人が別々なら、辞退の連絡を受けた人が誰であっても同じ場所に理由を残せるかが分かれ目です ・条件をまとめた1枚を面接の前に送りたいなら、日程が決まった応募者に、決まった内容をまとめて送れるかを確かめてください
Googleフォームで応募を受け、スプレッドシートで状況を管理している美容室は多くあります。辞退の理由を選択肢で持たせれば、応募が少ないうちはそれで足ります。どういう使い方ならそのままでよいのかは、Googleフォームとの比較で整理しています。WordPressの店のサイトで応募を受けている場合は、Contact Form 7との比較にまとめています。
届いた応募に担当と状況を持たせ、辞退の連絡まで同じ画面で回す流れは、採用の応募受付で紹介しています。応募ごとの状況の管理や、決まった文面の一括送信といった機能の範囲はできることに、実際の画面は動くところを見るにまとめています。費用は料金で、そのほかの疑問はよくある質問で確かめられます。辞退の理由が次の募集に活きるかどうかは、聞いた答えを残す場所に送信されたあとの道具がそろっているかで変わります。まずは、直近で辞退した応募者に、理由を1問だけ尋ねる返事を送れていたかを振り返ってみてください。
Q1. 美容室の見学のあとに辞退した学生に、理由を聞いても失礼になりませんか?
お礼と了承を先に伝え、答えなくてもよいと添えたうえで、番号で選べる形の質問を1つだけ送るなら、失礼に感じる人は多くありません。電話で何度も理由を聞いたり、引き止めたりすると負担になるので避けます。学生が店に直接言いにくい場合もあるため、学校経由の見学なら就職担当の先生に全体の傾向を尋ねる方法もあります。
Q2. 美容室の面接の辞退で、特に多い理由は何ですか?
店によって違いますが、練習の時間や進め方、スタイリストになるまでの期間、休みの曜日、給与や歩合の計算の仕方といった、美容室ならではの条件が比べられて辞退につながることがよくあります。自分の店でどれが多いかは、辞退の連絡に理由を1問添えて集めることで確かめられます。
Q3. 内定を出した美容学生の辞退を防ぐには、どうすればよいですか?
内定から入社まで期間が長いため、月に1回ほど短い連絡を送り、国家試験の前後には応援やお祝いの一言を伝えます。連絡の目的は店の存在を思い出してもらうことで、課題を出したり来店を求めたりはしません。入社前の練習会を案内する場合も、参加は本人の都合に任せる形にしておきます。
Q4. 給与や歩合の条件は、面接の前に伝えてもよいですか?
伝えておくほうが、面接のあとの辞退は減りやすくなります。アシスタントの給与の例やスタイリストの歩合の計算の仕方、休みの決め方を1枚にまとめ、見学や面接の日程が決まったときに送っておくと、応募者は落ち着いてほかの店と比べられます。条件を分かったうえで面接に来る人が増え、説明のばらつきも防げます。
