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NPOの問い合わせフォームで聞くこと|折り返す前に分かっていないと困ること

2026年9月11日 ・ Halict編集部

NPOの問い合わせフォームの項目をどう決めるかは、フォームを作る側の悩みに見えて、実際には返信を書く側の悩みです。設問が足りなければ折り返しの一通目が聞き返しで埋まり、設問が多すぎれば送信される前に画面を閉じられます。この記事では、NPOの窓口に実際に届く参加の申し込みと寄付の申し込みを分けたうえで、それぞれで折り返す前に分かっていないと困ることを設問に落とす手順を整理します。読み終えたときに、いま置いてあるフォームのどの欄を削り、どの欄を足すかが決められる状態を目指します。

NPOの窓口に届くものは大きく三つの山に分かれる

団体のウェブサイトに「お問い合わせ」と書かれた入口を一つだけ置いていると、そこには性質のまったく違うものが同じ列に並びます。列を眺めても順番が付けられないのは、優先度が分からないからではなく、そもそも別々の仕事が混ざっているからです。項目を決める前に、何が届いているのかを分けます。

一つ目の山は参加の申し込みです。ボランティアとして活動に加わりたい、イベントや説明会に出たい、体験の回に一度だけ来てみたい、学生としてインターンに入りたい、といった申し出です。この山に共通するのは、日程と人数が確定しないと何も決まらないことと、当日その人に連絡が付かないと現場が困ることです。

二つ目の山は寄付の申し込みです。一度だけ振り込みたい、毎月続けたい、物品を送りたい、故人の意向で寄せたい、勤務先の制度で寄せたい、といった申し出です。この山に共通するのは、金額よりも先に確定させなければならない項目がいくつもあることと、受領の証明をどこへ送るかが最後に必ず問題になることです。

三つ目の山は、参加でも寄付でもないものです。取材の依頼、視察や見学の希望、学校の授業で使う資料の請求、企業からの協働の提案、助成の案内、活動報告書の送付先の住所変更、そして相談です。相談は団体の活動分野によって中身が変わりますが、どの団体でも一定数届きます。

三つの山を一枚のフォームで受けること自体は問題ありません。むしろ入口を分けすぎると、送る側がどれを選べばよいか分からなくなり、結局いちばん目立つ入口に全部が集まります。分けるのではなく、一枚の中で最初に用件を選ばせて、選ばれた用件に応じて聞くことを変えるのが現実的です。

山ごとに「折り返す前に必要なもの」が違う

参加の申し込みに折り返すとき、返信を書く人が最初に確かめるのは日程です。希望された回に空きがあるか、その日に受け入れの担当が立てられるか、この二つが決まらないと本文が一行も書けません。逆に言えば、日程が書かれていない申し込みは、届いた瞬間に一往復の遅れが確定します。

寄付の申し込みに折り返すとき、最初に確かめるのは区分です。一度きりなのか、継続なのか、物品なのか、企業としてなのか。区分が違えば案内する手続きが変わり、渡す書類が変わり、その後の担当も変わります。金額は多くの場合、区分が決まったあとに本人が決めます。

三つ目の山に折り返すとき、最初に確かめるのは期限です。取材も、視察も、資料請求も、相手の側に締め切りがあります。締め切りが書かれていないと、こちらは急ぎかどうかを判断できず、結果として急ぎのものを後回しにします。

つまり設問設計の目的は、フォームをきれいにすることではなく、返信を書く人が本文を書き始めてから手を止める回数をゼロに近づけることです。手が止まるのは、書き始めてから「これが分からないと答えられない」と気づいた瞬間です。その瞬間に何が足りなかったのかを列挙したものが、そのまま項目の候補になります。

用件の選択肢は自分たちの言葉ではなく相手の言葉で書く

用件を選ばせる欄で失敗するのは、選択肢を団体の内部の呼び方で書いたときです。「事業部門への相談」「渉外」「総務」のような区分は、中の人には自明でも、外から来た人には意味が取れません。意味が取れない選択肢が並ぶと、送る側は無難な「その他」を選び、振り分けの手掛かりが消えます。

選択肢は、送る側が自分の用件を言うときの言葉に寄せます。「活動に参加したい」「イベントに申し込みたい」「寄付をしたい」「毎月の寄付を始めたい」「物を送りたい」「取材を申し込みたい」「見学したい」「その他」のように、動詞で書くと迷いが減ります。

選択肢の数は、多くても八つ程度に抑えます。それ以上になると読み飛ばされ、やはり「その他」が増えます。もし八つに収まらないなら、それは一つの窓口で受けるには活動の幅が広すぎるということなので、参加と寄付だけ別の入口を立てて、残りを問い合わせに寄せる形を検討します。

折り返す前に分かっていないと困ることを設問に落とす

用件の分類ができたら、次はどの山にも共通して必要なものを決めます。ここを一枚目の設問として固定し、そのあとに用件別の設問を続けると、全体の構造が安定します。

どの山でも必要になる欄

まず名前です。姓名を一つの欄で受けるか、姓と名で分けるかは、返信の宛名をどう組み立てるかで決めます。差し込みで「〇〇様」と書くなら分けなくても足りますが、名簿として使うなら分けたほうが後の並べ替えが楽になります。ふりがなは、電話で折り返す運用があるなら要ります。ないなら省いてかまいません。

次に連絡先です。ここは2つの手段を確保するのが基本になります。メールアドレスだけだと、打ち間違いや迷惑メール振り分けで連絡が付かなくなったときに、こちらから追う手段が残りません。電話番号を必須にすると送信をためらう人が出るので、参加の申し込みだけ必須にして、それ以外は任意にするといった切り分けをします。

そして用件の本文です。自由記述の欄は必ず残します。選択肢で分類しきれないものが必ず届くからです。ただし本文だけで受けると、必要な項目が書かれていない申し込みが増えます。自由記述は「補足」の位置に置き、確定させたい項目は個別の欄で聞きます。

最後に、返信先の希望です。日中に電話が取れない人は少なくありません。「メールで返信」「電話で連絡」「どちらでも」の三択を置くだけで、折り返しの一回目が空振りする回数が減ります。

団体の中の誰に渡すかを送信時点で決める

NPOの窓口が詰まる典型は、届いたものを誰が見るかが決まっていない状態です。共有のメールアドレスに全部が入り、開いた人がその場で判断し、判断が付かないものが未読のまま残ります。

これを設問側から支えるには、用件の選択肢と担当の割り当てを一対一で結んでおきます。「活動に参加したい」なら現場のコーディネーター、「寄付をしたい」なら事務局の会計担当、「取材を申し込みたい」なら広報、というように、選択肢を作った時点で受け手を決めます。決めておけば、届いた時点で誰の仕事かが確定し、開いた人が判断する必要がなくなります。

フォームの側で担当を持たせられない場合は、自動返信の控えに用件の種別を載せておき、内部の共有先を件名の頭に付けるだけでも効きます。件名で分けられれば、受信箱の振り分け規則で担当ごとのラベルを付けられます。送信されたあとの道具がそろっている形にできれば、この振り分けは受信箱の外側で完結します。

返信の期限を先に決めてから項目を決める

項目の多さは、返信の速さと引き換えです。どこまで聞くかを決めるには、どのくらいで返すかを先に決める必要があります。参加の申し込みは3日以内、寄付の申し込みは2日以内、その他は5日以内、といった目安を内部で決めます。

期限を決めると、聞くべき項目が自動的に絞られます。三日以内に返すと決めたなら、三日以内に答えられないことは聞いても意味がありません。逆に、三日以内に答えるために毎回聞き返している項目があるなら、それは最初から欄にすべきものです。

期限は外に出すかどうかも決めます。フォームの近くに「三営業日以内にお返事します」と書くと、送る側は待てるようになり、催促の再送が減ります。ただし書いた以上は守る必要があるので、人手が薄い時期がはっきりしている団体は、期間ではなく「順次お返事します」と書いて、代わりに自動返信で受付を確実に知らせる形にします。

参加の申し込みで聞くこと

参加の山は、当日の現場が回るかどうかに直結します。ここでの聞き漏らしは、返信の遅れではなく当日の混乱として跳ね返ります。

日程と回数

希望日は、候補を選ばせる形にします。自由記述で「いつでも大丈夫です」と書かれると、こちらから候補を出す手間が発生し、そこで一往復増えます。開催日が決まっている活動なら、開催日を選択肢として並べ、複数選択を許します。複数選べれば、第一希望が埋まっていたときに二通目を出さずに済みます。

回数も聞きます。一度だけ体験したいのか、続けて入りたいのかで、案内する内容がまったく変わります。継続を前提にしている人には登録の手続きを案内し、一度だけの人にはその日の持ち物だけを伝えます。ここを聞かずに全員へ同じ長い案内を送ると、一度だけのつもりだった人が読み切れずに離れます。

年齢と保護者の同意

活動の内容によっては、年齢の下限があります。刃物や機械を使う作業、高所での作業、車での移動を伴う活動、屋外での長時間の活動などは、受け入れの可否が年齢で変わります。年齢そのものを聞くか、「十八歳未満ですか」の可否だけを聞くかは、必要な粒度で決めます。

未成年の参加を受けるなら、保護者の同意をどう取るかを設問に組み込みます。フォームの中でチェックを一つ入れさせる形にするか、別紙を送ってもらう形にするかは団体の方針によります。どちらにしても、同意が取れているかどうかが受付の一覧で見える状態にしておかないと、当日になって確認に走ることになります。

当日に連絡が付く手段

参加の申し込みでは、当日つながる連絡手段を必ず確保します。集合場所が分からない、電車が止まった、体調を崩した、といった連絡は当日に来ます。メールしか持っていないと、現場の担当は返事を待ちながら人数を数えることになります。

当日の連絡先は、申し込みに使ったものと別でもかまいません。「当日つながる電話番号」という欄を別に置くと、家族の番号や職場の番号を書いてくれる人がいます。合わせて、こちらからの当日連絡先も自動返信に載せておきます。

配慮が要ることを書ける欄

参加の受付では、配慮が必要なことを書ける自由記述を一つ置きます。車椅子で来る、手話通訳が要る、階段が上れない、特定の食物が食べられない、長時間立てない、といった申し出です。

この欄を置かないと、当日になって初めて分かり、その場で対応できずに謝ることになります。置く場合は「差し支えなければ」と前置きして任意にし、書かれた内容をどう扱うかを利用目的として明示します。健康や障害に関わることは慎重な取り扱いが必要な情報にあたる場合があるため、集める範囲と保管の期間は所管の窓口や専門家に確かめてください。

寄付の申し込みで聞くこと

寄付の山は、金額の欄を作れば終わりに見えて、実際には確定させる項目がいちばん多い山です。ここを曖昧にすると、入金があってから連絡が付かない、宛名が分からない、といった詰まり方をします。

単発か継続かを最初に確定させる

一度きりの寄付と、毎月続ける寄付では、案内する手続きが違います。継続なら引き落としや決済の登録が要り、開始月と金額の変更のしかたを伝える必要があります。単発なら振込先を伝えれば足ります。

この区分を金額の欄より前に置きます。順番が逆だと、金額を書いた人が「毎月これを払うのか、一度だけなのか」を自分で読み替えることになり、行き違いが起きます。

物品の寄付を受けているなら、それも区分の一つとして並べます。物品は送られてから困ることが多いので、受け取れるものと受け取れないものをフォームの近くに書き、その場で分かるようにします。

名義と、公開してよいかどうか

寄付の名義は、申し込んだ本人と一致しないことがあります。法人名で出す、家族の名前で出す、故人の名前で出す、といった申し出は珍しくありません。名義の欄を本人の名前と分けて置くと、聞き返しが一つ減ります。

そして、名義を活動報告書やウェブサイトに載せてよいかを必ず聞きます。「掲載してよい」「掲載しないでほしい」「匿名として掲載してよい」の三択にすると、後から確認する手間がなくなります。この欄がないと、掲載のたびに一件ずつ連絡を取ることになります。

受領証の宛名と送付先

寄付の受付でいちばん揉めるのがここです。受領の証明をどの宛名で、どこへ送るかは、入金のあとでは確かめにくくなります。振込の名義だけでは、宛名が本人なのか法人なのかも分かりません。

宛名、郵便番号、住所、そして「証明書が必要かどうか」の四つを欄にします。不要な人にまで郵送すると、送料と手間が積み上がります。必要な人だけに送る形にすれば、発送の作業量が読めるようになります。なお、税の扱いや証明書の記載事項そのものについては団体の状況で変わるため、所管の窓口や専門家に確かめてください。

使途の指定

使途を指定できる仕組みを持っている団体は、その選択肢をフォームに置きます。置かないと自由記述に書かれ、会計側で拾い直す作業が発生します。選択肢にできない細かい希望は、自由記述で受けて個別に相談する運用にします。

指定を受け付けていない団体は、その旨を欄の近くに一行書きます。書いていないと、指定できるものと思って送られ、断りの返信を書くことになります。断りの返信は、書く側にとっても受ける側にとっても後味が悪いので、入口で防ぎます。

会員の入会と、企業からの提案

参加と寄付の中間にあるのが会員の入会です。正会員と賛助会員で権利が違う団体では、どちらを希望するかを最初に選ばせます。会費の額、納入の方法、年度の区切り、途中入会の扱いは、選ばれた区分によって案内が変わります。会員の受付を独立した入口として持つ考え方は、会員の入会申し込みにまとまっています。継続的に名簿を持つ受付では、初回の申し込みだけでなく、あとからの変更をどう受けるかまで含めて設計する必要があるという整理です。

企業からの提案は、届く数は多くないものの、返信に時間がかかります。協働の提案、社員のボランティア受け入れの打診、物品の提供、寄付付き商品の相談などです。ここは自由記述を広く取り、代わりに「会社名」「部署」「担当者名」「電話番号」を必須にします。組織として来ているものは、組織として返す必要があるためです。

助成金や公募の案内が届くこともあります。逆に、団体の側が公募を出して申請を受け付ける立場になることもあります。応募を期限付きで受ける形の受付は、参加や寄付とは締め切りの重みが違います。締め切り直前に送信が集中すること、書類の受け取りが伴うこと、期限を過ぎた申し込みへの返し方を先に決めておく必要があることの三つが、通常の問い合わせとの違いになります。締め切りのある受付を同じフォームで受けるなら、締め切りを過ぎた時点で受付を閉じる仕組みがあるかを先に確かめます。

取材と視察と資料請求で聞くこと

三つ目の山は件数こそ少ないものの、放置すると団体の信用に直結します。取材の依頼を返し忘れれば掲載の機会が消え、学校からの資料請求を返し忘れれば授業の日に間に合いません。この山に共通するのは、相手の側に締め切りがあることです。

取材の依頼では、媒体名、掲載や放送の予定、取材したい内容、希望日、そして原稿確認の可否を聞きます。希望日だけを聞いて締め切りを聞かないと、こちらが日程を調整している間に相手の締め切りが過ぎます。取材の内容も、活動全体の紹介なのか、特定の事業についてなのか、利用者や参加者への取材を含むのかで、準備の重さがまったく変わります。参加者への取材を含む場合は、こちらから本人に確認を取る時間が要るため、その時間を見込んで返す必要があります。

視察や見学の希望では、人数、所属、希望日、目的、そして写真や撮影の可否を聞きます。人数を先に聞いておかないと、受け入れられる規模かどうかが判断できません。目的も重要で、同種の活動を始めたい団体からの視察と、学生の授業の一環としての見学では、案内する内容も割く時間も変わります。撮影の可否は当日になって揉めやすいので、申し込みの段階で確定させます。

資料請求では、送付先の住所と、必要な部数と、いつまでに必要かを聞きます。学校からの請求は授業日が決まっているので、締め切りが厳密です。部数を聞かずに一部だけ送ると、届いてから追加の依頼が来て、送料が二重にかかります。デジタルの資料で足りるなら、その場でダウンロードできる形にしておくと、発送の作業そのものが消えます。

この山では、団体名と担当者名と部署を必須にします。個人として来ているのか組織として来ているのかで、返信の書き方も、その後の記録の残し方も変わるためです。

聞かない方がよいこと

項目を足すのは簡単なので、放っておくとフォームは伸び続けます。伸びを止めるために、聞かない基準も決めておきます。

一つ目は、返信を書くのに使わない項目です。年齢層、職業、性別、この団体を知ったきっかけ。これらは統計としては欲しくなりますが、返信の内容を変えないなら、それは受付の欄ではなくアンケートの欄です。どうしても取りたいなら、送信後の画面や自動返信からアンケートへ誘導する形に分けます。集計を目的にした受付の作り方は、問い合わせの受付で扱われている考え方が参考になります。届いたものを分類して数えることと、届いたものに返すことは別の仕事だという整理です。

二つ目は、後から聞いても間に合う項目です。参加が決まってから聞けば足りる持ち物の希望、寄付の手続きが始まってから聞けば足りる決済の詳細。これらを入口で聞くと、申し込みの段階で離脱を招きます。

三つ目は、こちらが持っている情報です。すでに会員になっている人に、住所と電話番号を毎回書かせる必要はありません。会員番号を書いてもらえば足ります。ただし番号を覚えている人は少ないので、番号と氏名のどちらでも照会できる形にします。

四つ目は、答えにくい項目です。収入、家族構成、病歴、支援を受けた経験。活動の性質上どうしても必要な場合を除き、入口では聞きません。聞く必要があるときは、なぜ必要かをその欄のすぐ下に書きます。

必須と任意の切り分けと、並べる順番

同じ項目でも、必須にするか任意にするかで送信率が変わります。切り分けの基準は単純で、それが無いと折り返せないなら必須、無くても折り返せるなら任意です。

参加の申し込みなら、名前、連絡手段、希望日が必須。当日の連絡先と配慮の希望は任意。寄付の申し込みなら、名前、連絡手段、区分が必須。名義、掲載の可否、受領証の要否は、必要な団体では必須にします。

並べる順番は、答えやすいものから並べます。用件の選択、名前、連絡先、ここまでを一画面目に置き、用件別の詳しい設問を二画面目以降に回します。最初の画面で入力を始めた人は、途中でやめにくくなります。逆に、一画面目に長い自由記述を置くと、そこで手が止まります。

自由記述は最後に置きます。「その他ご質問やご要望」のような欄を最後に一つ置けば、こちらが用意した選択肢に収まらなかったものを拾えます。この欄を最初に置くと、送る側は全部をそこに書こうとして、以降の設問が形骸化します。

入力の途中で止まらせない作りにする

項目が決まったら、入力の体験を確かめます。NPOの窓口に来る人の多くは、通勤の途中や休憩時間に、片手でスマートフォンから送ります。文字を打つ回数が多いほど送信率が下がります。

選択肢で答えられるものは選択肢にします。都道府県、参加の希望日、寄付の区分、返信の希望手段。これらを打たせずに選ばせるだけで、入力の時間は目に見えて短くなります。

回答者にアカウント登録を求めると、そこで申し込みをやめる人が出ます。特に寄付と参加は、思い立った瞬間に送られるものなので、登録の画面を挟むと熱が冷めます。ログインを必要としない形で受けられるかどうかは、道具を選ぶときの分かれ目になります。実際にどう動くのかを画面で確かめたいときは、動くところを見るから実物を触るのが早いです。設問を並べたあとの一覧や返信の画面まで通して見られるので、自分たちの受付に当てはめて判断できます。

送信後の画面も設計します。「送信しました」だけで終わると、送った側は本当に届いたか不安になり、数日後にもう一度送ります。二重の申し込みは、受ける側の手間を倍にします。送信後の画面には、受け付けたこと、いつごろ返事が来るか、届かないときの連絡先を書きます。

自動返信に何を書くか

自動返信は、項目設計の最後の仕上げです。ここに何を載せるかで、その後の問い合わせの数が変わります。

載せるものは四つです。受け付けた日時、送信された内容の控え、いつごろ返信するかの目安、届かない場合の連絡先。控えを載せると、送った側が自分の書いた内容を確認でき、書き間違いに気づいて自分から訂正を送ってくれます。

参加の申し込みなら、当日の持ち物や集合場所の基本情報も自動返信に入れておきます。個別の返信を待たずに準備を始められるので、返信が多少遅れても不安になりにくくなります。寄付の申し込みなら、振込先や次の手続きの流れを載せます。

一方で、確定していないことは書きません。「参加を承りました」と自動返信に書くと、定員を超えていた場合に取り消しの連絡をすることになります。自動返信はあくまで「受け付けた」であって「確定した」ではない、と読める書き方にします。

項目を決めたあとに残る仕事

設問を整えると、聞き返しは確かに減ります。ただし、それで受付が回るようになるかは別の話です。項目を整えても残る仕事が二つあります。

一つ目は、届いたものの状態を持たせることです。誰が担当するのか、返信したのかどうか、返信待ちなのか完了なのか。これが受信箱の中だけにあると、開いた人にしか分かりません。表計算に転記して管理する方法はよく取られますが、転記そのものが作業になり、転記漏れが起きます。

二つ目は、返し忘れに気づくことです。返信を書いたつもりで下書きのまま残っている、担当に回したつもりで回っていない、といったことは必ず起きます。人の記憶に頼らずに気づける形が要ります。

この二つを、どこまでフォームの側で引き受けられるかは道具によって差が出ます。フォーム作成ツールの多くは、送信された内容を集めて表にするところまでを担当します。表に集めたあとの担当の割り当てや状態の管理は、別の道具で補う形が一般的です。表計算で追う場合の限界と、その先で何を決めるかは、Googleフォームとの比較で具体的に整理されています。回答が増えたときに表のどこが先に破綻するのか、そのとき足すべき列は何かという話です。

自前のサイトに埋め込む形で受けている団体なら、プラグインで作ったフォームの送信内容がメールにしか残らないという問題に当たります。送信の記録がサイト側に残るかどうか、残る場合にどこまで検索できるかは、Contact Form 7との比較で扱われています。メールが届かないときに何を確かめるかまで含めて書かれているので、いまその構成で受けている団体は先に読んでおくと判断が速くなります。

道具を入れ替えるかどうかを決めるときは、費用の見通しを先に立てます。会費や寄付で運営している団体では、月々の固定費が増えることの意味が営利企業とは違います。何人で使うか、何件受けるかで金額がどう変わるかは、料金で確かめられます。人数が増えたときにどう伸びるかを見ておくと、後から慌てずに済みます。

項目の設計は、一度決めて終わりにはなりません。届いたものを読んでいると、聞いておけばよかったことと、聞かなくてよかったことが必ず見つかります。半年に一度、返信の一往復目に何を書いているかを振り返り、そこで毎回聞いていることを欄に昇格させ、誰も答えていない欄を削る。この入れ替えを続けることが、フォームを軽く保つ唯一の方法です。

なお、受付で集めた情報の扱いについては、法律上の基本的な考え方が示されています。

個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的をできる限り特定しなければならない。 出典: 個人情報保護委員会

利用目的を特定するという考え方は、項目を減らす作業と表裏です。何のために使うかを書けない項目は、そもそも聞く理由がない項目です。フォームの各欄について「これは何に使うか」を一行で書いてみると、削れる欄が見つかります。集めた情報をどこまで保管し、いつ消すかも合わせて決めておくと、後から棚卸しする手間が減ります。具体的な取り扱いの当否は、所管の窓口や専門家に確かめてください。

Q1. NPOの問い合わせフォームは参加用と寄付用で分けたほうがよいですか?

入口を分けすぎると、送る側がどれを選べばよいか分からず、目立つほうに全部が集まります。一枚のフォームの先頭で用件を選ばせ、選ばれた用件に応じて聞く項目を変える形が現実的です。ただし会員の入会や公募の受付など、締め切りや手続きがまったく違うものは、独立した入口にしたほうが受ける側も回しやすくなります。判断の基準は、返信を書く担当が別かどうかです。

Q2. 寄付のフォームで金額の欄より先に置くべき項目は何ですか?

一度きりか毎月続けるか、物品か、企業としてかという区分です。区分が決まらないと案内する手続きも渡す書類も決まらず、金額だけ書かれても折り返せません。区分を先頭に置いてから、名義、掲載してよいかどうか、受領の証明が必要かどうかと宛名、と続けます。金額は本人が区分を決めたあとに自然と決まるので、後ろで問題ありません。

Q3. 項目が多いと送信されなくなると聞きますが、どこまで削ればよいですか?

基準は「それが無いと折り返せるかどうか」です。無くても折り返せるものは任意にするか、返信の中で聞きます。返信を書くのに使わない項目、たとえば知ったきっかけや職業は、受付の欄ではなくアンケートの欄なので分けます。逆に、返信の一往復目で毎回聞き返している項目があるなら、それは最初から必須にすべき欄です。

Q4. 当日の連絡先を聞いても書いてもらえないことがあります。どうすればよいですか?

欄の名前を「電話番号」ではなく「当日つながる電話番号」に変え、すぐ下に何に使うかを一行で書きます。集合場所が分からないときや天候で中止になったときにこちらから連絡する、と書かれていれば書く理由が伝わります。参加の申し込みだけ必須にして、寄付や一般の問い合わせでは任意にする切り分けも有効です。申し込みに使った番号とは別に書けるようにしておくと、家族や職場の番号を書いてくれる人もいます。

Q5. 自動返信には何を書けば問い合わせが減りますか?

受け付けた日時、送信された内容の控え、いつごろ返信するかの目安、届かないときの連絡先の四つです。控えがあると送った側が書き間違いに自分で気づき、目安があると数日後の再送が減ります。参加の申し込みなら持ち物や集合場所も載せておきます。ただし定員を超える可能性があるので、参加が確定したとは読めない書き方にします。

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