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ネットショップの問い合わせを数える|問い合わせの中身を分けて数える

2026年9月10日 ・ Halict編集部

ネットショップの問い合わせを数え始めると、たいてい最初に出てくるのは月の総数です。先月は180件、今月は210件。増えている、減っている、それは分かります。ただ、その数字を見て次に何をするかというと、何も決まりません。

数えることに意味が出るのは、中身で分けたときです。届かないという連絡が増えているのか、サイズが違ったという相談が増えているのか、領収書の依頼が増えているのか。この三つは、原因も打ち手もまったく違います。総数のままでは、どれが増えたのかが見えません。

この記事では、注文後の問い合わせと返品の相談を受けている店を前提に、何をどう分けて数えるか、数えた結果を何に使うかを並べます。集計そのものが目的にならないよう、受付の手間を増やさずに数える方法にも触れます。

総数だけ数えても、次の手が決まらない理由

増減の理由が、数字に入っていない

問い合わせの総数は、注文が増えれば増えます。だから、総数が増えたことは、悪いことでも良いことでもありません。売れているだけかもしれないし、商品ページの説明が足りなくなったのかもしれない。

区別するには、注文の件数と並べる必要があります。注文が2倍になって問い合わせも2倍なら、状態は変わっていません。注文が変わらないのに問い合わせだけが増えているなら、どこかで詰まりが起きています。総数を単独で見ている限り、この判断はできません。

減ったことが、良い知らせとは限らない

もう一つ厄介なのが、減った場合です。問い合わせが減ったと聞くと、改善したように感じます。しかし、問い合わせの入り口が分かりにくくなっただけかもしれません。窓口を探して見つからなかった人は、問い合わせずに諦めるか、レビュー欄に書きます。

店の手元では、この二つが同じ「減った」に見えます。区別するには、問い合わせの数だけでなく、返品や返金の件数、レビューの内容も横に置く必要があります。数字は、単独では嘘をつきます。

打ち手は、中身の側にしかない

そもそも、総数に対する打ち手というものが存在しません。問い合わせを減らしたいと思っても、「全体を減らす」という作業は無いからです。

実際にできるのは、サイズの相談が多いから商品ページに実寸を足す、破損の相談が多いから梱包を変える、領収書の依頼が多いから発行の仕組みを変える、といった個別の作業です。どれをやるかを決めるために、中身で分けた数が要ります。

いま集計を増やさなくてよい場合

先に、やらなくてよい場合を置いておきます。集計は手間なので、必要が無ければ、その手間だけが残ります。

一日に届く問い合わせが数件なら、数えなくても中身を覚えています。全部を自分で読んで返しているなら、頭の中に分布があります。この段階で表を作ると、作った表を埋める作業だけが増えます。

商品が一種類か二種類しかない店も、急ぎません。問い合わせの中身が偏るので、何が多いかは見なくても分かります。数える価値が出るのは、商品が増えて、どの商品で何が起きているかが分からなくなってからです。

反対に、次の三つのどれかに当てはまるなら、数える価値が出ています。受付が二人以上いる。商品の種類が数十を超えている。季節やセールで問い合わせの量が大きく振れる。この三つは、どれも「感覚では分からなくなる」条件です。

ネットショップの受付で意味を持つ数

数える対象を絞ります。多いと続かないので、五つにとどめます。

注文に対する問い合わせの割合

一つ目は、注文の件数に対する問い合わせの件数です。総数ではなく割合で見ます。100件の注文に対して何件の問い合わせが来ているか。

この数字は、店の状態を最もよく表します。割合が上がっていれば、どこかで説明が足りていないか、届き方に問題が出ています。売れ行きに左右されないので、月をまたいで比べられます。

中身の分類ごとの件数

二つ目が、この記事の中心です。中身で分けた件数。分け方は後で詳しく書きますが、少なくとも「配送に関するもの」「商品の状態に関するもの」「書類と手続きに関するもの」「その他」の四つには分けます。

分類ごとの件数を月で並べると、増えているものが一目で分かります。総数が横ばいでも、中身が入れ替わっていることはよくあります。

一次返信までの時間

三つ目は、届いてから最初の返信を出すまでの時間です。返品の相談は待たされること自体が不満になるので、ここは中身の質より先に効きます。

平均だけでなく、いちばん遅かった件も見ます。平均が4時間でも、週に一件だけ三日かかっている件があるなら、その一件が評価を決めます。

解決までの往復回数

四つ目は、一件が終わるまでに何回やり取りしたかです。往復が多い分類は、最初の返信で聞くことが足りていません。

破損の相談で平均5往復かかっているなら、写真の依頼や返送の案内が後出しになっています。一次返信の型を直せば、そのまま減ります。

返品と交換に至った割合

五つ目は、相談のうち実際に返品や交換になった割合です。相談の件数だけを見ていると、話を聞いただけで終わったものと、商品が戻ってきたものが混ざります。

この割合が高い商品は、届いたあとの落差が大きい商品です。写真の見え方、サイズの表記、梱包。どこを直すかは、返品の理由を見れば分かります。

この五つ以外にも数えられるものはありますが、最初から増やさないでください。数える項目が多いほど、入力が増え、続かなくなります。五つで足りないと感じるようになってから足すほうが、結果として長く続きます。

中身をどう分けるか

分類は、細かくするほど正確になり、細かくするほど続かなくなります。現実的なのは8つ前後です。

配送前と配送後で分ける

いちばん大きな線は、商品が届く前か後かです。

届く前の問い合わせは、まだ発送されないのか、いつ届くのか、住所を変えたい、キャンセルしたい。これらの多くは、発送の速さと、注文後の案内の出し方で減らせます。届いた後の問い合わせは、状態が違う、使い方が分からない、返品したい。こちらは、商品ページと梱包と同梱物で減らせます。

打ち手の担当が違うので、この線で分けておくと、誰が動くかがすぐ決まります。

店の側に原因があるものと、そうでないものを分ける

二つ目の線は、原因の所在です。誤配送、欠品、梱包の不備、出荷の遅れは、店の側の作業に原因があります。イメージと違った、サイズが合わなかった、使い方が分からないは、店の作業ではなく説明の問題です。配送中の破損や遅延は、運送の側の問題です。

この三つを分けて数えると、どこに手を入れるかが決まります。店の側の原因が増えていれば、出荷の作業を見直します。説明の問題が増えていれば、商品ページを直します。運送の側なら、梱包を強くするか、運送会社と話す材料にします。

商品ごとに分ける

三つ目が、商品ごとの集計です。全体では少数でも、特定の商品に集中していることがあります。

たとえば返品の相談が月に12件あって、そのうち9件が同じ商品なら、その商品の説明か作りに原因があります。全体の割合だけを見ていると、この偏りは見えません。

商品ごとの集計は、全商品でやると重くなります。問い合わせが付いた商品だけを記録する形で足ります。付かない商品は、記録しなくても問題ありません。

分類を増やしすぎない

分類が増えると、受け付けた人が迷います。迷う分類は、人によって違う場所に入り、集計の意味が消えます。

判断に迷ったときの逃げ場として「その他」を必ず置きます。そのうえで、その他が全体の2割を超えたら、分類が現場に合っていないと考えて見直します。逆に、ある分類が半年間ゼロなら、その分類は消します。

分類は、返信の型と対応させる

分類を決めるときのもう一つの基準が、返信の型と対応しているかどうかです。分類ごとに返す文面が違うなら、その分類は使えます。同じ文面で返しているのに分類が分かれているなら、その二つは一つにまとめて構いません。

この基準で見直すと、分類はだいたい減ります。減ったほうが、選ぶ人の迷いも減ります。分類は集計のためだけの仕組みではなく、返信の手順とつながっていると、現場で自然に使われます。

逆に、同じ分類なのに返信の中身が毎回まったく違うなら、その分類は粗すぎます。分けたほうが、打ち手が具体的になります。

経路で分けると、打ち手が変わる

中身と別に、どこから届いたかでも分けます。

自社サイトのフォームから届くものは、入り口の作りを変えれば中身が変えられます。欄を足す、説明を足す、選択肢を増やす。手を入れられる範囲が広い。

モールのメッセージ欄から届くものは、入り口の形を店が決められません。モールの仕組みに従うことになるので、打ち手は商品ページの説明と、同梱物の案内に限られます。

電話は、内容が記録に残りにくい経路です。数えるには、受けた人が後から入力する必要があります。ここを面倒にすると入力されないので、項目を最小にします。日時、注文番号、分類、要点の四つで足ります。

チャットの窓口は、件数が多く、内容が軽いものに偏ります。同じ人が何度も送るので、件数の数え方を決めておかないと、実態より多く見えます。

経路ごとの割合が分かると、力を入れる場所も決まります。全体の7割がモールから来ているなら、自社サイトのフォームをいくら整えても、全体の詰まりは減りません。

返品の理由を、選択肢で残す

返品と交換に至った件については、理由を残します。ここが残っていないと、商品ページを直すときに何を直せばよいかが分かりません。

理由は自由記述ではなく、選択肢で残します。自由記述だと、書く人によって言葉が変わり、集計できません。「サイズが違う」と書く人と「大きすぎた」と書く人と「思っていたより大きい」と書く人が同じ現象を指していても、機械では同じものとして数えられません。

選択肢は、次の程度で足ります。届いた商品が壊れていた、違う商品が届いた、部品や付属品が足りない、サイズが合わない、色や質感がイメージと違う、使い方が分からない、注文の間違い、その他。8つです。

選択肢に加えて、一行だけ自由記述の欄を置きます。集計は選択肢で行い、直す場所を探すときに自由記述を読みます。両方あると、数字と理由がつながります。

理由の集計は、商品ごとに見ると効きます。同じ「サイズが合わない」でも、特定の商品に集中しているなら、その商品の表記に問題があります。全商品に薄く散っているなら、サイズ表の見せ方そのものを見直す話になります。

数える前に、言葉の意味をそろえる

集計が狂う原因のうち、意外に多いのが言葉の食い違いです。同じ言葉を、人によって違う意味で使っています。

まず「一件」の定義です。相談の単位なのか、メールの通数なのか、注文の単位なのか。同じ注文について二週間後に別の相談が来たとき、これを一件と数えるか二件と数えるか。決めておかないと、月ごとに数え方が変わります。

次に「解決」の定義です。返信を出した時点なのか、相手から返事が来た時点なのか、返金まで終わった時点なのか。ここが人によって違うと、解決までの時間がまったく当てになりません。

三つ目が「一次返信」の定義です。自動返信を含めるのか、人が書いたものだけを数えるのか。自動返信を含めると、数字は劇的に良くなりますが、実態を表しません。人が書いた最初の返信を一次返信と定義するほうが、判断の材料になります。

これらを紙一枚に書いて、受付をする人が見える場所に置きます。定義を書くだけで、集計の精度は目に見えて上がります。

数字を店の中でどう共有するか

集計を作っても、作った人しか見ていない状態では、打ち手につながりません。共有の形を決めます。

見せるのは、分類ごとの件数と、前の年の同じ月との比較、それと一次返信までの時間。三つだけです。表を大きくすると、見る人が読まなくなります。

共有の場は、月に一度の短い時間で足ります。数字を読み上げるのではなく、増えた分類を一つ選んで、そこに何をするかを決めます。決めたことは次の月に確かめます。この往復が成り立つと、集計は続きます。決めるところまで行かない集計は、必ず途中でやめます。

商品を仕入れている側や、作っている側にも共有する価値があります。返品の理由は、仕入れや製造の判断材料になります。受付の中だけで持っていると、直せる人に届きません。

広告や販売の数字と、無理につながない

問い合わせの集計を始めると、広告の費用や売上と結びつけたくなります。ここは慎重に扱ってください。

問い合わせは、注文の後に起きるものが中心です。広告を止めても、その月の問い合わせはすぐには減りません。時間のずれがあるので、同じ月で並べると誤った読み方になります。

つないでよいのは、割合で見る場合です。注文に対する問い合わせの割合が、ある販売経路だけ高いなら、その経路の説明の出し方に原因がある可能性があります。ここまでは言えます。それ以上を数字だけで結論づけるのは避けたほうが安全です。

受付の集計は、受付と商品と梱包を直すための道具です。販売の分析は別の数字で行うほうが、どちらの精度も上がります。

数えるために、受付の手間を増やさない

集計が続かない理由は、ほぼ一つです。数えるための入力が、返信の作業と別になっているからです。

返信を書いたあとで、別の表を開いて、日付と分類を打ち込む。この作業は、忙しい日に必ず飛ばされます。飛ばされた分は永久に埋まりません。月末に埋めようとしても、内容を覚えていないので、埋まった数字は当てになりません。

続く形は、返信の画面で分類を選ぶだけで数えられる形です。返信するときに一回だけ触れば、集計は自動で溜まります。手で集計しないことを最初の条件にしてください。

もう一つ、分類は受け付けた時点ではなく、返し終えた時点で選ぶほうが正確です。届いた文面だけでは分類できないことが多いからです。「商品について」と書かれた相談が、開けてみたら領収書の依頼だった、ということはよくあります。

いつ数えるか

集計の間隔は、月に一度で足ります。週に一度にすると、数が小さすぎて振れが大きく、判断を誤ります。

ただし、一次返信までの時間だけは、週に一度は見ます。ここが伸びているときは、人手が足りていないか、詰まっている件が溜まっています。月末に気づくと、一か月ぶん遅れています。

季節の振れは、前提として頭に入れておきます。ネットショップは、セール、年末年始、長い連休で問い合わせが跳ねます。前の月と比べると、この振れを実力の変化と読み違えます。比べるなら、前の年の同じ月と比べるか、注文に対する割合で見ます。

数えた結果を、何に使うか

数えた数字は、そのままでは何も変えません。使い道を先に決めておくと、集めるべきものも絞られます。使い道は、大きく四つあります。

商品ページの直し

いちばん効くのがここです。「イメージと違った」「サイズが合わなかった」の相談が集まっている商品は、ページに情報が足りていません。

足すのは、文章ではなく数字と写真です。実寸、重さ、素材、使用時の大きさが分かる写真、色の見え方の注記。相談の文面をそのまま読み返すと、何を足せばよいかが書いてあります。相談は、ページに足りないものの一覧です。

直したあとは、その商品の相談件数を翌月に見ます。減っていなければ、直した場所が違います。

梱包と発送の見直し

破損の相談が集中している商品は、梱包を変えます。どこが壊れているかは、写真が教えてくれます。角が潰れているのか、中身が動いているのか、緩衝材が足りないのか。

発送の遅れに関する相談が多い時期があるなら、そこに人を足すか、注文後の案内で見込みを先に伝えます。案内を先に出すだけで、届く前の問い合わせは目に見えて減ります。

人の配置と当番

一次返信までの時間を曜日と時間帯で並べると、詰まる時間が見えます。月曜の午前に集中している店は多い。週末に届いた分が溜まるからです。

見えたら、当番の組み方を変えます。月曜の午前だけ二人で見る、あるいは週末に一度だけ確認する時間を作る。人を増やさなくても、配分を変えるだけで一次返信の時間は縮みます。

同梱物と注文後の案内を直す

問い合わせの中には、商品に紙を一枚入れておけば防げたものが混ざります。使い方が分からない、返品の窓口が分からない、部品の名前が分からない。

どの紙を入れるかを決める材料が、分類ごとの件数です。件数の多い順に、上から三つだけ紙にします。全部を書いた分厚い説明書は読まれません。

注文後に送るメールも同じです。発送の連絡に、追跡の見方と、届かない場合の連絡先を一行ずつ足すだけで、配送に関する問い合わせは減ります。減ったかどうかは、翌月の分類ごとの件数で確かめられます。

自動の案内を足す

同じ質問が繰り返し来ているなら、その答えを問い合わせの手前に置きます。フォームの近く、注文の控えメール、同梱の紙。

ここで注意したいのは、手前に置いても問い合わせがゼロにはならないことです。読まずに送る人はいます。それでも、割合は下がります。下がったかどうかは、分類ごとの件数で確かめられます。

止まっている件を数える

終わった件を数えるのと同じくらい、終わっていない件を数える価値があります。

いま手元に、返信を待っている件がいくつあるか。相手の返事を待っている件がいくつあるか。返送を待っている件がいくつあるか。この三つは、月次の集計ではなく、いま見るべき数字です。

止まっている件の数が増えているとき、原因は二つです。人手が足りていないか、判断が止まっているか。前者なら配分を変えます。後者なら、決める人に回す道筋が詰まっています。

止まってからの日数も見ます。7日以上動いていない件は、たいてい忘れられています。日数で並べ替えられる形にしておくと、拾い上げるのが一目で済みます。

この数字は、件ごとに状態が残っていないと出せません。受信箱で受けている限り、未処理の件を数える作業は目視になります。目視は忙しい日に飛びます。

季節と行事の振れを、あらかじめ表に入れる

ネットショップの問い合わせは、暦に強く影響されます。前もって分かっている振れは、集計の表に先に書き込んでおきます。

大きなセールの前後には、注文が集中し、その数日後に配送に関する問い合わせが跳ねます。長い連休は、運送が止まるので「届かない」が増えます。贈答の需要がある時期は、贈り先の住所の間違いや、のしの指定に関する相談が増えます。

これらは店の問題ではありません。それでも件数は増えるので、実力が落ちたように見えます。表に印を付けておけば、見る側が誤解しません。

さらに一歩進めるなら、去年の同じ時期に何が増えたかを見て、今年は先に手を打ちます。去年「いつ届くか」が跳ねていたなら、今年は注文の控えメールに見込みを先に書きます。集計の価値は、こうやって次の年に使えるところにあります。

集計で間違えやすい点

同じ人からの複数の問い合わせ

一件の相談で三通のメールが来た場合、これを三件と数えるか一件と数えるか。決めておかないと、月によって数え方が変わります。

打ち手を決めるために数えているので、相談の単位で一件と数えるほうが役に立ちます。三通と数えると、往復が多い分類ほど件数が膨らみ、実態より重く見えます。

平均値だけを見る

一次返信までの時間は、平均だけを見ると実態が隠れます。ほとんどが一時間以内で、一件だけ三日かかっているとき、平均は良く見えます。しかし店の評価を決めるのは、その三日の一件です。

平均と一緒に、いちばん遅かった件を出してください。数字を一つ足すだけで、見え方が変わります。

セールの月を、平常月と混ぜる

セールの月は、件数も分類も分布が変わります。この月を含めて平均を出すと、平常時の状態が分からなくなります。

集計の表に、セールがあった月の印を付けておきます。印があれば、比べるときに外せます。

分母を確かめずに割合を出す

割合で見るのは正しいのですが、分母をそろえていないと意味がありません。注文件数を、キャンセルを含めた数で取るのか、出荷が完了した数で取るのか。月をまたいで届いた注文をどちらの月に入れるのか。

分母の取り方は、一度決めたら変えません。途中で変えると、過去との比較ができなくなります。変える必要が出たときは、過去のぶんも同じ取り方で出し直します。

数字だけで結論を出す

件数が減ったから改善した、と結論を出す前に、相談の文面をいくつか読んでください。数字は方向を示しますが、理由は文面にしかありません。

月に5件でよいので、分類ごとに実際の文面を読む時間を作ります。集計だけを見ていると、現場から遠くなります。

数えていない場所に、答えがあることがある

集計は、届いた問い合わせだけを対象にします。しかし、問い合わせずに去った人は、そこに入りません。

この抜けを埋める材料は、いくつかあります。返品や返金の件数、レビューの内容、注文の途中でやめた人の割合。問い合わせが減っているのにこれらが増えているなら、窓口が見つかっていない可能性があります。

窓口の見つけやすさは、簡単に確かめられます。自分の店のページを、注文の控えメールから順にたどって、問い合わせの入り口まで何回押せば着くかを数えます。3回を超えているなら、たどり着けない人がいます。

集計の数字を良くすることが目的ではありません。問い合わせが減ることが良いとは限らない、という前提を持っておくと、数字に引っ張られずに済みます。

数えた記録を、いつまで持つか

集計の元になるのは、氏名や住所を含む相談の記録です。集計そのものは個人が分からない形にできますが、元のデータは違います。

法律は、使う必要がなくなったデータについて次のように定めています。

個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならない。 出典: 個人情報保護委員会

取引の記録として保存が求められる範囲は、事業の形によって変わります。所管の窓口や専門家に確かめてください。

集計のために持ち続ける必要があるのは、日付と分類と経路と、返信までの時間です。ここに氏名や住所は要りません。月ごとの集計を別に残しておけば、元の相談の記録は期間を決めて消せます。集計を残すことと、個人の情報を持ち続けることは、分けて考えられます。

何から始めるか

一度に全部を始めると続きません。順番を決めます。

最初の月は、分類だけを付けます。四つでも構いません。配送、商品の状態、書類と手続き、その他。返信を終えたときに一つ選ぶ、それだけです。

二か月目に、注文件数と並べます。割合が出ると、増減の意味が読めるようになります。

三か月目に、一次返信までの時間を足します。ここまで来ると、どこに手を入れるかが自分で見えるようになります。往復の回数や商品ごとの集計は、必要になってから足せば足ります。

この形が成り立つかどうかは、受付の道具に左右されます。返信の画面で分類を選べて、そのまま集計になる形かどうか。無料で使える定番の道具と、送信されたあとの扱いがどう違うのかは、Googleフォームとの比較に、回答が表に溜まったあとで何が起きるかという観点から整理されています。

すでに自社サイトにフォームを置いている店であれば、Contact Form 7との比較に、送信の通知だけが飛ぶ状態と、送信後の管理まで持つ状態の違いがまとめられています。数えられるかどうかは、ここで分かれます。

実際にどう動くのかを先に見たい場合は、動くところを見るで、届いたあとの画面を触れます。分類を選ぶ操作が何手かかるかを見てください。送信されたあとの道具がそろっているかどうかは、作る画面からは分かりません。

同じ構造は、ネットショップ以外の受付でも出てきます。届いたものを分けて数えないと、どこを直せばよいかが決まらない。どの場面でどう詰まるのかは、問い合わせの受付に、受け取ってから返すまでの流れとして整理されています。修理や不具合の相談を別に受けている店なら、修理・サポートの受付も合わせて見ておくと、分類の切り方の参考になります。

最後に、数える目的をもう一度書きます。数字を出すことが仕事ではありません。次にどこへ手を入れるかを決めるために数えます。決められない数字は、集めても意味がありません。増やす前に、その数字を見て何を決めるのかを一行で言えるかどうかを確かめてください。

Q1. 問い合わせの件数以外に、まず何を数えればよいですか?

中身の分類です。配送、商品の状態、書類と手続き、その他の四つに分けるだけで、どこに手を入れるかが見えます。総数には打ち手がありません。次に足すなら、注文件数に対する問い合わせの割合と、一次返信までの時間です。この三つで、多くの店は判断できるようになります。

Q2. 同じ人から三通のメールが来た場合、何件と数えますか?

相談の単位で一件と数えるほうが役に立ちます。通数で数えると、往復が多い分類ほど件数が膨らみ、実態より重く見えるからです。ただし、往復の回数そのものは別に数える価値があります。往復が多い分類は、最初の返信で聞くことが足りていないというサインです。

Q3. 前の月と比べるのでは駄目なのですか?

ネットショップはセールや年末年始で問い合わせが跳ねるので、前の月と比べると振れを実力の変化と読み違えます。前の年の同じ月と比べるか、注文件数に対する割合で見てください。集計の表に、セールがあった月の印を付けておくと、比べるときに外せます。

Q4. 集計のための入力が続きません。どうすればよいですか?

返信の作業と入力が別になっていることが原因です。返信を書いたあとで別の表を開く形は、忙しい日に必ず飛ばされます。返信の画面で分類を一つ選ぶだけで集計が溜まる形にしてください。分類を選ぶのは、受け付けた時点ではなく返し終えた時点のほうが正確です。

Q5. 集計のために、相談の記録はいつまで持つ必要がありますか?

集計に必要なのは、日付と分類と経路と返信までの時間で、氏名や住所は要りません。月ごとの集計を別に残しておけば、元の記録は期間を決めて消せます。取引の記録として保存が求められる範囲は事業の形で変わるため、所管の窓口や専門家に確かめてください。

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