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飲食店で問い合わせの担当を決める|二重返信と放置を同時に止める

2026年9月7日 ・ Halict編集部

飲食店の問い合わせで担当が決まっていないと、同じ問い合わせに二人が返す事故と、誰も返さないまま日が過ぎる事故が同時に起きます。宴会や貸切の相談は台帳と厨房と決裁が絡むため、途中で人が変わると条件が食い違います。この記事では、専任の窓口を置けない店を前提に、担当の決め方と、決めたことを記録に残す方法を整理します。読み終えたときに、次の営業から誰が何を返すのかが決められる状態を目指します。

担当が決まっていない窓口で起きる二つの事故

宴会の問い合わせを複数人で見ている店では、二つの事故が繰り返し起きます。どちらも担当が決まっていないことから生まれ、原因は同じです。

一つ目は二重返信です。同じ問い合わせに、店長と社員が別々に返します。しかも内容が食い違います。片方は「その日は空いております」と返し、もう片方は台帳を見た後で「あいにく満席です」と返す。幹事の手元には矛盾した二通が並び、店の信用は一通目で失われます。

二つ目は放置です。誰かが返すだろうと全員が思い、誰も返しません。営業中に届いた問い合わせを全員が読んでいるのに、返信は一通も出ていないという状態が実際に起きます。読まれていないのではなく、読まれたうえで残っているところに難しさがあります。

この二つは反対の現象に見えますが、同じ穴から出ています。誰が返すのかが決まっていないという穴です。片方だけを潰そうとすると、もう片方が悪化します。全員が返す運用にすれば二重返信が増え、慎重に譲り合えば放置が増えます。

二重返信は謝って済む話ではない

宴会の相談で条件が食い違うと、幹事は社内でその情報を共有した後で訂正することになります。人数と日程を上長に報告した後で「やはり満席でした」と言い直す立場に立たされるため、店に対する不信は本人の不信より大きくなります。

さらに悪いのは、二通のうちどちらが正しいのかを店側もすぐには言えないことです。台帳を見た人と見ていない人がそれぞれ返しているため、正誤を確かめるところから始まります。訂正の連絡が遅れれば、その間に幹事は他店で決めます。

放置は件数が増えると必ず出る

問い合わせが一日に一件か二件なら、担当を決めていなくても回ります。誰かが気づいて返すからです。件数が増えると、この「誰かが気づく」が効かなくなります。

境目はおおむね一日5件のあたりにあると言われています。それを超えると、読んだ記憶と返した記憶が混ざり、返したつもりのものが残るようになります。忘年会や歓送迎会の時期には一日でこの水準を超えるため、平時は回っていた店ほど繁忙期に取りこぼします。

飲食店の窓口は専任を置けないことが前提

担当を決めるという話をすると、窓口の担当者を一人決めればよいと考えがちです。飲食店ではこれが成立しません。

理由は単純で、返信を書ける人がフロアにいるからです。店長も社員も、営業中は接客と調理に入っています。専任の窓口を置くには、その人を営業から外す必要があり、少人数で回している店では現実的ではありません。事務所に一日いられる人がいる店は例外です。

つまり、飲食店の担当の決め方は「誰か一人に固定する」ではなく、「そのときに手が空いている人のうち、誰が受け持つかを決まった規則で決める」形になります。この違いを踏まえないと、決めた担当が機能しません。

もう一つの制約は、シフトです。担当を決めても、その人が休みの日には誰も返せません。宴会の相談は日をまたいで続くため、途中で人が変わることを前提に設計する必要があります。引き継ぎが発生しない担当の決め方は、飲食店には存在しないと考えたほうが実務に合います。

担当の決め方は三つある

現場で使われている決め方は、大きく三つです。それぞれ向き不向きがあります。

当番制で日ごとに決める

もっとも単純なのは、日ごとに当番を決める方法です。シフト表に問い合わせの当番を書き込み、その日に届いたものはその人が返します。

利点は、迷いが出ないことです。届いた瞬間に誰の担当かが決まっているため、譲り合いも重複も起きません。シフト表を見れば誰でも分かるので、店長が不在でも回ります。

欠点は、当番がフロアから離れられない日に何も進まないことです。団体の予約が入っている日は、当番も接客に入ります。この日に届いた分は翌日に持ち越されます。持ち越しの決めごと、つまり翌日の当番が引き継ぐのか、前日の当番が翌日も見るのかを併せて決めておかないと、境目で落ちます。

用件の種類で分ける

二つ目は、用件によって担当を変える方法です。少人数の席の予約や設備の質問はフロアの社員が返し、貸切と大人数の宴会は店長が返す、という分け方です。

利点は、決裁を待つ回数が減ることです。貸切の可否や最低保証の判断は店長にしかできないため、最初から店長が受け持てば確認の往復が消えます。フロアの社員も、答えられない相談を抱え込まずに済みます。

欠点は、振り分ける作業が一段増えることです。届いたものを見て、これは店長、これはフロア、と分ける人が要ります。フォームの先頭に用件の種類を選ぶ設問を置いていれば、この作業は自動的に片付きます。設問が無い場合は、誰かが読んで振り分けることになり、その人が休むと止まります。

開いた人が名乗る

三つ目は、最初に開いた人が担当になると決める方法です。届いたものに自分の名前を書いてから作業を始めます。

利点は、手が空いている人が動けることです。当番制のような硬さがなく、忙しい日でも誰かが拾えます。少人数の店ではこの形が実態に合っています。

欠点は、名乗る操作を全員が確実に行わないと成立しないことです。名前を書かずに返信だけしてしまうと、二重返信が起きます。名前を書く場所が分かりにくかったり、書くのに手間がかかったりすると、忙しい日ほど守られなくなります。名乗りやすさが、この方法の成否を分けます。

担当欄をどこに持つか

どの決め方を採るにせよ、担当が誰かを記録に残す場所が要ります。ここが無いと、決めごとは頭の中だけの約束になります。

もっとも避けたいのは、受信箱の既読で担当を判断する形です。既読は「読んだ」を意味するだけで「返す」を意味しません。全員が読んだ結果、全員が既読になり、誰が担当かは分からなくなります。共有の受信箱を使っている店では、この状態が常態化しています。

次に避けたいのは、口頭での引き継ぎです。「あの件は自分が見ます」と言った内容は、聞いた人が覚えている間しか効きません。営業に入れば忘れます。翌日の朝には、誰が何を言ったかを誰も再現できません。

現実的なのは、問い合わせの一覧に担当の欄を一つ作る形です。表計算ソフトの列でも、フォームの管理画面の項目でも構いません。大事なのは、担当と状態が同じ行で見えることです。担当だけが分かっても、返したかどうかが別の場所にあると、結局二か所を突き合わせることになります。

担当欄には、名前をそのまま書きます。役職や記号で書くと、後から見た人が誰のことか分かりません。同じ名字の人がいる店では、下の名前まで書くか、店で使っている呼び名に統一します。

担当欄の隣には、状態の欄も置きます。未対応、対応中、返信済み、確定、見送りの五つがあれば、宴会の相談はすべて表せます。状態が多すぎると付ける側が迷い、少なすぎると実態を表せません。五つを超えるなら、そのうちのいくつかが同じ意味になっていないかを見直してください。

この二つの欄がそろうと、一覧を眺めるだけで次にやることが分かります。担当が空のものは名乗りが要る、対応中のまま日が経っているものは確認が要る、返信済みのまま返事が来ないものは追いかけが要る。眺めて判断できる形になっていることが、決めごとを続けられるかどうかを決めます。

一件の担当は一人にする

担当を二人にすると、二人ともが動かないか、二人ともが動くかのどちらかになります。中間はありません。

宴会の相談では、店長と社員が一緒に見たくなる場面があります。条件が複雑で、判断も要り、実務もある。このとき二人を担当にすると、店長は社員が返すと思い、社員は店長が判断してから返すと思います。結果として何日も止まります。

正しい形は、担当を一人に決めて、その人が必要に応じて他の人に確認を依頼することです。担当は返信を書いて送る責任を持ち、確認を依頼された側は答えを返す責任を持ちます。責任の種類が違うので、両方を担当と呼ばないでください。

依頼と確認の記録も、同じ行に残します。「厨房に確認中」「店長の判断待ち」と書いてあれば、次に見た人が状況を理解できます。この一行が無いと、担当者が休んだ日に、その件がどこまで進んでいるのか誰にも分かりません。

決裁が要るものの線を引く

担当を決めても、その担当が決められないことがあると、そこで止まります。止まる時間を短くするには、決めてよい範囲を数字で示します。

宴会と貸切で線を引くべきは三つです。貸切の最低保証をいくらまで下げてよいか、コースの内容をどこまで変更してよいか、そして通常の営業時間外の利用をどこまで受けてよいか。この三つが決まっていないと、ほとんどの相談で店長を待つことになります。

線の引き方は、幅ではなく数字にします。「常識の範囲で」「無理のない範囲で」と書くと、担当は判断できません。人数が20名以上なら担当が受けてよい、一人あたりの単価が4,000円を下回るなら店長に回す、といった形で書きます。実際の数字は店の採算によるので、自店の条件に合わせて決めてください。

線を引いたら、それを紙かデータで残します。口頭で伝えた線は、伝えた人が休むと消えます。新しく入った社員に同じ説明を毎回するくらいなら、一度書いて共有するほうが早く済みます。

線の外に出たものを、どう上げるかも決めます。店長に口頭で言うのか、記録に印を付けるのか。口頭だと営業中は伝わらず、伝わっても忘れられます。記録に「店長判断待ち」と書き、店長がその印の付いたものを一日一度見る。この形にすれば、上げたことと受け取ったことが両方残ります。

線は一度決めたら固定するものではありません。同じ種類の相談で毎回店長に上がっているなら、線が厳しすぎます。逆に、担当が受けた条件で採算が合わなかった件が続くなら、線が緩すぎます。数か月に一度、上がってきた件を並べて引き直してください。

引き継ぎで落ちる情報

宴会の相談は、初回の問い合わせから確定まで一週間から一か月続きます。この間に担当が変わることは避けられません。

引き継ぎで落ちやすい情報は決まっています。仮押さえの期限、幹事に伝えた条件のうち標準と違う部分、そして次に何をする予定だったか。この三つが落ちると、後任は最初から聞き直すことになり、幹事から見れば話が振り出しに戻ります。

対策は、この三つを毎回記録に書くことです。返信を送るたびに、期限と特例と次の予定を一行ずつ書き足します。書く手間は30秒ほどですが、引き継ぎのときに数十分を節約します。

とくに落ちやすいのが、標準と違う条件です。「今回だけ持ち込み料を無しにする」「開始を30分早める」といった約束は、担当者の頭の中にしかありません。後任が標準の条件で話を進めると、当日に食い違います。特例は必ず書き残すという決めごとを、店の規則として置いてください。

従業員に顧客の情報を扱わせるときの責任についても、法律で定めがあります。個人情報の保護に関する法律には、次のように書かれています。

個人情報取扱事業者は、その従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては、当該個人データの安全管理が図られるよう、当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。 出典: 個人情報保護委員会

担当を決めるということは、誰がその情報に触れるかを決めることでもあります。アルバイトを含めて誰まで問い合わせの画面を見られるようにするかは、あわせて決めておく必要があります。具体的な取り扱いの範囲に迷うときは、所管の窓口や専門家に確かめてください。

シフトと定休日をまたぐ

担当を決めるときにもっとも見落とされるのが、休みの日の扱いです。

担当者が休んでいる日に、その人が受け持っている相談へ返信が届きます。幹事は店の休みを知らないので、返信の期限を過ぎても待ちます。担当が出勤するまで放置するのか、他の人が代わりに返すのかを決めておかないと、この日数が丸ごと遅れになります。

現実的な決め方は、緊急度で分ける形です。日程が一週間以内に迫っているものは他の人が代わりに返し、それ以外は担当の出勤を待つ。この線があれば、代わりに返す側も判断できます。

代わりに返した場合は、担当欄を書き換えるのか、そのままにするのかも決めておきます。書き換えると経緯が分からなくなり、書き換えないと誰が最後に触ったのか分かりません。実務的には担当欄はそのままにして、対応した記録に代理で返した旨を書く形が扱いやすくなります。

連休の前には、その期間の担当を先に決めます。連休中は届く件数が増える一方で、店にいる人は少なくなります。誰がいつ画面を開くのかを決めていないと、連休明けにまとめて処理することになり、日程の近い相談から失注します。

複数の店を運営している場合

同じ会社で複数の店を持っている場合、担当の決め方はさらに複雑になります。届いたものがどの店宛かを判別する工程が増えるためです。

フォームを店ごとに分けていれば、この工程は不要です。届いた先がそのまま店を示します。一つのフォームで全店を受けている場合は、先頭に店舗を選ぶ設問を置き、その値で担当を振り分けます。

店をまたいで融通する場面も想定しておきます。ある店で人数が入らない相談を、近くの系列店に回せることがあります。回す手順を決めていないと、断って終わりになり、会社としては機会を失います。回すときは、幹事の了解を取ってから店名と担当者を伝え、相談の内容を回す先に渡します。この渡し方も担当の決め方の一部です。

本部が一括で受けて各店に回す形を取っている店もあります。この形は、返信の質をそろえられる利点がある一方で、本部と店の間で必ず一往復増えます。台帳と厨房の状況は店にしかないため、本部だけでは答えが出ないからです。本部が受けるなら、店に確認する工程を流れに組み込んでおく必要があります。

会社が違う店を運営している場合は、情報の扱いに注意が要ります。同じグループでも法人が別なら、顧客の情報を渡すことの意味が変わります。判断が難しい場面なので、扱う前に確かめてください。

経路ごとに担当が分かれてしまう問題

飲食店の宴会相談は、フォーム以外の経路からも入ります。経路ごとに見ている人が違うと、担当の決め方が経路の数だけ増えます。

典型的なのは次の分かれ方です。自社フォームは事務所のパソコンで社員が見る、グルメサイトのメッセージは店長のスマートフォンに通知が来る、店のSNSアカウントは広報を任されている若手が見る、電話はその場にいた人が受ける。四つの経路にそれぞれ別の担当がいて、全体を見ている人はいません。

この状態の問題は、同じ幹事から複数の経路で連絡が来たときに現れます。フォームで問い合わせた後、返事が遅いのでSNSにも送る、という行動は珍しくありません。受けた側はそれぞれ別の相談だと思って別々に返し、条件の違う二通が同じ相手に届きます。

対策は、経路を減らすか、集める先を一つにするかのどちらかです。減らすなら、SNSのメッセージ受付を止めてプロフィールに問い合わせページへの案内を置きます。集めるなら、どの経路で受けたものも同じ一覧に書き写し、そこで担当を決めます。書き写す手間は残りますが、担当の決め方が一つで済むという利点は大きいものです。

経路ごとに違う担当を置く形を続けるなら、少なくとも「同じ相手からの連絡かどうか」を確認する手順を入れてください。名前と電話番号で一覧を検索すれば、重複はすぐ見つかります。

アルバイトにどこまで任せるか

少人数の店では、社員だけで問い合わせを回しきれません。アルバイトに任せる範囲をどう決めるかが、実務上の論点になります。

任せやすいのは、答えが決まっている質問への返信です。駐車場の有無、支払い方法、飲み放題の時間、個室の人数、持ち込みの可否。これらはテンプレートを読んで送るだけなので、判断が要りません。この範囲だけを任せる形にすれば、社員は判断の要るものに集中できます。

任せにくいのは、金額と日程が絡むものです。見積の作成と仮押さえの判断は、間違えたときの影響が大きく、後から取り消せません。ここは社員か店長が受け持つ線にしておいたほうが安全です。

任せる範囲を決めたら、それを画面の権限とそろえます。範囲は決めたのに全員が全部の相談を見られる状態では、決めた意味が薄くなります。誰が何を見て、何を送れるのかを道具の側でも分けられるかどうかは、担当の決め方を実際に守れるかどうかを左右します。

任せるときは、送信の前に社員が目を通す形にするか、送ってから確認する形にするかも決めます。前者は事故が減る代わりに社員の手が要り、後者は速い代わりに間違いがそのまま出ます。定型の返信は後者、それ以外は前者、という切り分けが実務に合います。

宴会当日の担当は別に決める

問い合わせの担当と、当日の受け入れ担当は別の役割です。ここを同じ人だと思い込んでいると、当日に情報が渡りません。

問い合わせの担当が持っている情報のうち、当日に必要なものは限られています。人数、開始と終了の時刻、コースの内容、飲み放題の有無と時間、席の形、特例で約束したこと、支払い方法、当日つながる幹事の電話番号。この八つが当日の担当に渡っていれば、受け入れは回ります。

渡し方は、口頭ではなく紙かデータにします。当日の担当が出勤したときに、問い合わせの担当がいるとは限らないからです。前日までに一枚にまとめて、当日の担当が見る場所に置く。この作業を誰がいつやるのかまで決めて、初めて引き渡しになります。

とくに落ちやすいのが特例です。持ち込み料を無しにする、開始を早める、といった約束が当日の担当に伝わっていないと、幹事は前日までと違う説明を受けることになります。当日に言い直される経験は、それまでのやり取りの印象をすべて上書きします。

支払い方法も同じです。請求書での後払いを約束していたのに当日にレジで請求すると、幹事は社内での説明が付かなくなります。経理に渡す情報も含めて、誰が誰に何を渡すのかを一本の線にしておいてください。

決めた運用を点検する時間を作る

担当の決め方を変えても、守られているかどうかを確かめないと元に戻ります。点検の時間を週に一度、15分だけ取ってください。

見るのは三つです。担当欄が空のまま残っている件が何件あるか、返信の状態が何日も変わっていない件が何件あるか、そして同じ相手に二人が返した件が無かったか。三つとも一覧を眺めれば数えられます。

担当欄が空のまま残っているなら、名乗る操作が守られていません。操作が面倒なのか、決めごとが伝わっていないのかを確かめます。何日も動いていない件があるなら、抱え込みが起きています。担当を責めるのではなく、判断が止まっている場所を特定してください。

点検の結果は、記録に残さなくても構いませんが、次の週に同じ数字を見られる形にはしておきます。前の週より減っているかどうかが分かれば、決めごとが効いているかどうかも分かります。

担当を決めても放置が残るとき

担当を決めたのに返信が滞る場合、原因は担当の決め方ではなく、返せない事情にあります。

もっとも多いのは、答えが出せずに抱えているものです。貸切を受けるかどうか店長が決めかねている、厨房が対応できるか分からない。担当者は返信を書けないまま持ち続けます。この状態は、外から見ると放置と区別が付きません。

対策は、状態を書けるようにすることです。「判断待ち」と書ける欄があれば、放置ではないことが分かります。同時に、判断待ちのまま何日経ったかも見えます。3日以上動いていない件を毎週一度見直す時間を作れば、抱え込みは表に出ます。

次に多いのは、返信を書いたつもりで送っていないものです。下書きのまま閉じてしまうと、書いた本人は返したと記憶します。送信の記録と担当欄が同じ画面にあれば、この食い違いはすぐ見つかります。

三つ目は、担当者が自分の担当だと認識していない場合です。当番制を敷いていても、当番表を見る習慣が無ければ、当番の日に届いたことに気づきません。当番を決めるだけでなく、その日の始まりに当番が一覧を開く時間を決めてください。開く時間が決まっていない仕組みは、忙しい日に必ず飛ばされます。

四つ目は、返信の内容が決まらないまま日が過ぎているものです。断るべきなのか、条件を変えて受けるべきなのかを迷っている状態がこれにあたります。迷いは時間で解決しないため、判断の期限を決めます。届いてから2日で決まらないものは店長に上げる、という線を引いておけば、迷いが放置に変わる前に処理されます。

担当の名前を幹事にも伝える

店の中で担当を決めたら、その名前を返信の署名に入れます。宴会の相談は日をまたいで続くため、幹事の側にも窓口が誰かが分かっている必要があります。

署名に名前があると、幹事は次の連絡を宛名付きで送ってきます。宛名が付いた連絡は、店の中でも振り分けが楽になります。逆に「店舗スタッフ一同」のような署名で返していると、幹事は誰に返せばよいか分からず、電話をかけてきます。電話は記録に残りにくいので、経路が増えるほど取りこぼしの機会が増えます。

担当が変わったときも、その旨を一行添えます。「本件の担当が変わりましたので、以後は担当者名にてご連絡いたします」と書けば、幹事は混乱しません。書かずに別の名前で返信が来ると、話が引き継がれているのかどうかが分からず、同じ説明を繰り返されます。

署名には、名前に加えて店の電話番号と、返信できる時間帯を書きます。「ご返信は営業日の午後にまとめてお送りしております」という一行があるだけで、午前中の催促が減ります。

少人数の店でも担当を決める意味

店長と社員が一人ずつ、という規模の店では、担当を決める話は大げさに聞こえます。実際には、二人でも二重返信と放置は起きます。

二人だからこそ起きる形もあります。店長は「社員が見ているだろう」と考え、社員は「店長が判断するだろう」と考える。人数が少ないほど相手の動きが見えている気になり、確認しないまま日が過ぎます。三人以上の店なら「誰か」の顔が浮かばないので、かえって確認が入ります。

決めることは規模によらず同じです。誰が返すか、どこに書くか、いつ点検するか。この三つを決めるのに必要な時間は10分ほどで、道具も要りません。決めたことを紙に書いて事務所に貼るだけでも、口頭の約束より確実に残ります。

規模が小さいうちに形を作っておくと、人が増えたときにそのまま拡張できます。件数が増えてから運用を変えるのは、忙しい最中に手順を変えることになり、その混乱がそのまま取りこぼしになります。

担当を決めたあとに残ること

担当の決め方と担当欄の持ち方が決まれば、二重返信と放置はほとんど止まります。ただし、道具の側で決まる部分も残ります。

無料のフォームでも、集めるところまでは十分にできます。集めた回答に担当と状態を持たせられるかどうかという観点での違いは、Googleフォームとの比較で整理されています。表計算ソフトの列を手で増やして運用している場合、どこまでが自力でできてどこからが仕組みの話になるのかが見分けられます。

自社サイトのフォームから送信内容がメールで届くだけの形では、担当を記録する場所そのものがありません。届いたあとをどこに持つかという観点での違いは、Contact Form 7との比較にまとまっています。

担当を決めて、返したかどうかを残すという構造は、飲食店に限りません。同じ形は問い合わせの受付の場面で繰り返し現れます。応募者ごとに担当を決めて日程を返す採用の応募受付も、途中で人が変わる前提という点で共通しています。日程と人数を受けて会場を押さえるイベントの申し込みも同じです。

担当と状態をどう持てるのかはできることに一覧があり、実際の画面の動きは動くところを見るで確かめられます。

最後に、担当を決めるために店で決めることを並べておきます。当番制と用件別と名乗り制のどれを採るか、担当欄をどこに持つか、一件の担当を一人に限るか、担当が決めてよい範囲を数字で示すか、引き継ぎで必ず書き残す三つを何にするか、休みの日に代理で返す基準を何日以内にするか、複数店舗をどう振り分けるか、動いていない件を見直す時間を週のどこに置くか。この八つを決めれば、二重返信と放置は同時に止まります。決めごとはどれも費用がかからず、次の営業から始められます。

Q1. 飲食店で問い合わせの担当はどう決めるとよいですか?

専任を置けないため、当番制、用件別、名乗り制の三つから店の形に合うものを選びます。当番制は日ごとにシフト表で決める形で迷いが出ません。用件別は貸切や大人数を店長が受ける形で、決裁の往復が減ります。名乗り制は最初に開いた人が名前を書く形で、少人数の店に向きます。どれを選んでも、担当を記録に残す欄を同時に用意しないと機能しません。

Q2. 二重返信を止めるには何を変えればよいですか?

返信を書く前に担当の名前を記録に残す操作を必ず挟むことです。受信箱の既読では担当を表せないため、全員が読んだ結果、全員が既読になって誰の担当か分からなくなります。担当と返信の状態が同じ行で見える形にしてください。あわせて一件の担当を一人に限ります。店長と社員の二人を担当にすると、互いに相手が返すと思って止まるか、二人とも返してしまいます。

Q3. 担当者が休みの日に届いた相談はどうしますか?

緊急度で分けるのが現実的です。日程が一週間以内に迫っているものは他の人が代わりに返し、それ以外は担当の出勤を待ちます。この線を先に引いておけば、代わりに返す側も判断できます。代理で返したときは担当欄を書き換えず、対応の記録に代理である旨を書き足してください。書き換えると経緯が分からなくなり、後で確認するときに手間が増えます。

Q4. 担当が決められる範囲はどう決めればよいですか?

数字で線を引きます。「常識の範囲で」と書くと担当は判断できず、結局店長を待つことになります。貸切の最低保証をいくらまで下げてよいか、コースの変更をどこまで受けてよいか、営業時間外の利用をどこまで受けるか、の三つを金額と人数で示してください。決めた線は口頭ではなく書いて共有します。口頭の線は伝えた人が休むと消え、新しく入った人には伝わりません。

Q5. 引き継ぎで落ちやすい情報は何ですか?

仮押さえの期限、標準と違う特例の約束、そして次に何をする予定だったか、の三つです。とくに特例は担当者の頭の中にしかないことが多く、後任が標準の条件で話を進めて当日に食い違います。返信を送るたびにこの三つを一行ずつ書き足してください。書く手間は30秒ほどですが、引き継ぎのときに数十分を節約し、幹事に同じことを聞き直す事態も防げます。

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