飲食店の問い合わせ対応は、パソコンの前ではなくフロアと厨房のあいだで行われます。宴会や貸切の相談も、店側はスマートフォンで通知を見て、移動の合間に返すことになります。同時に、送ってくる幹事も通勤中や休憩中にスマートフォンから送っています。この記事では、両側がスマートフォンである前提に立って、送りやすいフォームの作り方と、片手で返すときの決めごとを整理します。読み終えたときに、通知の設定から送信前の確認まで、店で決めることが決められる状態を目指します。
飲食店の窓口はパソコンの前にいない
他の業種の問い合わせ窓口と飲食店が決定的に違うのは、担当者が座っていないことです。事務所にパソコンはあっても、営業中はそこに人がいません。
宴会の相談が届くのは、多くが平日の日中です。ランチのピークとその片付けに重なる時間帯で、店の全員がフロアと厨房にいます。通知はスマートフォンに来ますが、手はふさがっています。読めるのは、レジの合間か、仕込みの手を止めた一瞬です。
この状況で「事務所に戻って返す」という運用にすると、返信は営業が終わってからになります。閉店後に返した内容は翌朝まで読まれず、幹事の側では丸一日待たされた形になります。スマートフォンで返せる範囲を広げることが、そのまま返信の速さになります。
もう一つ、店長が複数の店を見ている場合は、移動中が返信の主な時間になります。電車やタクシーの中で、片手で読んで片手で返す。この前提を認めたうえで運用を作らないと、決めごとが守られません。
幹事もスマートフォンから送っている
送る側も同じです。宴会の幹事は、社内の業務の合間に会場を探します。昼休みや通勤中に、スマートフォンで店を検索し、その場で問い合わせを送ります。
このとき、入力欄が多いフォームは途中でやめられます。パソコンなら十問でも埋まりますが、片手の入力では五問でも長く感じます。とくに面倒なのが、日付の入力と、長い自由記述です。
つまり、スマートフォン対応とは画面の幅を合わせることではありません。片手で、五分以内に、集中が切れずに送り終えられるかどうかの問題です。表示が崩れていないだけでは足りません。
スマートフォンで見たときに困る三つのこと
店側がスマートフォンで問い合わせを扱おうとすると、決まって三つの場面で困ります。
一つ目は、一覧が読めないことです。表計算ソフトの表をスマートフォンで開くと、横に長い表が縮んで文字が読めません。拡大すると今度は行がずれます。結局、状況を確認するには事務所に戻るしかなくなります。
二つ目は、テンプレートが呼び出せないことです。定型の返信文がパソコンの中にしか無いと、スマートフォンからは使えません。その場で打ち直すことになり、内容がばらつきます。
三つ目は、添付されたファイルが扱いにくいことです。宴会の相談では、社内で作った案内文や座席の希望図が添付されてくることがあります。スマートフォンで開けても、返信に添付し直すのは手間がかかります。
この三つのうち、一つ目と二つ目は運用と道具の選び方で解決できます。三つ目は、扱う内容を絞ることで回避します。
送る側が片手で送れるフォームにする
まず、届く側の入り口を整えます。ここを直さないと、そもそも問い合わせが送られてきません。
設問の数は、片手で送れる範囲に収めます。宴会と貸切であれば、用件の種類、日程、人数、氏名、連絡先の五つが必須で、残りは任意にします。任意の項目が並んでいても、埋めずに送信できるなら負担にはなりません。必須の印が多いフォームだけが、途中離脱を生みます。
入力の種類も選びます。文字を打たせるより、選択肢から選ばせるほうが片手では速く終わります。人数を自由入力にすると打ち間違いが起きますが、幅のある選択肢にすれば一度のタップで済みます。予算も価格帯の選択式にします。
日付の入力は、とくに気を配る場所です。カレンダーから選ぶ形はパソコンでは便利ですが、スマートフォンでは月をまたぐ操作が煩わしくなります。第一希望と第二希望を文字で書ける欄にしておくと、幹事は「12月の第2週の平日」のような書き方もできます。厳密な日付でなくても、店の側は返せます。
自由記述は最後に一つだけ置きます。スマートフォンでの長文入力は負担が大きいので、設問文に「箇条書きで結構です」と添えます。この一言があると、短くても送ってよいと伝わります。
入力の途中で消えない工夫
スマートフォンからの送信で起きる事故が、入力の途中で画面が切り替わって内容が消えることです。電話が入る、別のアプリの通知を触る、といった中断は日常的に起きます。
途中の入力が保持される形かどうかは、道具によって違います。保持されないなら、フォームの冒頭に「入力は一度で送信してください」と書いておくよりも、設問を減らして一度で終わる長さにするほうが確実です。
送信後の確認画面も、スマートフォンでは短くします。長い確認画面を出すと、そこで離脱します。送信された内容は自動返信のメールに全文載せる形にすれば、確認画面は簡潔で足ります。
店側がスマートフォンで返すときに決めること
次に、返す側の決めごとです。三つあります。
通知をどこまで出すか
問い合わせが届くたびにスマートフォンが鳴る設定は、営業中には向きません。手が離せない時間帯に鳴り続けると、そのうち見なくなります。見なくなった通知は無いのと同じです。
現実的なのは、届いたことの通知は残しつつ、確認するのは決まった時刻にする形です。通知は「何かが届いた」ことを知らせるだけの役割にして、内容の確認と返信は15時前後にまとめます。
一方で、残しておきたい通知もあります。仮押さえの期限が来たときや、日程が近い相談が届いたときです。すべてを同じ強さで通知するのではなく、急ぐものだけを鳴らす設定にできるかどうかを確かめてください。
テンプレートをスマートフォンから呼べるようにする
片手で返信を書くなら、テンプレートは必須です。宴会の返信で必要なのは、一次返信、空きがある場合、空きが無い場合、貸切の条件、仮押さえの期限、確定の連絡の六つです。
置き場所は、スマートフォンから開ける場所にします。パソコンの中のファイルではなく、共有のメモか、フォームの管理画面の定型文の機能を使います。端末の文字入力の単語登録に入れる方法もありますが、内容を直すときに全員の端末を直す必要が出るので、共有の場所に置くほうが保守しやすくなります。
テンプレートには、書き換える場所が分かる印を付けます。片手での操作は取りこぼしが起きやすく、日付と人数と金額の書き換え漏れがそのまま送信されます。
送信の前に見る三点を決める
移動中の返信は、事務所で書くときより確認が甘くなります。見る場所を三つに絞って、必ず見る習慣にします。
日付、人数、金額。この三つだけを送信の前に見ます。宛先の間違いは道具の側で防げますが、この三つは人が見るしかありません。前の相談の内容が残ったまま送るという事故は、片手での操作でもっとも起きやすいものです。
三つを見る時間は数秒です。数秒を惜しんで誤った金額を送ると、訂正の連絡と謝罪で三十分を使います。
私物の端末で扱うときの線引き
飲食店では、店長や社員の私物のスマートフォンで問い合わせを見ている場合がほとんどです。この形は現実的ですが、決めておくことがあります。
個人情報の保護に関する法律には、次のように定められています。
個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。 出典: 個人情報保護委員会
私物の端末で幹事の氏名や電話番号を扱う以上、端末が紛失したときにどうするかを決めておく必要があります。画面のロックをかける、退職時にアクセスを止める、といった手順です。実際にどこまでの措置が求められるかは扱う情報や規模によって変わるため、判断に迷うときは所管の窓口や専門家に確かめてください。
運用として決めやすいのは、端末に情報を保存しないことです。画面上で見るだけにして、幹事の連絡先を端末の電話帳に登録しない。連絡先を登録すると、退職後もその人の端末に残ります。
もう一つ、アルバイトの端末をどう扱うかも決めます。答えが決まっている質問への返信だけを任せるなら、その範囲だけが見える形にできるかどうかが問題になります。全部が見える状態で一部だけを任せる運用は、線が守られません。
店の共有端末を置くという選択
私物の端末を使わせたくない場合は、店に共有のスマートフォンかタブレットを一台置く方法があります。
利点は、情報が端末から出ないことです。退職や異動のときに端末を回収すれば済み、私物に何も残りません。フロアの決まった場所に置けば、誰でも同じ画面を見られます。
欠点は、持ち出せないことです。移動中の返信には使えず、店にいるあいだしか触れません。店長が複数店を回る形の運営では、この制約が大きくなります。
折衷案として、共有端末を店に置きつつ、店長だけは私物からも見られるようにする形があります。この場合、誰がどの端末から見ているかを把握しておく必要があります。把握できない形で広がると、後から範囲を戻せません。
移動中に返すときの落とし穴
移動しながらの返信には、事務所では起きない失敗があります。
一つ目は、電波が切れて送信に失敗することです。送ったつもりが送れていないという事態は、地下鉄の移動中に起きます。送信済みの記録がどこに残るかを確かめておき、到着後にもう一度見る習慣を付けてください。
二つ目は、台帳が見られないまま答えてしまうことです。移動中は空き状況を確認できません。それでも「大丈夫だと思います」と返してしまうと、後で覆すことになります。移動中は一次返信だけを送り、確定的な答えは店に戻ってから出すという線を引いてください。
三つ目は、周囲に画面が見えることです。電車の中で幹事の氏名と電話番号を表示していると、隣の人に見えます。混雑した場所では開かない、という決めごとも運用のうちです。
四つ目は、変換の誤りです。片手の入力では誤変換が増え、そのまま送信されます。店名や商品名が誤っていると、印象を損ないます。三点確認に加えて、宛名の表記だけは目で追ってください。
スマートフォンでやることとやらないことを分ける
すべてをスマートフォンで完結させようとすると、無理が出ます。分けたほうが結果的に速くなります。
スマートフォンでやるのは、届いたことの確認、担当の名乗り、一次返信、定型の返信、期限の連絡。この五つです。どれも短く、判断が要らないか、判断の材料が手元にあるものです。
事務所でやるのは、見積の作成、台帳を見ての確定、コースの変更の相談、請求の対応。金額と日程が絡むものは、腰を据えて確認できる場所で扱います。
この線を引くと、移動中に何をすればよいかが明確になります。線が無いと、移動中に見積を作ろうとして中途半端に終わり、事務所に戻ってから作り直すことになります。
線引きは店の形によって変わります。事務所に戻れる時間が一日に一度しかない店では、スマートフォンでやる範囲を広げる必要があります。その場合は、台帳をスマートフォンから見られる形にしておくことが前提になります。
台帳を端末から見られるかで範囲が変わる
移動中にどこまで答えられるかは、予約の台帳を端末から見られるかどうかで決まります。ここが分かれ目になります。
紙の台帳を使っている店では、空き状況は店に戻らないと分かりません。この場合、移動中にできるのは一次返信までで、それ以上は無理をしないほうが安全です。「本日中に空き状況をお送りします」と返して、店で確認してから本返信を出します。
予約の管理を画面上で行っている店なら、移動中でも空きを見て答えられます。この差は大きく、返信までの時間が半日変わります。台帳を紙から変えるかどうかは、問い合わせ対応の速さという観点からも判断できます。
ただし、貸切の可否は空き状況だけでは決まりません。通常営業を止めた分を埋められるか、設営と撤収の時間を取れるかという判断が要ります。空きが見えても即答しない、という線は残しておいてください。
深夜と休日の通知をどう扱うか
問い合わせは営業時間外にも届きます。幹事が夜に送ることも、休日に送ることもあります。通知をそのままにしておくと、店の人の休みが削られます。
決めることは二つです。営業時間外に通知を出すかどうかと、出した場合に返すかどうかです。通知だけ出して返さない運用にすると、見た人の気が休まりません。返さないと決めたなら、通知も止めるほうが筋が通ります。
止めた場合の担保は、自動返信です。「ご返信は営業日の午後にまとめてお送りしております」と書いておけば、幹事は待ち方が分かります。深夜に返信が来ないことは、書いてあれば不満になりません。
例外として、日程が翌日に迫っている相談だけは通知を出すという形もあります。当日の人数変更や遅刻の連絡は、営業時間外でも受ける必要があります。この線を引いておけば、必要な連絡だけが届きます。
片手で状態を更新できるか
スマートフォンでの運用でもっとも見落とされるのが、返信の後に状態を更新する操作です。ここが面倒だと、更新されません。
返信を送った後に、状態を「返信済み」に変え、次の予定を書く。この操作が数タップで終わるなら守られます。別の画面を開いて表を横にたどる必要があるなら、忙しい日には飛ばされます。飛ばされた結果、返したかどうかが分からなくなります。
道具を選ぶときは、この操作を実際の端末で試してください。返信を書く画面と状態を変える画面が同じなら、忘れようがありません。離れていると、必ずどこかで抜けます。
期限の日付を入れる操作も同じです。仮押さえの期限は、返信を送る瞬間に決まります。その場で入力できないと、後から入れることになり、そのまま忘れられます。
一覧をスマートフォンで見られる形にする
スマートフォンで返す運用を成立させるには、いま何が残っているかをスマートフォンで見られる必要があります。
表計算ソフトの表は、この用途には向きません。横に長い表は縮んで読めず、拡大すれば行がずれます。無理に使うと、確認のたびに事務所へ戻ることになります。
必要なのは、一件が縦に一つのまとまりとして読める形です。幹事の名前、利用希望日、人数、状態、次の予定。この五つが縦に並んでいれば、片手で上から流し読みできます。
絞り込みができるかどうかも重要です。未対応のものだけを表示できれば、開いた瞬間に何をすべきかが分かります。全件から目で探す形では、移動中の数分では終わりません。
道具を選ぶときは、この点を実際の端末で確かめてください。パソコンの画面で判断すると、現場で使えないものを選ぶことになります。30秒で残数と次の予定が分かるかどうかが、実務での判断基準になります。
返信の文面もスマートフォンで読まれる
店側の端末の話ばかりになりがちですが、返信を読むのも幹事のスマートフォンです。書き方をそれに合わせると、伝わり方が変わります。
もっとも効くのは、結論を最初に置くことです。挨拶から始めて四段落目に空き状況が出てくる返信は、小さな画面では最後まで読まれません。「ご希望の日程でお席をご用意できます」を一行目に置き、条件をその下に並べます。
次に、条件を箇条書きにします。日付、時間、人数、コース、金額、飲み放題の有無。文章で続けて書くと、画面上では固まりに見えて読み飛ばされます。項目ごとに行を分けると、幹事はそのまま社内に転送できます。
長さも意識します。画面を三回めくる長さを超えると、途中で閉じられます。条件を漏れなく書こうとして長くなるより、要点を先に置いて、詳細は問い合わせがあってから足すほうが伝わります。取り消しの規定のように必ず伝えるべきことは、末尾に短くまとめます。
件名も重要です。宴会の相談は社内で共有されるため、件名に日付と人数が入っていると、幹事が探しやすくなります。「お問い合わせありがとうございます」だけの件名は、受信箱の中で埋もれます。
ファイルや写真の受け取り方を決める
宴会の相談では、文字以外のものが届くことがあります。座席の希望を書いた図、社内で作った案内文、当日の進行表。これらをスマートフォンでどう扱うかを決めておきます。
まず、フォームで受け取るかどうかを決めます。受け取る場合は、形式と枚数の上限を設問文に書きます。「PDFか画像で、3点まで」と書いておけば、大きなファイルが届いて開けないという事態を防げます。
受け取ったファイルが、返信の画面から見られるかどうかも確かめてください。メールの添付として届くだけだと、後から探すのに時間がかかります。相談の記録と同じ場所にファイルが残る形なら、当日に現場から確認できます。
スマートフォンで扱うなら、開くところまでで十分です。編集や作り直しは事務所で行います。移動中に図を修正しようとすると時間だけが過ぎます。
写真については、店から送る場面もあります。席のレイアウトや個室の様子を写真で送ると、文章で説明するより早く伝わります。よく使う写真は端末の中の決まった場所にまとめておき、すぐ添付できるようにしておいてください。
共有アカウントで見るときの注意
店で一つのアカウントを共有して、複数の端末から同じ画面を見ている場合があります。手軽な形ですが、二つの問題が出ます。
一つは、誰が操作したのか分からないことです。返信を送った記録は残っても、送ったのが誰かは残りません。担当を決める運用と組み合わせられないため、二重返信の原因になります。
もう一つは、退職や異動のときに全員のパスワードを変える必要があることです。一人が辞めるたびに全員へ新しいパスワードを配ることになり、実務上は放置されがちです。放置すると、辞めた人が見られる状態が続きます。
人ごとにアカウントを分けられるなら、そのほうが確実です。分けられない道具を使っている場合は、せめて操作の記録に名前を書き添える運用にしてください。誰が何をしたかが残らない仕組みは、人が増えるほど破綻します。
業務で使う端末の足回り
見落とされがちですが、端末そのものの条件も返信の速さに影響します。
充電が持たない端末では、夜の営業中に切れます。宴会の当日連絡は開始直前に入ることが多いため、切れたタイミングによっては幹事と連絡が取れなくなります。店に充電できる場所を用意しておいてください。
通信の状態も確認します。地下や奥まった場所にある店では、店内の一部で電波が入りません。返信を送ったつもりで送れていない事故がここで起きます。店内の無線接続を使えるようにしておくと、この問題は減ります。
端末の画面が小さすぎる場合、一覧の確認に時間がかかります。フロアに置く共有端末なら、タブレットのほうが向いています。持ち歩く端末とフロアの端末で、役割を分けて考えてください。
電話に切り替える判断
スマートフォンで扱ううえで、文字のやり取りを続けるより電話をかけたほうが早い場面があります。
条件が複雑で、往復が三回を超えそうな相談がその代表です。人数と日程と予算が同時に動いている状態では、文字でのやり取りは噛み合いません。5分の通話で片が付くことがあります。
ただし、電話に切り替えると記録が残りません。通話の後に、決まった内容を文字で送り直してください。「先ほどお電話でお話しした内容をまとめました」という一通があれば、幹事も社内で共有できますし、店の記録にも残ります。
電話をかける時間帯にも配慮が要ります。幹事は勤務中で、会議に入っていることもあります。フォームで「連絡がつきやすい時間帯」を任意で聞いておくと、この判断がしやすくなります。
スマートフォンでの運用を整えたあとに残ること
送りやすいフォームにして、通知とテンプレートを整え、やることとやらないことを分ける。ここまでで、移動の合間に返せる範囲は大きく広がります。残るのは、道具の選び方で決まる部分です。
無料のフォームでも、スマートフォンから送れる形にはできます。集めた後をスマートフォンから扱えるかどうかという観点での違いは、Googleフォームとの比較で整理されています。表計算ソフトを現場で開いて困っているなら、その理由がどこにあるかを見分ける材料になります。
自社サイトにフォームを置いて、送信内容がメールで届くだけの形では、状態も担当も端末からは分かりません。届いた後をどこに持つかという観点での違いは、Contact Form 7との比較にまとまっています。
現場で受けて現場で返すという形は、飲食店に限りません。同じ構造は問い合わせの受付の場面で繰り返し現れます。応募者から届いた内容を移動中に確認する採用の応募受付や、当日まで連絡が続くイベントの申し込みも同じです。
端末から何ができるのかはできることに一覧があり、実際の画面の動きは動くところを見るで確かめられます。運用の規模に応じた費用は料金で確認できます。
最後に、スマートフォンで受けて返すために店で決めることを並べておきます。必須の設問を五つに絞るか、日付を文字で書ける欄にするか、通知を鳴らす範囲をどこまでにするか、テンプレートをどこに置くか、送信前に見る三点を何にするか、私物の端末で何を保存しないと決めるか、共有端末を置くか、移動中にやることをどこまでにするか、一覧を端末で絞り込める形にするか、電話に切り替える基準を何往復にするか。この十を決めれば、フロアと移動の合間でも問い合わせは回ります。決めごとの多くは費用をかけずに始められ、決めた翌日から効きます。
Q1. スマホ対応のフォームとは画面幅を合わせることですか?
表示が崩れないことは前提で、それだけでは足りません。判断の基準は、片手で五分以内に集中が切れずに送り終えられるかどうかです。必須の設問を五つに絞り、人数や予算は自由入力ではなく選択肢にし、日付はカレンダーの操作ではなく文字で書ける欄にしてください。幹事は通勤中や昼休みに送るため、入力の手数がそのまま送信されるかどうかを決めます。
Q2. 問い合わせの通知はすべて鳴らすべきですか?
営業中に鳴り続ける設定は逆効果で、見なくなった通知は無いのと同じになります。届いたことは通知で知らせつつ、内容の確認と返信は15時前後にまとめる形が現実的です。一方で、仮押さえの期限が来たときや日程が近い相談は鳴らす価値があります。すべてを同じ強さで通知するのではなく、急ぐものだけを鳴らす設定にできるかを確かめてください。
Q3. 移動中に返してよい範囲はどこまでですか?
届いたことの確認、担当の名乗り、一次返信、定型の返信、期限の連絡までです。台帳を見られない状態で「大丈夫だと思います」と返すと、後で覆すことになります。見積の作成、台帳を見ての確定、コースの変更、請求の対応は事務所で扱ってください。線を引かずに移動中で全部を済ませようとすると、中途半端に終わって戻ってから作り直すことになります。
Q4. 私物のスマホで問い合わせを見ても問題ありませんか?
実務上は多くの店がそうしていますが、幹事の氏名や電話番号を扱う以上、端末の紛失や退職時の扱いを決めておく必要があります。決めやすいのは、端末に情報を保存しないという線です。画面上で見るだけにして、連絡先を端末の電話帳に登録しないでください。登録すると退職後もその人の端末に残ります。範囲の判断に迷うときは所管の窓口や専門家に確かめてください。
Q5. 文字のやり取りから電話に切り替える目安はありますか?
往復が三回を超えそうなときが目安です。人数と日程と予算が同時に動いている相談は、文字では噛み合わず、5分の通話で片が付くことがあります。ただし通話は記録に残らないため、終わった後に決まった内容を文字で送り直してください。相手が勤務中であることも多いので、フォームで連絡がつきやすい時間帯を任意で聞いておくと判断しやすくなります。
