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保育園に届いた問い合わせを返すまで|どこで止まりやすいかを先に決める

2026年9月6日 ・ Halict編集部

保育園の問い合わせに返信が遅れるとき、原因はたいてい文面を書く時間ではありません。書き始めるまでに止まっています。誰が開くのかが決まっていない、返す内容を決められる人がその場にいない、日程を出すのに別の表を探しに行く。この三つで一日が飛びます。

見学の申し込みは、返信が遅れた時点で価値が落ちます。保護者は同じ週に何園も見学の予約を入れており、先に返してきた園から埋まっていきます。入園の相談も同じで、年度の途中に預け先を探している人ほど、返事が来ないと次の園に移ります。

この記事では、保育園に届いた問い合わせを返すまでの流れを五つの段に分け、それぞれの段で何が起きて止まるのかを並べます。そのうえで、止まりどころを先に決めておくとどう変わるのかを整理します。保育の内容や入園の可否についての判断そのものには触れません。届いたものを受けて返す側の回し方の話です。

保育園の返信が止まるのは、書く時間が無いからではない

詰まるのは、開くことと決めることのあいだ

問い合わせの返信を書く作業そのものは、一件あたり数分で終わります。見学の日程を提案する文面も、入園の申し込み先を案内する文面も、内容はほとんど決まっています。それでも返信が翌日、翌々日にずれ込む。

止まっているのは、書き始める前の段階です。受信箱を開いたが、この件は自分が返すのか主任が返すのか分からない。開いたが、この月齢の枠が空いているのか自分では答えられない。開いたが、来週の見学の予定がどうなっているのかその場では分からない。どれも「あとで確認してから返そう」で閉じられ、そのまま埋もれます。

現場では、返信が遅れた件のほとんどが「一度は開かれている」と言われています。忘れられているのではなく、開いたあと保留になっている。だから、書く時間を増やしても解決しません。保留になる理由のほうを潰す必要があります。

返信を書ける時間帯が、一日に二つしかない

保育園の一日は、子どもの動きで区切られています。朝の受け入れが終わるまでは手が空きません。午前中は活動が続き、給食と午睡の準備に入ります。午睡の時間帯にようやく事務の時間が取れ、そのあとはおやつと降園の対応が始まります。夕方以降は、迎えに来る保護者への対応が続きます。

つまり、腰を据えて返信を書ける時間は、午睡の時間帯と、夕方の迎えがひと段落したあとの二回だけです。しかも午睡の時間には、日誌や連絡帳や書類仕事も同じ枠を取り合っています。

この前提を無視して「気づいたときに返す」という運用にしていると、返信は必ず後ろに寄ります。逆に言えば、その二回の枠に届いたものを全部乗せられる形にすれば、返信は今日のうちに終わります。流れを直すというのは、この二回の枠で処理し切れる状態を作るということです。

届いてから返すまでを、五つの段に分ける

流れを直すには、まずどこで切れているのかを見えるようにします。保育園の問い合わせは、次の五つの段を通ります。

受け取る

問い合わせが窓口に届く段です。フォーム、メール、電話、園に直接来た人。入り口が複数あるほど、この段でばらけます。フォームだけを整えても、電話で来たぶんが別のところに溜まっていれば、全体としては見えません。

この段で決めておくことは一つです。どの入り口から来ても、最後は一つの場所に並ぶようにすること。並ぶ場所が二つ以上あると、次の段以降が全部二重になります。担当も二重に付き、状態も二重に持ち、返したかどうかを二か所で確かめることになります。

保育園の入り口は、たいてい四つ以上あります。サイトのフォーム、園の代表アドレス、代表電話、そして自治体の子育て支援の窓口から回ってくる問い合わせ。園によっては、園庭開放に来た人から口頭で受けることもあります。全部をフォームに寄せるのは無理なので、寄せるのは並ぶ場所のほうだけにします。

仕分ける

届いたものを見て、用件と急ぎ具合を判断する段です。見学の申し込みなのか、入園の相談なのか、在園の保護者からの連絡なのか、営業の売り込みなのか。保育園の窓口には、この四つ目がかなりの割合で混ざります。

仕分けは、内容を読み込む作業ではありません。数秒で分類できる形になっているかどうかで、かかる時間が何倍も変わります。フォームの先頭で用件を選ばせていれば、この段はほぼ自動で終わります。本文を読まないと分からない形だと、一件あたり1分前後が毎回かかります。

決める

返す内容を決める段です。ここがいちばん止まります。見学の日程を出せるのは誰か、枠の空き状況を答えられるのは誰か、制度の説明を返すのは誰か。決められる人が限られていると、その人の手が空くまで全部が待ちます。

この段が止まっているとき、外から見ると何も起きていないように見えます。届いたものは一覧に残ったままで、担当者も「確認待ち」としか言えません。待っている相手には、無視されているのと区別がつきません。

返す

文面を作って送る段です。決まってさえいれば、ここは早い。よく返す内容の文面を用意しておけば、一件あたり数分で終わります。

注意したいのは、文面のひな型を作り込みすぎないことです。保育園への問い合わせは一件ずつ事情が違うので、完全に定型の文面をそのまま送ると、読んだ側は自分の質問に答えてもらえていないと感じます。骨組みだけを型にして、一段落だけその人向けに書く形が現実的です。

閉じる

返したことを記録して、その件を終わらせる段です。ここが抜けている園が非常に多い。閉じる作業が無いと、返したかどうかが人の記憶にしか残らず、二重返信と返し忘れが同時に起きます。

閉じるには、返信を送ったことに加えて、その件が終わったのかまだ続くのかの区別も要ります。見学の日程を提案しただけの件はまだ終わっていません。相手の返事を待っている状態なので、放っておくと返事が来ないまま消えます。返信済みと完了を分けて持つと、待っている件だけを追えます。

第一の詰まり、誰が開くかが決まっていない

窓口のアドレスを職員全員が見られるようにしていると、一見すると手厚い体制に見えます。実際に起きるのは逆です。全員が見られる状態は、全員が「誰かが対応しているだろう」と思う状態と同じです。

問い合わせが届いたときに全員に通知が飛び、全員がそれを見て、誰も手を付けない。夕方になって園長が確認して、まだ返していないことに気づく。これが日常的に起きます。逆に、二人が同時に気づいて、それぞれ違う内容で返してしまうこともあります。見学の日程が二つ提案されて届けば、送った側は混乱します。

止め方は単純で、届いたものに担当を付けることです。誰の手元にある件なのかが件ごとに見えれば、放置も二重も起きません。担当を決める方式そのものについては、問い合わせの受付に、届いてから返すまでの流れとして整理されています。

担当が付いていない状態のもう一つの困りごとは、外から状況を聞かれたときに答えられないことです。保護者から「先日フォームで送ったのですが」と電話が入ったとき、受けた人が受信箱を検索して、返したかどうかを判断することになります。検索して出てこなければ、届いていないのか返信済みなのかも分かりません。

担当を付けるときに気をつけたいのは、早い者勝ちにしないことです。手が空いている人が取る形にしないと、いつも同じ人に寄ります。保育園の場合、事務を兼ねている主任や園長に全部が集まりがちで、その人が休んだ日に窓口が止まります。

第二の詰まり、返す内容を決められる人が限られている

保育園の問い合わせのうち、園長でなければ答えられないものは、実はそれほど多くありません。見学の日程の提案、園の場所と行き方の案内、持ち物の説明、申し込み手続きの案内。この四つで、届く件数の大半を占めます。

それでも全部が園長に集まるのは、線が引かれていないからです。どこまでを担当者が判断してよいのかが決まっていないと、担当者は判断しません。間違えたときの責任が自分に来るからです。結果として、答えられる内容の件まで園長待ちになります。

線を引くというのは、返してよい内容を先に決めておくということです。見学の候補日はこの範囲から出してよい、この四つの質問にはこの内容で返してよい、それ以外は回す。この一枚があるだけで、園長の手元に来る件数が大きく減ります。

決められる人が一人しかいない状態は、その人の休みがそのまま窓口の停止になります。保育園は職員が交代で休む職場なので、ここは早めに崩しておく価値があります。

線を引くときは、細かく決めすぎないほうが続きます。判断の一覧を長く作ると、担当者はその一覧を読むために手を止めます。返してよい四つと、必ず回す三つ。この程度に絞ったほうが、実際に使われます。足りなければ、回された件を見ながら少しずつ足していけば済みます。

線を引いた効果は、園長の手元に来る件数で測れます。全部が来ていた状態から、判断が要る件だけが来る状態に変われば成功です。件数が減らないなら、線が伝わっていないか、担当者が線を信用していないかのどちらかです。

第三の詰まり、日程を出すのに別の表を開きに行く

見学の申し込みに返すとき、必要なのは候補日です。ところが多くの園で、見学の予定は問い合わせとは別の場所にあります。事務室の壁のカレンダー、共有の予定表、紙のノート。

返信を書こうとすると、その表を見に行くことになります。事務室にいれば数十秒ですが、保育室にいれば「あとで」になります。この「あとで」が、返信が翌日にずれ込む最大の原因です。

さらに、日程を確定させたあと、その予定を表に書き戻す作業も要ります。書き戻しを忘れると、同じ枠に二組を入れてしまいます。見学の受け入れは同じ時間に何組も入れられないので、これは当日に必ず問題になります。

見学の予定が事務室の壁にしか無い園では、担当が保育室に入っている時間帯の返信が全部止まります。窓口を回している人が現場にも入っている園、つまりほとんどの保育園で、この止まり方が起きます。

解決の方向は二つあります。一つは、問い合わせの件そのものに確定した日時を書き込める場所を作ること。もう一つは、園から出す候補日をあらかじめ固定してしまうことです。見学は毎週火曜と木曜の午前中だけ、と決めてしまえば、表を見に行く必要そのものが減ります。保育園の見学は活動している時間に見てもらう意味があるので、曜日を絞ること自体は不自然ではありません。

第四の詰まり、返したあとに閉じる作業が無い

返信を送った瞬間に、その件は担当者の頭の中では終わります。ところが受信箱の中では、送信済みのメールが送信箱に入るだけで、届いた側の一覧には何も変化がありません。次に開いた人には、返したのかどうかが分かりません。

この状態で二人以上が窓口を見ていると、二重返信が起きます。片方が日程を提案したあと、もう片方が別の日程を提案する。届いた側は、どちらを信じてよいのか分かりません。園としての信用に直結します。

逆の失敗も同じ理由で起きます。開いて読んで、あとで返そうと思って閉じた件は、外から見ると未対応の件と区別がつきません。夕方に一覧を見て「これは主任が見たはずだ」と判断され、そのまま誰も返さない。

必要なのは、件ごとに状態を持つことです。未対応、対応中、返信済み。この三つが件に付いていれば、一覧を上から見るだけで残りが分かります。状態を付ける手間は一件あたり数秒で、それによって消える確認の往復のほうがはるかに大きい。

状態を運用で持たせようとして、別の表に転記する形にすると続きません。転記は忘れられるうえ、忘れられたことに誰も気づけないからです。件そのものに状態が付いていて、その場で切り替えられることが条件になります。

返信の速さを決めるのは、文面ではなく分岐の数

用件ごとに、返し方の型を決める

保育園に届く問い合わせは、種類がそれほど多くありません。見学の申し込み、入園の相談、在園の保護者からの連絡、求人への応募、営業。この五つでほぼ尽きます。

種類が限られているなら、返し方も型にできます。見学の申し込みにはこの流れで返す、入園の相談にはこの流れで返す。型があると、担当者が毎回ゼロから考える必要がなくなります。考える時間が消えると、返信は同じ日のうちに終わります。

型は文面のひな型だけを指すのではありません。誰が返すか、いつまでに返すか、どこまでを自分で決めてよいか、決められないときは誰に回すか。この四つまで型に含めて初めて、止まらなくなります。

型で返せないものだけを、上に回す

型を作る目的は、全部を型で返すことではありません。型で返せないものを見つけやすくすることです。

保育園の窓口には、判断が必要な相談が一定数届きます。配慮が必要な子どもについての相談、在園の保護者からの苦情、報道機関からの取材の依頼。こうしたものは、担当者が単独で返してはいけません。型に当てはまらないものを「回す」と決めておけば、迷う時間が消えます。

回す先も一人に固定しないほうが安全です。園長が不在の日に回せる先が無いと、そこでまた止まります。

用件ごとに、返すまでの道筋がまるごと違う

見学の申し込みは、往復の回数で勝負が決まる

見学の申し込みで返すべきものは日程です。それだけです。園の紹介も、方針の説明も、当日にすればよい。ここで長い文面を書くと、確定までの往復が増えます。

往復が三回になると、そのあいだに一週間が経ちます。保護者はそのあいだに他の園の見学を確定させており、こちらの候補日はもう埋まっています。だから見学の返信は、一往復で確定させることを最優先にします。候補日を三つ出し、都合が合わなければこの範囲から選べる、という形にすると、二往復目で終わります。

確定したら、当日の持ち物と入り口の場所を一通で送ります。この一通があると、当日の電話が減ります。園の入り口が分かりにくい建物では、道に迷った保護者からの電話が受け入れの時間帯に重なります。

入園の相談は、正確さのほうが速さより重い

入園についての相談は、返信が一日遅れても致命的にはなりません。それより、返す内容がずれているほうが問題になります。認可を受けている園であれば、利用の申し込み自体は市区町村の窓口が受け付ける形になっているため、園が返すのは手続きの案内が中心になります。

ここで園が独自の説明を作ると、自治体の案内と食い違います。食い違った説明を信じて手続きが遅れると、その責任の話になります。だから入園の相談への返信は、自治体の案内をそのまま案内する形に寄せ、園として答えられる範囲を明示するのが安全です。

枠の空き状況のように園しか持っていない情報は、答えられる人を決めておきます。ここが決まっていないと、この用件だけが常に園長待ちになります。

在園の連絡、求人、営業を、同じ窓口で受けない

問い合わせの窓口には、見学と入園以外のものも届きます。在園の保護者からの欠席の連絡、求人への応募、業者からの売り込み。この三つは、返す人も、急ぎ具合も、まったく違います。

在園の保護者からの連絡がこの窓口に混ざるのは危険です。欠席や体調の連絡は当日の朝に届き、その日のうちに現場へ伝わらないと意味がありません。問い合わせの一覧に並んでしまうと、夕方に気づくことになります。在園の保護者には別の連絡先を案内し、窓口を分けます。

求人への応募と営業は、急ぎではありませんが数が多い。仕分けの段で分けておかないと、見学の申し込みがその中に埋もれます。用件を選ばせる欄があれば、この仕分けはほぼ自動で終わります。

一人で窓口を回している園が、最初に手を付けるところ

全部を直そうとしない

五つの段のうち、いちばん効くのは「決める」と「閉じる」です。受け取る形を変えるのは道具の入れ替えが要りますが、この二つは決めごとだけで動きます。

決めるところは、返してよい内容の線を引くこと。閉じるところは、返したら印を付けること。この二つを先に決めてから道具を選ぶと、道具に何を求めているのかがはっきりします。逆の順番で道具から入ると、機能は増えたのに運用が変わらないという結果になりがちです。

一日一回、決まった時間に一覧を上から見る

窓口を一人で回している園でいちばん確実なのは、時間を決めて一覧を上から見る習慣です。午睡の時間帯に15分を取り、未対応の件を上から順に処理する。処理できないものには理由を残す。

気づいたときに返す形をやめるのは、抜けを防ぐためです。気づくかどうかは、その日の忙しさに左右されます。決まった時間に見る形なら、忙しい日でも見落としが積み上がりません。

一覧が古い順に並んでいることも大事です。新しい順に並んでいると、いちばん待たせている件が下に沈みます。待たせている順に見えるかどうかで、取りこぼしの数が変わります。

電話で受けたものを、同じ流れに乗せる

保育園の見学の申し込みは、いまも相当な割合が電話で来ます。フォームの流れをどれだけ整えても、電話のぶんがそこに乗らなければ、全体としては見えません。

電話で受けたものは、その場で同じ一覧に手で入れます。聞き取る項目が決まっていれば、話しながら埋められます。名前、連絡先、子どもの生年月日、用件、希望日。この五つを聞く順番として固定しておけば、聞き漏らしも減ります。

その場で入れることに意味があります。あとでまとめて入力する運用にすると、必ず入らない日が出ます。入らなかった件は、どこにも存在しない件になります。当日になって「先週電話したはずですが」と言われて、記録が無い。これは保育園にとって最も避けたい種類の失敗です。

紙のメモで受けている園も多いのですが、メモは共有できません。受けた人が休んだ日に、その件は誰にも見えなくなります。

電話を減らしたいなら、フォームで送ったほうが早いと思ってもらう必要があります。そのためには、送信の直後に自動で一通返し、いつごろ返事をするかの目安を書きます。3日以内に連絡します、と書いてあれば、その3日は電話が鳴りません。何も返らない状態だと、届いたかどうかを確かめる電話が翌日に来ます。フォームを置いたのに電話が減らないという相談の多くは、返信の速さではなくこの一通が無いことが原因です。

返信が止まったまま忘れられる件を、拾い直す

待っている件と、止まっている件を分ける

返信を出したあと、相手の返事を待っている件が必ず溜まります。見学の候補日を三つ出して返事待ち、入園の相談に案内を返して反応待ち。この状態の件は、放っておくと静かに消えます。

消えること自体は問題ではありません。他の園に決まった人からは返事が来ないのが普通です。問題は、返事が来ていないのか、こちらが見落としているのかが区別できないことです。返信済みのまま何日も動いていない件を、一覧の中で見分けられるようにしておきます。

一週間動いていない件には、一度だけ短い確認を送ります。送っても反応が無ければ、そこで閉じてよい。閉じる判断の基準を決めておかないと、いつまでも「対応中」の件が積み上がり、一覧が信用できなくなります。

溜まった件を、月に一度だけ棚卸しする

日々の処理でどうしても取りこぼしは出ます。月に一度、対応中のまま残っている件を上から見る時間を取ります。30分もあれば終わります。

このとき見るのは、なぜ止まったのかです。決められる人が不在だったのか、日程が合わなかったのか、単に開かれていなかったのか。理由が同じ件が何度も出るなら、それが直すべき詰まりです。棚卸しは件を片付けるためというより、次の月の詰まりを一つ減らすために行います。

集めた情報を、流れの中でどう扱うか

問い合わせの流れを整えると、その分だけ情報が一か所に集まります。子どもの生年月日、保護者の連絡先、家庭の状況にかかわる記述。集めた時点で、園がそれらを預かることになります。

個人情報の保護に関する法律は、事業者に対して次のように定めています。

個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない。 出典: 個人情報保護委員会

流れの中で決めておくことは三つあります。誰が見られるのか、いつまで置いておくのか、返し終わった件をどう扱うのか。見られる人を絞る仕組みが道具の側にあるなら、それを使います。無い場合は、窓口を担当する人を決め、そこから必要な人にだけ渡す形にします。

置いておく期間は、園の運営の形によって変わります。何が適切かの判断に迷う場面では、所管の窓口や専門家に確かめてください。大事なのは期間を決めること自体で、決めていないと削除は誰の仕事にもなりません。

流れを直すときに、道具のどこを見て比べるか

第一の軸は、届いたものに担当と状態を持たせられるかどうかです。ここが無いと、上に書いた第一と第四の詰まりは運用では消せません。すでにサイトにフォームを置いている園であれば、Contact Form 7との比較に、送信の通知がメールで飛ぶだけの状態と、届いたものを一覧で持つ状態の違いがまとめられています。

第二の軸は、回答が表に溜まったあとに何ができるかです。無料で使える定番の道具との違いは、Googleフォームとの比較で、集めたあとをどう回すかという観点から整理されています。集める部分だけを見て比べると、この差は見えません。

第三の軸は、電話で受けたものを同じ一覧に入れられるかどうかです。入れられないなら、電話のぶんは永久に別管理になります。何ができるのかはできることに一覧があります。

実際にどう動くのかは動くところを見るで触れます。フォームを作る画面より、届いたあとの画面を長く見たほうが判断しやすい。送信されたあとの道具がそろっているかどうかは、作る画面を見ても分からないからです。費用の考え方は料金にまとまっています。

流れを直す順番を、決めておく

いちばん止まっているところから触る

五つの段を全部同時に直そうとすると、どれも中途半端になります。先に直すのは、いま最も止まっている段です。どこが止まっているかは、返信が遅れた件を数件だけ見れば分かります。

開かれてすらいない件が多いなら、受け取る段と仕分ける段の問題です。開かれているのに返っていない件が多いなら、決める段の問題です。返しているのに一覧に残ったままなら、閉じる段の問題です。この三つで、次に手を付ける場所が決まります。

決めごとから手を付ける

五つの段のうち、決める段と閉じる段は、道具を替えなくても動かせます。返してよい内容の線を引くこと、返したら印を付けること。この二つは決めごとなので、いまの形のままでも始められます。

道具の入れ替えは、決めごとを動かしてから考えます。順番を逆にすると、機能は増えたのに運用が変わらないという結果になりがちです。何を求めて道具を選ぶのかが、決めごとを動かしたあとにはっきりします。

変えたことを、書いて残す

新しい流れを職員に伝えるとき、朝の打ち合わせで口頭だけ、という形にすると崩れます。その日いなかった人には伝わらず、伝わった人も一週間で細部を忘れます。

誰が何を担当するのか、どこまで自分の判断で返してよいのか、迷ったら誰に回すのか。この三つが一枚に収まっていれば足ります。長い手順書を作ると読まれません。

流れを直したあと、何を見て良し悪しを判断するか

流れを変えたら、変わったかどうかを数字で見ます。見る材料は三つです。

一つ目は、届いてから最初の返信までにかかった時間です。平均ではなく、いちばん遅かった件を見ます。平均は早い件に引っ張られて、詰まりが見えません。3日を超えた件が月に何件あったかを数えるだけでも、傾向は分かります。

二つ目は、返信の一通目で用が済んだ件の割合です。確認のために一往復増えた件が多いなら、受け取る段の項目が足りていません。流れの問題ではなく入り口の問題なので、直す場所が変わります。

三つ目は、電話での問い合わせ件数の推移です。流れが早くなると、確認の電話が減ります。減らないなら、届いたことが相手に伝わっていない可能性があります。自動で返る一通に、いつごろ返すかの目安が書かれているかを確かめます。

この三つは、どれも文面の良し悪しを見ていません。見ているのは、止まっていた場所が動いたかどうかです。返信の流れを直す作業は、文章をうまくする作業ではなく、保留になる理由を一つずつ消す作業です。消せる理由が尽きたと感じたら、直近で遅れた件を数件だけ読み返します。まだ消せる理由がそこに残っています。

Q1. 保育園の問い合わせに、どれくらいの速さで返すのが目安ですか?

見学の申し込みは、翌日までに一通目を返せると取りこぼしが減ります。保護者は同じ週に複数の園を回っており、先に返してきた園から予定が埋まるためです。すぐに日程を確定できない場合でも、受け取ったことと目安の日数を伝える一通を先に返せば、その間は待ってもらえます。何も返さない状態がいちばん機会を失います。入園についての相談は一日遅れても致命的にはなりませんが、正確さのほうが効きます。

Q2. 職員全員が窓口のメールを見られるようにするのは、良い形ですか?

手厚く見えて、実際には放置が起きやすい形です。全員が見られる状態は、全員が誰かが対応していると思う状態と同じになります。同時に二人が返して日程が二つ提案される事故も起きます。届いた件ごとに担当が付き、返信済みかどうかの状態が残る形にすると、この二つは同時に防げます。窓口を開いていることと、実際に回っていることは別です。

Q3. 返信が遅れる原因は、文面を書く時間が足りないからですか?

ほとんどの場合は違います。遅れた件の多くは一度は開かれていて、返す内容を決められないまま保留になっています。誰が返すのか決まっていない、枠の空きを自分では答えられない、見学の予定表が手元に無い。この三つが主な理由です。書く時間を増やすより、保留になる理由を潰すほうが効きます。返してよい内容の線を先に引いておくのが、いちばん手早い一手です。

Q4. 電話で受けた問い合わせは、どう扱えばよいですか?

その場で、フォームで受けたものと同じ一覧に手で入れます。名前、連絡先、子どもの生年月日、用件、希望日の五つを聞く順番として固定しておくと、話しながら埋められます。あとでまとめて入力する運用にすると必ず入らない日が出て、記録の無い件が生まれます。紙のメモは受けた人が休むと共有できません。その日のうちに一覧へ入れる形にしておけば、誰が休んでも件は残ります。

Q5. 見学の日程は、園から先に候補を出したほうがよいですか?

曜日と時間帯をあらかじめ固定してしまうほうが、往復が減ります。毎週決まった曜日の午前中だけを見学の枠にすると、返信のたびに予定表を確認しに行く手間が消えます。保育園の見学は活動している時間に見てもらう意味があるので、枠を絞ること自体は不自然になりません。申し込みの段階で第三希望まで受け取っておくと、さらに早く確定します。

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