保育園のサイトに問い合わせフォームを置くと、その日から二種類の問い合わせが同じ欄に混ざって届きます。見学させてほしいという申し込みと、うちの子は入れるのかという相談です。この二つは、聞くべきことも、返す内容も、返すまでにかかる時間もまったく違います。
同じ欄で受けていると、開いた瞬間に困ります。返そうとしたら子どもの月齢が書いていない。日程を出そうとしたら候補日が一つしかない。電話しようとしたら日中の連絡先が分からない。結局、返信の前に一往復の確認が挟まり、その一往復のあいだに相手は別の園に問い合わせています。
この記事では、保育園の問い合わせフォームの項目を決めるために、折り返す前に分かっていないと困ることを先に並べ、そのうえで聞きすぎると届かなくなる線がどこにあるのかを整理します。保育の内容や入園の可否についての判断そのものには触れません。届いたものを受けて返す側の、受付の回し方の話です。
保育園に届く問い合わせは、最初から二種類が混ざっている
見学の申し込みと、入園の相談は別物
保育園の窓口に届くもののうち、いちばん数が多いのは見学の申し込みです。次に多いのが、入れるかどうかを知りたいという相談です。この二つを、多くの園がひとつのフォームで受けています。
見学の申し込みは、返す内容が日程です。園の側で候補日を出し、相手の都合と突き合わせ、確定させる。往復は最短で二回、日程が合わなければ三回か四回に伸びます。返信までの速さがそのまま印象になる種類の問い合わせで、遅れると他の園の見学が先に埋まります。
入園の相談は、返す内容が情報です。うちは何歳児の枠がいくつあるのか、いま募集しているのか、申し込みはどこにするのか。認可を受けている園であれば、利用の申し込み自体は市区町村の窓口が受け付ける形になるため、園が返すのは手続きの案内が中心になります。返信の速さより、正確さと分かりやすさが効きます。
聞くべき項目は、この時点でもう分かれています。見学なら希望日と人数、入園の相談なら子どもの月齢と希望時期です。ひとつの欄で受けるなら、どちらの用件なのかを先頭で選ばせないと、あとの欄の意味が決まりません。
送ってくる人の状況が、時期でまるごと変わる
保育園の問い合わせには、はっきりした季節の波があります。秋から冬にかけては、翌年度の入園に向けた見学が集中します。この時期に届くのは、複数の園を並行して回っている保護者からの申し込みで、日程の候補を出すのが遅れるとそのまま埋まります。
春から夏は、年度の途中で預け先が必要になった人の相談が増えます。育児休業から復帰する時期がずれた、転勤で引っ越してきた、いま通っている園が合わなかった。急ぎの度合いが高く、しかも枠が空いているかどうかがその場で分からないと話が進みません。
同じ「問い合わせ」でも、この二つは急ぎ方が違います。フォームの項目に希望時期の欄が無いと、受け取った側はどちらの話なのかを本文から読み取ることになります。本文を読めば分かることでも、一件ずつ読み解くのは時間がかかります。何十件も届く時期には、その時間が全部返信の遅れになって出ます。
現場では、見学の受付が始まる時期に問い合わせが一気に増え、電話とメールとフォームの三方向から同じ人が来ることも珍しくないと言われています。窓口をひとりで回している園ほど、この時期に取りこぼしが出ます。
折り返す前に分かっていないと困ること
子どもの生年月日が無いと、返す内容が決まらない
保育園の返信は、子どもの年齢によって中身が丸ごと変わります。何歳児のクラスに入る話なのかが決まらないと、募集の状況も、必要な持ち物も、預かれる時間も答えられません。
ここで年齢を「1歳」のように書かせると、受け取った側で計算し直す必要が出ます。保育園の学年は年度の初めの時点の年齢で決まるため、いま1歳でも、入園の時点では2歳児クラスということが普通に起きます。生年月日で受け取っておけば、園の側で該当するクラスを判断できます。
複数の子どもがいる相談も多いので、生年月日の欄は一つでは足りません。きょうだいで同時に預けたいという相談は、どちらか一方だけ枠が空いているという返答になることがあり、その説明のために両方の月齢が要ります。欄を二つか三つ用意し、二人目以降は任意にしておくのが実務的です。
入園を希望する時期が無いと、どの枠の話か決まらない
生年月日と同じくらい効くのが、いつから預けたいのかです。翌年度の四月からなのか、来月からなのか、まだ決まっていないのか。この三つで、返す内容がまったく違います。
四月からの入園であれば、申し込みの受付期間と、市区町村の窓口の案内が中心になります。年度の途中であれば、いまその月齢の枠が空いているかどうかという、園が直接持っている情報が要ります。まだ決まっていないのであれば、見学に来てもらう案内でいったん受け止めるのが自然です。
この欄が無いフォームは、返信の前に必ず一往復増えます。しかもその往復は、相手にとっては「まだ何も分からない返事」なので、待たされた感触だけが残ります。選択肢を三つか四つ置くだけで済む欄なので、優先して入れる価値があります。
連絡が付く時間帯が無いと、電話が届かない
保育園の返信には、電話が向いている用件が混ざります。枠の空き状況のように条件が細かい話は、文章で往復するより一回話したほうが早い。ところが保育園から電話をかけられる時間帯と、保護者が電話に出られる時間帯は、きれいにすれ違います。
園の側は、子どもが動いている時間に長い電話ができません。かけられるのは昼寝の時間帯か、夕方の迎えが始まる前の短い時間です。保護者の側は、その時間はたいてい仕事中です。かける、出られない、折り返しが来る、今度は園が出られない。この空振りが二往復も続くと、どちらも疲れます。
だから、連絡が付く時間帯の欄を置きます。午前中、昼過ぎ、夕方以降といった大まかな区切りで充分です。あわせて、電話とメールのどちらで返してほしいかも聞いておくと、空振り自体が減ります。電話を希望しない人にわざわざかけて留守番電話に残す作業は、両方の時間を捨てています。
見学の申し込みで、追加で聞いておく項目
希望日の候補は、必ず複数もらう
見学の日程調整でいちばん時間を食うのは、候補日が一つしか書かれていない申し込みです。その日が埋まっていれば、園から別の日を提案し、相手が確認し、また返ってくる。この往復が二回か三回続きます。
最初から第三希望まで書いてもらえば、たいていは一往復で確定します。欄を三つに分け、第一希望だけを必須にして、残りを任意にしておくのが現実的です。全部を必須にすると、まだ予定が読めない人が送信をやめます。
日にちだけでなく、時間帯の希望も一緒に受け取ります。保育園の見学は、子どもが活動している時間に見てもらう意味があるので、園の側が案内できる時間はもともと限られています。午前中の活動を見たいのか、給食の様子を見たいのか、夕方の様子を見たいのかで、案内できる曜日も変わります。
来る人数と、子どもを連れてくるかどうか
見学の受け入れには、人数が直接効きます。保育室に入れる人数には限りがあり、同じ時間に何組も入ると、子どもの活動そのものが止まります。大人が何人で来るのかは、必ず聞く欄に入れます。
もう一つ大事なのが、子どもを連れてくるかどうかです。見学に子どもを連れてくるのはごく普通のことですが、園の側からすると、受け入れの準備が変わります。抱っこで来るのか歩く子なのか、上のきょうだいも一緒なのかで、案内する経路も、目を配る人手も変わります。
祖父母が同行する相談も一定数あります。人数の欄を「大人の人数」と「同伴する子どもの人数」に分けておくと、この確認のための往復がなくなります。数を書かせるだけの欄なので、送る側の負担もほとんどありません。
何を見たいのかを、一行でもらう
見学の申し込みに自由記述の欄を一つ置き、気になっていることを書いてもらいます。これは案内する側のためというより、当日の時間配分のためです。
給食とアレルギーへの対応が気になっている人と、延長保育の時間が気になっている人では、案内で厚く話すところが違います。事前に分かっていれば、担当する職員を決めるときにも役に立ちます。その日たまたま手が空いている人が案内するのと、その話ができる人が案内するのとでは、伝わる量が変わります。
この欄は必須にしません。書ける人だけが書けばよい欄です。必須にすると、特に無い人が「特にありません」と入力するだけの欄になり、意味が消えます。
入園の相談で、聞く項目と聞かない項目
保育を必要とする事情は、フォームで深く聞かない
入園の相談を受ける欄で、つい聞きたくなるのが家庭の状況です。就労しているのか、求職中なのか、家族に介護が必要な人がいるのか。認可を受けている園であれば、こうした事情は市区町村が申し込みを受け付ける段階で確認する形になっています。園の問い合わせフォームで細かく集める必要はありません。
聞かないほうがよい理由は二つあります。一つは、集めた時点で園がその情報を預かることになるからです。保管の期間も、見られる人の範囲も決めないまま、家庭の事情が書かれた回答が窓口の担当者の画面に溜まります。もう一つは、書きにくい欄があると、そこで送信をやめる人が出るからです。
問い合わせの段階で必要なのは、返信の内容を決められるだけの材料です。事情の詳細は、話が進んでから、必要な場面で必要な分だけ聞けば足ります。
認可と認可外で、聞く項目が変わる
認可を受けている園と、認可を受けていない園では、問い合わせに対して返せることが違います。認可を受けている園では、利用の申し込みそのものは市区町村の窓口が受け付けるため、園の返信は見学の案内と手続きの説明が中心になります。項目も、見学に必要な情報を厚くしておけば足ります。
認可を受けていない園では、園が直接申し込みを受けることになります。この場合は、入園を希望する時期と月齢に加えて、預けたい曜日と時間帯まで問い合わせの段階で受け取っておくと、返信で空き状況を答えられます。週に何日か、何時から何時までかによって、答えが変わるからです。
自分の園がどちらなのかで、フォームの重心を変えます。両方の項目を全部並べると欄が長くなり、送信率が落ちます。
アレルギーや配慮の必要は、フォームで確定させない
食物アレルギーや、発達についての心配ごとは、問い合わせの段階でも書かれてきます。書いてくる人がいる以上、受け取る欄を用意しておくこと自体は自然です。ただし、その内容に対して問い合わせの返信で判断を返してはいけません。
対応できるかどうかは、園の体制と、医師の指示の内容と、実際の状況を見てからでないと決まりません。フォームの返信で「対応できます」と答えてしまうと、あとから条件が合わなかったときに、断る側も断られる側も苦しくなります。
現実的な扱い方は、欄は任意で置き、返信では「見学のときに詳しく聞かせてください」と受け止めるところまでにすることです。書いてもらったこと自体は、当日の担当を決めるための材料として使えます。
聞きすぎると、そもそも届かなくなる
必須の欄が増えるほど、途中でやめる人が出る
フォームの項目を決めるとき、受け取る側の都合だけで足していくと、必ず長くなります。長いフォームは、送信される前に閉じられます。保育園への問い合わせは、子どもが寝たあとや、通勤の途中に送られることが多く、腰を据えて入力する場面ではありません。
判断の基準は単純です。その欄が空でも返信できるなら、必須にしません。返信の内容が決まらない欄だけを必須にします。保育園の場合、必須になるのは名前、連絡先、子どもの生年月日、用件の種類、そして用件ごとに一つか二つです。
残りは任意で置きます。任意の欄は、書ける人が書いてくれます。書かない人には、返信のときに聞けば済みます。全部を必須にして送信率を落とすより、任意で受け取って必要なときだけ聞くほうが、届く数が多くなります。
自由記述だけにすると、今度は折り返しが遅くなる
反対の失敗もあります。欄を減らしすぎて、名前とメールアドレスと自由記述だけにしてしまう形です。送る側の負担は最小になりますが、届いたものが全部ばらばらの文章になります。
生年月日が書かれている人と書かれていない人、希望日が三つ書かれている人と一つも書かれていない人が混ざります。受け取った側は一件ずつ本文を読み、足りない情報を数えて、追加で聞く文面を作ることになります。1件あたりでは数分でも、見学の受付が始まる時期に30件届けば、それだけで半日が消えます。
自由記述は一つだけ置き、決まった項目は欄に分けます。分けた項目は、あとから件数を数えたり、月齢ごとに並べ替えたりもできます。文章の中に埋もれた情報は、集計もできません。
欄の並び順で、書きやすさが変わる
同じ項目でも、並べる順番で送信率は変わります。書きやすい欄を先に置き、考える必要のある欄を後ろに回します。名前と連絡先のように手が止まらない欄を先頭に置くと、そこまで入力した時点で途中でやめにくくなります。
逆に、いちばん上に長い自由記述の欄を置くと、そこで手が止まります。何を書けばよいのか分からないまま画面を閉じる人が出ます。自由記述は最後に一つ置き、見出しに「気になっていることがあれば」と添えておけば、書ける人だけが書いてくれます。
用件の種類を選ぶ欄だけは、例外的に先頭に置きます。あとの欄の意味がそこで決まるからです。選んだあとに見えてくる欄が変わる作りなら、なおさら先頭でなければ意味がありません。
必須と任意の線を、用件ごとに引き直す
用件の種類を先頭で選ばせると、必須にすべき欄が用件ごとに変わります。見学なら希望日が必須で、入園の相談なら希望時期が必須です。逆の欄は任意で構いません。
用件によって表示する欄を切り替えられる作りであれば、そのほうが送る側は楽です。切り替えができない場合でも、欄の見出しに「見学を希望する方のみ」「入園について相談したい方のみ」と書いておけば、空欄で飛ばしてよいことが伝わります。何も書いていないと、関係のない欄を前にして手が止まります。
個人情報を集める前に、決めておくこと
保育園のフォームで集めるのは、子どもの生年月日と、保護者の連絡先と、家庭の状況にかかわる記述です。集めた時点で、園がそれらを預かることになります。
個人情報の保護に関する法律は、事業者に対して次のように定めています。
個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。 出典: 個人情報保護委員会
何のために使うかを、送信ボタンの手前に置く
問い合わせフォームの下に、集めた情報を何に使うのかを一段落で書きます。見学の日程を調整するため、入園についての案内を送るため、といった具体的な用途です。長い規約への案内だけを置いても、その場では読まれません。
書く場所は送信ボタンの手前です。送ったあとの完了画面や、自動返信のメールに書いても、判断の材料としては遅すぎます。
いつ消すかを、受け取る前に決める
保育園の問い合わせは、見学に来なかった人、他の園に決めた人の分も溜まり続けます。消す期間を決めていないと、事実上の永久保存になります。同じ法律は、次のようにも定めています。
個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならない。 出典: 個人情報保護委員会
具体的に何か月が適切かは、園の運営の形によって変わります。判断に迷う場面では、所管の窓口や専門家に確かめてください。大事なのは、期間を決めること自体です。決めていないと、削除の作業が誰の仕事にもなりません。
見られる人を、あらかじめ絞る
窓口のアドレスを職員全員が見られる形にしていると、問い合わせの中身も全員が見られます。家庭の事情が書かれた相談まで、その日出勤している人全員の目に入ります。誰が見たのかも残りません。
見る人を絞る仕組みが道具の側にあるなら、それを使います。無い場合は、窓口を担当する人を決め、そこから必要な人にだけ渡す形にします。運用で回す場合は、決めごとを紙にしておかないと、担当が休んだ日に崩れます。
項目を決めたあと、届いたものを回すために足りなくなる欄
誰が返したかが、どこにも残らない
フォームの項目をどれだけ丁寧に設計しても、届いたものが受信箱に並ぶだけなら、返したかどうかは人の記憶に残ります。園長が返したつもりの件に主任がもう一度返す、あるいは両方が相手だと思って誰も返さない。この二つは、必ず両方起きます。
必要なのは、フォームの項目ではなく、届いたあとに件ごとに付けられる印です。担当者と、返信済みかどうかの状態。この二つが件に紐づいていれば、二重返信も返し忘れも見つかります。
見学の日程が、別の表に散る
見学の申し込みをフォームで受け、日程は別の予定表で管理している園は多い。問い合わせと予定が二か所に分かれると、直前の変更が片方にしか反映されません。当日になって、来るはずの人が来ない、あるいは記録に無い人が来る。
問い合わせの件そのものに、確定した日時を書き込める場所があると、この分断が消えます。項目を増やす前に、届いたあとに書き足せる場所があるかを確かめておく価値があります。
電話で受けたものが、フォームの表に入らない
保育園の見学の申し込みは、いまも半分近くが電話で来ます。フォームの表を整えても、電話の分がそこに入らなければ、全体像は見えません。誰にどこまで案内したのかを探すのに、また別の紙をめくることになります。
電話で受けた内容を、その場で同じ表に手で入れてしまうのが確実です。項目が決まっていれば、聞きながら埋められます。フォームの項目を決める作業は、電話の聞き取りの順番を決める作業でもあります。
送信の直後に自動で返す一通で、往復を減らす
届いたことを知らせないと、電話がかかってくる
問い合わせを送ったあと、何の反応も無いと、送った側は届いたかどうかを確かめたくなります。保育園の場合、その確認は電話で来ます。フォームを置いたのに電話が減らないという相談の多くは、返信が遅いのではなく、届いたことが伝わっていないことが原因です。
自動で返る一通に必要なのは、受け取ったという事実と、いつごろ返すかの目安の二つです。目安は具体的な日数で書きます。3日以内に園から連絡します、と書いてあれば、その3日は待ってもらえます。何も書かないと、翌日には電話が鳴ります。
送った内容を、そのまま控えとして返す
自動で返す一通に、入力された内容をそのまま載せておくと、あとの往復が減ります。送った側は自分が何を書いたかを覚えていません。見学の希望日を三つ出したはずが、実は二つしか埋めていなかった、といった食い違いは、控えがあればその場で気づいてもらえます。
園の側にとっても意味があります。折り返しの電話で「フォームに書いたとおりです」と言われたとき、相手の手元にも同じ文面がある状態なら、どこの話をしているのかがすぐ揃います。
自動の返信で、答えを一つ先回りする
問い合わせの内容にかかわらず必ず聞かれることは、自動で返る一通に書いておきます。保育園であれば、見学に子どもを連れてきてよいかどうか、駐車場や駐輪場があるかどうか、持ち物が要るかどうか。この三つはほぼ毎回聞かれます。
先に書いておけば、その分だけ往復が減ります。ただし、枠の空き状況のように条件で変わることは書きません。自動の文面で答えると、あとで違った場合に訂正の連絡が要ります。全員に同じ答えでよいことだけを載せます。
項目を決めるときに、道具のどこを見て比べるか
第一の軸は、送る側にアカウント登録を求めるかどうかです。求める形だと、そこでやめる人が出ます。保育園への問い合わせは思い立った瞬間に送られるので、手前に壁を置くと届く数がそのまま減ります。無料で使える定番の道具と、送信されたあとの扱いがどう違うのかは、Googleフォームとの比較で、回答が表に溜まったあとに何が起きるかという観点から整理されています。
第二の軸は、届いたあとに担当と状態を持たせられるかどうかです。すでにサイトにフォームを置いている園であれば、Contact Form 7との比較に、送信の通知だけがメールで飛ぶ状態と、届いたものを一覧で持つ状態の違いがまとめられています。項目を増やすより先に、この差のほうが効くことがあります。
第三の軸は、用件によって欄を出し分けられるかどうかです。見学と入園の相談を一つのフォームで受けるなら、ここができるかどうかで欄の長さが変わります。どこまでできるのかはできることに一覧があります。
実際にどう動くのかを先に見たい場合は、動くところを見るで、送信されたあとの画面がどうなっているかを触れます。フォームを作る画面より、届いたあとの画面のほうを長く見たほうが判断しやすい。送信されたあとの道具がそろっているかどうかは、作る画面を見ても分からないからです。
見学の申し込みは、日程の調整という点でイベントの受付に近い形をしています。同じ構造がどう回るのかはイベントの申し込みに、定員と日程を持った受付の流れとして整理されています。園の窓口全体をどう受けるかという広い話は問い合わせの受付のほうにまとまっています。
項目を変えるときの進め方
一度に全部を入れ替えない
欄を全面的に作り直すと、変えた直後に何が効いたのか分からなくなります。送信数が減ったとき、原因が欄の数なのか、並び順なのか、必須の増減なのかを切り分けられません。
先に変えるのは一つか二つにします。おすすめは、用件の種類を選ばせる欄を足すことです。これだけで仕分けの時間が消え、返信の速さが変わります。効果が見えてから次の欄に手を付けます。
変えたことは、いつ変えたのかを記録しておきます。数字が動いたときに、どの変更と重なっているのかを後から確かめられるからです。記録が無いと、良くなったのか悪くなったのかの判断まで感覚になります。
電話で聞いている項目と、そろえる
フォームの項目を決めたら、電話で受けるときの聞き取りもその順番にそろえます。二つがずれていると、電話で受けた件だけ情報が足りない状態になり、結局あとで聞き直すことになります。
そろえておけば、電話で聞きながらそのまま入力できます。フォームの項目を決める作業は、電話の聞き取りの台本を作る作業でもあります。窓口を複数の人で回している園ほど、この台本があるかどうかで聞き漏らしの数が変わります。
決めた項目が正しかったかを、何で確かめるか
項目は一度決めて終わりではありません。運用してみると、必ずずれが出ます。確かめる材料は三つあります。
一つ目は、返信の前に追加で聞いた回数です。折り返しの一通目が「確認させてください」で始まった件を数えます。この数が多い項目が、足りていない欄です。逆に、ほとんどの人が空欄で送っている任意の欄は、消す候補になります。
二つ目は、送信の途中でやめられた回数です。フォームを開いた数と送信された数の差が大きければ、欄が長すぎるか、書きにくい欄が混ざっています。どの欄で止まったかまで分かる道具であれば、そこを直接見ます。
三つ目は、電話に流れた件数です。フォームを置いた前と後で、電話の本数がどう変わったかを月ごとに数えます。フォームで送ってから電話をかけてくる人が多いなら、欄そのものより返信の速さのほうが疑われています。フォームがあるのに電話が減らないなら、フォームで済むと思われていないということです。項目の問題ではなく、返信の速さの問題であることも多い。ここを取り違えると、欄をいくら直しても電話は減りません。
この三つは、どれも項目そのものの良し悪しではなく、届いたあとに何が起きたかを見ています。フォームの項目は、届いたものを回す仕組みと切り離しては決められません。欄を足すか減らすかで迷ったときは、その欄が無いと返信が書けないのかどうかだけを見ます。書けるなら任意で足ります。この基準を一つ持っておくと、職員から欄を増やしたいという声が出たときにも、話が短く済みます。
Q1. 保育園の問い合わせフォームで、必須にすべき項目はどれですか?
保護者の名前、連絡先、子どもの生年月日、用件の種類の四つが土台です。そのうえで、見学なら希望日、入園の相談なら希望する時期を必須に加えます。判断の基準は単純で、その欄が空でも返信を書けるなら任意にします。返信の内容が決まらない欄だけを必須にすると、送信をやめる人を増やさずに済みます。残りの欄は任意で置けば、書ける人が書いてくれます。
Q2. 子どもの年齢は「何歳」で聞いてはいけないのですか?
禁止ではありませんが、生年月日で受け取るほうが確実です。保育園の学年は年度の初めの時点の年齢で決まるため、いま1歳でも入園の時点では2歳児クラスということが起きます。年齢で受け取ると園の側で計算し直すことになり、聞き直しの往復が生まれます。生年月日なら、その場でどのクラスの話かを判断できます。きょうだいの相談も多いので、欄は二つか三つ用意し、二人目以降は任意にしておくと足ります。
Q3. 家庭の就労状況や事情は、フォームで聞いておくべきですか?
問い合わせの段階では聞かないほうが実務的です。認可を受けている園であれば、こうした事情は市区町村が申し込みを受け付ける段階で確認する形になっています。書きにくい欄があると送信をやめる人が出ますし、集めた時点で園が預かる情報になります。話が進んでから、必要な場面で必要な分だけ聞けば足ります。問い合わせの段階で必要なのは、返信の内容を決められるだけの材料だけです。
Q4. 見学の希望日は、いくつ書いてもらえばよいですか?
第三希望まで欄を用意し、第一希望だけを必須にするのが現実的です。候補が一つしかないと、その日が埋まっていた時点で往復が二回か三回に伸びます。三つあれば、たいていは一往復で確定します。全部を必須にすると、まだ予定が読めない人が送信をやめるので、二つ目以降は任意にしておきます。園が受け入れられる曜日と時間帯を先に決めて選択肢にすると、さらに早く確定します。
Q5. アレルギーや発達についての心配ごとは、どう扱えばよいですか?
欄は任意で置き、返信では判断を返さないのが安全です。対応できるかどうかは園の体制と実際の状況を見てからでないと決まらず、フォームの返信で対応できると答えると、条件が合わなかったときに双方が苦しくなります。見学のときに詳しく聞かせてくださいと受け止め、書かれた内容は当日の担当を決める材料として使います。医師の指示に関わる書面まで問い合わせの段階で受け取ることは避けます。
